Life Science News from Around the Globe

Edited by Michael D. O'Neill

バイオクイックニュースは、サイエンスライター Michael D. O'Neillによって発行されている独立系バイオニュースメディアです

バイオクイックニュースは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中のバイオニュース(生命科学・医学研究の動向)をタイムリーにお届けします。バイオクイックニュースは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill.

LinkedIn:Michael D. O'Neill

10月 19, 2021 バイオクイックニュース日本語版

テキサス大学MDアンダーソン癌センターの研究者らによって、炎症と膵臓癌発症の関連性が明らかに

テキサス大学MDアンダーソン癌センターの研究者らによる新たな発見により、炎症と膵臓癌発症との間の長年にわたる関係が明らかになった。2021年9月17日にScience誌のオンライン版に掲載された研究結果によると、膵臓細胞は、繰り返される炎症エピソードに対する適応反応を示し、最初は組織の損傷を防いでいるが、変異型KRASが存在すると腫瘍の形成を促進することがわかったという。著者らは、膵臓癌の約95%に見られる変異型KRASが、この適応反応をサポートすることで、癌の原因となる変異を維持しようとする選択圧が働くことを明ら…
449
10月 17, 2021 バイオクイックニュース日本語版

ジョンズ・ホプキンス大が主導した国際研究により、膵臓癌タンパク質のユニークな側面が早期発見と新しい治療法につながる可能性が示唆された

ジョンズ・ホプキンス・キンメル癌センターの研究者が率いる大規模な国際共同研究により、膵臓癌の遺伝子やタンパク質の様々な側面を調べた結果、膵臓癌の治療や早期診断のための有望な新しいターゲットが特定された。この研究成果は、2021年9月16日にCell誌のオンライン版に掲載された。このオープンアクセスの論文は、「膵臓腺癌のプロテオゲノミック・キャラクタリゼーション(Proteogenomic Characterization of Pancreatic Ductal Adenocarcinoma)」と題されている。…
430
10月 14, 2021 バイオクイックニュース日本語版

エクソソームを用いたHIV治療の研究で成果。マウスにおいて骨髄、脾臓、脳内のHIVレベルが低下することが判明。

NIHの支援を受けて行われた新しい研究では、細胞から放出され、他の細胞に取り込まれる可能性のある微小なナノ粒子であるエクソソーム(画像)を用いて、HIVに感染したマウスの細胞内に新しいタンパク質を送り込んだ。このタンパク質は、HIVの遺伝物質に付着してHIVの複製を阻止し、その結果、骨髄、脾臓、脳内のHIVの量が減少した。この研究は、NIHの国立精神衛生研究所(NIMH)からの資金提供を受け、2021年9月20日にNature…
356
10月 12, 2021 バイオクイックニュース日本語版

腫瘍抑制因子hnRNP E1(RNA結合タンパク質)はDNAにも結合し、 ゲノム上の損傷センサーとしても機能していることが発見された

癌の特徴の一つは、ゲノムの不安定性、つまり細胞分裂の際に突然変異やDNAの損傷が蓄積してゲノムが変化してしまう傾向にあることだ。DNAの突然変異は、紫外線やX線の照射、発癌物質として知られる特定の化学物質などによって生じるが、我々の細胞は、損傷したDNAを監視し修復するメカニズムを発達させている。ゲノムの安定性は、ある種のメッセンジャーRNA(mRNA)の翻訳によっても脅かされることがある。DNAからコピーされたmRNAは、タンパク質を作るための遺伝暗号として機能する。特定のmRNAは、癌の転移に関連していることが…
352
10月 10, 2021 バイオクイックニュース日本語版

細胞外小胞に含まれる因子を含む間葉系間質細胞からの分泌因子が、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌スーパーバグによる感染症の治療に有望であることが示された

2021年9月16日、STEM CELLS Translational Medicine(SCTM)誌のオンライン版に掲載された、コーネル大学獣医学部の一部であるベイカー・インスティテュート・フォー・アニマル・ヘルス(ニューヨーク州)の研究者らによるex…
354
10月 07, 2021 バイオクイックニュース日本語版

研究によりホリネズミの生物蛍光が明らかになった

動物を見ているだけで、多くのことを知ることができる。しかし、中には暗闇の中で・・・つまり紫外線のついた懐中電灯を使わなければわからない秘密もある。それは、砂地の地下に住む小さなげっ歯類、ホリネズミだ。ジョージア大学(UGA)の研究者らが発表した新しい論文によると、気が強く、孤独で、丸い頬を持つこの動物は、紫外線の下でのみ明らかになる特別な能力を持っているという。ホリネズミは、紫外線を照射すると、色のついた光を放つ生物蛍光体である。画像は、紫外線を照射したホリネズミだ(出典:UGA)。2021年7月19日にThe…
419
10月 05, 2021 バイオクイックニュース日本語版

腫瘍抑制遺伝子と免疫系との間における、魅力的で予想外の関係が明らかになった

何百もの癌関連遺伝子が、病気を引き起こす上で、科学者たちの予想とは異なる役割を果たしていることがわかった。腫瘍抑制遺伝子と呼ばれるものは、長い間、細胞の成長を妨げ、癌細胞が広がるのを防ぐことが知られていた。これらの遺伝子に変異があると、腫瘍が野放しになってしまうと科学者らは考えていた。今回、ハワード・ヒューズ・メディカル研究所(HHMI)の研究者であり、ハーバード大学医学部のグレゴール・メンデル遺伝学・医学教授であるStephen…
477
9月 30, 2021 バイオクイックニュース日本語版

天然の機能を持つ合成エクソソームを開発。創傷治癒や新しい血管の形成を制御・支援する重要なメカニズムが明らかに。

マックスプランク医学研究所(ドイツ・ハイデルベルグ)とDWIライプニッツ相互作用材料研究所(ドイツ・アーヘン)の研究者らは、創傷閉鎖時の細胞シグナルを制御する合成エクソソームを開発した。この合成構造は、体内のさまざまなプロセスで細胞間のコミュニケーションに基本的な役割を果たしている、天然の細胞外小胞[編集部注:エクソソームは細胞外小胞のサブセット]に似せて作られている。この研究者は、創傷治癒や新しい血管の形成を制御・支援する重要なメカニズムを明らかにした。細胞から天然の細胞外小胞を分離するのではなく、プログラム可能…
404
9月 21, 2021 バイオクイックニュース日本語版

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、他の犬種よりも有害な遺伝子変異を多く持っていることが判明

近年の犬の品種改良により、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルに病気を引き起こす変異が含まれており、その中には一般的な心臓疾患である粘液腫性僧帽弁膜症(MMVD)に関連する変異も含まれていた。ウプサラ大学のErik Axelsson博士らは、この新しい知見を2021年9月2日にPLOS Genetics誌のオンライン版で発表した。このオープンアクセス論文は、「犬種形成の遺伝的帰結-キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの粘液性僧帽弁疾患に関連する不自然な遺伝的変異の蓄積と突然変異の固定化(The…
349
9月 16, 2021 バイオクイックニュース日本語版

片頭痛に悩まされている人は2型糖尿病になりにくい理由を探る研究成果

片頭痛に悩まされている人は2型糖尿病になりにくく、また、糖尿病になった人の中には片頭痛になりにくい人もいる。今日、これらの疾患の関連性を研究している科学者らが、片頭痛の痛みを引き起こすペプチドが、マウスのインスリン分泌に影響を与えることを報告した。おそらく、分泌されるインスリンの量を調節したり、インスリンを産生する膵臓細胞の数を増やしたりすることで、インスリンの分泌に影響を与えるのだろう。この発見は、糖尿病の予防や治療法の改善につながる可能性がある。アメリカ化学会秋季大会(ACS Fall…
469
9月 12, 2021 バイオクイックニュース日本語版

『恐怖の香り』で農作物を害虫から守る新技術がアメリカ化学会秋季大会で発表された

家庭菜園や農家にとって、草食昆虫は彼らの努力や作物の収穫を妨げる大きな脅威となっている。これらの昆虫を捕食する捕食昆虫は、害虫が感知できる匂いを発し、害虫は食べられないように行動を変え、さらには生理的にも変化する。従来の農薬に対する昆虫の耐性が高まる中、このたびペンシルバニア州立大学の研究者らは、捕食者が発する「恐怖の匂い」をボトルに詰めて、刺激の強い物質を使わずに自然に破壊的な昆虫を撃退・撹乱する方法を開発したと報告した。 2021年8月25日、アメリカ化学会の秋季大会(ACS Fall…
483
9月 09, 2021 バイオクイックニュース日本語版

牛乳からエクソソームを精製するスケーラブルな方法を開発。臨床応用への道が開かれる。

エクソソームとは、細胞がデリケートな分子を保護し、全身に届けるために作るナノサイズの生体カプセルである(他にも機能がある)。エクソソームは、酵素による分解や、腸や血流中の酸性度や温度の変化にも耐えられる丈夫なカプセルであり、ドラッグデリバリーの候補として期待されている。しかし、臨床レベルの純度を達成するためにエクソソームを採取するのは、複雑なプロセスを要する。バージニア工科大学(VTC)のFralin Biomedical Research Instituteの教授であり、Center for Vascular…
529
9月 07, 2021 バイオクイックニュース日本語版

COVID-19ウイルスの広範な変異種から防御する抗体を発見。変異種間で変化の少ない受容体結合ドメイン(RBD)を標的としている。

現在のCOVID-19を引き起こすウイルスは、はるか昔の2019年12月に最初に人々を病気にしたウイルスと同じではない。現在流行している亜種の多くは、元のウイルスに基づいて開発された抗体ベースの治療薬の一部に部分的に耐性を持っている。パンデミックが続くと、必然的にさらに多くの亜種が発生し、耐性の問題は大きくなる一方だ。ワシントン大学医学部(セントルイス)の研究者らは、広範囲のウイルス亜種に対して低用量で高い保護効果を示す抗体を発見した。さらに、この抗体は、ウイルスの亜種間でほとんど違いのない部分に結合するため、この…
347
9月 06, 2021 バイオクイックニュース日本語版

フジツボをヒントにした新しい組織接着剤が外傷治療に役立つ可能性

マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らは、フジツボが岩にしがみつくために使う粘着性物質にヒントを得て、傷ついた組織を密封し、出血を止めることができる、強力で生体適合性のある接着剤を設計した。この新しい接着剤は、表面が血液で覆われていても接着することができ、塗布後約15秒でしっかりと密閉することができるという。このような接着剤を使えば、外傷の治療や手術中の出血を抑えるのに、より効果的な方法を提供できる可能性があるとこの研究者らは述べている。「我々は、人間の組織のように湿っていて動的な環境という、困難な環境におけ…
500
8月 31, 2021 バイオクイックニュース日本語版

ロックフェラー大学の研究により、匂いを認識する受容体の仕組みに光が当てられた

あらゆる感覚は世界の豊かさに対応しなければならないが、嗅覚を司る嗅覚系の挑戦はその比ではない。虹のすべての色を感じるためには、目の中に3つの受容体があれば十分だ。しかし、色鮮やかな世界は、何百もの分子で構成され、形や大きさ、性質が大きく異なる何百万もの匂いを持つ化学の世界の複雑さに比べると見劣りする。例えば、コーヒーの香りは、200種類以上の化学物質の組み合わせから生まれる。それぞれの化学物質は、構造的に多様であり、どれかだけではコーヒーの香りはしない。ロックフェラー大学の神経科学者Vanessa…
525
8月 30, 2021 バイオクイックニュース日本語版

女性の生殖寿命に影響を与える約300の遺伝子変異が特定され、マウスで生殖寿命を延ばすための遺伝子操作に成功

女性が閉経を迎える年齢は、生殖能力にとって非常に重要であり、女性の健康的な加齢にも影響を与える。しかし、生殖年齢の研究は科学者にとって困難であり、その基礎となる生物学についての洞察は限られていた。今回、女性の生殖寿命に影響を及ぼす約300の遺伝子変異が特定された。さらに、マウスを用いて、これらの遺伝子変異に関連するいくつかの重要な遺伝子を操作し、生殖寿命を延ばすことにも成功した。この研究成果は、2021年8月4日にNature誌のオンライン版に掲載され、生殖加齢プロセスに関する知識を大幅に増やすとともに、どのような…
516
8月 26, 2021 バイオクイックニュース日本語版

肝臓の再生を制御するのは細胞間の接触数であることがオルガノイドシステムを利用した研究で発見された

アリストテレスの時代から、ヒトの肝臓は体内の臓器の中で最も再生能力が高いことが知られており、70%切断しても再生することができるため、生体肝移植が可能になった。肝臓は損傷を受けても完全に再生するが、その再生プロセスの活性化や停止、再生が終了するタイミングを制御するメカニズムは、まだ解明されていなかった。…
428
8月 24, 2021 バイオクイックニュース日本語版

Circle Damage Sequencing 法によってメラノーマのDNA変異の原因を解明

メラノーマの原因となる突然変異は、従来考えられていたDNAのコピーエラーではなく、主に太陽光によるDNAの化学変換に起因することが、ヴァンアンデル研究所(VAI)の研究者らによる研究で明らかになり、Science Advances誌2021年7月30日号に掲載された。このオープンアクセス論文は、「メラノーマの突然変異の主要なメカニズムは、ピリミジン二量体中のシトシンの脱アミノ化にあることがCircle Damage Sequencingで明らかになった(The Major Mechanism of…
396
8月 22, 2021 バイオクイックニュース日本語版

進行性白血病の生存率向上に、あるRNA結合タンパク質の除去が有効であることがマウスによる研究で判明

UCLA Jonsson Comprehensive Cancer Centerの科学者が主導したマウスを用いた研究によると、まれで攻撃的なサブタイプの白血病でしばしば過剰に発現するタンパク質を除去することで、癌の進行を遅らせ、生存の可能性を大幅に高めることができるという。この研究成果は、RNA結合タンパク質であるIGF2BP3(insulin-like growth factor 2 mRNA-binding protein…
486
8月 19, 2021 バイオクイックニュース日本語版

ライス大学の研究チームが1型糖尿病のためのインスリン産生インプラントを開発中

2021年7月27日、ライス大学(テキサス州ヒューストン)の生物工学者が3Dプリントとスマートバイオマテリアルを用いて、1型糖尿病患者のためのインスリン産生インプラントを製作していることが発表された。この3年間のプロジェクトは、Omid Veiseh博士とJordan…
407
8月 18, 2021 バイオクイックニュース日本語版

ネアンデルタール人とデニソワ人の血液型が解読され、遺伝的多様性の低さ、人口動態の脆弱さ、アフリカ起源の可能性を裏付ける結果に。

フランスの生物文化人類学研究ユニット(CNRS / エクス・マルセイユ大学 / EFS)の研究チームは、3体のネアンデルタール人と1体のデニソワ人の血液型を分析し、アフリカ起源、ユーラシア大陸への拡散、初期のホモ・サピエンスとの交配に関する仮説を確認した。また、遺伝的多様性が低く、人口統計学的に脆弱である可能性を示す証拠も発見された。この研究成果は、2021年7月28日にPLOS ONEのオンライン版に掲載された。このオープンアクセス論文は、「ネアンデルタール人とデニソワ人の血液型を解読(Blood Groups…
567
8月 16, 2021 バイオクイックニュース日本語版

眼球新生血管治療用の抗体を送達するエクソソーム製剤が開発された。マウスモデルと霊長類モデルの両方で、強力な治療効果を確認。

中国科学院プロセス工学研究所(IPE)、北京朝陽病院、クイーンズランド大学(オーストラリア)の研究者らは、脈絡膜新生血管治療のための血管内皮増殖因子(VEGF)抗体を送達するために、制御性T細胞エキソソーム(rEXS)をベースにした新しい製剤を開発した。2021年7月26日にNature Biomedical Engineeringのオンライン版に掲載されたこの論文は、「制御性T細胞由来のエクソソームに結合した開裂性VEGF抗体による脈絡膜新生血管の抑制(Reduction of Choroidal…
467
8月 10, 2021 バイオクイックニュース日本語版

末梢神経損傷の迅速な修復を可能にする新しい方法:断裂した神経線維の再生を促進するスマートゲルを充填した神経誘導チューブが開発された

毎年、世界中で何十万人もの人々が末梢神経を損傷し、長期にわたる障害を負っている。末梢神経系は、循環器系に似ている。血管のネットワークが体のあらゆる部分に到達するが、血管の中を血液が流れる代わりに、電気信号が軸索と呼ばれる細い繊維を介して情報を伝達し、神経幹に取り込まれる。この神経幹は、全身の情報を脳に伝え、活動を調整し、運動機能や感覚機能を生み出す通信網である。手足の損傷によく見られるように、神経幹の1つが損傷したり断裂したりすると、痛みや麻痺、さらには生涯にわたる障害が発生する可能性がある。…
377
8月 06, 2021 バイオクイックニュース日本語版

現代の裸子植物は3億5千万年以上前のゲノム重複で誕生した可能性が報告された

植物はDNAを溜め込む生き物である。後で役に立つかもしれないものは絶対に捨てないという信念のもと、植物は自分のゲノム全体を複製して、追加された遺伝子の荷物を抱え込むことが多い。余分な遺伝子は、自由に変異して新たな特徴を生み出し、進化の速度を速める。今回の研究では、松、ヒノキ、セコイア、銀杏、ソテツなどの種子植物である裸子植物の進化の歴史において、このような複製イベントが極めて重要であったことが明らかになった。本研究は、現代の裸子植物の祖先が、3億5千万年以上前にゲノム重複を起こしていたことが、裸子植物の起源に直接貢…
411
8月 03, 2021 バイオクイックニュース日本語版

腫瘍細胞の体内浸潤を防ぐフローセンシングプロテイン(TRPM7)を発見

腫瘍細胞が血流に乗って体の他の部分に広がるのを防ぐのに役立つと思われる特殊なタンパク質が発見された。ジョンズ・ホプキンス大学の化学・生体分子工学博士候補で、アルバータ大学およびポンペウ・ファブラ大学(スペイン)の同僚と共同で行った本研究論文の筆頭著者であるKaustav Bera 氏は、「我々は、このTRPM7(transient receptor potential cation channel subfamily M member…
669
8月 02, 2021 バイオクイックニュース日本語版

哺乳類の幹細胞は、植物や昆虫と同じ方法で、RNAウイルスから身を守ることができることを発見

フランシス・クリック研究所(英国)の研究者らは、これまで哺乳類の進化とともに消滅したと考えられていた、SARS-CoV-2やジカウイルスなどのRNAウイルスから哺乳類の幹細胞を守るための重要なメカニズムを発見した。このメカニズムを利用して、新しい抗ウイルス治療法を開発できる可能性があるという。…
487
7月 29, 2021 バイオクイックニュース日本語版

高速かつ可逆的なタンパク質-タンパク質相互作用のみで構成される合成回路をMITのエンジニアが世界で初めて設計に成功

合成生物学とは、ある化学物質を感知すると蛍光を発するなど、細胞に新しい機能を持たせる方法だ。通常は、ある入力をきっかけに遺伝子が発現するように細胞を改変することで実現する。しかし、細胞が必要な遺伝子を転写したり翻訳したりするのに必要な時間があるため、分子を検出するようなイベントと結果としての出力との間には、長いタイムラグがあることが多い。…
485
7月 27, 2021 バイオクイックニュース日本語版

ムチンを人工的に製造する方法を発見。将来、消化管内の粘液効果を模倣した薬が誕生するかもしれない。

多くの人は、粘液を本能的に嫌なものだと思っているが、実は、我々の健康にとって信じられないほど多くの貴重な機能を持っている。我々の大切な腸内フローラを絶えず注意し、バクテリアの餌となっている。また、体の表面を覆い、外敵から身を守るバリアとして、感染症から身を守る役割も果たしている。これは、粘液が細菌を出し入れするフィルターの役割を果たしているからで、細菌は食間の粘液に含まれる糖分を餌にしている。そこで、体内にすでに存在する粘液を適切な糖分で作り出すことができれば、まったく新しい医療に利用できるかもしれない。…
492
7月 26, 2021 バイオクイックニュース日本語版

早期癌の腫瘍マーカーを安価で高感度に検出する新しい磁化ナノビーズをオーストラリアの研究チームが考案

グリフィス大学(オーストラリア)の研究者らは、癌の腫瘍マーカーを検出する新しい方法を開発し、早期診断に役立てようとしている。クイーンズランド・マイクロ・ナノテクノロジーセンターのムハマド・シディキー准教授と、グリフィス創薬研究所の細胞工場・バイオポリマーセンターのディレクターであるベルント・レーム教授が率いる研究チームは、新しいクラスの超常磁性ナノ材料を用いて、卵巣癌などの腫瘍マーカーを安価で高感度に検出する方法を考案した。 この研究成果は、2021年6月29日にACS Applied Materials and…
537
7月 21, 2021 バイオクイックニュース日本語版

アリやハチのように社会的に行動するテッポウエビの一種が、巨大なゲノムを持つことが判明。社会的特性がゲノム構造に影響か?

コロンビア大学のダスティン・R・ルーベンスタイン博士(生態学・進化学・環境生物学教授)率いる研究チームは、2021年6月15日にPNASのオンライン版に掲載された論文で、同じ海産テッポウエビ科の中でも、Synalpheus はゲノムサイズと社会行動が大きく異なるだけでなく、時間とともに共進化していることを明らかにした。このグループは、アリやハチのような真社会性社会で生活するように進化した唯一の海洋生物であり、コロニー内の一部の個体が自分の生殖を放棄して他の個体の子孫を育てる手助けをすることから、長年にわたって研究さ…
534
7月 19, 2021 バイオクイックニュース日本語版

COVID-19モノクローナル抗体療法は、高リスク患者に早期投与することで医療システムの負担を軽減することができるとの報告

南フロリダ大学(USF Health)とタンパ総合病院(Tampa General Hospital)が新たに発表した研究によると、モノクローナル抗体は、リスクの高い患者に早期に投与することで、 COVID-19 に関連する救急外来の受診や入院を減少させる効果があることがわかった。FDAのガイドラインに沿って使用すれば、この治療法は、パンデミックによる患者や限られた医療資源への継続的な負担を軽減することができる、と研究者らは提案している。この共同研究は、2021年6月4日にOpen Forum…
454
7月 18, 2021 バイオクイックニュース日本語版

シーラカンスは従来予想の5倍の1世紀近く生きることが判明

絶滅したと思われていたシーラカンスは、海の奥深くに生息する巨大な魚だ。今回、2021年6月17日付けのCurrent Biology誌オンライン版に掲載された報告によると、シーラカンスは、その巨大さに加えて、非常に長い時間、おそらく1世紀近く生きることができるという証拠が得られ、最高齢の標本は84歳であったという。また、シーラカンスは55歳前後で成熟し、5年間子供を妊娠するなど、非常にゆっくりとした生活を送っていることも報告されている。…
522
7月 15, 2021 バイオクイックニュース日本語版

科学的しゃっくり治療法が開発された:92%に効果・使いやすさを実現

2021年6月18日にJAMA Network Open誌のオンライン版に掲載された研究論文で、テキサス大学サンアントニオ健康科学センター(UT Health San Antonio)の研究者らは、しゃっくりに対する科学的根拠に基づく新しい治療法について述べている。この論文の中で、科学者らはこの治療法を「強制吸気型吸引・嚥下ツール(forced inspiratory suction and swallow…
622
7月 14, 2021 バイオクイックニュース日本語版

科学者はAIで医薬品開発を成功させるため、人工患者を創り出そうとしている

以下、サンフランシスコ州立大学(SFSU)生物学部教授のマイケル・A・ゴールドマン博士(Michael A. Goldman)による記事より:今日、コンピューターモデルを使って構造や回復力のシミュレーションを行わずに、橋を架けて、その上を車でゆっくり走るエンジニアはいないだろう。それなのに、なぜ製薬会社は洗練されたシミュレーションを行わずに、動物や人間で薬を試す必要があるのだろうか? 2021年(6月14日~18日)に開催されたPrecision Medicine World…
494
7月 14, 2021 バイオクイックニュース日本語版

ヒトのポリメラーゼ・シータは、RNAをDNAに逆転写し、RNAを介したDNA修復を促進することが初めて証明された

細胞には、DNAを複製して新たな細胞に送り込む装置がある。また、ポリメラーゼと呼ばれる同じ類の装置は、RNAメッセージを構築する。これは、中央のDNAレポジトリにあるレシピからコピーされたメモのようなもので、より効率的にタンパク質に読み込まれるようになっている。しかし、ポリメラーゼは、DNAからDNAまたはRNAへの一方向にしか働かないと考えられていた。そのため、RNAメッセージがゲノムDNAのレシピブックに書き戻されるのを妨げていた。今回、トーマス・ジェファーソン大学の研究者らは、RNAセグメントをDNAに書き戻…
1574
7月 12, 2021 バイオクイックニュース日本語版

好中球エラスターゼが癌細胞を選択的に死滅させ、腫瘍の発生を抑制することを発見。

2021年6月10日発行のCell誌に掲載された研究論文によると、体内の免疫系が宿主の細胞を傷つけることなく、癌細胞を排除することができるという驚くべき新しいメカニズムが明らかになった。この発見は、癌細胞に選択的に作用し、正常な細胞や組織には無害であるように設計されたファースト・イン・クラスの医薬品を開発する可能性を秘めている。この発見が成功すれば、適切な薬剤を適切な量、適切なタイミングで投与することができるようになり、精密医療の実践を向上させることができるだろう。この論文は「好中球エラスターゼが癌細胞を選択的に死…
682
7月 08, 2021 バイオクイックニュース日本語版

脳内エピジェネティクスの大規模メタ解析で認知症に新たに関連する84遺伝子を特定

この種の研究としては最大規模の研究で、新たに認知症に関連する84の遺伝子を発見するなど、認知症において遺伝子がどのように制御されているかについて新たな知見が得られた。エクセター大学の研究者を中心とする国際共同研究チームは、6つの異なる研究で得られた1,400人以上のデータを組み合わせて解析した。この研究成果は2021年6月10日にNature Communications誌のオンライン版に掲載された。…
617
7月 06, 2021 バイオクイックニュース日本語版

感染症の炎症反応からメタボリックシンドロームの人を保護できるかもしれない2種類のペプチドが開発された

バンダービルト大学医療センター(VUMC)の研究者らが開発した細胞貫通ペプチドは、細菌やウイルスの感染によって生じ、しばしば致命的となる敗血症性ショックを動物モデルで予防することができたことが報告された。この研究成果は、2021年6月7日にScientific Reports誌のオンライン版に掲載され、COVID-19を含む微生物感染に対する制御不能な炎症反応による重篤な合併症や死亡のリスクが最も高い患者を保護する方法につなる可能性がある。…
565
7月 05, 2021 バイオクイックニュース日本語版

エクソソームを用いた血液検査でパーキンソン病と多系統萎縮症の識別に成功

UCLAヘルスの研究者らは、パーキンソン病と多系統萎縮症(MSA)というよく似た2つの運動障害を見分けることができる血液検査を開発した。この検査法は、脳細胞から送り出されて血液中に混入する「 エクソソーム 」と呼ばれる微小な小胞の内容物を分析することで、パーキンソン病を識別するもので、現在は研究用に限定されている。 今回の研究成果は、2021年5月15日付でActa…
729
7月 01, 2021 バイオクイックニュース日本語版

多細胞化した北極圏のワムシが2万4,000年もの冷凍保存を経て生き延びることが判明。人体の冷凍保存法の手がかりとなるか?

ワムシは、顕微鏡で見ないとわからないほど小さな多細胞生物だ。その小ささにもかかわらず、乾燥、凍結、飢餓、低酸素などの環境下でも生き延びることができるタフな動物として知られている。今回、Current Biology誌の2021年6月7日号に掲載された報告によると、彼らは凍結に耐えられるだけでなく、シベリアの永久凍土の中で少なくとも2万4,000年は生き延びることができるという。 この論文は「2万年前の北極圏の永久凍土から回収された生きたBdelloid Rotifer(A Living Bdelloid…
648
6月 23, 2021 バイオクイックニュース日本語版

スクリプス研究所の研究で、COVID-19の治療薬候補として10種類以上の既存薬が特定された。

世界で最も包括的な COVID-19 治療薬の再利用コレクションを調査した結果、現在進行中の世界的大流行の原因となっているコロナウイルスに対して抗ウイルス活性を有する90種類の既存の医薬品または医薬品候補を特定した。これらの化合物のうち、スクリプス研究所の研究では、COVID-19の経口薬として再利用できる可能性が高い、臨床承認された4つの薬剤と、その他の開発段階にある9つの化合物を特定した。 2021年6月3日にNature…
833
6月 23, 2021 バイオクイックニュース日本語版

光遺伝学的遺伝子治療により、失明した患者の視力を部分的に回復させることに成功。「息を呑むような回復を目の当たりにした」と上席研究者は語った。

2021年5月25日、網膜神経変性疾患および中枢神経系疾患に対する革新的な遺伝子治療法の開発と商業化に注力するバイオファーマ企業であるGenSight Biologics社(Euronext: SIGHT, ISIN: FR0013183985, PEA-PME対象)は、ネイチャー・メディシンに、末期の網膜色素変性症(RP)の失明患者の視覚機能が部分的に回復した初めての症例報告が掲載されたことを発表した。この患者は、GenSight…
672
6月 20, 2021 バイオクイックニュース日本語版

60都市の微生物を調査した結果、それぞれの都市に特徴的な微生物のフィンガープリントがあることが判明

ある国際コンソーシアムによって、複数の都市の大気と表面の両方を対象とした、史上最大規模の都市型マイクロバイオームのメタゲノム研究が発表された。この国際プロジェクトでは、世界60都市の公共交通機関や病院から収集したサンプルの配列を決定し、解析を行った。…
753
6月 16, 2021 バイオクイックニュース日本語版

3万5千年前のヒト女性頭骨(Peştera Muierii 1)の全ゲノムの解読に成功。ヒトの遺伝的多様性が最も失われた時期を示唆。

3万5千年前に現在のルーマニアに住んでいた女性、Peştera Muierii 1の頭蓋骨の全ゲノム配列の決定に初めて成功した。彼女の高い遺伝的多様性は、アフリカからの移住が人類発展の大きなボトルネックになったのではなく、直近の氷河期の間とその後に起こったことを示している。 これは、スウェーデンのウプサラ大学のMattias Jakobsson博士が主導し、2021年5月18日にCurrent…
677
6月 14, 2021 バイオクイックニュース日本語版

古代馬のDNAがユーラシア大陸と北米大陸の馬の間の遺伝子の流れを明らかにし、馬が進化した北米大陸と家畜化されたユーラシア大陸の古代馬集団のつながりを示す新事実を発見。

北米とユーラシア大陸で発見された馬の化石から採取された古代のDNAを調査した結果、両大陸の馬の集団は、ベーリング・ランド・ブリッジを介して、何十万年もの間、何度も行き来し、交配しながらつながっていたことが明らかになった。今回の発見は、最終氷期の終わりに北米で絶滅した馬と、最終的にユーラシア大陸で家畜化され、その後ヨーロッパ人によって北米に再導入された馬との間に、遺伝的連続性があることを示している。 この研究は、2021年5月10日に「Molecular…
617
6月 14, 2021 バイオクイックニュース日本語版

スタンフォード大学の研究により、まったく新しい生体分子『GlycoRNA』が発見された。

スタンフォード大学の研究者らは、すべての生物の生態に重要な役割を果たす可能性のある新しい種類の生体分子を発見した。この新種の生体分子は「GlycoRNA」と呼ばれ、リボ核酸(RNA)の小さなリボンに糖鎖と呼ばれる糖の分子がぶら下がっている。これまで、同じように糖がついた生体分子は、脂肪(脂質)とタンパク質しか知られていなかった。 これらの糖脂質や糖タンパク質は、動物や植物、微生物の細胞内や細胞外に偏在しており、生命維持に必要なさまざまなプロセスに貢献している。今回発見された GlycoRNA…
1225
6月 10, 2021 バイオクイックニュース日本語版

ラベンダーのゲノム配列から、特別な香りの秘密が明らかになるかもしれない

ラベンダーというと、その花の独特の香りが思い浮かぶ。この美しい花は、太古の昔から香水やエッセンシャルオイルの原料として使われてきた。この花の美しさは、世界中の人々の想像力をかきたててきた。では、なぜこの花はそれほどまでに特別なのだろうか? この花に独特の香りを与えている "魔法のような化合物"とは何だろうか?これらの化合物の遺伝子的な基盤は何なのか? これらの疑問は、長い間、科学者たちを悩ませてきた。その答えを見つけるために、中国の科学者グループは、ラベンダーのゲノムを解読した。…
682
6月 09, 2021 バイオクイックニュース日本語版

固形癌との闘いに体内の免疫システムを最適化する新研究

ミネソタ大学ツインシティーズ校の工学・医学研究者が主導した画期的な研究により、新しい癌治療法に使用される人工免疫細胞が物理的な障壁を乗り越え、患者自身の免疫システムが腫瘍と闘うことができることが示された。この研究は、将来、世界中の何百万人もの人々のために、癌治療を改善する可能性がある。 本研究は、2021年5月14日にNature Communications のオンライン版に掲載された。 この論文は、「構造的にも機械的にも複雑な腫瘍の微小環境を通じたT細胞の三次元移動強化エンジニアリング(Engineering…
660
6月 07, 2021 バイオクイックニュース日本語版

MIT主導の研究チームがSARS-CoV-2ゲノムの包括的マップを作成

COVID-19 パンデミックが始まってから数カ月後の2020年初頭、科学者らはCOVID-19感染症の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の全ゲノム配列を決定することができた。その時点で、その遺伝子の多くはすでに判明していたが、タンパク質をコードする遺伝子の全容は解明されていなかった。今回、MITの研究者らが広範な比較ゲノム研究を行った結果、SARS-CoV-2のゲノムについて、最も正確で完全な遺伝子アノテーションを作成した。 この研究結果は、2021年5月11日にNature…
562
6月 05, 2021 バイオクイックニュース日本語版

小児呼吸器感染症の原因となるパラインフルエンザウイルス(HPIV3)をブロックするペプチドの開発にウィスコンシン大学とコロンビア大学の研究者が成功

ウィスコンシン大学及びコロンビア大学の研究者らにより、ヒトパラインフルエンザウイルス(HPIV)の細胞への付着を防ぐことができるペプチドが工学的に開発され、げっ歯類モデルで手法の改良が行われた。HPIVは、小児呼吸器感染症の主な原因であり、クループや肺炎などの病気の30~40%を占めている。また、HPIVは、高齢者や免疫力の低下した人にも感染する。HPIVが人に感染するためには、細胞に取り付いて遺伝子を注入し、新しいウイルスを作り始めなければならない。…
433
6月 01, 2021 バイオクイックニュース日本語版

薬を使わずして免疫がHIVをコントロールする稀な集団『エリート・コントローラー』の謎に迫る研究成果が発表された

免疫というと、感染やワクチン接種後に特定の病原体と戦うために学習する抗体やT細胞からなる適応免疫反応を思い浮かべることが多い。しかし、免疫システムには自然免疫反応もあり、これは、病原体に対して専門的ではない迅速な反応を行い、適応免疫反応をサポートするために、決まった数の技術を使用する。しかし、ここ数年、自然免疫反応のある部分が、場合によってはHIVなどの感染性病原体に対応して訓練されることがわかってきた。 マサチューセッツ総合病院、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学ラゴン研究所のコアメンバーであるXu…
489
6月 01, 2021 バイオクイックニュース日本語版

Cardea Bio社、エクソソームとEVの検出技術「EV-Chip」を開発。リキッドバイオプシーをリアルタイムで分析する新世代のポータブルデバイスを目指す

分子生物学と半導体エレクトロニクスを統合するTech+Bio企業である米国のCardea Bio社は、同社の最高科学責任者であるキアナ・アラン博士と共同研究者が、「生物学的に活性化されたグラフェン・トランジスタによる年齢別循環エクソソームの迅速かつ電子的な識別と定量化( Rapid and Electronic Identification and Quantification of Age-Specific Circulating Exosomes via Biologically Activated…
349
5月 25, 2021 バイオクイックニュース日本語版

CRISPRを超えてRetronがやってくる。新しい遺伝子編集技術Retronにより、何百万もの遺伝子実験を同時に行うことが可能に。

CRISPR-Cas9遺伝子編集システムは、合成生物学における革新的な技術の申し子となっているが、いくつかの大きな限界がある。CRISPR-Cas9は、特定のDNA断片を見つけて切断するようにプログラムされているが、DNAを編集して目的の変異を作り出すには、細胞をだまして新しいDNA断片を使って切断部分を修復する必要がある。Cas9はしばしば意図しない標的外の部位も切断してしまうため、この「ベイト&スイッチ」は操作が複雑で、細胞にとって有害な場合もある。…
881
5月 25, 2021 バイオクイックニュース日本語版

定期的なファスティングは腸内細菌叢を再形成して血圧を下げることが動物モデルで実証された

ベイラー医科大学麻酔科助教授のDavid J. Durgan博士らは、高血圧症の理解を深めるために、特に腸内細菌叢の乱れが血圧に悪影響を及ぼすことを示唆する新たな証拠を収集している。Durgan博士は、「我々の研究室のこれまでの研究で、SHRSP(高血圧自然発症ラット)モデルなどの高血圧モデル動物の腸内細菌叢の組成が、正常血圧の動物のそれとは異なることが明らかになっている。…
489
5月 16, 2021 バイオクイックニュース日本語版

COVID-19がアストロサイトと相互作用して脳に侵入する仕組みが明らかに

COVID-19 の原因ウイルスであるSARS-CoV-2がどのようにして脳に伝播するかについて、新しい研究結果が発表された。この研究は、COVID-19の患者に報告されている驚くべき神経症状の数々や、重篤な神経症状に見舞われる患者と全く見舞われない患者がいる理由を説明するのに役立つ。研究者らは、SARS-CoV-2が、我々の脳を動かす神経細胞(ニューロン)と、ニューロンを支え、保護する脳や脊髄の細胞(アストロサイト)の両方に感染する可能性があるという証拠を報告している。…
626
5月 16, 2021 バイオクイックニュース日本語版

エクソソームによるアプローチが後期大腸癌の治療に有効であることが前臨床モデルで示された

ミネソタ大学医学部の研究チームは、米国で毎年5万人以上が死亡している末期の大腸癌を標的として治療するための新たな方法を発見した。研究チームは、大腸癌細胞が抗腫瘍免疫反応を回避する新たなメカニズムを発見し、"エクソソーム"を用いた治療戦略の開発に役立てた。2021年4月22日にGastroenterology誌のオンラインで公開されたこの論文は、「腫瘍分泌細胞外小胞はT細胞の共刺激を制御し、腫瘍特異的T細胞応答を誘導するように操作できる(Tumor Secreted Extracellular Vesicles…
520
5月 16, 2021 バイオクイックニュース日本語版

ロブスターの下腹部をモデルに、驚異的な伸縮性と強度を再現したナノファイバーハイドロゲルが開発された。腱や靭帯など人工組織への応用を目指す。

ロブスターの下腹部には、伸縮性と驚くほどの強靭さを兼ね備えた薄い半透明の膜が張り巡らされている。MITのエンジニアが2019年に報告したところによると、 この海洋のアンダーアーマーは、自然界で知られている中で最も強靭なハイドロゲルから作られており、しかも非常に柔軟性があるという。この強さと伸縮性の組み合わせは、海底を這い回るロブスターのシールドになると同時に、泳ぐために前後に曲がることも可能にする。今回、マサチューセッツ工科大学(MIT)の別のチームが、ロブスターの下腹部の構造を模倣したハイドロゲルベースの材料を作…
237
5月 13, 2021 バイオクイックニュース日本語版

アルツハイマー病の実験薬で脳細胞のクリーニングが促進されることをマウスで確認

アルバート・アインシュタイン医科大学の研究者らは、アルツハイマー病のモデルマウスにおいて、アルツハイマー病の主要な症状を回復させる実験薬を設計した。この薬は、不要なタンパク質を消化して再利用することで、不要なタンパク質を取り除く細胞のクリーニングメカニズムを再活性化することで作用する。本研究は、2021年4月22日付のCell誌オンライン版に掲載された。この論文は、「シャペロンを介したオートファジーが神経細胞の転移性プロテオームの崩壊を防ぐ(Chaperone-Mediated Autophagy…
790
5月 12, 2021 バイオクイックニュース日本語版

ヒハツ(インドナガコショウ)に含まれる成分が神経膠芽腫に有効であることが判明

ピペルロングミンは、ヒハツ(インドナガコショウ・Piper longum)に含まれる化学物質(写真)で、脳腫瘍を含む多くの種類の癌細胞を死滅させることが知られている。このたび、ペンシルバニア大学ペレルマン医科大学の研究者を含む国際チームは、動物モデルを用いて、ピペルロングミンの作用の一端を明らかにし、脳腫瘍の中でも最も治療が困難なタイプの一つである膠芽腫に対する強い活性を確認した。この研究成果は2021年4月14日にACS Central…
587
5月 10, 2021 バイオクイックニュース日本語版

創造性に関連する267個の遺伝子は、ホモ・サピエンスが生き残るための「秘密兵器」だったかもしれない

ホモ・サピエンスの「秘密兵器」である「創造性」は、ネアンデルタール人に対する大きなアドバンテージとなり、人類の生存に重要な役割を果たした。これは、グラナダ大学(UGR)を中心とする国際科学者チームが、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人を区別する、創造性に関連する267の遺伝子を初めて特定した結果だ。この重要な科学的発見は、2021年4月21日にMolecular…
645
5月 07, 2021 バイオクイックニュース日本語版

研究室で合成された植物化合物(Curcusone D)は、これまで「難攻不落」だった癌タンパク質(BRAT1)を標的とする可能性を秘めている

パデュー大学の化学者が、これまで「治療不可能」とされていた癌タンパク質に対抗する化合物の合成法を発見した。この化合物は、さまざまな種類の癌に有効である可能性がある。パデュー大学癌研究センターの化学教授であるMingji Dai博士は、北米原産の低木から発見された希少な化合物にヒントを得て、同僚とともにこの化合物を研究し、費用対効果に優れた効率的な合成方法を発見した。この合成法は、2021年3月11日にJournal of the American Chemical…
619
5月 07, 2021 バイオクイックニュース日本語版

亜鉛輸送体ZIP4が膵臓腫瘍細胞の上皮型から間葉型への移行に重要な役割を果たし、転移を促進することを発見。

膵臓癌の全生存率はわずか9%で、治療は非常に困難だ。しかし、患者が死に至るのは、一般的には原発巣ではなく、癌が発見を逃れて他の臓器に転移する能力のせいである。オクラホマ大学医学部の研究チームは、膵臓癌の細胞が全身に広がる能力に新たな光を当てた研究結果を、消化器系疾患に関する世界的な学術誌であるGastroenterology誌の2021年4月1日号に発表した。この論文は、「亜鉛によるZEB1およびYAP1の共活性化制御が、膵臓癌の上皮間葉転換の可塑性と転移を促進する(Zinc-Dependent…
624
5月 03, 2021 バイオクイックニュース日本語版

新CRISPR技術はエピジェネティックな継承を比類なく制御することができ、特定の遺伝性疾患の治療に大きな可能性を持っている

カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)とホワイトヘッド研究所の研究者らはCRISPRの基本的な構造を修正して、ゲノムを超えて、エピゲノム(DNAに引っかかり、遺伝子のスイッチをいつどこで入れるかを制御するタンパク質や小分子)にまでその範囲を広げる方法を見つけ出した。2021年4月9日付のCell誌に掲載された論文で、「CRISPRoff」と呼ばれる新しいCRISPRベースのツールを紹介している。このツールを使えば、遺伝コードに一度も手を加えることなく、ヒト細胞内のほとんどすべての遺伝子のスイッチを切ること…
614
4月 30, 2021 バイオクイックニュース日本語版

手術不能な進行性メラノーマに対して、癌を殺すウイルス療法が有効であることが示された

外科的に腫瘍を取り除けなかった進行したメラノーマに対して、新しい組み合わせの薬物療法が安全かつ有効であることが初期の結果で示された。この併用療法は、生きた風邪のウイルスであるコクサッキーウイルスが、癌細胞に感染して死滅させるという潜在的な価値を実証した初めての試みの一つであると研究者らは述べている。また、ニューヨーク大学ランゴーン・ヘルスのパールマター癌センターの研究者が中心となって実施した第1相試験では、このようなオンコロイドウイルスが、体の免疫防御システムが癌細胞を検出して殺すのを助け、広く使用されている癌治療…
515
4月 28, 2021 バイオクイックニュース日本語版

エクソソームを塗布したステントが血管損傷を治癒し、損傷した組織を修復する

ノースカロライナ州立大学の研究者らは、再開通した血管が狭くなるのを防ぐとともに、血液が不足している虚血組織に再生幹細胞由来の治療を行うことができる「スマートリリース」トリガーを備えたエクソソームコーティングステントを開発した。この研究は、2021年4月5日にNature Biomedical Engineering誌のオンライン版に掲載された。この論文は、「虚血性傷害後の血管治癒のための エクソソーム 溶出ステント (Exosome-Eluting Stents for Vascular Healing…
548
4月 26, 2021 バイオクイックニュース日本語版

全ゲノムシーケンス解析でアルツハイマー型認知症に関連する13の希少遺伝子変異が発見された

アルツハイマー型認知症に関連する希少なゲノム変異を発見するために、世界で初めて全ゲノム配列解析を行い、13個の変異が同定された。また、この研究では、アルツハイマー病と、神経細胞間の情報伝達を担うシナプスの機能や、神経細胞が脳の神経ネットワークを再構築する能力である神経可塑性との間に、新たな遺伝的関連性があることが明らかになった。これらの発見は、この壊滅的な神経疾患に対する新しい治療法の開発に役立つ可能性がある。マサチューセッツ総合病院(MGH)、ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院、ベス・イスラエル・ディーコ…
579
4月 19, 2021 バイオクイックニュース日本語版

胚盤胞を模した新構造は、ヒトの初期発生の研究に役立つとUTSWの研究者がNature誌に発表

テキサス大学サウスウエスタン校(UTSW)の研究チームは、哺乳類の受精卵が初期に発生してできる胚盤胞に似た生物学的構造を生成した。研究チームは、研究のために提供された胚から得られたヒト胚性幹細胞と、成人の細胞から生成されたヒト誘導多能性幹細胞(総称してヒト多能性幹細胞と呼ぶ)を用いて、この研究を行った。この研究成果は、2021年3月17日にNature誌のオンライン版に掲載され、ヒトの初期発生、妊娠損失、および発達障害の研究に新たな方法を提供する可能性がある。…
452
4月 14, 2021 バイオクイックニュース日本語版

悪性黒色腫患者のエクソソームに含まれる癌幹細胞バイオマーカーにより診断の早期化と予後改善の可能性

悪性黒色腫患者の癌幹細胞(cancer stem cells :CSC)から放出された エクソソーム は、分化した悪性黒色腫細胞からのエクソソームとは異なる分子組成を持つことが新しい研究で明らかになった。これらの異なる分子は、血液中のエクソソームでも検出可能であり、悪性黒色腫患者では健常者と比べて違いがあることがわかった。このことから、これらの分子は、悪性黒色腫の診断や予後を判定するためのバイオマーカーとして適していると考えられるという。本研究成果は、Molecular…
574
4月 12, 2021 バイオクイックニュース日本語版

英トップラグビー選手協力のもと唾液マイクロRNAを用いた非侵襲脳震盪診断法が開発された

バーミンガム大学が主導する英国トップクラスのラグビー選手に関する研究は、唾液を用いて脳震盪を正確に診断する方法を特定し、スポーツやその他の環境で使用するための脳震盪の最初の非侵襲的臨床検査の道を開くものだ。この研究は、ラグビーフットボールユニオン、プレミアシップラグビー、Marker…
707
4月 09, 2021 バイオクイックニュース日本語版

レット症候群とMECP2重複症候群に関係するDNAエレメントが特定された

ベイラー医科大学とテキサスチルドレンズホスピタル(NRI)のJan and Dan Duncan 神経研究所の研究者は、マウスとヒトにおけるMecp2 / MECP2の適切な発現に必要なDNAの2つの領域を特定し特徴づけた。2021年3月18日にGenes&Developmentのオンラインで公開されたこれらの調査結果は、これらのDNA領域の機能と、レット症候群やMECP2重複症候群などの知的障害の診断および治療的介入の潜在的な標的となる可能性があることを明らかにするのに役立つ。…
875
4月 07, 2021 バイオクイックニュース日本語版

超音波はコロナウイルスに損傷を与える可能性があることをMITのシミュレーションが示唆

コロナウイルスは、いばらの冠に似た密集した表面受容体を備えた構造をしている。 これらのスパイク状タンパク質は健康な細胞をしっかり掴み、ウイルスRNAの侵入を引き起こす。 ウイルスの形状と感染戦略は一般的に理解されているが、その物理的完全性についてはほとんど知られていない。MITの機械工学科の研究者による新研究は、コロナウイルスが医用画像診断で使用される周波数内で超音波振動に対して脆弱である可能性があることを示唆している。…
798
4月 05, 2021 バイオクイックニュース日本語版

匂いが強力に記憶を誘発する理由とは?新研究で初めて神経基盤を特定

マルセル・プルーストの小説「失われたときを求めて」にはマドレーヌで記憶がよみがえり紅茶のカップから記憶が溢れ出てくるという章があるように、匂いは強力に記憶を呼び起こすことができる。 ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部の研究者らによって執筆された新論文は、脳がどのように匂いがそれらの記憶を非常に強力に引き出すことを可能にするかについての神経基盤を特定した最初のものである。この論文は、海馬と人間の嗅覚領域との間の独特の接続性を示している。…
771
4月 02, 2021 バイオクイックニュース日本語版

SOX2タンパク質の過剰産生で脊髄損傷を回復できることがマウスモデルで実証された

テキサス大学医学部サウスウェスタンメディカルスクール(UTSW)とインディアナ大学の研究者は遺伝子工学を使い、マウス脊髄の瘢痕形成細胞を再プログラムすることで新しい神経細胞を作成し、脊髄損傷後の回復を促進することを示した。 2021年3月5日にCell Stem Cellのオンラインで公開された調査結果は、毎年脊髄損傷に苦しむ世界中の何十万人もの人々に希望を与える可能性がある。この論文は「NG2グリアのin vivoリプログラミングが脊髄損傷後の成人の神経新生と機能回復を可能にする(In vivo…
585
3月 31, 2021 バイオクイックニュース日本語版

宿主遺伝子の発現を阻害するウイルスタンパク質(Nsp1)を標的としたCOVID-19治療アプローチの可能性

Nsp1と呼ばれるコロナウイルスタンパク質が遺伝子の活性をどのように抑制し、ウイルス複製を促進するかを特定する研究は、新しい COVID-19 治療への希望をもたらすものだ。 パンデミックが始まって以来、科学者らは、 COVID-19 の原因となるコロナウイルスであるSARS-CoV-2を理解するために果てしなく取り組んできた。ワクチンの登場にもかかわらず、ウイルスはまだ蔓延しており、代替療法を開発する必要がある。…
610
3月 29, 2021 バイオクイックニュース日本語版

エクソソームベースの尿検査がヒト腎移植拒絶の非侵襲的早期診断を提供する可能性

最大6年をかけて腎臓移植を待った患者は、移植を受けたとしても、最大20パーセントの患者が拒絶反応を経験する。移植片拒絶反応は、レシピエントの免疫細胞が新たに受け取った腎臓を外来臓器として認識し、ドナーの抗原を受け入れることを拒否した場合に発生する。腎臓拒絶反応を検査するための現在の方法には、侵襲的な生検手順が含まれ、患者は数日間入院させられる。Exosome Diagnostics社とブリガムアンドウィメンズ病院による研究では、尿サンプルからの エクソソーム…
973
3月 24, 2021 バイオクイックニュース日本語版

『光ピンセット』の進歩は生物医学研究を後押しするかもしれない

スターウォーズのジェダイが「フォース」を使って遠くから物体を制御するのと同じように、科学者は光または「オプティカルフォース」を使って非常に小さな粒子を動かすことができる。 「光ピンセット」として知られるこの画期的なレーザー技術の発明者は、2018年のノーベル物理学賞を受賞した。 光ピンセットは、金原子などのナノ粒子を組み立てて操作するために、生物学、医学、および材料科学で使用される。…
801
3月 21, 2021 バイオクイックニュース日本語版

プロテオミクス解析で攻撃的なヒトの癌の潜在的な創薬ターゲットを特定

ベイラー医科大学の研究者らは、攻撃的なヒトの癌からのプロテオミクス、またはすべてのタンパク質データの分析が、潜在的な新しい治療標的を特定するための有用なアプローチであることを示した。 2021年2月24日にOncogeneのオンラインで公開された論文で、研究した7つの癌タイプのそれぞれに対する侵攻性疾患の臨床的測定における発見を報告した。いくつかのシグネチャは、異なるタイプの癌の間で共有され、代謝が変化した細胞経路が含まれていた。…
641
3月 19, 2021 バイオクイックニュース日本語版

アルツハイマー病をアミロイド斑形成に関与する重要な酵素を阻害するのではなく調節することによって予防できる可能性が動物モデルで実証された。

アミロイド斑は、アルツハイマー病の病理学的特徴であり、誤って折りたたまれたタンパク質の塊が脳に蓄積し、ニューロンを破壊して殺し、広範な神経障害の特徴である進行性の認知障害を引き起こす。2021年3月2日にJournal of Experimental Medicine(JEM)にオンラインで公開された新研究は、…
642
3月 17, 2021 バイオクイックニュース日本語版

マウスモデルにおけるALSニューロン損傷が新化合物で逆転

ノースウェスタン大学の研究者は、ALS(筋萎縮性側索硬化症・ルーゲーリック病としても知られる)の主要な原因である上位運動ニューロンの進行中の変性を排除する最初の化合物を特定した。これは、その犠牲者に麻痺を引き起こす迅速で致命的な神経変性疾患だ。ALSに加えて、上位運動ニューロン変性は、遺伝性痙性対麻痺(HSP)や原発性側索硬化症(PLS)などの他の運動ニューロン疾患も引き起こす。ALSでは、脳の運動開始神経細胞(上位運動ニューロン)と脊髄の筋肉制御神経細胞(下位運動ニューロン)が死ぬ。…
621
3月 17, 2021 バイオクイックニュース日本語版

ALSの進行を遅らせるシナプス内の強力な自己修正メカニズムを特定

アルツハイマー病や筋萎縮性側索硬化症(ALS)(ルーゲーリック病とも呼ばれる)などの神経変性疾患の一般的な特徴は、脳と脊髄全体にわたるシナプス(脳細胞間のコミュニケーションの解剖学的部位)の進行性の損失だ。通常、シナプス損失は、記憶喪失や麻痺などの疾患の症状が出現する前に蔓延する。 脳機能が深刻に低下し始める前に広範なシナプス損失が存在する必要があるという事実は、神経系が深い機能的予備力を維持し、損傷が転換点を通過して脳の回復力が低下し始めるまで、すべてが正常に機能し続けることを示唆している。…
1331
3月 15, 2021 バイオクイックニュース日本語版

オマキザルのゲノム解析で長寿と大きな脳の進化の手がかりが明らかに。

国際研究チームは、オマキザルのゲノムを初めて配列決定し、これらの動物の長寿と大きな脳の進化についての新しい遺伝的手がかりを明らかにした。2021年2月16日にPNASのオンラインで公開されたこの仕事は、カナダのカルガリー大学の研究者が主導し、リバプール大学の研究者も参加した。 このオープンアクセスの論文は、「fecalFACSで明らかにされたオマキザルの生態学的柔軟性、大きな脳、および長命のゲノミクス(The Genomics of Ecological Flexibility, Large Brains,…
502
3月 10, 2021 バイオクイックニュース日本語版

新しい表皮パッチはウェアラブルなAll-in-One ヘルスモニターを目指す

カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のエンジニアは、首に装着して血圧と心拍数を継続的に追跡しながら、装着者のブドウ糖をはじめ、乳酸塩、アルコール、またカフェインレベルも測定できる、柔らかく伸縮性のあるスキンパッチ(写真)を開発した。…
767
3月 03, 2021 バイオクイックニュース日本語版

豚は顕著なレベルの行動的、精神的柔軟性を有している可能性

豚はおそらく飛ぶことはできないだろうが、新研究では、イノシシ属内のいくつかの種が驚くべきレベルの行動的および精神的柔軟性を持っているかもしれないことを明らかにしている。 2021年2月11日にFrontiers in Psychologyのオンラインで公開された研究では、4頭の豚が簡単なジョイスティック対応のビデオゲームをプレイできるかどうかをテストした。 この論文は「豚(イノシシ)によるジョイスティック操作のビデオタスクの取得(Acquisition of a Joystick-Operated Video…
557
3月 01, 2021 バイオクイックニュース日本語版

重度アナフィラキシーショックの新しい分子メカニズムが解明された

アナフィラキシーは、皮膚、胃腸管、呼吸器系、そして心臓血管系に影響を与える可能性がある全身性アレルギー反応だ。 アナフィラキシーの最も重篤な形態はアナフィラキシーショックであり、これは低血圧を特徴とし、死を引き起こす可能性がある。 この反応には、食物、薬、昆虫の毒に対するアレルギー反応など、いくつかの原因が考えられる。これらの反応の重症を引き起こす分子メカニズムは未だ不明だ。バルセロナ大学(UB)とIDIBAPS(August Pi i Sunyer Biomedical Research…
731
2月 24, 2021 バイオクイックニュース日本語版

糞便微生物叢移植が癌患者の免疫療法への反応を助ける可能性を新研究が示唆

免疫療法薬に反応しない癌患者において、腸内微生物(腸内細菌叢として知られている)の組成を糞便移植により調整することで、免疫療法薬に反応するようになるかもしれないと新研究が示唆している。国立衛生研究所の一部である国立癌研究所(NCI)癌研究センターの研究者がピッツバーグ大学医療センター(UPMC)ヒルマン癌センターの研究者と共同研究を実施した。この研究では、免疫療法の一種である免疫チェックポイント阻害剤による治療に最初は反応しなかった進行性黒色腫の一部の患者が、薬に反応した患者からの糞便微生物叢の移植を受けた後、薬に…
713
2月 19, 2021 バイオクイックニュース日本語版

オンチップ生合成したNK細胞由来エクソソームが、非小細胞肺癌に対して抗腫瘍活性を示す

ミシガン大学ローゲル癌センターとミシガン大学工学部の研究者らは、癌と戦うためのナチュラルキラー免疫細胞の配備という新たな治療法の開発の面で一歩進んでいる。この研究者らは、ナチュラルキラー細胞をキャプチャーし、それらに癌を殺す エクソソーム を放出させる最初の体系的な方法を開発した。…
691
2月 12, 2021 バイオクイックニュース日本語版

湿疹や乾癬の皮膚は、発達中の皮膚細胞と同じ分子経路を共有していることが発見された

英国のウェルカムサンガーインスティテュート、ニューカッスル大学そしてキングスカレッジの研究者らは、皮膚の非常に詳細なマップを作成した。これは、炎症性皮膚疾患の患者の細胞で、発生からの細胞プロセスが再活性化されることを明らかにしている。 湿疹や乾癬の患者の皮膚が、発達中の皮膚細胞と多くの同じ分子経路を共有していることを発見した。これは、これらの痛みを伴う皮膚病を治療するための潜在的な新薬の標的を提供する。Science…
666
2月 10, 2021 バイオクイックニュース日本語版

COVID-19のマウスモデルで鼻腔内投与されたペプチドが療法効果を示した

シカゴにあるラッシュ大学医療センターの新研究で、マウスの COVID-19 モデルに鼻からペプチドを導入したところ、効果を示したという。 このペプチドは、発熱を抑え、肺を保護し、心臓機能を改善し、「サイトカインストーム」(感染が免疫系を誘発して炎症性タンパク質で血流を溢れさせる状態)を逆転させるのに効果的であることが証明された。この研究者らはまた、病気の進行を防ぐことに成功したと報告している。2021年1月11日にJournal of Neuroimmune…
777
2月 08, 2021 バイオクイックニュース日本語版

コーラルベリーで発見された強力な創薬化合物候補の大量生産にブレークスルー

何年もの間、コーラルベリー(写真)の葉からの活性物質は、新種の強力な薬になると思われてきたが、これまでこの物質を大量に製造することは非常に労力を要する作業だった。ドイツのボン大学の研究者らは、この物質を生成する実験室で簡単に培養できる細菌を特定したことから、状況は変わるかもしれない。この結果は、2021年1月8日にNature Communicationsでオンラインで公開された。…
1117
2月 05, 2021 バイオクイックニュース日本語版

フラソミクス解析でタバコ野生種が自分を傷つけずに防御毒素を生合成する仕組みを解明

植物は、草食動物から身を守るために有毒物質を生成する。 新研究では、イエナのマックスプランク化学生態学研究所とドイツのミュンスター大学の科学者が、野生のタバコ植物で防御物質の重要なグループであるジテルペン配糖体の生合成と正確な作用機序を「フラソミクス(FRASSOMICS)」と呼ばれる新アプローチを用いて、詳細に解明することに成功した。ジテルペン配糖体は、植物が草食動物から身を守ることを可能にしている。 この研究では、これらの植物化学物質が細胞膜の特定の部分を攻撃することを示している。…
727
2月 03, 2021 バイオクイックニュース日本語版

過敏性腸症候群の根底にあるかもしれないメカニズムを解明

ベルギーのルーヴァン・カトリック大学の研究者らは、特定の食品を食べると腹痛を感じる人がいる理由を説明する生物学的メカニズムを特定した。 この発見は、過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome: IBS)やその他の食物不耐性のより効率的な治療への道を切り開くものだ。マウスとヒトで実施されたこの研究は、2021年1月13日にNatureのオンラインで発表された。 この論文は「食品抗原に対する局所免疫反応が食事誘発性腹痛を引き起こす(Local Immune Response to Food…
1185
2月 01, 2021 バイオクイックニュース日本語版

カゼインを混合したエクソソームで効果が増強。筋ジストロフィーや心不全の治療に有望な可能性。

細胞由来の エクソソーム は、母乳中の主要なタンパク質(カゼイン)と混合して経口投与すると病気の治療に効果的であることが、シダーズ・サイナイ医療センター・シュミット心臓研究所の実験用マウスによる新研究で示された。2021年1月11日にJournal of Extracellular Vesiclesにオンラインで公開された調査結果は、筋ジストロフィーと心不全の患者を治療するための新しい経口薬を開発するための基礎を確立する可能性がある。…
960
2月 01, 2021 バイオクイックニュース日本語版

最悪の脳腫瘍である神経膠芽腫の原因となる発癌遺伝子(AVIL)が特定された。

最悪の脳腫瘍である神経膠芽腫の原因となる発癌遺伝子が特定された。 この発見は、致命的な癌に有望な新しい治療標的を提供するものだ。 この研究者らは、癌遺伝子は癌細胞の生存に不可欠であり、それがなければ、癌細胞は死ぬと述べた。この成果は2020年7月10日にネイチャーコミュニケーションズで発表された。 この論文は「細胞骨格レギュレーターAVILが膠芽腫の腫瘍形成を促進する(A Cytoskeleton Regulator AVIL Drives Tumorigenesis in…
3725
1月 29, 2021 バイオクイックニュース日本語版

臍帯間葉系幹細胞による重度COVID-19治療で画期的な成果が報告された

マイアミ大学ミラー医学部の研究者らは、臍帯由来の間葉系幹細胞の注入によって最も重症の COVID-19 患者の死亡リスクを安全に減らし、回復までの時間を短縮することを示す、ユニークで画期的なランダム化比較試験を主導した。 STEM CELLS Translational Medicineで2021年1月5日に掲載されたこのオープンアクセス論文は「COVID-19急性呼吸窮迫症候群の臍帯間葉系幹細胞:二重盲検、フェーズ1 / 2a、ランダム化比較試験(Umbilical Cord Mesenchymal Stem…
771
1月 29, 2021 バイオクイックニュース日本語版

骨粗鬆症における骨破壊を排除するための潜在的な細胞ターゲットが特定された

新研究で骨が形成され維持される方法を支配する細胞種が発見され、骨粗鬆症などの骨障害の治療法の潜在的なターゲットが切り開かれた。 ペンシルベニア大学のペレルマン医学部の教員が率いるげっ歯類による研究では、骨髄脂肪生成系統前駆体(marrow adipogenic lineage precursors : MALP)が骨の再構築に明確な役割を果たしていることが示された。…
865
1月 27, 2021 バイオクイックニュース日本語版

膠芽腫は脳損傷後の治癒過程が関与している可能性があるとシングルセル技術を用いた新研究が示唆

外傷からの感染や、脳卒中など脳損傷の治癒過程は、膠芽腫の成長を促進する可能性がある。 2021年1月4日にNature Cancerのオンラインで公開されたこの調査結果は、トロント大学病院、ザ・ホスピタル・フォー・シック・チルドレン(SickKids)およびプリンセスマーガレット癌センターの学際的な研究者チームによって報告された。…
558
1月 25, 2021 バイオクイックニュース日本語版

5万人のPETスキャン画像から褐色脂肪と健康の関連性が明らかに

褐色脂肪はあなたがもっと欲しがるかもしれない魔法の組織かもしれない。 カロリーを蓄える白色脂肪とは異なり、褐色脂肪はエネルギーを燃焼し、科学者はそれが新しい肥満治療の鍵を握ることを望んでいる。 しかし、褐色脂肪が豊富な人が、本当に健康を楽しんでいるかどうかは長い間不明だった。 褐色脂肪は体の奥深くに隠されているため、褐色脂肪が豊富な人を特定することさえ困難だったのがその理由の一つだ。2021年1月4日に Nature Medicine…
801
1月 22, 2021 バイオクイックニュース日本語版

脳の障害や疾患の治療を支援するために、血液脳関門を通り抜けsiRNAが前例のないほど送達できるナノ粒子ドラッグデリバリーシステムが開発された。

過去数十年の間に、研究者は神経変性疾患につながる生物学的経路を特定し、それらを標的とする有望な分子剤を開発した。 しかし、これらの臨床的に承認された治療への変換は、血液脳関門(blood-brain barrier:BBB)を越えて脳に治療薬を送達する際に直面する課題のために、なかなか進まずにいる。 脳への治療薬の送達を成功させるために、ブリガムアンドウィメンズ病院とボストンチルドレンズホスピタルのバイオエンジニア、医師、および共同研究者のチームは、マウスの物理的に損傷した/または 無傷のBBB…
655
1月 17, 2021 バイオクイックニュース日本語版

人間や哺乳類やワームのヘモグロビンは全て同じ祖先遺伝子から進化したと新研究が示唆

ヘモグロビンはいくつかの種で独立して出現したが、実際には共通の祖先によって伝達された単一の遺伝子に由来することが、フランス国立科学研究センター(CNRS)、パリ大学、ソルボンヌ大学、サンクトペテルブルク大学そしてリオデジャネイロ大学の科学者らによる新研究で示された。これらの調査結果は、2020年12月29日にBMC Evolutionary Biologyのオンラインで公開された。 このオープンアクセスの論文は「海洋環形動物Platynereis…
680
1月 14, 2021 バイオクイックニュース日本語版

地球上の生命の起源についてRNAワールド説を打ち破る新発見が報告された。

カリフォルニア州ラホーヤにあるスクリプス研究所の化学者は、生命が地球上でどのように発生したかについての新しい見方を支持する驚くべき発見をした。ドイツ化学会誌のアンゲヴァンテ・ケミーに2020年12月15日にオンラインで公開された研究によると、生命が生まれる前に地球上に存在していたと思われるジアミドホスフェート(DAP)と呼ばれる単純な化合物が、デオキシヌクレオシドと呼ばれる小さなDNAビルディングブロックを化学的に編み合わせて原始DNA鎖にした可能性があるという。この発見は、過去数年にわたる一連の発見の最新のもので…
926
1月 11, 2021 バイオクイックニュース日本語版

網膜神経節細胞の分子カタログ化で、視覚刺激を行動に変換する脳のメカニズムに迫る

網膜神経節細胞(Retinal ganglion cells:RGC)は、すべての視覚的印象が網膜から脳に流れるボトルネックだ。 マックス・プランク神経生物学研究所、カリフォルニア大学バークレー校、そしてハーバード大学のチームは、これらのニューロンのさまざまなタイプを説明する分子カタログを作成した。 これにより、個々の網膜神経節細胞タイプを体系的に調査し、特定の接続、機能、および行動応答に関連付けることができる。ゼブラフィッシュが光を見るとき、彼らはしばしばそれに向かって泳ぐ。…
752
12月 25, 2020 バイオクイックニュース日本語版

幻覚剤ではないサイケデリックス薬イボガイン類似体が、依存症、うつ病、その他の精神障害を治療する可能性

中毒、うつ病、およびその他の精神障害を治療する可能性のある、幻覚剤ではないバージョンのサイケデリックス薬イボガインが、カリフォルニア大学デービス校の研究者によって開発された。この仕事を説明する論文が2020年12月9日にNatureのオンラインで公開された。 この論文は「治療の可能性を秘めた非幻覚剤サイケデリックスアナログ(A Non-Hallucinogenic Psychedelic Analogue with Therapeutic…
1566
12月 23, 2020 バイオクイックニュース日本語版

空腹感のスイッチをオフにするホルモンが肥満治療に役立つ可能性

マウスで食物摂取を抑制し満腹感を高めるホルモンが、ヒトとヒト以外の霊長類でも同様の結果を示したことが、eLife(2020年11月24日)のオンラインで公開された新研究で述べられている。 この論文は「リポカリン-2は霊長類の食欲抑制シグナルである。(Lipocalin-2 Is an Anorexigenic Signal in Primates.)」と題されている。リポカリン-2(画像)と呼ばれるホルモンは、満腹感の自然なシグナルが機能しなくなった肥満の人々の潜在的な治療法として使用できるかもしれない。…
865
12月 20, 2020 バイオクイックニュース日本語版

脂肪組織がCOVID-19の悪化に重要な役割を果たすという仮説

脂肪組織が COVID-19 の悪化に重要な役割を果たすという証拠が増えている。 調査中の理論の1つは、脂肪細胞(adipocytes)がSARS-CoV-2の貯蔵庫として機能し、肥満または太りすぎの人のウイルス量を増加させるというものだ。科学者らはまた、感染中に脂肪細胞が血流中に放出され、生体内のウイルスによって引き起こされる炎症反応を促進すると考えている。これらの仮説は、ブラジルのサンパウロ大学医学部(FM-USP)臨床外科の教授 Marilia Cerqueira Leite…
931
12月 18, 2020 バイオクイックニュース日本語版

キンカチョウは50羽以上の仲間の鳴き声を迅速に記憶できることが判明

もし鳴き鳥たちが「The Masked Singer」(翻訳者注:米テレビシリーズ・芸能人が覆面を身に着けて歌を歌うカラオケ勝ち抜きバトル)の審査員になれば、きっとキンカチョウが番組を牛耳るだろう。 カリフォルニア大学バークレー校の新研究によると、キンカチョウは群れの少なくとも50メンバーの異なる特徴的な音をすばやく記憶できるからだ。Science…
920
12月 16, 2020 バイオクイックニュース日本語版

プロジェリア(早老症)の治療薬がFDAにより認可された

2020年11月20日、プロジェリア研究財団は、プロジェリアおよびプロセシング欠損早老性ラミン病(PL)の治療薬であるZokinvy™(ロナファルニブ)が米国食品医薬品局(FDA)により認可されたと発表した。プロジェリアは、非常にまれで、致命的で、急速に老化する常染色体優性疾患だ。…
1329
12月 10, 2020 バイオクイックニュース日本語版

高圧酸素治療はテロメアを伸ばし老化細胞の数を減らすという、老化プロセスの停止/逆転のエビデンスが発表された

イスラエルのテルアビブ大学とシャミール医療センターによる新研究は、健康な老化した成人の高圧酸素治療が血球の老化を止め、老化プロセスを逆転させることができることを示した。 生物学的な意味で、成人の血球は治療が進むにつれて実際に若くなるという。この研究者らは、圧力チャンバー内の高圧酸素によるユニークなプロトコルによる治療が、老化とその病気に関連する2つの主要なプロセス(テロメアの短縮と体細胞の機能不全による古い蓄積)を逆転させることができることを発見した。…
1924
12月 09, 2020 バイオクイックニュース日本語版

使用済みのmiRNAを分解する細胞メカニズムが発見された。

テキサス大学サウスウエスタン(UTSW)の研究者は、細胞内のタンパク質の量を調節する遺伝子分子であるマイクロRNA(miRNA)を分解する細胞のメカニズムを発見した。 2020年11月12日にサイエンスのオンラインで報告されたこの研究成果は、細胞の内部の働きに光を当てるだけでなく、 最終的には、感染症、癌、および他の多くの健康問題と戦うための新しい方法につながる可能性がある。 この論文は、「ユビキチンリガーゼは、テーリングとトリミングとは独立して、ターゲットに向けられたマイクロRNAの崩壊を仲介する(A…
948
12月 09, 2020 バイオクイックニュース日本語版

なぜ子供はCOVID-19にかかりにくいのか?その鍵となるファクターが特定された。

ヴァンダービルト大学医療センター(VUMC)の研究者らは、 COVID-19 が成人や高齢者に優先的に感染して発症する一方で、幼い子供には感染しにくいように見える理由について鍵となるファクターを特定した。 COVID-19を引き起こすRNAウイルスであるSARS-CoV-2が、肺の気道上皮細胞に侵入するのに必要な酵素/補助受容体であるTMPRSS2(画像)のレベルが大人より子供の方が低くかった。2020年11月12日にJournal of Clinical…
1122
12月 09, 2020 バイオクイックニュース日本語版

COVID-19療法で間葉系幹細胞や回復期血漿を用いる際は、エクソソームの関与を考慮しなければならないとの提言

2020年11月14日にThe Journal of Extracellular Vesiclesのオンラインで公開されたオープンアクセスの論文で、イェール大学医学部内科リウマチ学および臨床免疫学部門医学病理学教授のPhilip Askenase医学博士(写真)は、重度の COVID-19 患者の場合、間葉系幹細胞(MSC)由来の エキソソーム…
908
12月 02, 2020 バイオクイックニュース日本語版

幹細胞とCRISPRにより、希な新生児糖尿病を引き起こす突然変異が特定された。

赤ちゃんが希なタイプの糖尿病を発症した理由についての遺伝的パズルを解くことで、インスリン産生の基礎となる新しい生物学的パスウェイが明らかになり、より一般的な糖尿病においても新しい治療法の研究が促進されるかもしれない。2020年11月9日にJournal of Clinical Investigationに発表されたこの研究はゲノムシーケンシングを使用して、出生直後に糖尿病を発症するという共通の臨床的特徴を持つ赤ちゃんのグループのすべてがYIPF5遺伝子に突然変異があることを明らかにした。…
792
11月 30, 2020 バイオクイックニュース日本語版

古代遺跡のリアルタイムPCR解析によって兵士と民間人に見られる感染症の起源を調査

1915年にイギリス海外派遣軍で最初に観測された塹壕熱は、第一次世界大戦中に推定50万人の兵士を病気にした。それ以来、この病気は戦場の代名詞となっている。 しかし今日、国際的な研究チームによる新研究で、この病気に関する証拠が明らかになった。PLOS ONE(2020年11月4日)で公開されたこの研究は、第一次世界大戦より数千年も前の民間人に起きた塹壕熱の、DNAエビデンスの発見について概説している。この研究チームは1世紀から19世紀の間に生きていた合計 145人の骨片と歯を分析した。…
966
11月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

エクソソームで教育されたマクロファージは靭帯の損傷を差次的に改善できる

毎年、靭帯の損傷により、何千人ものアスリートや一般市民が厳しい状況に置かれている。 回復には時間がかかり、痛みを伴う。また、瘢痕が形成されたために完全に機能が戻らない場合もある。これは、靭帯の損傷がさらに損傷しやすくする要因だ。Stem Cells(2020年11月3日)で発表されたこの新しい エクソソーム ベースの研究は、将来的には歓迎すべき解決策につながる可能性がある。…
971
11月 26, 2020 バイオクイックニュース日本語版

RNAとDNA鎖が合わさったレトロンの謎が解き明かされた。将来CRISPRと組み合わせたゲノム編集ツールになるかもしれない。

半分がRNAで半分が一本鎖DNAであるレトロン(画像)と呼ばれる独特なハイブリッド構造は、多くの種類の細菌に見られる。 約35年前の発見以来、研究者は実験室でDNAの一本鎖を生成するためにレトロンを使用する方法を学んだが、細菌におけるレトロンの機能が何であるかを誰も知らなかった。2020年11月5日に Cell のオンラインで公開された論文で、ワイツマン科学研究所(イスラエル)のチームは、長年の謎を解く報告をしている。 この論文は「アンチファージ防御におけるバクテリアのレトロンの機能(Bacterial…
1945
11月 18, 2020 バイオクイックニュース日本語版

ゲノムワイド関連解析でヒトの繁殖能力と不妊の根底にあるメカニズムに一歩迫る成果【アメリカ人類遺伝学会2020仮想年次総会】

繁殖成功度に関連する遺伝的変異を特定した国際研究チームは、自分たちの発見が繁殖能力と不妊の根底にあるメカニズムを浮き彫りにする可能性があると述べた。 さらに、彼らの分析は、現在の選択の下で対立遺伝子を検出し、ヒトで進行中の自然淘汰の性質の洞察を提供するものだ。ペンシルベニア大学の集団遺伝学者であるIain Mathieson博士は、米国人類遺伝学会2020仮想会議でこの研究結果を発表した。…
965
11月 16, 2020 バイオクイックニュース日本語版

遺伝学とCOVID-19パンデミックに関するの最新の研究結果が発表された【アメリカ人類遺伝学会2020仮想年次総会】

COVID-19 のパンデミックは依然として世界中で猛威を振るっているが、アメリカ人類遺伝学会(ASHG)のメンバーは、ウイルスがどのように広がり、人々に感染するか、感受性と重症度に大きなばらつきがある理由を理解し、そして治療の可能性を探すことに取り組んでいる。10月28日水曜日、6人の研究者がASHG 2020仮想年次総会(10月27-30日)で現在のパンデミックに関連するいくつかの最新の研究結果を発表した。この会議には、世界80か国以上から6,000人を超える登録者が参加した。…
884
11月 13, 2020 バイオクイックニュース日本語版

無細胞DNAは、臓器の健康状態のリアルタイムのスナップショットを提供する【アメリカ人類遺伝学会2020仮想年次総会】

血液、尿、その他の生体液を循環する無細胞DNA(cfDNA)の短い断片は、人類の生理学や病気に関する豊富な情報を提供する。 cfDNAのメチル化マーカーを調べることで、研究者はDNAの由来組織を特定することが可能だ。新研究では、この方法を使用して、 COVID-19 感染を含む感染症および免疫関連疾患をモニターし、この技術の潜在的な臨床応用を実証している。 コーネル大学生物医学工学の博士課程学生であるAlexandre…
1026
11月 11, 2020 バイオクイックニュース日本語版

重度のCOVID-19の年配男性患者は、回復期の血漿療法に最適なドナーかもしれない

ジョンズホプキンスブルームバーグ公衆衛生大学院の研究者が共同で主導した新研究によると、性別、年齢、および病気の重症度は、病気から守る高レベルの抗体を持っている可能性が高い COVID-19 生存者を特定するのに役立つ可能性があるという。この調査結果は、入院後にCOVID-19から回復した年配の男性が、COVID-19患者を治療するための血漿を提供する有力な候補であることを示唆している。…
1331
11月 06, 2020 バイオクイックニュース日本語版

健康な心臓と、心筋症の心臓の違いが原子レベルの精度で初めて示された

それは分子スケールでは小さなゲームのように見えるかもしれない。 心筋細胞のフィラメント状タンパク質は、心臓を鼓動させるため完全に協調できるように、正確に同じ長さである必要がある。 別のタンパク質は、フィラメントが適切なサイズであるかどうかを判断し、そこに小さなキャップを付ける。…
777
11月 04, 2020 バイオクイックニュース日本語版

血液検査で新型コロナの重症化を予測できる新スコアが初めて開発された

どの患者が重症型の COVID-19 を発症するかを正確に予測できるスコアが初めて開発された。 RCSI(アイルランド王立外科医学院)大学の研究者が主導するこの研究は、2020年10月8日にランセットのトランスレーショナルリサーチジャーナルEBioMedicineのオンラインで発表された。 このオープンアクセスの論文は、「インターロイキン-6とインターロイキン-10の比率に基づく線形予後スコアが COVID-19 の転帰を予測する。(A Linear Prognostic Score Based on the…
1356
11月 02, 2020 バイオクイックニュース日本語版

遺伝子発現を調節する分子機械の「前例のない」3Dモデルが開発された。これにより多くの癌関連の突然変異がマッピング可能に。

DNA構造を修飾し癌や他のいくつかの病気で頻繁に変異しているBAF複合体(哺乳類のSWI / SNF複合体)の前例のない3次元構造モデルが作成された。ダナファーバー癌研究所のCigall Kadoch博士(写真)率いる研究チームは、ヒト細胞から直接精製されたBAF複合体の最初の3D構造の『像』を報告した。…
854
10月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

カリフォルニア工科大学の研究者によって新型コロナウィルス感染を10分以内で検出する低コストデバイスが発表された

新型コロナ COVID-19 の特徴の1つは、まだ感染の兆候を示していない人が他の人に簡単に感染させる可能性があり、封じ込めが非常に難しいことだ。 ウィルスの保菌者は完全に体調が良く、日常業務に取り掛かる可能性がある。ウィルスを仕事に連れて行ったり、家族のいる家に連れて帰ったり、集会に行ったりする。…
1138
10月 26, 2020 バイオクイックニュース日本語版

希な遺伝的形態の認知症の発見により、アルツハイマー病の新しい治療法の可能性が浮上

ペンシルベニア大学医学部の研究チームによって、新しい、希な遺伝的形態の認知症が発見された。 この発見はまた、脳内にタンパク質が蓄積する新しいパスウェイに光を当てるものだ。この新しいパスウェイは、この新たに発見された病気や、アルツハイマー病などの関連した神経変性疾患を引き起こし、新しい治療法の対象となる可能性がある。 この研究は、2020年10月1日にScienceでオンラインで公開された。この論文は「常染色体優性VCPハイポモルフ変異はPHF-タウの分解を損なう(Autosomal Dominant VCP…
1629
10月 23, 2020 バイオクイックニュース日本語版

毛包幹細胞の代謝を微調整することで脱毛は防げる

ケルンとヘルシンキの研究チームは、脱毛を防ぐメカニズムを発見した。髪の再生に不可欠な毛包幹細胞は、組織内の低酸素濃度に応じて代謝状態を切り替えることで、寿命を延ばすことができるという。この研究チームは、Sara Wickström准教授(ヘルシンキ大学およびマックス・プランク老化生物学研究所)と皮膚科医のSabine Eming教授(ケルン大学)によって率いられ、ケルン大学の老化研究のCECAD…
900
10月 19, 2020 バイオクイックニュース日本語版

5億年前に脊椎動物への進化を解き放った遺伝子ファミリーをCRISPRで特定

コロラド大学ボルダー校主導の研究で、脊椎動物と無脊椎動物を別ける特性は、5億年前の新しい遺伝子セットの出現によって可能となり、新しい遺伝子が脊椎動物の新しい形質の進化において重要な役割を果たしたことを発見した。2020年9月16日にNatureのオンラインで公開されたこの研究成果は、脊椎動物にのみ見られる遺伝子ファミリーが、胚発生時に脊椎動物に特有の頭の骨格やその他の形質を形成するために重要であることを示している。 この論文は「エンドセリン経路の進化が神経堤細胞の多様化を促進した(Evolution of the…
1212
10月 16, 2020 バイオクイックニュース日本語版

ウイルスを食べる海洋原生生物を発見か?これまでウイルスを食べる生物は知られていなかった

ウイルスは、大気から深海まで、地球上のいたるところに天文学的な数で発生する。 驚くべきことに、ウイルスの豊富さと栄養素の豊富さを考えると、それらを食物として使用する生物は知られていなかった。2020年9月24日、Frontiers in…
2793
10月 14, 2020 バイオクイックニュース日本語版

ヒトY染色体遺伝子によって制御される非性器機能が発見された。なぜ特定の病気が男性と女性に異なる影響を与えるのか?その理由を解明できるかもしれない。

男性特有のY染色体遺伝子のあまり知られていない役割に新たな光が当てられ、 COVID-19 を含むさまざまな病気で、男性が女性とは異なる重症化を示すのか理由を説明することができるかもしれない。この研究成果は、モントリオール大学・モントリオール臨床研究所の実験的心臓血管生物学研究ユニットのディレクターであるChristian Deschepper医学博士によって、Scientific Reports…
1237
10月 12, 2020 バイオクイックニュース日本語版

COVID-19致死率の国による差を説明する論文が報告された。2つの遺伝的変異のいずれかの保因者がハイリスクの可能性。

テルアビブ大学の研究者らによると、遺伝子変異PiZまたはPiSの保因者は、重度の病気や COVID-19 による死亡のリスクが高いことを示唆している。 これらの変異は、重度の感染症の場合に肺組織を損傷から保護するα1-アンチトリプシンタンパク質の欠損に繋がっているという。他の研究では、このタンパク質の欠乏が他の疾患の肺機能への炎症性損傷と関連していることがすでに知られている。 この研究は、テルアビブ大学サックラー医学部のDavid Gurwitz教授、Noam Shomron教授および修士課程候補のGuy…
1920
10月 09, 2020 バイオクイックニュース日本語版

色を識別しないはずのタランチュラが鮮やかな青色と緑色であることの理由とは?

なぜある種のタランチュラはとても鮮やかな色をしているのだろうか? 科学者らは、色を区別できないと長い間考えられていた夕方と夜間に活動する大きくて毛むくじゃらのクモが、なぜこのように鮮やかな青色と緑色なのかに疑問に感じ、それらが色覚を持っているのではと考えた。イェール-NUS大学(シンガポール)とカーネギーメロン大学(CMU)(米国)の研究者による最近の研究は、新しい仮説を支持している。これらの鮮やかな青色は、仲間間のコミュニケーションに潜在的に使用でき、緑色は葉の間に身を隠すための能力を与えるというものだ。…
1066
10月 07, 2020 バイオクイックニュース日本語版

DNA梱包装置(SWI/SNF複合体)の突然変異がどのように癌を引き起こすのかが明らかに

まるでレンチのように、SWI/SNF(SWItch / Sucrose Non-Fermentable)クロマチンリモデリング複合体は、細胞内のDNAを引き締めたり緩めたりして、タンパク質になるための遺伝子の回転を制御する。これらの複合体は、正しく組み立てられると、正常組織の発達に重要な役割を果たし、壊れると癌の発症につながる可能性がある。通常、これらの複合体はそれらをコードする遺伝子の突然変異によって破壊されるが、これがどのように癌につながるのかはよく解っていなかった。 テキサス大学(UT)サウスウエスタン校…
1075
10月 04, 2020 バイオクイックニュース日本語版

ニシンでオスの性染色体の誕生を再構築できたことが報告された

性染色体の進化は、性決定の根底にあるメカニズムを安定させ、通常は等しい性比をもたらすため、生物学ではとても重要だ。 スウェーデンのウプサラ大学の研究者が率いる国際的な研究チームは、タイセイヨウニシンでオスの性染色体の誕生を再構築することができたと報告している。オス特有の領域は小さく、性決定因子の3つの遺伝子と精子タンパク質の2つの遺伝子しか含まれていない。 この研究は最近PNASで発表された。…
862
10月 02, 2020 バイオクイックニュース日本語版

循環血液中の遊離前駆体型ビタミンDレベルは、将来の健康リスクの優れた予測因子である可能性が示唆された

欧州内分泌学会(e-ECE 2020)年次総会で発表された研究成果(要約#1044)によると、高齢男性における血中の遊離循環ビタミンDレベルは、総ビタミンDよりも将来の健康リスクのより優れた予測因子である可能性があるという。これらのデータは、血流中を循環していることがわかった遊離の前駆体型ビタミンDが、頻繁に測定される総ビタミンDよりも、将来の健康と病気のリスクをより正確に予測することを示唆している。ビタミンD欠乏症は、次のような複数の深刻な健康状態に関連しているためだ。…
1037
9月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

患者血中の微生物DNA解析で癌の早期発見と種類判別ができる可能性が報告された

Gregory Poore氏がまだ大学の新入生だったとき、彼の祖母が後期段階の膵臓癌にかかっていることを知ってショックを受けた。 この状態は12月下旬に診断され、彼女は1月に亡くなった。 「彼女には事実上、警告の兆候や症状はなかった」とPoore氏は語った。 「なぜ彼女の癌が以前に発見されなかったのか、なぜ彼らが試みた治療に耐性を示したのか誰も説明することができなかった」Poore氏…
1552
9月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

新規T細胞受容体(TCR)により癌の万能療法の展望が開けた

イギリス・ウェールズのカーディフ大学の研究者は、「万能型」の癌治療に希望を与える新しいタイプのキラーT細胞を発見した。 癌のT細胞療法(免疫細胞を採取し、修正し、癌細胞を探して破壊するために患者の血液に戻す)は、癌治療の最新パラダイムだ。CAR-Tとして知られ最も広く使用されている治療法は、各患者に合わせてカスタマイズされているが、数種類の癌のみを対象としており、癌の大部分を占める固形腫瘍では成功していない。…
1339
9月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

8000万年以上保存されてきた有害エクソンは不可欠であり抗腫瘍活性があることをCRISPRベースの手法で発見

我々はマウスとの共通点はあまり無い。 8000万年に渡る進化による分岐の後、DNAの類似点を見るためには少し目を凝らす必要がある。 進化に抵抗し、マウスとヒト(そしてラットとフグ)の間で同一であり続けたDNA断片は、重要であり、恐らく不可欠であることは明らかだ。シアトルのFred Hutchinson Cancer Research Centerの科学者は、これらの超保存されたDNA要素が不可欠であることを示した。2020年1月7日にNature…
1242
9月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

史上初、成人トランス女性の精巣のゲノム解析で発達と癌に関する洞察が得られた

ユタ大学のハンツマン癌研究所(HCI)の研究者は、ヒトの思春期プロセスの史上初のゲノムスケール分析で、思春期の男性の幹細胞に対する明確かつ重要な変化の概要を説明している。 さらにこの研究では、テストステロンとテストステロンを産生する細胞が、男性の生殖器官の幹細胞にどのように影響するかを概説している。この研究で、不妊や癌やその他の病気につながる細胞の変化など、人の健康の重要な領域に関する洞察をもたらす知識が劇的に追加されるとこの研究者は考えている。 2020年1月9日にCell Stem…
1295
9月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

前立腺癌がどのように二次腫瘍を引き起こすかについて新しい洞察が発表された

前立腺癌細胞が動き広がり始めるためにどのようなメカニズムが使用されるのかについて、分子レベルでの理解の高まりは、長期的には、進行性の前立腺癌の治療のための新しい機会を提供するかもしれない。これについて、スウェーデンのウメオ大学病理学教授のMaréne Landström医学博士(写真)が発表したばかりの新しい研究成果が示唆している。この研究はウプサラ大学の研究者および日本の昭和薬科大学の伊東 進 博士と共同で行われたものだ。この研究は、2020年9月3日にiScienceでオンラインで公開された。…
825
9月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

Johnson&Johnsonは6万人の被験者を対象としたCOVID-19ワクチン候補のフェーズ3有効性試験を開始

COVID-19 のほとんどの人は比較的軽度の症状だが、一部の人は重度の肺炎と呼吸不全を発症し、死に至る可能性がある。Beth Israel Deaconess Medical Center(BIDMC)の免疫学者Dan H. Barouch医学博士らは、最近発表されたこれまでの研究で、COVID-19ワクチン候補が中和抗体を産生し、COVID-19を引き起こすウイルスSARS-CoV-2から非ヒト霊長類(NHP)を強力に保護することを示した。2020年9月3日にNature…
786
9月 23, 2020 バイオクイックニュース日本語版

既存薬物のエブセレンがCOVID-19の新しい治療戦略の開発に役立つ可能性

2019年後半に中国の武漢市で初めて出現したSARS-CoV-2ウイルスは、世界中で病気と死を引き起こしている。 既に承認された医薬品の転用を含め、 COVID-19 を治療するための複数のソリューションが検討されてきたが、この研究は非常に有望な治療オプションを指摘している。シカゴ大学のプリツカー分子工学大学院(PME)の研究チームは、最先端のコンピューターシミュレーションを使用して、この世界的なパンデミックの解決策を迅速に追跡できる既存の薬物を特定した。 彼らの発見は、2020年8月14日にScience…
1321
9月 17, 2020 バイオクイックニュース日本語版

COVID-19の病原性は、宿主MicroRNAの枯渇によるものという仮説が発表された

なぜ COVID-19 ウイルスは致命的であるのに、他の多くのコロナウイルスは無害で風邪をひくだけなのか? ポーランドとアメリカのアラバマ大学バーミンガム校(UAB)の研究チームがその答えを提案した。COVID-19ウイルスはマイクロRNAの「スポンジ」として機能するという。ポーランドのグダニスク医科大学の Rafal Bartoszewski 博士らによるこの仮説は、American Journal of Physiology-Lung Cellular and Molecular…
1237
9月 16, 2020 バイオクイックニュース日本語版

臓器オンチップマイクロシステムの使用で卵巣癌転移の機序解明に成果が得られた

テキサスA&M大学の生物医学工学部および医学生理学部の助教授Abhishek Jain博士(写真)は、MDアンダーソン癌センターの婦人科腫瘍学および癌生物学の研究者らと協力して、卵巣癌腫瘍、血管、血小板の間の相互作用について研究を行っている。この研究者らは、腫瘍が血管の障壁を破り、これが血小板を含む血液細胞とのコミュニケーションを可能にすることを発見した。 これらの腫瘍が血小板と接触すると、転移する可能性がある。 この共同研究の成果は、2020年7月27日にBlood Advancesのオンラインに掲載された。…
775
9月 14, 2020 バイオクイックニュース日本語版

家畜および野生生物の炭疽症に対する経口ワクチン開発に進展

テキサスA&M大学獣医学部(CVMBS)での画期的な研究により、野生生物における何世紀にも渡る炭疽菌との戦いにおいて、新しい武器が間もなく登場するかもしれない。炭疽症は炭疽菌と呼ばれる細菌によって表面の土壌や草が汚染され、家畜や放牧野生生物が摂取または吸入することで引き起こされる病気である。 これは、テキサス州西部で特に一般的で、毎年この病気によって家畜と野生生物が死んでいる。 普段は注意を引く問題ではないが、2019年の急増により州全体に注目が集まった。 CVMBS獣医病理学部(VTPB)のWalt Cook…
668
9月 11, 2020 バイオクイックニュース日本語版

ヒトの読書能力は下側頭葉皮質のリサイクルがもたらしたとの仮説をMITの神経科学者が提唱

ヒトが読み書きのシステムを開発し始めたのは過去数千年以内のことだ。 我々の読書能力は他の動物種と一線を画すものだが、数千年はヒトの脳が特に読書に専念する新しい領域を進化させるにはあまりにも短い時間枠だ。 このスキルの発達を説明するために、一部の科学者は、元々他の目的のために進化した脳の部分が読書のために「リサイクル」されたと仮定した。2020年8月4日にNature…
780
9月 09, 2020 バイオクイックニュース日本語版

致命的なプリオン病のアンチセンスオリゴヌクレオチド療法に関する画期的な論文が発表された

ハーバード大学医学部とブロードインスティチュートのSonia Vallabh博士(写真)とEric Minikel 博士、イオニスファーマシューティカルズ のHoni Kordasiewicz博士、そしてマクラフリン研究所のDeborah Cabin 博士が率いる研究チームは、2020年8月10日に Nucleic Acids Research のオンラインで発表された「プリオンタンパク質の低下は疾患修飾因子である(Prion Protein Lowering is a Disease-modifying…
1550
9月 07, 2020 バイオクイックニュース日本語版

深海アンコウの驚くべき繁殖戦略/性的寄生について1世紀に渡る難問が解決

深海アンコウは、驚くべき繁殖戦略を採用している。 小さな子供のオスは、比較的巨大なメスに永久に付着し、組織を融合させ、その後、共通の血液循環を確立する。 このようにして、母親の子宮の発達中の胎児や移植患者のドナー臓器のように、オスは栄養供給に関してメスに完全に依存するようになる。アンコウの、この異常な現象は性的寄生と呼ばれ、雌雄がめったに出会わない深海の広大な空間に住むこれらの動物の繁殖成功に貢献している。…
1742
9月 01, 2020 バイオクイックニュース日本語版

BBOX1酵素の阻害は、トリプルネガティブ乳癌の効果的な治療アプローチになる可能性がある。

UT サウスウェスタン(UTSW)の研究者らによる新たな研究で、酸素感知酵素の1種がトリプルネガティブ乳癌(TNBC)療法の有効なターゲットになる可能性があることが報告された。2020年7月20日にCancer Discoveryのオンラインで発表されたこの研究成果は、有効な治療オプションがほとんどなく、予後不良に直面することが多いこの患者のサブセットに希望をもたらすかもしれない。 この論文は、「トリプルネガティブ乳癌の治療標的としてのBBOX1の特定(Identification of BBOX1 as a…
822
8月 31, 2020 バイオクイックニュース日本語版

GTPase Rab11aエクソソームが癌の成長と治療抵抗性を促進すると新研究が示唆

英国の助成を受けたオックスフォード大学の研究者による共同研究では、癌細胞が成長し治療によるストレスに癌細胞が適応する新しいメカニズムが明らかになった。 このメカニズムには、細胞がエクソソームとして知られている小さな小胞を放出することが含まれる。 これらの エクソソーム は、タンパク質、RNA、および他の分子の複雑な混合物を含み、周囲の細胞を再プログラムすることができる。エクソソームは、体内のすべての細胞によって放出され、免疫や生殖などの健康な個人の多くのプロセスで重要な役割を果たすと考えられている。…
2395
8月 30, 2020 バイオクイックニュース日本語版

MicroRNA-218-5pを含む皮膚エクソソームが毛髪の再生を促進することが判明

ノースカロライナ州立大学の研究者は、毛髪の再生を促進する可能性のあるマイクロRNA(miRNA)を特定した。 このmiRNA(miR-218-5p)は、毛包の再生に関与するパスウェイの調節に重要な役割を果たしており、将来の薬剤開発の候補となる可能性がある。毛髪の成長は、毛包の成長サイクルを調節する真皮乳頭(dermal papillae)細胞の健康に依存する。 脱毛のための現在の治療は、侵襲的な手術から望ましい結果をもたらさない化学的治療に至るまで、費用がかかり、効果的でない場合がある。…
1316
8月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

バークホルデリアが10代と成人の嚢胞性線維症患者にのみ感染する理由の手掛かりが得られた

いくつかの異なる種類の細菌が嚢胞性線維症 (CF: Cystic Fibrosis)の人々に肺感染症を引き起こす可能性がある。 肺炎を引き起こす可能性のある緑膿菌は、通常、乳幼児に感染し、生涯持続するが、バークホルデリアセパシア(Burkholderia cepacia)複合種は10代と成人にのみ感染する。バークホルデリア感染症は希だが、定着した場合には致命的だ。 現在、UNC微生物学および免疫学部の教授であるPeggy Cotter…
2036
8月 24, 2020 バイオクイックニュース日本語版

タスマニアデビルの研究からヒトの癌治療の新洞察が得られる可能性

伝染性のまれな腫瘍によりタスマニアデビルは絶滅の危機に瀕しているが、ワシントン州立大学とシアトルのフレッドハッチンソン癌研究センターの科学者らによる新しい研究は、この動物の生存とヒトの癌の新しい治療への希望を示している。2020年8月1日にGeneticsのオンラインで公開されたこの研究では、野生のタスマニアデビルの伝染性癌の成長を抑制する単一の遺伝子変異(RASL11Aの活性化)が見付かった。 この論文は、「RASL11Aの活性化に関連するタスマニアデビルでの腫瘍の自然退縮(Spontaneous Tumor…
1121
8月 24, 2020 バイオクイックニュース日本語版

100年以上生きるムカシトカゲの遺伝子研究で国際研究チームとマオリ族が連携

ニュージーランド固有の爬虫類であるムカシトカゲのゲノムを配列決定するために、国際研究チームがマオリ族と連携した。2020年8月5日にNatureでオンラインで公開された研究は、この古代種の進化を理解するための基礎を築き、それを保護するための保全活動に情報を与えることができる。 このオープンアクセスの論文は「ムカシトカゲのゲノムが羊膜類進化の古代の特徴を明らかにする(The Tuatara Genome Reveals Ancient Features of Amniote…
1230
8月 21, 2020 バイオクイックニュース日本語版

ISEV2020バーチャル年次総会の最後の特集アブストラクトに、細胞外小胞のカーゴリリースに焦点を当てた発表が選ばれた。

ISEV 2020仮想年次総会(7月20〜22日)中に報告された特集アブストラクトでは、オランダのフローニンゲン大学生物医学工学部のBhagyashree Joshi氏(写真)が、「遺伝的にコード化されたプローブが細胞内の細胞外小胞カーゴの放出に関する洞察を提供する(Genetically Encoded Probes Provide Insight into Extracellular Vesicle Cargo Release in…
870
8月 19, 2020 バイオクイックニュース日本語版

ISEV2020バーチャル年次総会の注目の要旨に、Ral-GTPaseがどのようにエクソソームの生合成と臓器向性を制御し転移を促進するかに焦点を当てた発表が選ばれた。

7月20〜22日に開催されたISEV2020仮想年次総会(International Society for Extracellular Vesicles)で、フランス・ストラスブール大学のJacky Goetz博士の腫瘍メカニクスラボに所属するShima Ghoroghi氏(写真)は、「Ral-GTPaseは、 エクソソーム の生合成と臓器向性を制御することにより転移を促進する(Ral-GTPases Promote Metastasis by Controlling Biogenesis and…
2685
8月 17, 2020 バイオクイックニュース日本語版

ACE2を提示した細胞外小胞が、侵入するSARS-CoV-2に高効率でデコイとして機能する可能性が報告された

2020年7月8日にオンラインでプレプリントポータルbioRxivに掲載された査読されていないプレプリント論文で、フランスのパリのキュリー研究所の研究者らは、SARS-CoV-2ウイルスのSスパイクタンパク質が結合する表面受容体ACE2(アンギオテンシン変換酵素2)を持つ細胞外小胞( extracellular vesicles )が、侵入するウイルスにデコイとして機能する可能性があることを報告した。 この細胞外小胞は、in vitroでSARS-Co-V2…
3663
8月 11, 2020 バイオクイックニュース日本語版

免疫と長寿のバランスにスプライシング因子が関与している可能性が報告された

人は年をとるにつれて、免疫系は徐々に損なわれる。 この1つの側面:免疫と長寿のバランス法; スプライシング因子RNP-6の変異は線虫の免疫応答を阻害するが、感染を除けば寿命を延ばしている。 RNP-6ヒトオーソログスプライシング因子PUF60は、高齢者の慢性炎症である免疫と寿命の障害にも関与している可能性がある。慢性炎症は、関節炎およびアルツハイマー病を含む複数の加齢性疾患、および感染に対する免疫応答の障害に関連している。…
1075
8月 06, 2020 バイオクイックニュース日本語版

概日時計は遺伝性と非遺伝性の両方のコンポーネントで調節されている

テキサス大学サウスウェスタン(UTSW)の研究者らによる2つの新研究では、概日時計の維持が個々の細胞の遺伝的およびランダムな手段の両方で行われていることについて説明している。これらの研究成果は、2020年5月1日にPNAS、2020年5月27日にeLifeでオンライン公開された。これは生物の概日時計がどのように柔軟性を維持し、老化と癌への洞察を提供するものだ。このオープンアクセスのPNASの論文は「概日周期におけるノイズ駆動型セルラー異質性( Noise-Driven Cellular Heterogeneity…
769
8月 06, 2020 バイオクイックニュース日本語版

ニコチンアミドリボシド・サプリメントの臨床試験で、NAD+の増加と抗老化効果を実証

最近発見された新しい形のビタミンB3、ニコチンアミドリボシド (NR) (写真) の初の比較臨床試験で、この化合物が人体に使用しても安全であり、さらに細胞エネルギー産生やストレス、DNA損傷に対する保護作用に重要な細胞代謝物質のレベルを高めることが明らかになった。マウスを使った研究でも、NAD+と呼ばれる細胞代謝物質のレベルを高めることには、体重増加に対する抵抗力をつけ、血糖値やコレステロール値をよくコントロールし、神経損傷を減らし、寿命を延ばすなどいくつも健康に有益な働きがあることが突き止められている。…
16432
8月 05, 2020 バイオクイックニュース日本語版

コウモリのウイルス耐性と長寿命が、新型コロナウイルスへのヒントを提供するとの展望が発表された

コウモリは、ヒトに影響を与える多くの致命的なウイルス(エボラ出血熱、狂犬病、そして最近では COVID-19 を引き起こすコロナウイルスのSARS-CoV-2など)に対し、耐性があると考えられている。 ヒトはこれらの病原体で有害な症状を経験するが、コウモリはウイルスに著しく耐えることができ、さらに、同じサイズの陸上哺乳類よりもはるかに長く生きる。コウモリの寿命とウイルス耐性の秘密は何か?…
1562
8月 03, 2020 バイオクイックニュース日本語版

癌由来の細胞外小胞のパルミトイル化タンパク質によるリキッドバイオプシーの可能性が示唆された

腫瘍細胞によって血流に放出され、癌の転移を促進する、細胞外小胞(EV:extracellular vesicles)と呼ばれる粒子内のタンパク質に光を当てた新しい研究が報告された。 この調査結果は、これらの 細胞外小胞を含む血液検査が、将来の癌の診断にどのように使用され、侵襲的な外科的生検の必要性を回避できるかを示唆している。ロサンゼルスのシーダーズ・サイナイ病院で外科と生物医学および病理学と臨床検査医学の教授である Dolores Di…
1474
7月 30, 2020 バイオクイックニュース日本語版

動物のシックスセンスを利用した地震早期警報システムの研究が進展

いつどこで地震が発生するか、まだ誰も確実に予測することはできない。 しかし、繰り返し、地震の前に動物が異常な行動をとることが目撃されている。国際協力プロジェクトで、ドイツのコンスタンツ/ラドルフツェルのマックスプランク動物行動研究所およびコンスタンツ大学の集団行動の高度な研究のためのクラスターオブエクセレンスセンターの研究者らは、牛、羊、犬が地震の初期兆候を実際に検出できるかどうかを調査した。…
923
7月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

鉛シーケンシングで細菌細胞内の全RNA構造の同時解析を実現

ドイツのボーフムとミュンスターの研究者らは、細菌細胞内のすべてのRNA分子の構造を一度に決定する新しい方法を開発した。 これまでは、解析を各RNA分子に対して個別に行う必要があった。 正確な組成に加えて、それらの構造はRNAの機能にとって重要だ。チームは、2020年5月28日にNucleic Acids Researchでオンラインで公開された論文で、鉛(Pb)シーケンスのLead-Seqと呼ばれる新しいハイスループット構造マッピング手法について説明している。…
769
7月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

体内の正確な場所でガス状メッセンジャー分子を生成する新手法を開発

一酸化窒素(NO2)は、体内の重要なシグナル伝達分子であり、学習と記憶に寄与する神経系接続の構築に関与している。 また、心血管系や免疫系のメッセンジャーとしても機能する。 しかし、これらの役割とその機能を正確に研究することはこれまで困難だった。 一酸化窒素は気体であるため、その影響を観察するために特定の個々の細胞に向けた実用的な方法はなかった。MITのPolina Anikeeva教授(写真)、Karthish Manthiram博士およびYoel Fink博士、 大学院生のJimin…
816
7月 23, 2020 バイオクイックニュース日本語版

新型コロナウイルスがin vitroで心臓細胞に感染することが最近の研究で判明

米国のシーダーズ・サイナイ病院による新しい研究で、 COVID-19 を引き起こすSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)が心臓細胞に感染する可能性があり、COVID-19患者の心臓細胞が直接感染する可能性があることが示された。 2020年6月25日にCell Reports Medicineのオンラインで公開されたこの発見は、iPS細胞技術によって生産された心筋細胞を使用して行われた。この論文は、「ヒトiPSC由来の心筋細胞はSARS-CoV-2感染の影響を受けやすい(Human iPSC-Derived…
1110
7月 20, 2020 バイオクイックニュース日本語版

血小板は血管壁を選択的に不透過性にし、腫瘍細胞の転移を減らすことが発見された

スウェーデンのウプサラ大学の研究者は、癌における血小板のこれまで知られていない機能を発見した。 マウスモデルでは、これらの血小板が血管壁の保護に役立ち、血管壁を選択的に不透過性にすることで、腫瘍細胞の体の他の部分への広がりを抑えていることが発見された。この研究成果は、2020年6月25日にCancer Researchのオンラインで発表された。 この論文は「血小板特異的PDGFBアブレーションは腫瘍血管の完全性を損ない、転移を促進する(Platelet-Specific PDGFB Ablation…
1024
7月 16, 2020 バイオクイックニュース日本語版

老化T細胞を除去し、肥満による代謝障害を改善する新しいワクチンの開発

老化は多面的なプロセスであり、多くの点で我々の体に影響を与える。 大阪大学大学院医学系研究科・健康発達医学グループの中神啓徳博士らの新しい研究では、研究者が高齢の免疫細胞を除去する新しいワクチンを開発し、肥満マウスにワクチン接種することにより糖尿病関連の代謝異常の改善を実証した。 老化した細胞は、炎症環境を作り出すことにより、周囲の若い細胞に害を及ぼすことが知られている。T細胞(画像)と呼ばれる特定の種類の免疫細胞は、老化した肥満の脂肪組織に蓄積し、慢性炎症、代謝障害、心臓病を引き起こす。…
6667
7月 08, 2020 バイオクイックニュース日本語版

舌の微生物は心不全の大規模スクリーニング、診断、および長期モニタリングに役立つ可能性が示唆された

2020年6月23日に欧州心臓病学会(ESC)の科学的プラットフォームである心不全協会のHFA Discoveriesで発表された研究によれば、舌の微生物は心不全の診断に役立つ可能性があるという。このプレゼンテーションの要約は、「舌コーティングマイクロバイオームデータにより、慢性心不全の患者と健康な患者を区別する(Tongue Coating Microbiome Data Distinguish Patients with Chronic Heart Failure from…
1307
7月 08, 2020 バイオクイックニュース日本語版

血液型とCOVID-19の重篤化リスクについての関連性がNEJMで発表

2020年6月18日、NIHのディレクターであるFrancis Collins 医学博士は、血液型と重度の COVID-19 のリスクについてブログに投稿した。 本記事は、そのブログの内容に基づいている 。 Collins 博士のブログのタイトルは「遺伝子、血液型は深刻なCOVID-19のリスクに結びついている(Genes, Blood Type Tied to Risk of Severe COVID-19.)」…
3067
7月 05, 2020 バイオクイックニュース日本語版

MMRワクチンによる自然免疫システムの活性化はCOVID-19の最悪の後遺症への予防策になるとの提言

MMRワクチン(はしか、おたふく風邪、風疹)の投与は、 COVID-19 感染に関連する敗血症性炎症を抑制する予防策として役立つ可能性があると、2020年6月19日にアメリカ微生物学会のmBioジャーナルで発表された。この論文は、「COVID-19感染に関連する敗血症性炎症を抑制する予防策として、無関係の生弱毒化ワクチンが役立つだろうか?(Could an Unrelated Live Attenuated Vaccine Serve As a Preventive Measure to Dampen…
1685
7月 01, 2020 バイオクイックニュース日本語版

攻撃的な大腸癌細胞でアポトーシスを元に戻す真菌化合物の全合成に成功

癌細胞は、多くの場合、増殖するために特別なテクニックを使用する。 彼らは突然変異によって「プログラムされた死」を無効にし、生涯が終わったときに死ぬことを「忘れ」、代わりに成長し続ける。 東京理科大学の研究チームは、特定の癌細胞で自己破壊プログラムを再活性化できる真菌化合物を大量に人工的に生産し、潜在的な癌治療戦略を提供する方法を開発した。すべてのヒトの体細胞には一定の寿命があり、その間に体細胞は本質的な義務を果たす。 この寿命の終わりに、それらは老化に達し、もはやそれらの義務を果たすことができなくなり、死ぬ。…
1385
7月 01, 2020 バイオクイックニュース日本語版

ヨーロッパの医療用ヒルのゲノム配列が発表された

2020年6月18日にScientific Reportsでオンラインで公開された新しい研究成果は、薬用ヒルの使用に大きな影響を与える可能性のある洞察を明らかにしている。 このオープンアクセスの論文は、「抗凝固剤に重点を置いたヨーロッパの薬用ヒルHirudo medicinalis(Annelida, Clitellata, Hirudiniformes)のドラフトゲノム(Draft Genome of the European Medicinal Leech Hirudo medicinalis…
1705
6月 29, 2020 バイオクイックニュース日本語版

肥満は精子にエピジェネティックな変化を引き起こすことが判明

人間を対象とした研究で、男性の肥満が精子のエピゲノムをダイナミックに変化させ、その変化が子供に遺伝し、次世代の代謝に深刻かつ長期的な影響を残す可能性が最近の研究で示唆されている。複数の小部分に分かれるこの研究では、特に痩せ型と肥満型の父親の場合では精子のsmall ncRNA (non-coding RNA)の発現に大きな違いがあることを初めて示した。 このsmall ncRNAは、RNAのサブタイプで、エピジェネティックな遺伝への関わりが強く示されている。もう少し具体的に言うと、piRNA…
5302
6月 29, 2020 バイオクイックニュース日本語版

減数分裂の時に、染色体はどうやって相方を見つけるのか?

1世紀以上の研究を経ても、未だ減数分裂によって生物体が繁殖するメカニズムはミステリーのままであり、細胞分裂の過程においても、父系と母系独自の遺伝的多様性を司る特異的な位置を占めている。ミズーリー州カンサス市ストワーズ医学研究所の研究者たちは、減数分裂の初期に重要なメカニズムが動いている事に注目している。この研究はCurrent…
4152
6月 29, 2020 バイオクイックニュース日本語版

ミトコンドリアタンパク質Mitofusin 2の欠損が引き起こす疾患の治療にコエンザイムQサプリメントが役立つことが判明

Mitofusin2の新しい役割の発見により、ミトコンドリアタンパク質の欠損が引き起こす疾病の治療法に繋がるかもしれない。この研究はThe Journal of Cell Biologyに掲載された。Mitofusin 2およびそれに密接に関係するMitofusin 1は、ミトコンドリアの外膜に位置している。 両タンパク質はオルガネラの近傍で接合し、内容物を交換する重要なメンテナンス機能であるミトコンドリア融合にとって重要である。Mitofusin…
3791
6月 29, 2020 バイオクイックニュース日本語版

セストリンと呼ばれるタンパク質が、運動と同じ効果を発揮する可能性をミシガン大学の研究者が発見

公園での早歩きだろうが、ジムでのトレーニングだろうが、運動は体に良い。 しかし、筋肉を動かさずにトレーニングの利点を活用できるとしたらどうだろう? ミシガン大学医学部の研究者らは、セストリン(Sestrin)と呼ばれる天然に存在するタンパク質を研究し、これらのタンパク質がハエやマウスで運動効果の多くを模倣できることを発見した。 この研究成果は、最終的に科学者が老化やその他の原因による筋肉の消耗と戦うのに役立つ可能性がある。 この研究成果は、2020年1月13日にNature…
2739
6月 29, 2020 バイオクイックニュース日本語版

特定の接合性プラスミドがCRISPR-Casを回避するメカニズムをカナダの研究グループがNARで発表

Nucleic Acids Research(NAR)で2020年6月18日に発表された「Breakthrough Article」で、カナダのシェルブルック大学のVincent Burrus博士が率いる研究者グループは、(細菌株と種間の抗生物質耐性遺伝子の動員と移動を促進する)特定の接合性プラスミドが、如何にCRISPR防御システムの分解メカニズムを回避するかを解説している。NARのBreakthrough…
1031
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

アッシャー症候群の新しい治療法

アッシャー症候群は6000人に1人に起こる難聴と失明を伴う先天性疾患であり、臨床的にも遺伝学的にも異種性の劣性遺伝から起こる。重度のアッシャー症候群の場合、患者は出生時から難聴を煩い、思春期の辺りから網膜変性症が見られるようになり、最終的には全盲になる。これらの患者は日常生活に多大な問題を抱えることになる。 軽度から中等度の難聴の場合は補聴器で補えるものの、視覚障害についての効果的な治療法は今まで開発されていなかった。しかしこの度、ドイツのヨハネス・グーイテンバーグ大学マインツ…
5109
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

COVID-19治療薬レロンリマブについてのQ&A、リファレンス

2020年5月1日CytoDyn社WEBINARにおけるレロンリマブに関する質問(ログインするとQ&Aを表示):• この薬は COVID-19 の単剤治療に使用できますか?それとも最終的な分析に役立つ併用薬物療法を想定していますか?• FDAがレロンリマブを使用することで何人の命を救うことができるのかを理解するのが難しいのはなぜですか?• レロンリマブは、主に免疫系の回復または何らかの新しいメカニズムによる血漿ウイルス負荷を軽減する能力がありますか?•…
2471
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

MITの科学者がCOVID-19等におけるサイトカインストームの治療に有用な水溶性改変サイトカイン受容体を設計

Covid-19 の決定的な特徴の1つは、重症例で発生する可能性のある過剰な免疫応答だ。 この免疫過剰反応のバーストは、サイトカインストームとも呼ばれ、肺に損傷を与え、致命的となる可能性がある。MITの研究チームは、これらの過剰なサイトカインを吸収するために、抗体と構造が類似した特殊なタンパク質を開発した。…
1300
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

吸血鬼伝説は突然変異による血液疾患の実在の人物をもとにした話かも知れない

ポルフィリン症は、8種の血液疾患の総称で、酸素運搬タンパク質のヘモグロビンを構成するヘムをつくる体の分子的メカニズムが不調を来す疾患である。ヘムが鉄と結合すると血液独特の赤色になる。ヘム産生に影響する遺伝的変異のタイプによって、現れるポルフィリン症の臨床症候群も異なっている。吸血鬼伝説が生まれた原因になったと考えられる症候群もその一つである。 子供に発生するもっとも一般的なポルフィリン症は骨髄性プロトポルフィリン症 (EPP)…
4921
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

シベリアで3万年前の古代巨大ウイルス発見

Information Genomique et Structurale laboratory (CNRS/AMU)、Biologie a Grande Echelle laboratory (CEA/INSERM/Universite Joseph Fourier)、Genoscope (CEA/CNRS)、Russian Academy of Sciences合同の研究チームがシベリア最北東部で永久凍土の中から「ピソウイルス」と名付けられた巨大ウイルスの新種を発見した。…
4430
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

南米先住民族ヤノマミ族のマイクロバイオーム、工業化社会の人間より40%も多様

New York University (NYU) Langone Medical Centerの研究者が主導するアメリカとベネズエラの多施設間研究チームの調査で、ベネズエラ南部のアマゾンのジャングルで、他の人類から孤絶して暮らす南米先住民族のヤノマミ族の腸内細菌叢が、これまでに知られている人間の腸内細菌叢の中でもっとも多様性に富んでいることが突き止められた。それに比べると、研究チームの推定では、工業化社会の人間の腸内細菌叢の多様性は40%低い。研究チームは、この研究結果を2015年4月17日付Science…
10018
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

母親のミトコンドリア遺伝子が子供の老化に影響

人間は年を取るにつれて器官の機能が衰えるだけでなく、細胞レベルでも損傷が徐々に増えていく。その理由の一つとして、DNAのエラーが累積され、欠陥のある細胞が作られるようになることが挙げられる。ドイツのケルン所在Max Planck Institute for Biology of AgeingのDr. Nils-Goran Larsson率いる研究チームが、老化は生活の間のDNA損傷の累積によって決まるだけでなく、母体から受け継いだ損傷によるところもあることを突き止めた。…
8620
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

太平洋の植物、ミトコンドリアに6種の異種ゲノム呑み込む

遠く離れた太平洋のたった一つの島にだけ茂る植物、Amborella trichopodaは一科一属一種の植物である。また、この植物は、2億年前に他の植物から分かれたもっとも古い顕花植物の一つでもある。Indiana University、U.S. Department of Energy Joint Genome Institute (DOE JGI)、Penn State University、ニュー・カレドニアのInstitute of Research for…
5789
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

抗酸化物質には、アルコール誘発性肝疾患防止の可能性

アラバマ大学バーミンガム校(UAB)と共同研究機関の新しい発表によると、過度の飲酒が原因とされる肝臓障害を、抗酸化物質で予防できる可能性がある。研究結果は、脂肪症の進行阻止もしくは、肝硬変や肝癌に至る可能性のある肝臓の脂肪沈着を治療可能な道筋を示すような知見が、「Journal Hepatology」(2011年5月号)に発表された。UAB 校のDr. Victor Darley-Usmar…
3538
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

細胞核とミトコンドリアのDNAの異なる突然変異による相互作用

植物、動物の細胞には2つのゲノムがある。一つは細胞核に、もう一つはミトコンドリアに含まれている。それぞれゲノムで突然変異が起きた場合、互いに異なる配列の変異を呈し、それが原因で病気になる場合がある。最近、ブラウン大学とインディアナ大学の科学者チームが、その病気をさらによく知るため、ショウジョウバエを対象として、個々のヌクレオチドの逸脱やショウジョウバエが発病する機序までを研究した。単一のゲノムの突然変異による発病だけでも十分に複雑だが、細胞核のDNAとミトコンドリアのDNAという2つのゲノム同士の相互作用の逸脱で引…
5778
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

がん細胞の成長を止める機序が明らかに、がん治療に道開くか

University of Pittsburgh Cancer Institute (UPCI, ピッツバーグ大学がん研究所) の研究チームはがん細胞の成長を止める方法を発見した。この発見が新しい抗がん治療法に結びつく可能性がある。ある種のがん細胞は重要なタンパクを奪われると正しく分裂できなくなるという研究報告であり、Journal of Cell Scienceの2013年2月号の巻頭記事を飾っている。この報告論文は2012年9月26日付同誌初出。 UPCIの分子薬理学Richard M.…
6705
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

キノコ毒素のアマニチンを工業規模で生産することが可能に

タマゴテングタケ(テングタケ属)は猛毒である。 ただし、その毒素の一部は適切に使用すれば治癒に役立つこともある。たとえば、毒素のひとつであるアマニチンは抗体ベースの癌治療の必須要素だ。2019年12月17日にドイツの雑誌Angewandte Chemieにオンラインで公開された論文で、科学者たちは現在、α-アマニチンの新しい合成経路について説明している。このオープンアクセスの論文は、「デスキャップ毒素α‐アマニチンの収束的全合成(A Convergent Total Synthesis of the Death…
2880
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

CytoDyn社、COVID-19薬のレロンリマブについて更新。 初期の結果は、Gilead社のレムデシビルに対する明確な優位性を示唆。(プレゼン全容)

レロンリマブ要約:- COVID-19 の三拍子揃った薬-レロンリマブはサイトカインストームを静め、免疫学的ホメオスタシスを回復し、ウイルス量を減らす-Gileadの抗ウイルス薬レムデシビルとGenetechの抗IL-6…
2089
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

ヒノキチオールが細胞膜を通り抜けて鉄を運搬。貧血の新治療法になるか

貧血その他の鉄欠乏症の新しい治療法になる可能性を持った重要な化学物質が研究者によって突き止められた。Science誌掲載の新論文の共同首席著者で、Harvard Medical School、Dana Farber Cancer Institute、Brigham and Women’s Hospital、Boston Children’s Hospitalの准教授を務めるBarry Paw, MD, PhD.は、「鉄がなければ生命体も存在できない。…
2472
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

NORADとPUMILIOタンパク質がゲノム安定性とミトコンドリア機能の維持に重要な役割を果たしていることが判明 - プロジェリアなど早期加齢疾患に関与の可能性

テキサス大学(UT)サウスウエスタン校の研究者らは早期老化を防ぐ新しい遺伝子パスウェイを同定した。2019年2月8日にeLifeでオンライン公開されたこの研究は、ロングノンコーディングRNAをコードする遺伝子NORADの活性を調べた。この論文は「PUMILIOの多動性がノルアド欠乏マウスの早期老化を促進する(PUMILIO Hyperactivity Drives Premature Aging of Norad-Deficient Mice.)」と題されている。…
1722
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

超長テロメアを持つマウスは、代謝老化が少なく寿命が長い。100%の細胞が超長テロメアであるマウスが誕生し前例のない結果に。

10年前の偶然の発見により、スペイン国立癌研究センター(CNIO)の研究者は、その種で通常よりもはるかに長いテロメアをもつ最初のマウスを作製した。テロメアと老化(テロメアは生涯を通じて短くなるため、古い生物はテロメアが短くなる)の関係を考えて、100%の細胞が非常に長いテロメアを持つマウスを生み出す研究を開始した。この研究成果は、2019年10月17日にNature Communicationsでオンラインで公開され、より良い健康状態で癌や肥満から解放されたとの肯定的な結果のみが示されている。…
3694
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

自己免疫疾患発症を招く食塩の過剰摂取

食塩摂取量が増えると、自己免疫疾患の原因になる侵襲性の強い免疫細胞グループを誘発する可能性があるという研究結果が発表された。この研究を手がけたのは、Yale University、Broad Institute、MIT、 Harvard University、Vanderbilt University、ベルリンのMax-Delbruck Center for Molecular Medicine、University of…
5244
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

腸内細菌と血球成長との間に感染を防ぐ免疫力ひそむ

ヒトと微生物との関係は複雑である。どこのスーパーマーケットに行っても、抗菌性セッケンと体に良い細菌の増殖を助けるヨーグルトという相反するような商品が並んでいる。細菌には病気の原因になるものもたくさんあるが、Caltechの生物学と生体工学の教授、Dr. Sarkis Mazmanianと彼の研究チームは、人体内に棲み着いて、われわれを健康に保つ働きのある何千という種類の細菌に注目している。 Dr. Sarkis…
5321
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

第5回国際細胞外小胞学会 (ISEV 2016) 年次総会レポート3

ロッテルダムで開かれていた第5回国際細胞外小胞学会 (ISEV 2016) 年次総会金曜日全体会議では、著名な免疫学者で細胞生物学者のFrancisco Sanchez-Madrid, PhDが、「Immune Cell-Cell Communication: Mechanisms of MicroRNA and Protein Sorting into Exosomes (免疫細胞間情報伝達: microRNAやタンパク質がエキソソームに入り込むメカニズム)」のタイトルで講演した。 Dr.…
5010
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

膵臓がんが肝臓に転移するメカニズムを解明

Weill Cornell Medical Collegeの研究グループを中心とする国際的な研究チームは、膵臓がんが肝臓に転移する分子レベルの正確な過程を明らかにした。この過程こそ発生率の高い膵臓がんの死亡率を押し上げている要因である。研究チームは、「私達の研究成果によってこの過程の理解を通し、転移を遅らせることを中心とする治療法を確立し、新しいバイオマーカーを提示することで膵臓がんの早期発見に役立てることができるだろう」と述べている。 2015年5月18日付Nature Cell…
3947
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

第5回国際細胞外小胞学会 (ISEV 2016) 年次総会レポート4

オランダのロッテルダムで2016年5月4日から7日までの4日間開催された国際細胞外小胞学会総会 (ISEV 2016) の最終日土曜日は半日の閉会会議で、興味深い新しい研究や4日間の会期中に発表されたいくつかの優れた研究の授賞式などが行われた。 総会はJan Lotvall前会長が、オーストラリアのLa Trobe University, Department of Biochemistry & Geneticsの学部長を務めるAndy Hill氏 (写真) に会長職を引き渡す挨拶を行い、ISEV…
4419
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

胚における脳の発達は、細菌性病原体を感知し免疫細胞にシグナルを送る自然免疫の重要な調節因子であることが発見された

ボストンのタフツ大学の生物学者が率いる研究チームは、発生中の胚にある脳が、感染を防ぐのに役立つシグナルを発生期の免疫系に提供し、細菌の挑戦を生き抜く胚の能力を大幅に改善することを発見した。 研究者たちは、脳を取り除いた状態で発達し続けるカエルの胚を使用して、脳のない胚は免疫細胞の力を傷害または感染部位に集結させることができず、胚をより迅速に感染に陥れることを発見した。対照的に、脳の存在は、細菌の脅威を克服するために損傷部位に免疫細胞を誘導するのに非常に役立つ。 この研究は、2020年2月4日に NPJ…
1021
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

免疫応答を抑制し疾患をコントロールするための新しいパスウェイ(lncRNA HOTAIR)が発見された。

テキサス大学アーリントン校(UTA)の研究者らは、免疫応答を調節し、髄膜炎や敗血症などの中枢神経系の炎症性疾患を潜在的に制御する新しいパスウェイを発見した。「このプロセスを調整するためには、細菌感染に対する炎症反応がどのような調節を引き起こすかを知る必要がある。そうすることができれば、敗血症や髄膜炎、癌や筋ジストロフィーなどの今まで治療が困難だった中枢神経系の炎症性疾患をコントロールすることができる。」とUTA准教授のSubhrangsu Mandal博士は語る。…
1332
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

エキソソームによる膵臓がんの早期検出血液検査の見通しをPanCANの研究者が報告

カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の研究者チームは、膵臓がんの存在を示す手がかりを探すための血液サンプルを分析する新戦略を評価した研究を発表した。ACS Nanoに掲載されたこの論文は、「交流電気動力学チップ上のエキソソームタンパク質バイオマーカーの統合解析が患者血液中の膵臓がんの迅速な検出を可能にする(Integrated Analysis of Exosomal Protein Biomarkers on Alternating Current Electrokinetic Chips…
3469
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

シンプルで安価な血液検査で発症前のアルツハイマー病を検出

現在、アルツハイマー病の治療法は無く、効果的な介入には遅すぎる段階でしか診断することができないという現実が薬物研究を妨げているとしばしば論じられている。アルツハイマー病は、患者が記憶喪失のような典型的な症状を示すよりもずっと前から始まると考えられている。 アルツハイマー病の患者に最初の症状が現れるずっと前に病気の早期指標を検出できる血液検査が開発された。…
3092
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

エキソソームに似たより微小で機能の異なるナノ粒子「Exomeres」の同定が最先端技術で可能に

Weill Cornell Medicineの科学者が発見した新しい細胞メッセンジャーは、がん細胞が体内の細胞間送達をどのように行うのかを明らかにするのに役立つかもしれない。 2018年2月19日にNature Cell Biologyに掲載された論文では、非対称フローフィールドフロー分画(asymmetric flow field-flow fractionation :…
5612
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

リキッドバイオプシーと機械学習を用いた新血液検査法で膵がんなど8種類のがんを患部を含めて検出識別

Johns Hopkins Kimmel Cancer Centerの研究チームが、ただ1回の血液検査で8種の一般的ながん種を検出し、がんの部位も判定できる方法を開発した。このCancerSEEKと呼ばれる検査法はユニークな非観血性の多検体検査法であり、8種のがんタンパク質のレベルを同時に測定し、血中循環DNAのがん遺伝子変異を検出することができる。この検査法は、アメリカでがん死の60%以上を占めるもっとも一般的ながん8種を検出することを目的としている。…
5339
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

パーキンソン病の匂いを嗅ぎ分ける女性が質量分析を用いた揮発性バイオマーカーの研究に協力

パーキンソン病(Parkinson's disease)は、進行性の脳細胞死および運動機能の広範な喪失をもたらす神経変性疾患である。 この疾患に関して多くの研究が行われているにもかかわらず、現在利用可能な決定的診断試験法は無い。マンチェスター大学(英国)の研究者らは、パーキンソン病を匂いで感じ取ることができる女性の助けを借り、この疾患の特徴的な臭いを構成する化合物の同定について報告した。 2019年3月20日に、American Chemical Societyから出版されたACS Central…
3032
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

運動が脳力を高めることを、認知神経科学の新研究が示唆

マラソンの練習をしている人なら誰でも、個々のランニングトレーニングが時間の経過とともに体力の大幅な向上をもたらすことを知っているのでトレーニングが認知機能に効果があると聞いても驚くことはないだろう。しかし、これまでのところ、その根底にある神経生物学を説明し支持するための研究はほとんどなされていなかった。 2019年3月23日から26日にサンフランシスコで開催されCognitive Neuroscience…
1872
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

移植幹細胞由来エクソソームは心臓発作からの回復を助ける。移植細胞からの循環エキソソーム解析(液体生検)は医師が回復の程度を把握することを可能にする。

心筋の強化や他の疾患を治療する幹細胞療法は、ヒト臨床試験で有望視され始めている。 しかし、臨床成果の観察以外に、標的臓器内の移植細胞の有効性を評価するうえで再現性の欠如や使用期限、非侵襲的なツールの欠如は、幹細胞分野の進歩を遅らせてきた。 メリーランド大学医学部(UMSOM)、ペンシルバニア大学、およびエモリー大学の研究者らは、移植された幹細胞の有効性を追跡するのに血液検査が使用できると理論づけた。 彼らは、移植幹細胞からレシピエントの血液に分泌される エクソソーム と呼ばれる微小な細胞成分を分析した。…
3983
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

ビーグル犬が97%の精度で患者血清から肺癌を嗅ぎ分けた

レイク・エリー大学オステオパシー医学部の研究者らは、3匹のビーグル犬が肺癌を匂いで識別できることを明らかにした。これは、この病気特有のバイオマーカーを識別するための最初のステップだ。研究者らは、犬の能力が集団癌検診のための効果的で安全で安価な手段の開発につながるかもしれないと言う。 8週間の訓練の後、その優れた嗅覚受容体遺伝子で選択されたビーグル犬は、悪性肺癌患者から採取した血清サンプルと健常対照者を97%の精度で識別することができた。 この二重盲検法は2019年6月17日にThe Journal of the…
1687
6月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

バイオマーカー血液検査で高リスクの心臓病患者を識別できる可能性が報告された

時折エンジンルームの中を覗かないと、車の修理が必要かどうかを予測することは困難だ。 同様に、予防心臓専門医は、現在治療を受けていない人の初期段階の心臓病を検出する方法を探している。 テキサス大学(UT)サウスウェスタンメディカルセンターの予防心臓病研究者は、タンパク質バイオマーカーの新しい血液検査でこれらの個人を特定できると考えている。 2019年11月11日にCirculationでオンラインで公開された彼らの新しい研究では、多民族の合計13,000人近くを含む3つの主要な患者集団からなる患者データを蓄積した。…
2882
6月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

敗血症診断を5つのバイオマーカーで層別化する新しい高速血液アッセイの開発に成功

敗血症の発見と治療は数十年に渡りほとんど進歩していないが、やっと前進するかもしれない。敗血症は身体全体に病原体感染の急増をもたらす致命的な医学的合併症だ。 シンシナティ小児病院医療センターの研究者は、5つのバイオマーカーを測定し、どの患者が敗血症(血液中毒とも呼ばれる)による死亡における低・中または高リスクであるかを正確に予測する新しい高速血液アッセイを開発し、テストが成功したことを報告している。 この研究の上級調査員でシンシナティ・チルドレンズのクリティカルケア医学部長である Hector Wong…
1572
6月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

COVID-19の重症度を予測し、適切な治療コースを指示する可能性のある27のタンパク質バイオマーカーを患者血液の質量分析で特定。

英国のフランシスクリック研究所とシャリテー – ベルリン医科大学の研究者、および他機関の同僚は、 COVID-19 の患者が重症になる可能性が高いかどうかの予測に使用できる27のタンパク質バイオマーカーを特定した。COVID-19を引き起こすRNAウイルスであるSARS-CoV-2に感染した人々は、異なる反応を示す。 この病気は症状が出ない人もいれば、入院が必要な致命的な人もいる。この研究では、2020年6月1日にCell…
1444
6月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

香港の科学者が新型コロナウイルスのワクチン開発に光を当てる

香港科学技術大学(HKUST)の科学者チームは最近、SARS-CoV-2コロナウイルスの潜在的なワクチンターゲットのセットを特定する重要な発見を行い、ウイルスによって引き起こされた新規肺炎(COVID-19)に対するワクチン開発に向けた実験的取り組みを導く重要なガイダンスを提供した。2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)の大流行を引き起こしたSARS-CoVと同様に、SARS-CoV-2は同じベータコロナウイルス属に属している。SARS-CoV-2とSARS-CoVの遺伝的類似性を検討することにより、チームは…
3413
6月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

ミステリアスな房細胞の膵炎における役割が判明

膵臓の持続性炎症(慢性膵炎)は、米国で3番目に致命的な癌である膵臓癌を発症する既知の危険因子だ。 房細胞(通常、腸や気道で見られる化学的変化に敏感な細胞)は以前に膵臓で発見されていたが、その機能はほとんど謎のままだった。現在、ソーク研究所のGeoffrey Wahl 博士、およびスタッフの科学者であるKathleen DelGiorno 博士が率いる研究チームは、膵炎のマウスモデルを用いて、膵炎における房細胞の形成と免疫における房細胞の驚くべき役割を明らかにした。2020年2月14日に Frontiers in…
1033
6月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

小児期の『歯』にALSのバイオマーカーがあることが発見された

マウントサイナイ医科大学の研究者は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)やルーゲーリック病と呼ばれる、退行性でしばしば致命的な神経疾患について、小児期に見られるバイオマーカーを同定したと2020年5月21日に米国科学誌「Annals of Clinical and Translational Neurology」のオンラインで発表した。このオープンアクセスの論文は、「筋萎縮性側索硬化症における早期生命金属異常調節(Early Life Metal Dysregulation in Amyotrophic Lateral…
4000
6月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

新研究で分娩にエクソソームが重要な役割を果たすことが示めされた

テキサス大学メディカルブランチ(UTMB)のRamkumar Menon博士が率いる研究者グループは、まだ確実ではないが分娩のタイミングにおけるキープレイヤーについて新たな洞察を見出した。この新しい情報によって、科学者たちは早産を防ぐことができるようになるかもしれない。 この研究は2019年1月24日にScientific Reportsにオンラインで発表された。 このオープンアクセスの論文は「 エクソソーム はマウスで早産を引き起こす:妊娠中の傍分泌シグナル伝達の証拠(Exosomes Cause…
1430
6月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

ASEMV2017でHarvard 大学の1年生が自身のエキソソーム研究を発表し注目の的に

2017年10月9日、ASEMV(American Society for Exosomes and Microvesicles) 年次大会の2日目、Harvard Univesityの1年生、Indrani Dasさん (18) が自身のエキソソーム研究を発表し、200名の名声のある研究者達を釘付けにした。この研究にはRegeneron 2017 United States Science Talent Search Grand Prizeと賞金$250,000が贈られている。…
4022
6月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

エキソソーム由来MicroRNAが多発性硬化症のパワフルなバイオマーカーになり得るとの新研究

University of SydneyのBrain and Mind CentreとRoyal Prince Alfred Hospitalが中心となって行った画期的な研究で、多発性硬化症 (MS) の患者の血液中に疾患特有の物質が含まれていることを発見、若年成人の神経障害としてはもっとも一般的なこの疾患を確実に診断するバイオマーカーになるという結果を得た。2017年10月30日付Scientific…
3451
6月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

エキソソーム中のミトコンドリアDNAは抗ウイルス応答の前兆となる

スペインのマドリッドにあるカルロス3世 国立循環器研究センター(CNIC)の研究者らは、ウイルスやバクテリアなどの病原体に早期に対応する免疫システムの防御機構に関する貴重な情報を提供している。2018年7月9日にネイチャーコミュニケーションズのオンラインで公開されたこの研究データは、免疫系の異なる細胞コンポーネントがどのようにして病原体に効果的な反応を起こすかを説明している。…
3021
6月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

癌細胞は遠方から免疫システムにドローン(エキソソーム)を送り、免疫システムを抑制することが判明。

癌細胞は、制御不能になっている細胞の塊ではない。 彼らは自分の生存のために免疫システムとの積極的な戦闘に参加する。免疫系を回避できることは癌の特徴である。 ペンシルベニア大学(Penn)の研究者によると、癌細胞は、血液中を循環する生物学的な"ドローン"であるエキソソームとPD-L1と呼ばれるタンパク質により、腫瘍に到達して戦いをする前にT細胞を疲弊させることを報告した。 2018年8月8日Natureに掲載されたこの研究は、School of Arts and Sciences生物学のWei…
3992
6月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

鼻から侵入する細菌から気道を保護する仕組みが解明される。エクソソーム群は強力な抗菌化合物を作るため武装する。

細菌は、私たちが呼吸するあらゆる空気の中に存在する。気道がこれらの細菌の感染からどのように保護されるのか、今まで謎のままだった。細菌を吸入すると、細菌を直接攻撃する細胞から直ちに エクソソーム が分泌され、鼻の前部から気道に沿って抗菌タンパク質を送り、細菌が体の奥に入る前に防御する。 マサチューセッツEye and Earの研究チームは、2018年11月12日にJournal of Allergy and Clinical…
1776
6月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

エクソソームがパーキンソン病の脳の特定領域にドーパミンを直接送達することがマウスでの研究で実証された

2018年9月5日にParkinson's Disease Todayに掲載された研究コラムニストのAlice Melao氏の記事によれば、血液中を自然循環するエクソソームは脳を含む中枢神経系に効果的に薬を運搬することができ、マウスでの初期の研究ではパーキンソン病の影響を受けた脳の特定の領域にドーパミンを直接的に送達することができたことを示唆しているという。…
2043
6月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

化学療法は乳癌細胞から転移促進エキソソームの放出を刺激し、エクソソームはその内容物を肺に放出することがある。

乳癌患者の中には、腫瘍が手術で取り除かれる前に化学療法を受ける人もいる。 ネオアジュバント療法と呼ばれるこのアプローチは、乳房温存手術を容易にするために腫瘍のサイズを縮小するのを助け、外科医が除去するための癌性細胞をほとんどまたは全く残さずに腫瘍を根絶することさえできる。 そのような場合、患者は手術後の生涯に渡り癌のないまま過ごせる可能性が高い。 しかし、すべての腫瘍が化学療法で縮小するわけではない。…
1733
6月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

Nischarin発現細胞からのエキソソームは乳癌細胞の運動性と腫瘍増殖を減少させることが発見された。薬剤とNischarin発現エクソソームの併用で、優れた乳癌治療の可能性。

米国ルイジアナ州立大学公衆衛生学(LSU Health)のSuresh K Alahari博士は、乳癌細胞の遊走や動きの制御など、さまざまな生物学的プロセスに関与する新規タンパク質、Nischarinを発見した。 彼の研究室は、Nischarinが腫瘍抑制因子として機能することを示した。この研究はより良い癌治療につながるかもしれない。 現在の研究で研究チームは エクソソーム 放出におけるNischarinの機能を調べた。…
1586
6月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

循環エクソソームの超高感度検出が可能になる新装置をカンザス大学が発明

カンザス大学、カンザス大学癌センター、およびKUメディカルセンターの研究者によって発明された新しい超高感度診断装置は、医師が血液または血漿の小滴から癌を迅速に検出することを可能にし、患者のためのより迅速な対処とより良い結果につながるだろう。この エクソソーム を検出するリキッドバイオプシー(liquid biopsy)分析のためのラボオンチップは、2019年2月25日にNature Biomedical…
1532
6月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

エクソソームが脳細胞と回路の形成に深い役割を果たし、発達性脳障害の治療と診断に寄与する可能性をスクリプス研究所が示唆。

ジェット機の下から荷降ろしされるたくさん詰め込まれたスーツケースのように、 エクソソーム と呼ばれる生物学的小包は、体内のすべての細胞から継続的に展開され、これらを送り出すことによって細胞はタンパク質および遺伝物質を介して互いに通信をする。 単に細胞の「ゴミ」の微小な袋であると考えられていたエクソソームは、今や我々の健康にとって非常に重要なものであると理解されている。 近年の研究では、癌やアルツハイマー病などの神経変性疾患の蔓延に関連した分子を輸送することを示している。…
4400
6月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

創傷治療治験中のペプチド変異体が、心臓発作の『バイスタンダー効果』による損傷を防御する可能性。研究グループはエクソソームによる防御ペプチドの送達を検討中。

健康な心筋組織を保護することで損傷を減らす心臓発作の直後に服用できる薬があると想像して欲しい。 心臓発作が起きた場合、心臓の専門医は、「時は筋肉なり」と言うと、バージニア工科大学カリリオン心臓医療センター・フラリン生物医学研究所のディレクターであるRobert Gourdie博士(写真)は語った。 血流によって酸素が供給されないと、心臓細胞はすぐに死ぬ。…
1304
6月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

南カリフォルニアのHOAG 病院は、癌の遺伝的リスクが高い人の癌検出と管理の早期疾患マーカーとしてエクソソームを研究。

カリフォルニア州オレンジ郡にある非営利の地域医療提供ネットワークのHoag Memorial Hospital Presbyterianは、癌診断、癌の進行、および治療抵抗性の初期疾患マーカーの可能性を特定および特徴付ける研究の開始を発表した。 Exosome Sciences社および、Aethlon Medical社の子会社との提携により、癌の遺伝的リスクが高い癌患者の エクソソーム 研究を開始する。…
1476
6月 26, 2020 バイオクイックニュース日本語版

ミトコンドリアDNA減少が乳がん転移の原因に

以前から研究者は、侵襲性の強いタイプの乳がん患者のがん細胞にはミトコンドリアDNAが少ないという観察結果に注目していた。しかし、そのような特徴ががん進行にどのように影響するのかということについては誰にも分からなかった。最近になってようやく、University of Pennsylvaniaの研究チームが、ミトコンドリアDNAの減少で人間の乳がん細胞が侵襲性の強い転移性を獲得することを明らかにした。…
5621
6月 26, 2020 バイオクイックニュース日本語版

樹状細胞由来のエクソソームが多発性硬化症の治療候補に - Neuroscience 2013

現在、多発性硬化症 (MS) の治療方法には髄鞘再形成を促進するようなタイプのものはない。しかし、2013年5月10日、サンディエゴで開かれていたSociety for Neuroscience 2013年総会において、取材に対して、University of Chicago Medicine, Director of the Migraine Headache ClinicでProfessor in Neurosciencesを務めるRichard Kraig, M.D.,…
5491
6月 26, 2020 バイオクイックニュース日本語版

幹細胞から放出されたエクソソーム中の特定miRNAが卒中からの回復に関与

Henry Ford Hospitalの研究チームは、動物を使った新しい研究で、卒中発作後に幹細胞から放出される エクソソーム と呼ばれる微小な (50nm) 脂質性の細胞内器官に内包されるRNA (リボ核酸) 塩基配列のごく短いmicroRNAのうち、特定のものが神経的な回復に一役買っていることを突き止めた。研究チームのラットを用いた実験では、この特定のmicroRNAが幹細胞からエクソソームを使って脳細胞に送られ、卒中発作後の機能回復を強化していた。…
6839
6月 26, 2020 バイオクイックニュース日本語版

エクソソーム、ディープ・シーケンシング、バイオマーカーへの応用も

2013年4月17日から20日までボストンで開かれた年次恒例のInternational Society for Extracellular Vesicles (ISEV)において、アムステルダムのVU University Medical Center、Pathology Departmentの免疫学者、Michiel Pegtel, Ph.D.が、「包括的なディープ・シーケンシングで、特定のRNA小片が腫瘍の エクソソーム…
5849
6月 26, 2020 バイオクイックニュース日本語版

エクソソームは脳卒中の顕著な回復を促進する

最初の脳卒中薬が承認されてからほぼ四半世紀が経つが、現在承認されている薬は1つだけだ。2019年12月6日にTranslational Stroke Researchで公開されたオープンアクセスの論文で、NIHの資金提供を受けた動物科学者は、重度の脳卒中の人に見られるのと同じ神経変性パターンでモデル化されたブタの完全な回復をサポートした新しい脳卒中治療の脳画像データを提示した。このオープンアクセスの論文は、「神経幹細胞の細胞外小胞がブタの虚血性脳卒中モデルにおける正中線シフトの予測結果を分裂させる。(Neural…
1433
6月 26, 2020 バイオクイックニュース日本語版

乳児の栄養および感染対策におけるミルクエクソソームサプリメントの利点について、ネブラスカ大学の専門家がコメントを発表

世界牛乳の日(6月1日)に、米国農務省(USDA)は、ネブラスカ大学リンカーン校栄養健康科学部・分子栄養学のJanos Zempleni博士のコメントを発表した。Zempleni博士は乳児用調合乳に、牛乳からの小さく利益が豊富なナノ粒子( エクソソーム…
1038
6月 26, 2020 バイオクイックニュース日本語版

自然界に存在するエクソソームは、人工ナノ粒子よりも多くの利点を提供している

2020年6月17日にNature Outlookでオンラインで公開された記事で、 イェール大学医学部のリウマチ学および臨床免疫学およびイェール大学医学部の元アレルギーおよび臨床免疫学のチーフであるPhilip Askenase教授(写真)は、「エクソソームはセンセーショナルな生物学的発見である」と述べている。膜に囲まれた小さな細胞内小胞は、研究されてきたすべての動物種のすべての細胞によって生産・分泌され、植物や細菌によっても放出される。…
1187
6月 24, 2020 バイオクイックニュース日本語版

大腸癌の根底にある腸内微生物の重要な役割が明らかに

VIB-UGent Center for Inflammation Researchとゲント大学の研究グループによる共同研究により大腸癌を引き起こす新しいメカニズムが明らかになった。 研究者らは、タンパク質Zeb2(ジンクフィンガーEボックス結合ホメオボックス2)の異常な発現が、腸壁または『上皮』の完全性に影響を与えることを発見した。この上皮は通常、腸内微生物による浸潤を防ぐバリアとして機能する。 Zeb2はこの障壁を弱め、浸潤性細菌が癌の進行を引き起こす炎症を引き起こすことを可能にする。…
1045
6月 22, 2020 バイオクイックニュース日本語版

化学療法抵抗性の前立腺癌と戦うためのリード化合物をウニの色素から開発

ロシアのウラジオストクにある極東連邦大学(FEFU:Far Eastern Federal University)の科学者は、ドイツおよびロシアの同僚とともに、化学療法抵抗性の前立腺癌と戦うためのリード化合物を開発した。 アイディアは、ウニの色素とグルコース分子を組み合わせた生物活性分子で、活性原薬を腫瘍細胞に送達することから生まれた。この論文は、Marine Drugs誌で最高の研究論文として認められた。…
952
6月 19, 2020 バイオクイックニュース日本語版

ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤はアナフィラキシーを防ぐ最初の薬になるかもしれない

食物アレルギーや薬物アレルギーのある人にとって、生命を脅かすアナフィラキシーショックのリスクは隅々に潜んでいる。 新しいNorthwestern Medicineの研究は、原因に関わらず、軽度から生命を脅かすアナフィラキシーまでを予防するために、予防的に服用できる錠剤があるかもしれないことを示している。この新しい研究の成果は、2020年6月2日にJournal of Clinical Investigationのオンラインで発表された。…
1268
6月 08, 2020 バイオクイックニュース日本語版

新型コロナウイルスSARS-CoV-2は、本当は血管疾患かもしれない

最初は肺炎の形で肺に大きく影響すると考えられていた COVID-19 だが、2020年4月にCOVID-19に起因する多くの謎の症状の1つとして血栓が浮上した。 この直後、コロナウイルス関連の脳卒中が原因で若者が亡くなったという報告が出され、その次に、COVIDつま先という、痛みを伴う赤または紫の指が報告された。これらの症状のすべてに共通するものは何か? 血液循環の障害だ。…
2697
6月 01, 2020 バイオクイックニュース日本語版

シンガポールとチリのバイオ企業が共同で、幹細胞エクソソームを生産する新技術を発表

2020年5月21日、シンガポールのAustrianova社とチリのCells for Cells社は、カプセル化された間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells :MSC)から細胞外小胞(extracellular vesicles :EV)を生成するための、コストと時間を節約する方法についての、新規で画期的な査読済み科学論文を学術パートナーと共に発表した。 これらの細胞外小胞は、幹細胞治療効果に寄与することが知られている。著者は、Cells for…
1454
5月 31, 2020 バイオクイックニュース日本語版

英国政府、犬によるCOVID-19の一斉迅速検出を推進

2020年5月15日、英国政府は迅速な COVID-19 の非侵襲的検査が行える特別に訓練されたバイオ検出犬を見つけ出するために、500,000ポンド(約6500万円)以上を研究チームに授与したことを発表した。臨床試験の第1フェーズでは、ロンドン医療衛生熱帯大学(LSHTM:London School of Hygiene & Tropical Medicine)の世界をリードする疾患管理の専門家がMedical Detection Dogsおよび…
1365
5月 24, 2020 バイオクイックニュース日本語版

視力を失った人の大脳皮質視覚野への動的電気刺激で、形状視覚と文字識別を生み出したとの研究成果がCellで発表

視力を失うほとんどの大人にとって、失明は、脳が無傷のままである一方で、目または視神経の損傷が原因となっている。 何十年もの間、研究者たちは、損傷した目を迂回して視覚情報をカメラから脳に直接届けることで視力を回復できるデバイスの開発を提案してきた。2020年5月14日にCellで発表された論文で、テキサス州ヒューストンのベイラー医科大学の調査チームは、彼らがこの目標に一歩近づいていると報告している。…
1442
5月 19, 2020 バイオクイックニュース日本語版

温度や緯度はCOVID-19の感染拡大と関連しておらず、学校の閉鎖、身体的離隔、公衆衛生対策はプラスの効果をもたらすことがカナダの研究で判明

2020年5月8日にCMAJ(Canadian Medical Association Journal)でオンライン公開された多国間の調査によると、気温と緯度は新型コロナウイルス( COVID-19 )の蔓延とは関連していないようだ。しかし学校の閉鎖やその他の公衆衛生対策がプラスの効果をもたらしているという。 この論文は「COVID-19パンデミックに対する気候と公衆衛生の介入の影響:前向きコホート研究(Impact of climate and public health interventions on…
1150
5月 19, 2020 バイオクイックニュース日本語版

薬用植物は生物多様性ホットスポットで繁栄する

抗感染物質の豊富なレパートリーを備えた薬用植物は、常に人間が病原菌や寄生虫との戦いを生き残るための鍵となっている。 これが、新しい構造と効果を備えた植物薬の探索が、今日でも天然物研究の大きな課題の1つである理由だ。ドイツのライプチヒ大学(UL)、ライプニッツ植物生化学研究所(IPB)、ドイツ統合生物多様性研究センター(iDiv)の科学者らは、系統関係のデータ分析を使用して、生物活性天然化合物、空間分布および植物の二次代謝産物の検索を大幅に簡素化する方法を示した…
944
5月 14, 2020 バイオクイックニュース日本語版

コウモリが被害を受けずにコロナウイルスを運べるのは、コウモリのスーパー免疫が理由か?コウモリ-ウイルスの相互適応の微妙なバランスに対するストレスの影響が、ヒトや他の種へのウイルスジャンプの根底にある可能性

カナダのサスカチュワン大学(USask)の研究チームは、コウモリが病気になることなく中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスを運び、ヒトや他の動物にどのようにしてジャンプするのかを解明した。これらのウイルスは深刻な、そしてしばしば致命的な病気を引き起こす可能性があるが、コウモリには無害のようだ。Scientific Reportsで発表されたこのオープンアクセス論文は「中東呼吸器症候群コロナウイルスによる食虫性コウモリ細胞の持続感染時のウイルス変異体の選択」と題されている。…
2968
4月 21, 2020 バイオクイックニュース日本語版

UCサンディエゴ校の研究グループ、細胞培養でヘパリン抗凝固剤の製造に一歩近づいたことを報告

2020年4月10日に全米科学アカデミー(PNAS)のオンライン抄録で公開された最近の研究で、カリフォルニア大学(UC)サンディエゴ校の研究者は、細胞培養でヘパリンを製造する能力に一歩近づいたことを報告している。 この論文は「ZNF263はヘパリンとヘパラン硫酸の生合成の転写調節因子である。(ZNF263 Is a Transcriptional Regulator of Heparin and Heparan Sulfate…
1333
4月 21, 2020 バイオクイックニュース日本語版

Gilead社は調査中の化合物RemdesivirのCOVID-19に対する進捗を更新

Gilead Sciences社は、世界の保健当局と緊密に協力して、調査用化合物「Remdesivir(レムデシビル)」(画像)の実験的使用を通じ、新型コロナウイルス( COVID-19 )に対応していることを報告した。米国食品医薬品局(FDA)、疾病対策センター(CDC)、保健福祉省(DHHS)、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)、国防総省(DoD)- CBRN Medical、中国CDCおよび国家医療製品管理局(NMPA)、世界保健機関(WHO)、そして個々の研究者と臨床医と共同して、Gilead…
1285
4月 14, 2020 バイオクイックニュース日本語版

メルボルンの研究者らは、新型コロナウイルス(COVID-19)患者の1人から免疫反応をマッピングし、人体がウイルスと戦って感染から回復する能力を示した

メルボルンの研究者らは、オーストラリアで最初の新型コロナウイルス(COVID-19)患者の1人から免疫反応をマッピングし、ウイルスと戦って感染から回復する人体の能力を示した。 メルボルン大学とロイヤルメルボルン病院の合弁会社であるピータードハティ感染症研究所(ドハティ研究所)の研究者らは、COVID-19を呈し、入院を必要とする軽度から中程度の症状があった 40代の健康な女性の4つの異なる時点での血液サンプルをテストすることができた。2020年3月16日にNature…
1338
4月 07, 2020 バイオクイックニュース日本語版

新研究がショウジョウバエゲノムの「暗い領域」に光を当てる

我々の宇宙の 85%を占める神秘的な暗黒物質がある ように、何十年もの間、科学者を困惑させてきたヒ トゲノムの「暗い」部分がある。2020 年 3 月 6 日に Genome Research のオンライ ンで発表された研究は、これまでこれらの暗くて静 かな領域に隠されていたショウジョウバエのゲノム の新しい部分を特定している。 「Drosophila Genetic Reference Panel の遺伝子発現ネットワー ク(Gene Expression Networks in the Drosophila…
1008
4月 07, 2020 バイオクイックニュース日本語版

米国の2人の感染症専門家がCOVID-19生存者からの抗体を、患者治療と医療従事者保護の応急措置として使用すべきと主張。 このアプローチは100年間に渡り致命的な病原体の大発生で成功を収めている。

新型コロナウイルス( COVID-19 )と闘う国々は、感染から回復した人々の抗体を使用して症例を治療し、重要な医療従事者に短期免疫(数週間から数ヶ月)を提供することを検討する必要があると米国の2人の感染症専門家が主張している。 ボルティモアにあるジョンズホプキンスブルームバーグ公衆衛生学校の分子微生物学および免疫学科の部長であるArturo Casadevall医学博士とニューヨーク市にあるアルバートアインシュタイン医科大学の感染症部門の責任者であるLiise-anne Pirofski医学博士である。…
1329
3月 27, 2020 バイオクイックニュース日本語版

COVID-19治験ワクチンのNIH臨床試験が始まる。ワクチンはウイルスのスパイクタンパク質をコードするmRNA。

シアナのカイザーパーマネンテワシントン健康研究所(KPWHRI)で、コロナウイルス2019(COVID-19)を予防するために設計された治験ワクチンを評価する第1相臨床試験が始った。国立衛生研究所の一部である国立アレルギー感染症研究所(NIAID)が試験に資金を提供している。KPWHRIはNIAIDの感染症臨床研究コンソーシアムの一部だ。このオープンラベル試験では、18歳から55歳までのシアトルを拠点とする45人の健康な成人ボランティアが約6週間に渡り協力する。2020年3月16日に治験ワクチンを最初の参加者に接種…
1136
3月 24, 2020 バイオクイックニュース日本語版

『原始的な』幹細胞による糖尿病性網膜症の目の血管の再生医療技術に進歩

ジョンズ・ホプキンス・メディスンの科学者らは、研究室で成人のヒト細胞を元の状態に戻すように誘導し、糖尿病によって引き起こされた網膜の血管の損傷を置換および修復する可能性を解き放ち、生物学的な時計の針を元へ戻したと述べた。彼らは、この実験的研究から得られた知見は糖尿病性網膜症や他の失明性疾患の経過を逆転させることを目的とした再生医療技術を進歩させると言う。「我々の研究の結果は、再生医療において幹細胞をより広く使用することに一歩近づいた。そのような細胞を分化させ、癌になることを避けるために我々の分野が経験した歴史的な問…
1485
3月 12, 2020 バイオクイックニュース日本語版

38の異なる腫瘍タイプからの2,600を超える全ゲノム配列の分析により、癌が発生する数年前から多くの変異が発生することが示唆された

2020年2月5日にNatureが発行するジャーナルで、全ゲノムシーケンスと癌の統合分析に関するICGC / TCGAコンソーシアムの記念碑的な努力から生まれた21のオープンアクセス研究論文が同時にオンラインで公開された :Nature Communications(8)、Nature(6)、Nature Genetics(5)、Nature Biotechnology(1)、およびCommunications Biology(1)。…
1398
2月 06, 2020 バイオクイックニュース日本語版

赤ちゃんと大人の脳は遊びを通じて同期していることがプリンストン大学の研究者チームによって証明された

赤ちゃんがまだあなたと話すことができなくても、赤ちゃんと遊んでつながりの感覚を感じたことはあるだろうか? 新しい研究は、あなたが文字通り「同じ波長で」同じ脳領域で同様の脳活動を経験しているかもしれないことを示唆している。 これはほとんどの母親が本能的に知っている可能性が高いものだが、今では科学的に非常に詳細に証明されている。 プリンストン大学の研究者チームは、自然な遊びの中で赤ちゃんと大人の脳がどのように相互作用するかについての最初の研究を実施し、彼らの神経活動の測定可能な類似性を発見した。…
1114
1月 30, 2020 バイオクイックニュース日本語版

生殖ホルモンRelaxinがシグナル伝達を活性化し、心血管疾患治療に有効である可能性が発見された

健康な心臓は老化するにつれて、心血管疾患の影響を受けやすくなる。 ピッツバーグ大学の研究者らは、インスリン様ホルモンであるRelaxinが老齢ラットの心房細動(AF)、炎症、および線維症を抑制することを発見した。この論文は「Relaxinは老化した心臓の不適応な変化をWntシグナル伝達によって逆転させる」と題されている。 健康な心臓は老化するにつれて、心血管疾患の影響を受けやすくなる。…
1222
1月 28, 2020 バイオクイックニュース日本語版

癌に対する新しい光線力学療法で成果。光増感剤を用い、マウスで癌細胞の免疫原性細胞死を誘導

世界の科学界は、癌に対して困難かつ長期にわたる戦争を繰り広げている。 免疫原性細胞死の分野における新研究では、薬物の応用分野を拡大でき、治療後の再発から患者を確実に保護しようとしている。 癌治療は、身体からの腫瘍細胞の除去と化学療法だけではなく、腫瘍細胞が増殖して新しい病気を引き起こすことを防ぐシナリオの提供も医師の努めだ。…
1728
1月 23, 2020 バイオクイックニュース日本語版

ワシントン大学の研究者がタンパク質生産を最大1000倍に高める方法を発見

糖尿病のインスリンや血友病の凝固因子などの薬は治療用タンパク質であり、研究室で合成するのは困難だ。 そのため科学者は細菌を小さなタンパク質製造工場として加工して使用している。しかし、バクテリアや他の細胞の助けを借りたとしても、医療または商業用途のタンパク質を生産するプロセスは面倒で費用が掛かる。 セントルイスにあるワシントン大学医学部の研究者が、タンパク質生産を最大で1000倍まで高める方法を発見した。 Nature…
1804
1月 21, 2020 バイオクイックニュース日本語版

ジャイアントパンダが小さく生まれる理由は短い妊娠期間が原因か?

ピンク色をした生まれたてのジャイアントパンダの新生児の出生体重は通常たった約100グラムだ。この重さはバターの棒に相当する。 彼らの母親はそれより900倍も大きい。 長い間研究者はこの異常なサイズの違いに戸惑ってきた。ハリモグラやカンガルーなどの動物のいくつかの例外を除き、他の哺乳類の新生児は母親に比べてそれほど小さくはない。 理由は誰にも分からないが、10種のクマや他の動物の骨に関するデューク大学の研究では、現在の理論のいくつかが支持されていないことが分かる。 デューク大学の生物学の教授であるKathleen…
4761
1月 06, 2020 バイオクイックニュース日本語版

癌のDNAメチル化ベースの非侵襲診断の普及についてLaboratory for Advanced Medicine 社へインタビューを実施

BioQuick Newsの編集長・MIKE O'NEILLは、Laboratory for Advanced Medicine Inc.(LAM社)の技術部長であるDhruvajyoti Roy博士(写真)にインタビューを行った。LAM社 は簡便な採血からの早期癌検出テストの商業化に焦点を当てたAIヘルスケア企業である。 今回はLAM社 の技術とDNAメチル化分析の分野における最近の進歩について学び、癌の非侵襲的検出のためのDNAメチル化ベースの検査の普及について議論する。…
1349
12月 26, 2019 バイオクイックニュース日本語版

ファージ療法により腸内細菌叢から有害な細菌を除去しアルコール性肝疾患治療の可能性が示された

バクテリオファージ(ファージ)は、細菌を特異的に攻撃および破壊するウイルスだ。 20世紀初頭、研究者らはバクテリア感染を治療するための潜在的な方法としてファージを実験した。 しかし、その後抗生物質が出現し、ファージは不要になった。 しかし、抗生物質耐性感染の増加に伴い、研究者はファージ療法への関心を新たにした。 限られたケースだが、他のすべての選択肢が尽きた生命にかかわる多剤耐性細菌感染症の患者は、実験的なファージ療法で効果を上げている。…
1790
12月 25, 2019 バイオクイックニュース日本語版

RNA分子がリボソームでどのように折り畳まれているかが明らかに。 調査結果は前例のない詳細を明らかにした。

スクリプス研究所とスタンフォード大学の研究チームは、リボソームの組み立てにおける重要なステップをリアルタイムで記録することに成功した。これは、細胞内でタンパク質を生成する、すべての生命形態に不可欠な複雑で進化的に古代の「分子機械」である。Cell誌で2019年11月21日に報告されたこの成果は、本質的に粘着性でミスフォールドしやすい細胞分子であるリボ核酸(RNA)の鎖が、リボソームタンパク質によって「シャペロン化」されて適切に折り畳まれ、リボソームの主要コンポーネントの1つを形成することを、前例のないほど詳細に明ら…
1269
12月 17, 2019 バイオクイックニュース日本語版

エクソソームが重度の前立腺癌促進伝達因子の送達をしていることが判明。 エクソソーム放出阻害が治療に有用であることが証明された。

ニューロン機能を支援する転写因子は、すでに再発した癌をさらに致命的にする可能性のある前立腺の細胞変換を可能にするようだ。 転写因子BRN4は主に中枢神経系と内耳で発現するが、稀であるが神経内分泌前立腺癌の患者でも増幅され過剰発現する最初の証拠がClinical Cancer Researchジャーナルで公開された。 この論文は「BRN4は去勢抵抗性前立腺癌における神経内分泌分化の新規ドライバーであり、BRN2を含む細胞外小胞で選択的に放出される(BRN4 Is a Novel Driver of…
1438
12月 10, 2019 バイオクイックニュース日本語版

がん患者に対するCRISPR編集免疫細胞の初期試験でアプローチの安全性が示唆された

CRISPR / Cas9技術を使用してがん患者の免疫細胞を遺伝子編集し、それらの細胞を患者に注入することは、最初の臨床試験からの初期データに基づき米国で安全かつ実現可能であることが発表された。 ペンシルバニア大学アブラムソンがんセンターの研究者は、これまでの試験で3人の参加者(2人は多発性骨髄腫、1人は肉腫)に対し、編集されたT細胞が増加し、深刻な副作用なしに腫瘍標的に結合することを観察した。 調査アプローチに関連します。ペンシルバニア大学は、パーカーがん免疫療法研究所 (PICI)およびTmunity…
1436
11月 20, 2019 バイオクイックニュース日本語版

MIT で既存の分子とのクロストークを回避するタンパク質ペアを構築。 設計 されたシグナル伝達経路は、合成生物学回路を構築するための新しい戦略を 提供する

生細胞内では多くの重要なメッセージがタンパク質間の相互作用を介して伝達されている。これらのシグナルを正確に中継するためには、各タンパク質が特定のパートナーとのみ相互作用し類似のタンパク質との望ましくないクロストークを回避する必要がある。 MIT の新研究では、これらタンパク質間のクロストークを細胞がどのように防いでいるかを明らかにし、また、細胞がシグナル伝達に使用していない膨大な数のタンパク質相互作用が残っていることを示した。…
1137
11月 18, 2019 バイオクイックニュース日本語版

血液因子(GDF11)が、食事療法によるカロリー制限の利点を模倣し、神経新生と血管リモデリングを刺激することを高齢のマウスモデルで解明。

老化は人体のすべての機能、特に脳機能に影響を与えるプロセスだが、ライフスタイルの変化(運動、カロリー摂取の制限など)により老化を遅らせることができる。パスツール研究所とCNRS(フランス国立科学研究センター)の研究者は、血液中の分子 GDF11(図)のこれまで知られていなかった特性を解明した。 マウスモデルで GDF11 が、食事療法によるカロリー制限の利点(心血管疾患を減らし、癌を防ぎ、脳の神経発生を高める)を模倣できることを解明した。 この研究の結果は、2019年10月22日にAging…
2586
11月 11, 2019 バイオクイックニュース日本語版

癌の早期発見を目指す英米の5つの機関による大西洋横断コラボレーション(ACED)が78億円を調達

癌を早期に発見するための根本的な新しい戦略と技術の開発は、大西洋横断研究アライアンスの大胆な野望であり、癌の早期発見のための国際同盟(Alliance for Cancer Early Detection:ACED)は、Cancer Research UKとのパートナーにより2019年10月21日に発足が発表された。今後5年間で78億円以上の資金が提供される。早期発見は、より多くの人が癌に打ち勝つために不可欠だ。癌が早期に発見され治療されると、患者が病気を生き残るチャンスが劇的に向上する。…
1089
11月 11, 2019 バイオクイックニュース日本語版

ASHG2019 :マウスでCas9による標的外変異誘発を定量化。ガイドRNAのデザイン次第で標的外変異誘発を大幅に制限可能と報告。

カナダのトロントにある病気の子供のための病院(SickKids)のフェノゲノミクスセンター科学技術開発部長の Lauryl Nutter博士(写真)を含む研究者らは、CRISPR酵素Cas9の使用を改善し、実験マウスの標的外変異誘発の可能性を減らすための新しい方法を見つけた。 研究者の遺伝子編集に関連する共通の懸念である精度を改善するための新戦略に役立つこの調査結果は、ヒューストンで開催された米国人類遺伝学会2019年次総会(ASHG2019)で2019年10月18日に発表された。…
1167
11月 05, 2019 バイオクイックニュース日本語版

アルツハイマー病に関与したヒト遺伝子(MAPT)が組み込まれたマウスモデルが開発される

ミネソタ大学の研究者は、アルツハイマー病などの疾患の治療法の研究で、マウス版のアルツハイマー病関連MAPT遺伝子がヒト版の遺伝子に完全に置き換えられたマウスの系統を開発した。 完全な遺伝子置換モデルとしてこの新しい動物モデルは、MAPT遺伝子はヒトと同じように機能し、研究者は遺伝子治療をより正確に開発および評価できるようになる。 この研究は、10月16日にテキサス州ヒューストンで開催された米国人類遺伝学会(ASHG)2019年次総会(10月15〜19日)で発表された。…
1137
10月 28, 2019 バイオクイックニュース日本語版

5万年前の遺伝子の復活により、マラリア原虫がゴリラからヒトへ寄生したことが明らかに

最も致命的であるマラリア原虫がゴリラからヒトにジャンプする一連の出来事が発見された。 英国のウェルカムサンガー研究所とフランスのモンペリエ大学の研究者は、熱帯熱マラリア原虫の祖先によって取得された約50,000年前の遺伝子配列を再構築し、ヒト赤血球に感染する能力を与えた。PLOS Biologyで2019年10月15日に公開されたこの論文は、「先祖伝来のRH5侵略リガンドの復活が、ヒトの熱帯熱マラリアの起源の分子的説明を提供する。」と題されている。…
1441
10月 28, 2019 バイオクイックニュース日本語版

睡眠時無呼吸は糖尿病性黄斑浮腫の危険因子となり得る

台湾のChang Gung Memorial Hospitalによる新研究は、重度の睡眠時無呼吸が、失明や失明を引き起こす可能性のある糖尿病の合併症である糖尿病性黄斑浮腫を発症する危険因子であることを示している。 糖尿病性黄斑浮腫も、重度の睡眠時無呼吸の患者では治療がより困難であった。 初期の研究では2つの状態の関連性が弱いことが示されていたが、睡眠時無呼吸は基礎疾患を悪化させるという証拠が増えている。…
1074
10月 19, 2019 バイオクイックニュース日本語版

脳の特定領域の深部脳刺激(DBS)が治療抵抗性の鬱病患者に長期間強力な抗鬱効果をもたらした

脳下帯状回(SCC)と呼ばれる脳の領域への深部脳刺激(DBS)により、 他の治療に反応しなかった最も重度の鬱病患者である治療抵抗性鬱病の患者に長期間強力な抗鬱効果をもたらしたことがAmerican Journal of Psychiatryの2019年10月4日号にオンラインで公開された。この論文は「治療抵抗性うつ病に対する脳梁下帯状回深部脳刺激の長期転帰(Long-Term Outcomes of Subcallosal Cingulate Deep Brain Stimulation for…
5489
10月 07, 2019 バイオクイックニュース日本語版

英国、UK BioBankに蓄積された50万人のボランティアの全ゲノム配列解析プロジェクトを始動。世界中の優れた学生や科学者の移民を奨励するため、規則が変更された。

生命を脅かす病気との闘いにおける画期的プロジェクトが、英国で2019年9月11日に始動した。 2億ポンド(約264億円)の全ゲノム配列決定プロジェクトが形成され、英国ストックポートに本拠地を置くUK Biobankで約50万人のボランティアの遺伝子コードを調べ配列決定する。UK Biobankは製薬会社や専門機関とパートナーシップを形成している。 英国のBoris Johnson 首相は次のように述べている。「英国には、国際的な協力と発見の中心に自らを置くという誇りのある歴史がある。…
1178
10月 07, 2019 バイオクイックニュース日本語版

幼児の稀で致命的な障害であるクラッベ病の原因が特定された。薬物療法の実証試験は疾患マウスモデルに効果を示した。

セントルイスのワシントン大学医学部の研究者らは、通常3歳前後で発作、発達退行、および死をもたらす小児の致命的な遺伝子障害「クラッベ病」に至る正確な生化学的パスウェイについて、数十年にわたる謎を解決したようだ。このクラッベ病のヒト疾患マウスモデルを用い、この研究者らは可能な治療戦略を見つけ出した。 2019年9月16日にPNASでオンラインで公開されたこの論文は、「クラッベ病における酸性セラミダーゼの遺伝的アブレーションによりサイコシン仮説が確認され、新しい治療標的が特定された。(Genetic Ablation…
1534
10月 03, 2019 バイオクイックニュース日本語版

左利きに関連した4つの遺伝子領域が特定された

新たな研究により、一般集団の左利きに関連するゲノム領域が初めて特定され、その影響が脳の構造と関連付けられた。 この研究は、これらの遺伝的違いを、言語に関連する脳の領域間のつながりと関連付けるものだ。遺伝子が利き手の決定に部分的な役割を担っていることはすでに知られていた。双子の研究では、利き手の変化の25%は遺伝子に起因すると推定されている。しかし、これらの遺伝子は一般集団では確立されていなかった。…
1355
9月 30, 2019 バイオクイックニュース日本語版

テロメラーゼの新たな役割が明らかに。テロメラーゼは正常細胞の細胞死の直前に一過性誘導され、より緩やかな細胞死をもたらす。

メリーランド大学(UMD)と国立衛生研究所の新しい研究により、酵素テロメラーゼの新しい役割が明らかになった。 これまで正常組織におけるテロメラーゼの唯一の既知の役割は、胚細胞、精子細胞、成体幹細胞、免疫細胞など、定期的に分裂する特定の細胞を保護することとされていた。 科学者は、無制限の細胞分裂を促進する癌性腫瘍を除き、他のすべての細胞ではテロメラーゼがオフになっていると考えていた。 新しい研究では、老化プロセスの重要な時点で、テロメラーゼが正常な成体細胞で再活性化することが分かった。…
1381
9月 25, 2019 バイオクイックニュース日本語版

ニーマン・ピック病A型の有望な遺伝子置換療法が米オハイオ州で前進

最近オハイオ州立大学医学部に移ったKrystof Bankiewicz MD, PhD(写真)が率いる研究は、ニーマン・ピックA型疾患の遺伝子置換療法が非ヒト霊長類で安全に使用でき、マウスで治療効果があることを示している。これらの研究成果は、ジャーナルScience Translational Medicineで2019年8月21日にオンラインで公開された。 この論文は、「ニーマン・ピック病A型に対するアデノ随伴ウイルスベクター血清型9ベースの遺伝子治療(Adeno-Associated Viral Vector…
1565
9月 12, 2019 バイオクイックニュース日本語版

ロックフェラーの科学者により、ハエの小さな精巣から新しい遺伝子がどの ように発生するか洞察が引き出された

性別の戦いでは、遺伝的観点から、男性は革新的な側面を持っているように見える。精巣は精子の単なる工場以上のものであることが発見された。精巣は、種の進化の原料である新しい遺伝子の出現のホットスポットとしても機能している。ロックフェラー大学のチームは、ミバエを使用し、精子の発育中に自然のイノベーションの試みがどのように機能するかについて重要な洞察を得た。…
1089
9月 08, 2019 バイオクイックニュース日本語版

人間やペンギンに感染するサルマラリア原虫に対するハイスループット薬物試験法が開発された

オタゴ大学(ニュージーランド)の2人の科学者によるサルマラリア研究のブレークスルーが、再発型ヒトマラリアを診断・治療するのに役立つかもしれない。 マラリアは蚊を媒介とする感染症で、特にアジア、太平洋、南アメリカで毎年2億人以上の症例が発生しており、人間や他の動物にも影響を及ぼす。 症状には発熱、疲労感、嘔吐、頭痛などがあり、重度の場合、発作、昏睡、または死を引き起こす可能性がある。…
1189
9月 07, 2019 バイオクイックニュース日本語版

膵臓癌の広がりを止める可能性がある標的マトリックスタンパク質(Perlecan)を特定

オーストラリアのガルバン医学研究所が率いる国際研究チームは、膵臓癌の主な死因である攻撃的な膵臓癌細胞がどのように環境を変化させ、体の他の部位への転移を行うのか明らかにした。研究者らは、一部の膵臓腫瘍は「perlecan」と呼ばれる分子をより多く生成し、周囲の環境を改造することを発見した。この分子により、癌細胞は体の他の部位に拡散しやすくなり、化学療法に耐性を示すという。マウスモデルにおいて、研究者らは、perlecanのレベルを下げることで膵臓癌の広がりを減らし、化学療法に対する反応を改善することを示した。…
1307
9月 07, 2019 バイオクイックニュース日本語版

遺伝性膵臓癌に関連する遺伝子変異(RABL3遺伝子)が特定された

膵臓癌は、治療選択肢が限られている最も致命的な癌の1つだ。 通常、進行期まで症状がなく、多くの抗がん療法に抵抗する能力があるため、特に予後不良である。 その発達に関与する遺伝子を特定することで、より早期の診断と改善された治療が可能になると考えられる。 現在、マサチューセッツ総合病院(MGH)、ブリガムアンドウィメンズ病院、およびダナファーバーがん研究所の研究者が率いる研究チームは、特定の遺伝子の突然変異が、研究対象のある家族の膵臓癌の遺伝型と関連していることを発見した。…
3287
9月 03, 2019 バイオクイックニュース日本語版

MS4A4A遺伝子変異体は可溶性TREM2レベルに影響し、アルツハイマー病のかかり易さに影響を与える

ワシントン大学医学部の科学者が率いる国際的な研究者チームは、遅発性および早発性双方のアルツハイマー病リスクに影響を及ぼす遺伝子ペアを特定した。 これまでアルツハイマー病に関与していたほとんどの遺伝子は、メッセージを伝達するニューロンに影響を及ぼし、脳の異なる領域が互いに通信できるようにするものだった。 しかし、新たに特定された遺伝子は、まったく異なる細胞集団、つまり脳の免疫細胞に影響を及ぼす。 2019年8月14日にScience Translational…
1259
8月 22, 2019 バイオクイックニュース日本語版

薬剤耐性病原体に効果がある自己滅菌ポリマーが開発される

ノースカロライナ(NC)州立大学の研究者らは、弾性ポリマーが広域スペクトルの抗菌特性を有し、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を含むさまざまなウイルスや薬剤耐性菌を数分で殺すことができることを発見した。「このポリマーのいくつかの興味深い挙動を観察し、我々は抗菌材料を作製するためにその可能性をより深く調べることを決めた。 このポリマーは、病院や診療所などの臨床環境や、病原体の伝播が悲惨な結果をもたらす可能性がある高齢者向け施設で特に有用だ。」…
1348
8月 20, 2019 バイオクイックニュース日本語版

腸内細菌(クロストリジウム)がマウスの肥満を抑制。人の肥満防止への手掛りとなるか?

ユニバーシティ・オブ・ユタ・ヘルスの研究者は、マウスが肥満になるのを防ぐ腸の特定のクラスの細菌を特定し、同じ微生物が同様に人の体重を制御する可能性があることを示唆した。クロストリジウムと呼ばれるこの有益なバクテリアは、腸に生息する何兆ものバクテリアや他の微生物の総称であるマイクロバイオームの一部である。…
1642
8月 08, 2019 バイオクイックニュース日本語版

RNA編集機能を拡張した新CRISPR技術(RESCUE)でAPOE4 アルツハイマーリスクバリアントをAPOE2非リスクバリアントに変換できることを実証。

CRISPRを基盤としたツールは、疾患関連遺伝子変異を標的にする能力に革命をもたらした。 CRISPRテクノロジーは、Cas9およびCas12酵素でDNAをターゲットにすることや、Cas13酵素でRNAをターゲットにすることなど、遺伝子とその発現を操作するツールファミリーとして成長している。 このラインナップは、突然変異に取り組むためのさまざまな戦略を提供する。 比較的一過性の疾患関連RNA変異を標的にすれば、ゲノムに永続的な変更を加えることを避けることができる。…
1600
8月 05, 2019 バイオクイックニュース日本語版

細胞老化について新発見。老化防止薬の開発へ一歩を踏み出す。

南カリフォルニア大学にあるUSC Viterbi School of Engineeringの新研究は、老化プロセスがどのように機能するか理解するための鍵となるかもしれない。 研究結果は高齢の人の健康を大幅に改善することができるより良い癌治療と革命的な新薬への道を開くポテンシャルを秘めている。化学工学および材料科学の助教授であるNick Graham博士のチーム、生物科学と生物医学工学の教授であるScott Fraser博士、そしてZohrab A. Kaprielianの工学博士であるPin…
2146
7月 29, 2019 バイオクイックニュース日本語版

新研究でパクチーの抗けいれん分子メカニズムが明らかに

コリアンダー(パクチー)を含むハーブは、民間療法の抗けいれん薬として長い歴史がある。 今までハーブがどのように働いたか根本的なメカニズムの多くは未知のままだった。 新しい研究でカリフォルニア大学アーバインスクールオブメディカル校の研究者らは、コリアンダーが癲癇や他の病気によく見られる特定の発作を効果的に遅らせることを可能にする分子作用を明らかにした。 2019年7月16日にThe FASEB…
2298
7月 25, 2019 バイオクイックニュース日本語版

NIH、サハラ以南のアフリカ地域における2型糖尿病のゲノム研究成果を発表。糖尿病とZRANB3遺伝子の重要な関連性を示した。

NIHの研究者らは、サハラ以南のアフリカ人における2型糖尿病の過去最大のゲノム研究を報告した。この研究は、ナイジェリア、ガーナ、およびケニアからの5,000人以上の個人データに基づく。 研究者らは、既知のゲノム変異体を確認し、サハラ以南のアフリカの集団における疾患感受性に影響を与える可能性がある新規遺伝子ZRANB3を同定した。 この遺伝子は他の集団における2型糖尿病の発症にも影響を及ぼし、さらなる研究成果が期待される。…
1428
7月 22, 2019 バイオクイックニュース日本語版

細菌のホーミング能力で幹細胞が心臓組織に帰ることを可能に。心臓病に苦しんでいる人々に大きな可能性を提供。

世界で初めて、科学者たちは幹細胞を心臓組織に向かわせる新しい方法を発見した。 英国のブリストル大学の研究者によって先導され、最近発表されたこの研究結果は、英国で全死亡の4分の1以上を引き起こす心血管疾患の治療の根本的な改善につながるという。 この英国王立化学協会のオープンアクセスジャーナルに掲載された論文は「幹細胞を心筋に向ける改変人工膜結合タンパク質(Designer Artificial Membrane Binding Proteins to Direct Stem Cells to the…
1441
7月 18, 2019 バイオクイックニュース日本語版

糖尿病、心臓病など代謝障害の新しい治療法としてセラミドの役割が浮き彫りに

たった2つの水素原子の位置をずらすだけの小さな化学変化が健康なマウスとインスリン抵抗性および脂肪肝を持つマウスとの違いを引き起こし、糖尿病と心臓病の主な危険因子になることを突き止めた。この変化を加えることで、高脂肪食を与えられたマウスにおけるこれらの症状の発症を防ぎ、肥満マウスにおける前糖尿病を逆転させた。 科学者たちは、dihydroceramide desaturase…
1385
7月 09, 2019 バイオクイックニュース日本語版

母親の血中無細胞胎児DNAの次世代シーケンシングにより胎児鎌状赤血球症の非侵襲的出生前診断に一歩近づく

鎌状赤血球症(Sickle cell disease:SCD)は、両方の親がヘモグロビン遺伝子の突然変異の保因者である場合に遺伝する貧血の一種だ。 現在、この疾患は、侵襲的検査を実施しなければ妊娠中に診断することができないが、流産リスクを伴うので、両親によって診断を拒否されることがある。 現在、英国のバーミンガムにあるNonacus Ltd.と協力して、英国のロンドンにあるGuy's and St Thomas' NHS Foundation Trust and Viapath…
1509
7月 09, 2019 バイオクイックニュース日本語版

胎盤を介して母親の抗体が胎児へ移動するメカニズムを調査。新生児を保護するためのより強力なワクチンの開発へ。

世界中で感染症を減らす上で最も成功した介入の1つであるワクチン接種だが、新生児を保護する上では依然として有効性が限られている。 マサチューセッツ総合病院(MGH)、MITおよびハーバード大学によるラゴン研究所の研究は、妊娠中のワクチン誘発免疫がどのようにして胎児に移るのかを決定した。これはより効果的な母体ワクチンの開発に影響を与えるだろう。 Cellの6月27日号に掲載されたこの論文のタイトルは「Fcグリカンによる胎盤抗体導入の媒介調節(Fc Glycan-Mediated Regulation of…
1448
7月 05, 2019 バイオクイックニュース日本語版

多剤併用治療法(FOLFIRINOX)により、より多くの膵臓癌が切除可能になり、切除可能なボーダーラインにある腫瘍の患者の生存期間がほぼ2倍に。

アメリカがん協会の予測が正確であれば、今年は、乳癌、脳腫瘍、卵巣癌、または前立腺癌よりも、膵臓癌でより多くの人々が死亡するだろう。 膵臓癌が非常に致命的である1つの理由は、伝統的な化学療法に対する耐性である。しかし、ウェストバージニア大学医学部の外科腫瘍専門医Brian Boone医師は、FOLFIRINOX(フォルフィリノックス:癌治療薬の新しい組み合わせ)により膵臓癌が安全に除去するには血管に近すぎる「切除可能なボーダーライン」にある患者のアウトカムを改善できるかどうかを調査している。…
1560
7月 02, 2019 バイオクイックニュース日本語版

既存のニキビ薬(ミノサイクリン)が動脈硬化の予防・治療に非常に有効であることが判明

英国の研究チームは動脈硬化の背後にあるメカニズムを動物実験で確認し、通常ニキビの治療に使用される一般的な薬が動脈硬化の効果的な治療法になり得ることを示した。ケンブリッジ大学とキングスカレッジロンドン校が率いるチームは、かつてDNAを修復する目的で細胞内にのみ存在すると考えられていた分子も、認知症・心臓病・高血圧に関連する動脈硬化の原因であることを見出した。骨のようなカルシウム沈着物の蓄積、動脈の硬化および臓器および組織への血流の制限によって引き起こされる動脈硬化に対する治療法は現在ない。…
1720
6月 24, 2019 バイオクイックニュース日本語版

サソリ毒素には抗菌活性成分が含まれていることが判明。薬剤耐性菌に対する新しい武器となるかもしれない。

メキシコ東部原産のサソリの毒液は、単なる毒素以上のものかもしれない。 スタンフォード大学とメキシコ国立大学の研究者らは、この毒には細菌感染と戦うのを助ける2色に変わる化合物も含まれていることを発見した。 チームはサソリの毒から化合物を分離するだけでなく、それらを実験室で合成し、実験室で作られた毒が組織サンプルとマウスでブドウ球菌と薬剤耐性結核菌を殺すことを確認した。…
1357
6月 18, 2019 バイオクイックニュース日本語版

何百万人もの心血管死は十分な果物や野菜を食べていないことに起因すると新研究で判明。果物や野菜の摂取量を地域・年齢・性別で追跡。

ビル&メリンダ・ゲイツ財団が資金提供しているGlobal Dietary Databaseプロジェクトの一環として行われた新研究による予備的な発見は、不十分な果物と野菜の消費量が、毎年何百万もの心臓病と脳卒中による死因となっていることを明らかにした。 この研究では、7人に1人の心血管死が十分な果物を食べていないことに起因し、12人に1人の心血管死が十分な野菜を食べていないことに起因すると推定された。…
1753
6月 10, 2019 バイオクイックニュース日本語版

ハダカデバネズミはワサビ香辛料の曝露で疼痛に免疫を示した。この発見はヒトの痛みを解決するための洞察を提供する。

2019年5月31日号のScience誌における新しい報告によると、非常に長命としてよく知られている哺乳類である南アフリカに生息するほくろラット種の類縁が、わさびの有効成分であるイソチオシアン酸アリル(AITC)への暴露により疼痛への免疫が起こる初めてのエビデンスが発見された。これらのげっ歯類がどのようにしてこの特定の種類の疼痛に鈍感になるように進化したのかを理解することは、ヒトの疼痛を解決するための新たな方向を指し示す可能性があるとこの研究者は言う。…
3098
6月 10, 2019 バイオクイックニュース日本語版

ER陽性乳がんの転移と薬剤耐性を転写因子スイッチが誘発することを初期段階の研究が示唆

LondonのImperial CollegeおよびInstitute of Cancer Researchの科学者が率いる初期段階の研究で、乳がん細胞における遺伝的「スイッチ」が一種の内部足場の形成を促進することが確認された。この足場は、髪を強く保つのを助けるケラチンタンパク質に関連するケラチン80と呼ばれるタンパク質でできている。この足場の量を増やすと、がん細胞がより硬くなる。研究者らによれば、細胞が凝集して血流に乗って体の他の部分に移動するのを助けるかもしれない。…
1278
6月 03, 2019 バイオクイックニュース日本語版

1型糖尿病に関与する新たな免疫細胞を発見。B細胞とT細胞の悪役ハイブリッドが膵臓のインスリン産生細胞への強力な自己免疫攻撃を促進。

医学界のネッシー探しに例えられるかもしれない発見が、ジョンズホプキンス医学、IBM Research、および他の4つの共同研究機関からなる研究チームによって行われた。1型糖尿病の発症に重要な役割を果たす可能性がある疑わしい「X細胞」として、「悪役ハイブリッド」免疫系細胞についての存在が初めて報告された。Cellの2019年5月30日号の特集として発表された新しい論文の中で、異常なリンパ球(一種の白血球) - 正式には二重発現細胞(DE)細胞として知られている - を報告している。…
1939
6月 02, 2019 バイオクイックニュース日本語版

自閉症における腸と脳の関係が明らかに。腸と脳がNeuroligin-3の遺伝子に突然変異を共有していることが判明。

自閉症の人はしばしば腸の問題に苦しんでいるが、誰もその理由が分からなかった。 オーストラリア・メルボルンのRMIT大学の研究者らは、脳と腸の両方に見られる同じ遺伝子変異が原因であることを突き止めた。この発見は自閉症における腸 - 脳神経系のつながりを確認し、腸を標的とすることによって自閉症に関連する行動の問題を緩和することができる潜在的な治療法の探求における新たな方向性を開くものだ。 2019年5月22日にAutism…
1485
5月 14, 2019 バイオクイックニュース日本語版

母なる自然の救い- ヒヤシンスのフラボノイド誘導体は、糖尿病、未熟児網膜症、加齢黄斑変性に起因する失明を予防することが判明

英国サリー大学、米国インディアナ大学医学部ユージーンおよびマリリングリックアイ研究所そしてロンドン大学の科学者らによる研究によると、天然物から失明のいくつかの原因を治療するための画期的な答えを得ることができたという。 科学者らは、増殖性糖尿病性網膜症などの退行性眼疾患の原因を治療するために有用である可能性が高い植物群から化合物を発見し、試験を実施した。…
1525
5月 08, 2019 バイオクイックニュース日本語版

3つのタンパク質遺伝子の注射でハイリスクHPV型に対する免疫反応を誘発。子宮頸癌の前駆腫瘍の3分の1においてHPVを完全に消失させた。

子宮頸部の前癌を治療するための新しい免疫療法により、臨床試験に参加した3分の1の女性が病変とHPV感染の両方を完全に排除することに成功した。この注射(治療用ワクチン)には、子宮頸部上皮内腫瘍(CIN: cervical intraepithelial neoplasia)として知られるほぼすべての子宮頸癌前駆体の原因となるハイリスクのヒトパピローマウイルス(HPV: human papilloma virus)を攻撃する免疫系反応を引き起こす3種類のタンパク質遺伝子が含まれている。…
2268
4月 24, 2019 バイオクイックニュース日本語版

眼の血管の発達を調節する光依存性分子パスウェイが発見された。未熟児網膜症と近視の未熟児の治療に光線療法の可能性を示す。

シンシナティ小児病院医療センターの研究チームによって、眼の中で血管の発達を調節する光依存性分子パスウェイが発見された。未熟児網膜症(ROP:retinopathy of prematurity)と近視(近視眼症)の未熟児を救うために光線療法を使うことが可能になるかもしれないことを示唆している。2019年4月1日にNature Cell Biologのオンラインで発表されたこの論文のタイトルは「オプシン5-ドーパミン パスウェイが眼の光依存性血管発達を媒介する(An Opsin 5–Dopamine Pathway…
1641
4月 23, 2019 バイオクイックニュース日本語版

美の遺伝学 - 顔の魅力に関連する遺伝子は性別によって異なることが判明

ウィスコンシン大学マディソン校の生物統計学および医学生物情報学科の助教授Qiongshi Lu博士とその同僚による新しい研究によると、遺伝子は人の顔の美しさを決定する役割を果たすが、その役割は性別によって異なるという。2019年4月4日にPLOS Geneticsに掲載されたこのオープンアクセス論文は「ゲノムワイド関連解析(GWAS)は顔の魅力の性特異的遺伝的構造を明らかにする(Genome-Wide Association Study Reveals Sex-Specific Genetic…
2979
4月 12, 2019 バイオクイックニュース日本語版

クロロフィルを生産するが光合成しない微生物 corallicolidが発見された。この微生物は絶滅の危機に瀕するサンゴ礁を保護する鍵になるかもしれない。

初めて、クロロフィルを生産するにも関わらず光合成に従事しない微生物が発見された。 それは世界中のサンゴの70%で発見され、将来的にサンゴ礁を保護するための手がかりを提供する可能性があるため、この特殊な微生物は「corallicolid」と命名された。2019年4月3日にNatureのオンラインで報告されたこの論文は「クロロフィル生合成遺伝子を含む広範囲のサンゴ感染アピコンプレクサ(A Widespread Coral-Infecting Apicomplexan with Chlorophyll…
2722
4月 12, 2019 バイオクイックニュース日本語版

痛みや不安、恐怖を感じないスコットランドの女性について、偽遺伝子(FAAH-OUT)とFAAH遺伝子の突然変異が原因であることを同定。傷の回復も迅速。

71歳のスコットランド人女性(Jo Cameronさん・写真)は、これまでに同定されていない遺伝子の変異によって痛みをほとんど感じず、ごくわずかな不安や恐怖しか経験したことがなく、この突然変異のために創傷治癒能力が増強されているかもしれないので、新しい治療法を導くのに有用な可能性がある、とロンドン大学ユニバーシティカレッジ(UCL)の共同研究者がthe British Journal of Anaesthesiaで報告した。…
2474
4月 06, 2019 バイオクイックニュース日本語版

黒死病原菌はおそらく絶滅している

黒死病と呼ばれ14世紀のヨーロッパを襲った壊滅的な伝染病ペストは、今はもう絶滅したバクテリアYersinia pestisによるものだと思われる。この記事は2011年8月29日付けのPNAS誌に発表された。カナダのマックマスター大学のポワナー・ヘンデリック博士と研究者グループは、イギリスのロンドンにあるイースト・スミスフィールドの集団埋葬地から掘り出された109人の白骨遺体から検出されたDNAを分析し、この結果にたどり着いた。…
4469
4月 04, 2019 バイオクイックニュース日本語版

腎炎から腎臓を保護する合成ペプチド(TNF由来TIPペプチド)を開発

合成ペプチド(TNF由来のTIPペプチド)が腎炎で起こる破壊的な炎症を中断し、腎臓がその重要な機能をよりよく回復し維持することを可能にするとジョージア医科大学の研究者らは報告している。TIPペプチドを全身に投与しても腎臓に直接投与しても、血圧を上昇させることなく免疫細胞の腎臓への移動を抑制し、炎症と損傷を解消し、腎機能を改善した。 2019年3月20日にKidney…
1362
4月 01, 2019 バイオクイックニュース日本語版

癌パスウェイへの共通の鍵を発見:p53の新規調節因子PIPK1-αが同定された。

これまで突然変異したタンパク質p53が、さまざまな癌の発症において重要な因子であり、一方でその変異していない形態は、癌から保護することが知られてきた。 これらの対立する特質により、p53タンパク質およびそれをコードする遺伝子は生物学において最も研究されている対象の一つだが、その安定性および機能を支配する分子機構はまだ完全には理解されていない。 ウィスコンシン大学マディソン校(UW-Madison)の癌研究者であるRichard A. Anderson博士とウィスコンシン大学医学部のVincent…
1589
3月 12, 2019 バイオクイックニュース日本語版

エピジェネティック変化を検出する新手法はバイサルファイトシーケンシングを置き換えるかもしれない

イギリスのオックスフォードにあるルートヴィヒ癌研究所の科学者らは、2019年2月25日にNature Biotechnologyにオンラインで報告した研究で、DNAの化学修飾を検出するための新しく改良された方法を記載している。これらの修飾、または「エピジェネティック」マークは、遺伝子発現の制御を助け、それらのゲノム全体での異常な分布は癌の進行および治療抵抗性に関与している。 ルートヴィヒ癌研究所のアシスタントメンバーであるChunxiao Song博士とBenjamin…
1570
2月 26, 2019 バイオクイックニュース日本語版

ホオジロザメのゲノムが解読され、迅速な創傷治癒と癌抵抗性の秘密が明らかに。

ホオジロザメは地球上で最も有名な海洋生物の1つであり、広く人々の注目を集め、ハリウッドの歴史の中で最も成功した映画の1つ「ジョーズ」を生み出した。このサメは、その巨大なサイズ(最大6メートルと3トン)、そしておよそ1200メートルの深さまで潜ることを含む顕著な特徴を有する。 ホオジロザメはまた、世界の海洋において比較的少数であることを考えると、重要な保全対象でもある。 この象徴的な頂点捕食者と一般的なサメの生物学を理解するために、ホオジロザメの全ゲノムが詳細に解読された。…
2551
2月 25, 2019 バイオクイックニュース日本語版

全身性エリテマトーデスは腸内マイクロバイオームの不均衡と強く関連。患者には5倍過剰のRuminococcus gnavisが見られた。

身体の免疫系による関節、皮膚、および腎臓への攻撃が特徴の病気である全身性エリテマトーデス(SLE:systemic lupus erythematosus)は、腸内のバクテリアの異常な混合と関連していることが新研究で判明した。これは、ニューヨーク大学Langone Health / ニューヨーク大学医学部の科学者らによる新研究によるものだ。…
2612
2月 25, 2019 バイオクイックニュース日本語版

サイエンス誌が選んだ2018年のブレークスルー「細胞ごとに胚発生を追う」を加速するエール大学での数学の進歩

カメラの進歩と同様、一般的なバイオインフォマティクスデータの可視化手法の重要な数学的更新により、単一細胞遺伝子発現のスナップショットが数倍の速さ且つ遥かに高い解像度で作成できるようになった。2019年2月11日にNature Methodsに掲載されたこのエール大学の数学者による革新は、100万点のシングルセルRNAシーケンス(scRNA-seq)データセットのレンダリング時間を3時間以上からわずか15分に短縮するものだ。…
1841
2月 19, 2019 バイオクイックニュース日本語版

膵臓癌に対する抗生物質・ストレプトゾトシンの細菌合成経路が明らかに。

何十年もの間、科学者や医者は土壌中のバクテリアがある種の膵臓癌のための重要な治療薬である抗生物質化合物のストレプトゾトシンを製造することを知っていたが、バクテリアがどうやってそれを合成するのか不明だった。ハーバード大学の化学・化学生物学教授のEmily Balskus博士が率いる研究者チームはそのプロセスを解明し、この化合物が酵素経路を介して生産されることを初めて示し、そのプロセスを推進する新たな化学を明らかにした。 この研究は、2019年2月6日にNatureのオンラインに掲載された。…
1925
2月 11, 2019 バイオクイックニュース日本語版

すべての生物における遺伝子発現制御と転写休止の要素メカニズムがウィスコンシン大学の研究で明らかに。

ウィスコンシン大学マディソン校の生化学および細菌学教授のRobert Landick博士と彼のチームが率いた研究は、すべての生物における遺伝子発現制御の根底にある現象、転写の一時停止の要素メカニズムを初めて明らかにした。この研究はまた、ディフィシル菌感染症や結核などの治療の重要な薬物標的である酵素RNAポリメラーゼについての新しい理解を提供している。…
1866
2月 07, 2019 バイオクイックニュース日本語版

活性化PMNエクソソームはCOPDで肺の破壊を引き起こす病原体であることが判明した

アラバマ大学バーミンガム校(University of Alabama at Birmingham :UAB)の研究者らは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の肺における慢性炎症と組織破壊との間の根本的なつながりである、これまで報告されていない新しい病原体を発見した。 COPDは世界における死因の第4位だ。精製された活性化多形核白血球(PMN: polymorphonuclear leukocytes)から収集された小さな細胞内粒子が健康なマウスの肺に点滴注入されたとき、この病原体 - PMN由来 エクソソーム -…
1915
1月 29, 2019 バイオクイックニュース日本語版

ブルドッグ、フレンチブルドッグ、ボストンテリアのWGSでスクリューテールの原因となる遺伝子変異を同定。ヒトの希少遺伝性疾患ルビノー症候群にも存在。

その小さな体、頑固な顔つき、そして離れ目。ブルドッグ、フレンチブルドッグ、ボストンテリアは様々な犬種の中で最も人気が高い。カリフォルニア大学(UC)デイビス校 獣医学部の研究者らは、これらの犬の外観の遺伝的根拠を見出し、それをヒトにおける希少遺伝性疾患と結びつけた。…
2059
1月 29, 2019 バイオクイックニュース日本語版

癌治療における免疫チェックポイント阻害の成功に必要な転写因子を同定

前臨床モデルにおいても癌患者においても、免疫チェックポイント阻害療法について多くの成功例がある。 しかし、そのような免疫療法がどのようにしてその反応を引き出すのか、そしてチェックポイント阻害療法が癌を根絶するための免疫システムの再活性化に成功(または失敗)する要因については、多くの疑問が残っている。ボストンのBrigham and Women's…
1474
1月 23, 2019 バイオクイックニュース日本語版

男女間の脳の違いと思春期のタイミングを左右する遺伝子に新たな知見。脳の性差は遺伝子に組み込まれているらしい。

研究者らは、線虫のオスとメスの発育中の脳の違いを誘導し、思春期の開始、ヒトの性的成熟のタイミングを制御するのと同じ機能を持つであろう遺伝経路の引き金となる一群の遺伝子を同定した。コロンビア大学の科学者が率いるこの研究は、神経発達の性差における直接的な遺伝的影響についての新しい証拠を提供し、男性と女性の脳がどのように結びついているか、そしてそれらがどのように機能するかを理解しようとする試みである。…
1484
1月 15, 2019 バイオクイックニュース日本語版

スタチンは褐色脂肪を減らすことが判明

成人の一定割合は白色脂肪組織だけでなく褐色脂肪組織も有している。この褐色脂肪組織は糖と脂肪を熱に変えるのを助ける。 褐色脂肪組織を持つ人は、冬に体温を調整するのが得意で、体重超過や糖尿病に苦しむ可能性が低いとされている。 ETHチューリッヒのトランスレーショナル栄養生物学教授であるChristian Wolfrum博士が率いる国際的な研究チームは、スタチンクラスの医薬品が褐色脂肪組織の形成を減少させることを発見した。この論文は、2018年12月20日にCell…
1756
1月 07, 2019 バイオクイックニュース日本語版

PMWC2019がシリコンバレーで1月に開催。ルミナリー賞受賞者のQ&Aインタビューを公開。

今年で10周年となるPrecision Medicine World Conference(PMWC)が、2019年1月20日から23日まで、約2,500人が参加してサンタクララコンベンションセンター(カリフォルニア州シリコンバレー)で開催される。この興味深い複数の関連分野の著名な専門家との集まりは、UCSF、スタンフォードヘルスケア/スタンフォード大学医学部、デューク大学、デュークヘルスとジョンズホプキンス大学によって共催される。…
1435
12月 25, 2018 バイオクイックニュース日本語版

母乳中のオリゴ糖とマイクロバイオームが新生児ロタウイルス感染に影響していることが判明

学際的なアプローチにより、テキサス州のベイラー医科大学を含むいくつかの機関から成る国際研究チームは、人乳中のオリゴ糖とマイクロバイオームとの間の複雑な相互作用が新生児ロタウイルス感染に影響を及ぼすことを明らかにした。Nature Communications誌にオンラインで報告されたこの研究は、新生児におけるロタウイルス感染症についての新しい理解を提供し、生弱毒化ロタウイルスワクチンの性能を改善することができる母性成分の同定に役立つ。…
1656
12月 16, 2018 バイオクイックニュース日本語版

低温で寿命が延びるのは、代謝率の低下による受動的な反応性酸素種(ROS)の減少によるものではなく、遺伝子によって能動的に制御されていることが新研究で証明された

なぜ私たちは年を取るのか? 何世紀にも渡り研究されているが(そしてアンチエイジングは巨大な産業でもあるが)、年齢とともに細胞や臓器が劣化する要因はまだほとんど解っていない。一つ知られているファクターは温度である。多くの動物種は、より高い温度よりも低い温度でより長く生きる。 シカゴ大学の関連組織であるマサチューセッツ州ウッズホールの海洋生物学研究所(MBL)の助教授であるKristin…
1682
12月 16, 2018 バイオクイックニュース日本語版

希少遺伝病の研究から重要な免疫調節因子が明らかに

スクリプス研究所の科学者は、原理上、癌および慢性ウイルス感染を治療するための標的にすることができる重要な免疫系調節タンパク質を発見した。2018年11月12日にNature Chemical Biologyに掲載されたこの研究では、脳と神経の宿主を特徴とする希少な遺伝病を引き起こすタンパク質ABHD12 (abhydrolase domain containing protein 12)の機能について特定している。 この論文は、「Lyso-PSリパーゼABHD12の選択的遮断は、in…
1790
12月 14, 2018 バイオクイックニュース日本語版

米国血液学会で急性骨髄性白血病(AML)の患者特異的治療法への取り組みが報告された

急性骨髄性白血病(AML)の患者に合わせた治療のために、白血病細胞の薬物感受性および耐性の迅速スクリーニングに進歩がみられている。 白血病幹細胞の薬物応答に関する研究は、治療が成功しなかった理由、または最初は有望な治療結果がなぜ持続しなかった理由を明らかにするかもしれない。 AMLは、ある種の血液形成細胞の重大な障害である。 この病気では、白血球に通常発達する骨髄中の特定の初期前駆細胞が適切に成熟しない。…
1231
12月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

NASAアストロバイオロジー研究所の研究者ら、非相同末端結合(NHEJ)とレトロトランスポゾンが真核生物に進化を引き起こしたと発表

ゲノムにおける相互作用は、何十億年も前の先進的な生命の発生の原動力の1つになった可能性がある。この発見は「ジャンピング遺伝子」として知られるレトロトランスポゾンへの好奇心がきっかけになった。ヒトゲノムのほぼ半分はレトロトランスポゾンで構成されているが、バクテリアにはほとんど存在しない。 イリノイ大学アーバナシャンペーン校(UIUC)の物理学教授でありNASAアストロバイオロジー研究所のディレクターでもあるNigel Goldenfeld博士と、元UIUC(現在はカリフォルニア大)の物理学教授であるThomas…
1469
12月 07, 2018 バイオクイックニュース日本語版

良い栄養は、早期ストレスによって引き起こされる認知障害から子供を守ることができる

2018年の内分泌学学会年次大会(11月19-21日 イギリス・グラスゴー)で、若年マウスのストレスに起因する脳の発育の変化を予防することがアムステルダム大学の研究チームによって発表された。この研究成果は、栄養豊富な食事が、早期ストレスに曝された若いマウスの脳の発達に保護的効果をもたらし、後の学習および記憶障害を軽減することを示唆している。 ヒトや動物において初期ストレスのような逆境への曝露は、脳機能に長期間影響を及ぼし、後の人生で認知障害を引き起こすことが報告されている。…
1241
11月 27, 2018 バイオクイックニュース日本語版

脊髄損傷の修復を促進する新しい幹細胞集団が同定された

イェール大学医学部とイタリアのピサ大学の生物学科のチームは、動物モデルで脊髄損傷の修復に特に効果的である特定の幹細胞集団(神経上皮幹細胞)を同定した。この実験では、これらの細胞が損傷組織内に組み込まれ、移植後に数センチメートルのプロセスを延長し、治療を受けた動物に運動機能回復をもたらすことを実証した。さらに、ラボの試験で示されているように、回復は傷害の程度に比例した。…
1914
11月 17, 2018 バイオクイックニュース日本語版

パーキンソン病の潜在的な出発点は盲腸だった

虫垂の切除は、パーキンソン病の発症リスクを19〜25%低下させる可能性があることが2018年10月31日発行のScience Translational Medicineに掲載された。このオープンアクセスの論文は、「虫垂がパーキンソン病を発症するリスクに影響する(The Vermiform Appendix Impacts the Risk of Developing Parkinson’s Disease.)」と題されている。…
2651
11月 16, 2018 バイオクイックニュース日本語版

ASHG2018特集:古代アンデス人のゲノムが農業と標高への明確な適応を示す

2018年10月16-20日にカリフォルニア州サンディエゴで開催されたアメリカ人類遺伝学会年次総会(ASHG2018)で、ペルー・アンデス山脈の古代人は、高所への環境と農業の導入に他の世界の人々とは異なる方法で適応したことが発表された。ASHGは今年の会議で記録的な出席者8,500人を報告している。 エモリー大学の人類学助教授John Lindo博士、シカゴ大学Anna Di Rienzo博士、カリフォルニア大学メルセデス大学のMark Aldenderfer博士が指揮する国際共同研究者グループ…
1458
11月 13, 2018 バイオクイックニュース日本語版

ASHG2018特集:遺伝子と環境団体がプレシジョンメディシンの機会をもたらすかもしれない。

遺伝子解析の新しいアプローチは、環境因子とpharmacogene(薬物に反応するヒト遺伝子)の関連性を見出した。これは、集団遺伝学と医薬の境界で新しい研究のための発想を呼び起こすものである。 米国人類遺伝学会(ASHG)2018年次会合で発表されたこの内容について、「人間は数世紀に渡って医薬品を開発し、使用してきたが、それらの遺伝子は独自に機能しており、それ以前から他の環境要因と相互作用していた」とコロラド大学のChris Gignoux博士(写真)は語った。この要旨は「薬理ゲノム変異の世界的景観(The…
1590
11月 02, 2018 バイオクイックニュース日本語版

抗精神病薬はトリプルネガティブ乳癌に対して有効かもしれない

一般的に使用されている抗精神病薬は、治療が最も困難なトリプルネガティブ乳癌に対しても有効であるという新たな研究が発表された。英国のブラッドフォード大学が率いるこの研究では、ピモジド(pimozide)がトリプルネガティブ乳癌の他、最も一般的なタイプの肺がんをも治療できる可能性があることが示された。…
1727
10月 23, 2018 バイオクイックニュース日本語版

診断とドラッグデリバリーに革命を起こす小型磁気スイミング装置を工業規模で製作

英国のエクセター大学の科学者たちは、身体の特定の部位に薬物を運ぶことによって疾患の治療に革命を起こす可能性のある、精子細胞を模倣した小型の磁気スイミング装置を作製した。長さが1ミリメートルのこの小型デバイスは、磁気ヘッドとフレキシブルテールで構成されており、磁場によって活性化されると特定の位置に「泳ぐ」ことができる。…
1429
10月 16, 2018 バイオクイックニュース日本語版

40億年前、生命の始まりとなったであろう12アミノ酸からなるタンパク質をラトガース大学の科学者がモデル化

地球上で生命はどのように起こったのか?ニュージャージー州のラトガース大学の研究者は、単純なタンパク質触媒の最初で唯一の証拠の中に、細胞に不可欠な、生命が始まったときに存在していたかもしれない生命のビルディングブロックを発見した。この原始のペプチドまたは小さなタンパク質の研究が、米国化学会誌に掲載された。 この論文は、「頑強な電子移動が可能な最小ヘテロキラルデノロ設計4Fe-4S結合ペプチド(Minimal Heterochiral de Novo Designed 4Fe–4S Binding Peptide…
1343
10月 10, 2018 バイオクイックニュース日本語版

オプトジェネティックスを用い、癌は増殖シグナル伝達のタイミングの変化が鍵であることを発見

2018年8月29日にサイエンスのオンラインで公開された新研究で、非小細胞肺癌(NSCLC)での遺伝子変異は、細胞の主要な増殖シグナルの認識を妨げて、腫瘍形成を促進する可能性があると報告された。この論文は、「癌突然変異と標的薬物は、Ras-Erk経路によるダイナミックシグナルエンコーディングを混乱させる可能性がある(Cancer Mutations and Targeted Drugs Can Disrupt Dynamic Signal Encoding by the Ras-Erk…
2362
10月 05, 2018 バイオクイックニュース日本語版

ケシゲノムの解読に成功:高品質のゲノムアセンブリを使用してゲノムの70.9%を構成する反復要素を克服

科学者は、ケシゲノムのDNA配列を決定し、生薬の製造に使用される薬学的化合物を生産するために植物がどのように進化したかを明らかにした。この発見は、科学者が薬草植物の収量および耐病性を向上させ、鎮痛および緩和ケアのための最も効果的な薬剤の信頼できる安価な供給を確保する道を開くかもしれない。ヨーク大学の研究者たちは、英国のウェルカム・サンガー・インスティテュート、および国際的な協力により、咳抑制薬ノスカピンおよび鎮痛薬モルヒネおよびコデインの生産につながる遺伝的経路の起源を明らかにした。この研究は2018年8月30日に…
1707
10月 02, 2018 バイオクイックニュース日本語版

FKBP5遺伝子変異体が、外傷性損傷後の慢性疼痛に影響することが明らかに。

遺伝子FKBP5は、ストレス応答の重要な調節因子であり、我々がどのように環境刺激に応答するかに影響する。以前の研究では、この遺伝子の特定の変異体が、外傷後ストレス障害、うつ病、自殺リスクおよび攻撃的行動などの神経精神障害の発症において役割を果たすことが示されている。…
1930
9月 26, 2018 バイオクイックニュース日本語版

CRISPRで犬のデュシェンヌ型筋ジストロフィーの進行を停止させることに成功

テキサス大学(UT)の科学者によって、初めて大型哺乳動物(犬)のデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の進行を停止させるためにCRISPR遺伝子編集が使用され、救命の可能性が示された。2018年8月30日にサイエンスでオンラインで公開されたこの研究では、筋機能に重要なタンパク質であるジストロフィンの産生を阻害する突然変異によって引き起こされ、小児の最も一般的な致死的遺伝病であるDMDを有する犬の筋繊維に前例のない改善があったとしている。…
2480
9月 25, 2018 バイオクイックニュース日本語版

ヒト幹細胞から作られた3D肝臓組織移植片がマウスの肝機能をサポート

スコットランドのエジンバラ大学の再生医学研究センター(MRC)の科学者によって3Dヒト肝臓組織に形質転換された幹細胞は、肝臓疾患のマウスに移植された際に肝機能の有望なサポートをした。科学者は、ヒト肝臓組織インプラントを開発するための初期段階の進歩に加えて、実験室でのヒト肝臓疾患および試験薬の研究のためのより良いプラットフォームを提供することによって、実験動物の必要性を低減できるとも述べている。 この研究はArchives of…
1354
9月 20, 2018 バイオクイックニュース日本語版

人間性とは何か?新種のヒト脳細胞(ローズヒップニューロン)が同定される

人間の脳に関する最も興味深い疑問は「私たちの脳を他の動物の脳と区別するのは何か?」であり、これは神経科学者にとって答えるのが最も難しい質問の1つである。「人間の脳を特別なものにするのは何か本当のところ分からない」とワシントン州シアトルにあるアレン脳科学研究所のEd Lein博士は述べている。「細胞と回路のレベルで違いを学ぶことはスタート地点としては適しており、今や我々はそれを行う新しいツールを持っている」 2018年8月27日にNature…
2975
9月 18, 2018 バイオクイックニュース日本語版

幹細胞の健常時とストレス時の行動の主な違いが明らかに

カリフォルニア州のUCLA ジョンソン総合がんセンターは、健常時および傷害後の微小環境によって造血幹細胞がどのように維持されているか重要な違いを発見した。人体は、健常時や、例えば癌の放射線治療のようなストレスやけがの時に単一成長因子を産生する細胞種を切り替えているように思われる。この研究結果は、放射線治療で造血幹細胞が実質的に枯渇していそうな時や、骨髄移植を受けている人の治療に影響を及ぼす可能性がある。 この研究は、UCLAのデーヴィッドゲフェン医学部 血液学・腫瘍学の教授であるJohn…
2396
9月 14, 2018 バイオクイックニュース日本語版

メープル葉エキスが、しわ防止に効くことがアメリカ化学会で発表される

メープルツリーはメープルシロップと美しい紅葉でよく知られている。 しかし、その葉の美しさは肌にとっても役立つものになる可能性があることが判明した。科学者らは、葉からの抽出物がしわを防止し得ることを報告している。この研究成果は第256回アメリカ化学会(ACS)の全国会議および博覧会で発表された。…
2194
9月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

ハイドロゲルで損傷した筋肉組織に筋肉幹細胞を送達する技術が報告される。

自動車事故は、高齢の患者に、癒されない重度の筋肉傷害を残す。 ドナーからの筋肉幹細胞による治療は、損傷した組織を回復させるかもしれないが、医師にはそれらを効果的に送達することが困難だ。新しい方法がこの状況を変えるのに役立つかもしれない。 ジョージア工科大学(Georgia Tech)の研究者は、筋肉がうまく再生しない患者の筋衛星細胞(MuSC)を筋肉組織に直接送達するために、ハイドロゲルである分子マトリックスを設計した。…
2824
9月 07, 2018 バイオクイックニュース日本語版

ヒト幹細胞における脆弱X症候群の抑制されたFMR1遺伝子を再活性化するCRISPRツール

研究者は遺伝子編集ツールを用いて、ヒト幹細胞における脆弱X症候群で抑制されたFMR1遺伝子の再活性化に成功した。このニュースは、2018年8月16日にDiogo PintoによりFragile X News Todayの記事で報告された。 このオープンアクセスの科学論文は「脆弱なX症候群の胚性幹細胞におけるFMR1転写の標的化された再活性化(Targeted Reactivation of FMR1 Transcription In Fragile X Syndrome Embryonic Stem…
3628
8月 20, 2018 バイオクイックニュース日本語版

ショウジョウバエの研究で睡眠の抗酸化効果が判明

睡眠についての理解は、慢性的な睡眠不足が蔓延している現代社会において、ますます重要になってきている。 睡眠不足と健康への悪影響の相関関係を示すエビデンスとして、睡眠の核心機能は謎のままである。しかし、2018年7月12日にオープン・アクセス・ジャーナルPLOS Biologyに掲載された新しい研究では、ニューヨークのコロンビア大学のVanessa Hill博士、Mimi…
2965
8月 09, 2018 バイオクイックニュース日本語版

チェックポイント阻害剤による第一選択治療でメラノーマ脳転移患者の全生存期間が改善

米国コホートの結果からメラノーマ脳転移(MBM: melanoma brain metastases)を有する皮膚メラノーマ患者のうち、チェックポイント阻害剤を用いた第一選択治療では、全生存期間の中央値が1.4倍増加していた。これらの結果は、Cancer Immunology Researchの2018年7月12日にオンラインで公開された。 この論文は、「免疫チェックポイント阻害療法の時代におけるメラノーマ脳転移のリスク調整後の生存の改善:全国コホートの結果(Improved Risk-Adjusted…
2563
8月 07, 2018 バイオクイックニュース日本語版

極地生物の不凍タンパク質が革命的な細菌凍結保存技術の開発を促す

この新しい技術は、ヒト組織を保管し輸送する作業を根本的に改善することがでるだろう。英国のWarwick Medical School 化学部の研究者らは、ある極地生物に見られる天然の不凍タンパク質の合成を人工的に再現し、広範囲の細菌を凍結保存(または「凍結」)する方法を確立した。科学者らは、タンパク質の模倣体を加えることによって氷結晶の成長が遅くなり、それらが細菌細胞を破壊するのを止めることを見出した。…
3578
7月 30, 2018 バイオクイックニュース日本語版

先天性免疫の警報システムセンサーを同定

テキサス大学(UTサウスウェスタン)の研究者らは、DNA感知酵素が小さなバイオリアクターとして作用し、先天性免疫を刺激する分子を作り出す液滴を形成すると報告している。2018年7月5日にScience誌でオンライン公開された。この研究は、感染、自己免疫疾患、および癌に対する新規治療法につながる可能性がある。 ハワード・ヒューズ医学研究所の研究者で、この研究の上席著者であるUTサウスウェスタンの分子生物学教授 Zhijian James…
2448
7月 30, 2018 バイオクイックニュース日本語版

8,000年前の古代人のDNAを解析し、東南アジアの先史時代に関する長年の論争を解決

東南アジア人の祖先に関する2つの競合する学説は、8,000年前の骨格から抽出された古代人のDNAを革新的手法で分析することによって否定された。東南アジアは世界で最も遺伝的に多様な地域の一つだが、100年以上に渡り科学者たちは、この地域の集団の起源についてどの理論が正しいかについて意見が割れていた。 1つの理論は、44,000年前から東南アジアに住んでいた先住民のホアビン狩猟採集民が、東アジアの初期の農家からの提供なしに、独立して農業慣行を採択したと主張している。…
3205
7月 26, 2018 バイオクイックニュース日本語版

クモはシルクを使い、電場で数千マイルも気球飛行する

クモの空気力学的能力は、何百年もの間科学者を虜にしてきた。 チャールズ・ダーウィン自身、どのように何百もの生き物たちが穏やかな日にビーグル号に 来て、そして風が吹かない日に素早く船から飛び立つのかをじっと考えていた。科学者らは、これら無翅の節足動物のクモの飛行行動が、風に乗るシルクの尾を放つことによって数千マイルも移動することができる「気球飛行」に起因していると考えていた。…
5521
7月 23, 2018 バイオクイックニュース日本語版

プラスチック容器中の化合物が炎症性腸疾患(IBD)を悪化させる可能性。動物研究が示唆。

炎症性腸疾患(IBD)の前臨床モデルにおける最近の研究で、ポリカーボネートプラスチックおよびエポキシ樹脂中に見出されるビスフェノールAまたはBPAの食物曝露が死亡率を増加させ、その症状を悪化させる可能性があることを示している。Experimental Biology and Medicine誌で2018年6月6日にオンラインで公開された研究は、テキサスA&M大学の栄養食品科学研究科のClint Allred博士が主導した。…
4500
7月 19, 2018 バイオクイックニュース日本語版

迅速に血液サンプルから循環腫瘍細胞(CTC)を分離する音響マイクロ流体プラットフォーム

国際的な研究者チームが音波を用い、血液サンプルから循環腫瘍細胞を臨床使用に迅速かつ効率的に分離する、穏やかで非接触の方法を開発した。循環腫瘍細胞(CTC)は、血流に漏れ出して流れる腫瘍の一部である。腫瘍の種類、身体的特徴、遺伝的変異など、豊富な情報が含まれている。…
3334
7月 10, 2018 バイオクイックニュース日本語版

オーストラリア連邦科学産業研究機構が特定のサイトカインの産生を調節する遺伝子を同定

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は、感染と病気に対する身体の免疫応答を調節する上で重要な役割を果たす遺伝子を同定した。 この発見は、インフルエンザ、関節炎、さらには癌のための新しい治療法の開発につながる可能性がある。 C6orf106または「C6」と呼ばれるこの遺伝子は、感染症、癌および糖尿病に関与するタンパク質の産生を制御している。 この遺伝子は5億年前から存在していたが、その潜在力は今解ったばかりだ。この論文は、「C6orf106は、インターフェロン調節因子-3依存性…
2162
7月 05, 2018 バイオクイックニュース日本語版

鉄-硫黄クラスターの研究は、病気を調べる新しい手段を提案する

人体の多くの重要なタンパク質は、正しく働くために、鉄 - 硫黄クラスター、鉄と硫黄原子でできた小さな構造を必要とする。アメリカ国立がん研究所(NCI)、アメリカ国立衛生研究所(NIH)、およびケンタッキー大学の研究者は、鉄硫黄クラスターの形成の中断が特定の細胞に脂肪小滴の蓄積をもたらす可能性があることを発見した。 これらの発見は、Journal of Biological…
2195
6月 28, 2018 バイオクイックニュース日本語版

ヒト独特と考えられた筋肉が、類人猿で発見された

「ヒト独特」と考えられていた筋肉が、いくつかの類人猿の種で発見されており、ヒトの軟組織の起源と進化に関する長年の理論に議論が起こっている。 この発見は、特定の筋肉が、二足歩行、道具の使用、声によるコミュニケーション、表情など、ヒトの特質に対する特別な適応を提供する唯一の目的のために進化したというヒト中心の見解に疑問を投げかけている。 Frontiers in Ecology and…
2862
6月 15, 2018 バイオクイックニュース日本語版

NIHはプレシジョンメディシンを進歩させるため100万人のボランティアによる野心的な“All of Us”研究プログラムを始動

アメリカ国立衛生研究所(NIH)は、2018年5月6日(日)に、すべてのバックグラウンドの人々の個別化予防・治療・ケアを目指し、「All of Us 研究プログラム」(https://www.joinallofus.org/en)の全国登録を開始した。健康状態にかかわらず、18歳以上の人々が登録することができる。 公開日には、全国の7つの都市でのコミュニティイベントとオンラインイベントが行われた。プログラムの全国立ち上げの準備期間における1年間のベータテストを通じ、All of…
2664
6月 07, 2018 バイオクイックニュース日本語版

肺の界面活性タンパク質を模したペプトイドで損傷した肺の能力を回復

スタンフォード大学の研究者は、新研究でラットの傷ついた肺の呼吸能力を回復させるのに有効なタンパク質模倣物を生物工学により作った。この合成産物は、ヒトの急性肺傷害に対して、より良い、より安価な治療につながる可能性がある。 ラットで使用した際、それはいくつかの生理的尺度で高価な動物由来の製品と同等またはそれ以上の性能を示したと研究は述べている。 この研究論文は、5月1日にScientific…
1986
6月 04, 2018 バイオクイックニュース日本語版

ダークチョコレートのストレス・炎症・気分・記憶および免疫に対する効果が新研究により示された

新しい研究によると、特定の種類のダークチョコレートを食べると健康上の恩恵があるかもしれない。 サンディエゴで行われたExperimental Biology 2018年次会議(2月21-25日)で発表された2つの研究結果は、高濃度のカカオ(カカオ70%、有機砂糖30%)を含むダークチョコレートを摂取すると、ストレスレベル、炎症、気分、記憶、および免疫にポジティブな効果が見られた。…
2677
5月 31, 2018 バイオクイックニュース日本語版

世界初!生細胞で明らかにされたiモチーフ(ツイストノット)DNAの新構造

それはDNAだが、私たちの知っているそれではない。オーストラリアの研究者は世界で初めて細胞内に“iモチーフ”と呼ばれる新しいDNA構造を同定した。DNAのねじれた“結び目”、iモチーフはこれまで生きている細胞の中で直接見られたことはなかった。ガルバン医学研究所の新しい発見は、Nature Chemistryの2018年4月23日にオンラインで公開された。 この論文は、「I-モチーフDNA構造はヒト細胞の核に形成される(I-Motif DNA Structures Are Formed in the Nuclei…
3269
5月 22, 2018 バイオクイックニュース日本語版

ペンシルバニア大学が新視点で進める癌免疫療法

免疫革命と呼ばれる中、ペンシルベニア大学のアブラムソンがんセンター(UPenn)のディレクターであるRobert H. Vonderheide MD,PhD(写真)が、癌免疫療法の分野で革新的な進歩を続けている。Vonderheide博士は画期的な免疫療法の成功について、多くの患者が初期の成功の後に反応しなくなるか、または再発するかのいずれかであるため、甘くないと説明している。…
3065
5月 07, 2018 バイオクイックニュース日本語版

ヒト胚のゲノム発現を活性化する重要な転写因子(Oct-4)を発見

科学誌Cellの2018年3月22日号に掲載された論文によると、非常に初期の段階のヒト胚でヒト発生の謎を解明するのに一歩近づく、ヒト胚の遺伝子発現を活性化させる重要なファクターを中国の科学者が明らかにした。この論文は、「ヒト初期胚のクロマチン・アクセシビリティの状況と進化との関連(Chromatin Accessibility Landscape in Human Early Embryos and Its Association with Evolution.)」と題されている。 ヒトの生命は受精卵から始まる。…
3493
4月 25, 2018 バイオクイックニュース日本語版

6か月以上母乳育児すると母体の2型糖尿病リスクを50%近く引き下げることが明らかに

2018年1月16日付JAMA Internal Medicineオンライン版に掲載された新Kaiser Permanente研究は、長期的な全国研究で6か月以上母乳育児すると、妊娠可能期間を通じて母体の2型糖尿病発病リスクが半分近くまで低下することを突き止めたと述べている。このオープン・アクセス論文は、「Lactation Duration and Progression to Diabetes in Women Across the Childbearing Years: The 30-Year CARDIA…
3436
4月 25, 2018 バイオクイックニュース日本語版

妊娠中に極度のつわりを起こす可能性が高い2つの遺伝子を同定

ほとんどの女性は妊娠中につわりを経験するが、妊娠中の女性の約2%が、ときには症状が深刻で入院が必要な程の、より重度の悪心および嘔吐の症状を経験する。妊娠中の重度妊婦とも呼ばれるこの状態は、ケイト・ミドルトン/ケンブリッジ公爵夫人が妊娠中に耐えたものと同じである。 UCLAの研究者によって主導され、2018年3月23日にNature Communicationsのオンライン版に公開されたこの新しい研究では、前回の研究では原因が特定されていない、催吐性重篤度に関連する2つの遺伝子が同定された。…
9185
4月 25, 2018 バイオクイックニュース日本語版

ハダカデバネズミの長寿と超がん化耐性の謎が老化の整序化で解明できるかもしれない

大きな出っ歯、シワだらけで毛が無い身体。こんなハダカデバネズミは「かわいい齧歯類」コンテストでとても勝てそうにない。しかし、ハダカデバネズミの寿命は齧歯類としては最長の30年という長寿であり、加齢性の疾患に驚くほどの耐性があるため、加齢とがんという謎を解くカギを与えてくれている。それこそが、University of Rochester のVera Gorbunova, PhD、Andrei Seluanov, PhDら生物学教授とポスドク研究員のYang Zhao,…
4953
4月 25, 2018 バイオクイックニュース日本語版

トカゲの急速進化の証拠をゲノム・シーケンシングで発見

トカゲには特別な超能力がある。鳥類は羽根を再生できるし、ほ乳類は皮膚を再生できる。しかし、トカゲはしっぽのような構造全体を再生できるのだ。このような違いはあっても、動物はすべてトカゲのような共通の祖先から進化してきたものだ。アメリカ全体に広がっているトカゲのグループ、アノールは、ダーウィン・フィンチのように、様々な島や、大陸本土の様々な棲息地の条件に適応している。現在では、その種は400を超える。 Arizona State University (ASU) の研究者は、パナマのSmithsonian…
4463
4月 25, 2018 バイオクイックニュース日本語版

マイクロバイオームの個人差にヒト宿主の遺伝子は関与していないことが判明

遺伝環境論争は、ヒトが腸内に持っている通常有益な細菌群、マイクロバイオーム(微生物叢)の構成にまで広がっている。研究に次ぐ研究でマイクロバイオームが私達の健康のほぼ全ての面に関わっていることが突き止められており、また、人それぞれに異なっているマイクロバイオームの構成が体重増加やその人の気分にまで関わっている可能性も示されている。 一部のマイクロバイオーム研究者は、このような個人差は遺伝子の違いから始まっているのではないかとしているが、イスラエルのWeizmann Institute of…
4331
4月 11, 2018 バイオクイックニュース日本語版

肺再生をもたらす幹細胞が発見される

肺再生研究を飛躍的に進める画期的な結果が、このたび、シンガポール科学技術研究庁(Agency for Science, Technology and Research…
4871
3月 29, 2018 バイオクイックニュース日本語版

無性生殖のアマゾン・モーリーのゲノム・シーケンシング完了

報いられない愛に苦しまない種はない。しかし、アメリカのテキサス州在来種の個体全てがメスで無性生殖をすることで知られたカダヤシ属の淡水魚、アマゾン・モーリーは何千年も栄えてきた種である。最近、この魚のゲノムシーケンス解析が完了しており、その性の生物学的基礎情報から学ぶことは多いのではないかと研究者は期待している。…
4690
3月 18, 2018 バイオクイックニュース日本語版

ヤツメウナギの脊髄治癒を助ける遺伝子が人間にも存在。カギ握るWnt経路。

マサチューセッツ州Woods HoleのMarine Biological Laboratory (MBL) 他の研究機関の共同グループの研究によると、ヤツメウナギの脊髄損傷自然治癒にかかわっている遺伝子の多くが哺乳動物の末梢神経系の修復でも大きく関わっている。このことから、長期的に見れば、人間の脊髄損傷治療法向上のために同じ遺伝子を利用できるようになる可能性がある。 2018年1月15日付Scientific Reportsオンライン版に掲載された研究の著者の一人であり、MBL, Eugene Bell…
5938
2月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

インフルエンザウイルスの広範なペプチド阻害剤を開発

Scripps Research Institute (TSRI) とJanssen Research & Development (Janssen) の研究チームは、広いスペクトルのインフルエンザ・ウイルス株を中和する人工ペプチド分子を開発した。ペプチドはアミノ酸の短い鎖であり、タンパク質と似ているがもっと小さくて単純な構造である。この人工ペプチド分子はインフルエンザを標的とする医薬になる可能性を秘めている。…
3016
2月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

動物の複雑さを決定している遺伝子は、それぞれのコードに対応するタンパク質同士の相互作用でクロマチンの構成を動的に調節

動物の複雑さを決定する遺伝子、人間をミバエやウニよりも複雑な生き物にしている遺伝子が初めて突き止められた。ある動物の細胞が他の動物の類似の細胞よりもかなり複雑にできているということがあるのはなぜか、その秘密は特定のタンパク質と、そのタンパク質が細胞核内の動きを調節する能力にあるらしいことが明らかにされた。イギリスのUniversity of Portsmouthの生化学者、Dr. Colin Sharpeと同僚研究者の研究論文は、2017年9月25日付PLoS One誌オンライン版に掲載されている。…
4741
2月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

新発見の脂質メディエーター (Elovanoids) が脳を卒中や神経変性疾患から護っている可能性

LSU Health New Orleans, Neuroscience Center of ExcellenceのBoyd ProfessorとDirectorを兼任するNicolas Bazan (photo), MD, PhDの率いる研究グループは、傷害や疾患に反応して細胞間情報伝達と神経炎症/免疫活動を同調させる、これまで知られていなかったクラスの化学物質を脳の中に見つけた。このクラスの化学物質は、elovanoids (ELVs) と呼ばれ、オメガ3極長鎖多価不飽和脂肪酸 (VLC-PUFAs,…
3461
2月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

CRISPR-Cas9の輸送にCRISPR-Goldを用い、マウス・モデルでデュシェンヌ型筋ジストロフィー突然変異を治療

University of California, Berkeleyの研究グループは、CRISPR-Cas9遺伝子編集技術を細胞内に送り込む方法を新しく考案し、マウス・モデルを使って、筋肉衰弱の疾患であるデュシェンヌ型筋ジストロフィーを引き起こす突然変異を修復できることを確かめた。この新研究では、デュシェンヌ型筋ジストロフィーのマウスにCRISPR-Goldと名付けられたCRISPR-Cas9輸送系を1回注射するだけで、対照グループに比べて突然変異遺伝子修復率18倍、筋力と敏捷性テストで2倍の成績を達成した。…
3302
2月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

研究グループ、台湾ハブのゲノムのシーケンスとヘビ毒進化上の遺伝的浮動の役割を研究

台湾や沖縄でハブと呼ばれるクサリヘビ科のヘビにかまれると一生障害が残ることもあり、場合によっては死に至ることもある。しかし、その毒に関しては依然として謎のままである。毒の組成は非常にばらつきがあり、同腹仔の間でさえ異なっていることがある。また、この毒素の混合物は何世代もかけて変化してきた。 2017年9月27日付Genome Biology and Evolutionのオンライン版に掲載されたこの研究論文は、ヘビ毒の進化の解明を進めている。この研究グループは、初めてハブのゲノム・シーケンスを解析し、タイワンハブ…
3240
2月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

ノンコーディングDNAの重複が人間固有の特徴の進化に影響を与えていた可能性

2017年10月18日、フロリダ州オーランドで開催された2017年American Society of Human Genetics (ASHG) 年次会議においてプレゼンテーションのあった研究によると、ヒト・ゲノム中のノンコーディングDNAの大きなセグメントが重複されてきたことが人間と他の霊長類との違いを生んだ可能性がある。調節塩基配列を含むこのような重複と人間の特徴と行動に及ぼすその影響を突き止めれば人間の疾患の遺伝的要因が説明できるようになる可能性がある。 この研究の報告を行ったPaulina…
3641
2月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

遺伝学者はゲノム編集をどう考えるか? ASHG2017年次大会で調査結果が発表された

フロリダ州オーランド市で開催された2017年American Society of Human Genetics (ASHG) 年次会議の10月19日には、世界の遺伝学専門家を対象とした意見調査が発表され、ヒトのゲノム編集について一般社会と意見の一致するところもあれば異なるところもあるという結果が明らかにされた。Stanford Center for Biomedical EthicsのCertified Genetic Counselorを務めるProfessor Kelly Ormond,…
2832
2月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

遺伝子組み換え幹細胞で増殖した皮膚を移植し、致死性の遺伝性皮膚疾患の児童を救うことに成功

ドイツのRuhr-Universität Bochum, burn unitとイタリアのUniversity of Modena, Center for Regenerative Medicineの医療チームは、遺伝疾患で広範な皮膚の損傷を受けている児童に遺伝子組み換え幹細胞から増殖した皮膚を移植し、治療に初めて成功した。少年の症状はいわゆる” butterfly…
3892
2月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

ヒツジは平面画像から人間の顔を認識できる

University of Cambridge (UK) の研究者が行った新研究は、ヒツジが写真からでも人間の顔を認識でき、また事前の訓練なしに飼い主の写真を識別できるとしている。2017年11月8日付Royal Society: Open Scienceオンライン版に掲載されたこの研究は、ヒツジの認識能力を観察するために行っているいくつかの実験の一つである。 このオープンアクセス論文は、「Sheep Recognize Familiar and Unfamiliar Human Faces from…
2671
2月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

正常細胞中の線維芽活性化タンパク質 (FAP) の阻害で膵がん抑制も可能と証明

膵臓がんは致命的であり、生存期間中央値は6か月未満である。また、診断後5年生存する膵臓がん患者は20人に1人しかいない。そのように致命的な原因はこのがんの狡猾さにある。がん細胞は身体の奥深くに隠れており、がんが他の器官に広がってしまう末期になるまでどんな症状も示さないのである。 University of…
3583
2月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

自己免疫疾患の発見から新薬開発へ:TLR8阻害低分子を合成

University of Colorado (UC) Boulderの研究チームは、身体の自己組織攻撃の原因となるタンパク質を阻害する有望な薬物に似た化合物を発見した。この化合物はいつかリューマチ様関節炎その他の自己免疫疾患の治療に一大改革をもたらすかもしれない。 2017年11月20日付Nature Chemical Biologyに掲載された研究論文の筆頭著者で、BioFrontiers Instituteの生化学教授を務めるDr. Hang Hubert…
4208
2月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

耳たぶの形に最低49個の遺伝子が関与と判明

小学校で遺伝の意味を教えるのにもっとも手近に用いられるのが生徒の耳たぶの形を親の耳たぶの形と比べなさいというもので、主として耳たぶ下端の線が滑らかに側頭部につながっている密着型と、側頭部から出て垂れ下がっている分離型とがある。この比較は優性遺伝子と劣性遺伝子について教えるもので、簡単なことのようだが、実はそれほど簡単なことではない。 University of Pittsburgh (Pitt)のGraduate School of Public HealthとSchool of Dental…
8533
2月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

2017年ノーベル生理学医学賞は、概日リズムを制御する分子の発見に授与

2017年10月2日、Karolinska InstitutetのNobel Assemblyは、2017年ノーベル生理学医学賞を「概日リズムを制御する分子的仕組みを発見」したJeffrey C. Hall、Michael Rosbash、Michael W. Youngの3氏に授与すると決定した。Jeffrey C. Hallは、1945年、アメリカのニューヨーク生まれ。1971年にワシントン州シアトル市のUniversity of…
4784
2月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

偏頭痛には脳脊髄中のナトリウム濃度が関与している

ナトリウムMRIという造影検査法を使って偏頭痛患者を調べた初の研究で、偏頭痛患者は健康な人に比べて脳脊髄液中のナトリウム濃度がかなり高いという結果が出た。この研究結果は、2017年11月26日から12月1日までシカゴで開かれていたRadiological Society of North America (RSNA) 年次大会の11月28日でプレゼンテーションがあった。…
4870
2月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

特定遺伝子の発現が若々しい肌のカギか? その発現パターンが突き止められる

生活年齢に比べて肌が若く見える人がいる。クリーム、ローション、薬液注射、外科手術などでこのように若々しい肌を実現しようとする人は多いが、2017年11月14日付Journal of the American Academy of Dermatologyオンライン版に掲載された新しい研究論文は、このように若々しくみずみずしい肌は、特定の遺伝子発現の高さがカギになっているようだとしている。 JAADの研究論文は、「Age-Induced and Photoinduced Changes in Gene…
2373
2月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

CLOCK遺伝子が人間の脳の進化の秘密を握るのか?

人間の脳を特別なものにしている分子レベルの秘密を解明しようとして、多くの研究者が、何千年もの間の進化を促してきたプロセス、認知発達に重要な役割を果たした遺伝子などの解明に取り組んできた。さらには人間の体内時計を制御している遺伝子が、脳の進化に重要な人間固有の遺伝子の働きを調節する役割も引き受けていることを示す新しい研究が発表され、この分野に新しい知見が生まれている。 University of Texas (UT) Southwestern, O’Donnell Brain…
4684
2月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

極端な寒冷環境への適応進化と特定のがん発生率の関連性が明らかに

世界的にがんの発生率が上昇していることはよく知られており、また、特定の人口集団や地理的位置で他よりもがんの発生率が高いらしいことも知られている。University of Cyrpus Medical Schoolの研究者、Konstantinos Voskarides, PhDは、「デンマークやノルウェーのように気温の非常に低い地域の人口は世界的にもがん発生率のもっとも高い地域の一つだ」と述べている。彼は、2017年12月5日付Molecular Biology and…
2550
2月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

細胞外小胞に抗体様RNAナノ粒子を付加した新世代の抗がん剤の開発へ

細胞外微小胞(extracellular microvesicles)に抗体様RNAナノ粒子を結合させることで、低分子干渉RNA (siRNA) など効果的なRNA薬剤を選択的にがん細胞に向けて送り込めることが新しい研究で示されている。研究チームは動物モデルの3種のがんを対象に、RNAナノテクノロジーを用いて、この実験にRNAナノ粒子を使い、微小なRNA薬剤を搭載した細胞外微小胞をがん細胞に向けて送り込むことに成功した。 2017年12月11日付Nature…
2827
2月 12, 2018 バイオクイックニュース日本語版

食欲制御は脳神経細胞の一次繊毛でのシグナル伝達に依存と判明

University of California-San Francisco (UCSF) の研究チームは、脳が体重を調節する能力は、脳の「飢餓回路」が神経細胞の一次繊毛と呼ばれるアンテナ状の構造物を通して信号を伝達する、その独特の形態によるものであることを突き止めた。一次繊毛は、運動繊毛とは異なる器官で、後者は指のような突起物で細胞のコンベヤー・ベルトのような働きをしており、肺や気管のゴミを排出する機能を持っている。…
4681
10月 05, 2017 バイオクイックニュース日本語版

マイクロ流体工学と音波を組み合わせてエキソソームを血液から分離。臨床現場での利用を目指す

細胞は、エキソソームと呼ばれる膜を持った超微小な包みを分泌し、この包みは体の一箇所から他の箇所に重要なメッセージを運ぶことができる。MITその他の研究機関の研究者らがこのメッセージを捕捉する手法を開発した。この手法はがんや胎児異常などの問題の診断にも用いることができ、そのための新開発の装置はマイクロ流体工学と音波を組み合わせてエキソソームを血液から分離するようになっている。…
3294
10月 03, 2017 バイオクイックニュース日本語版

犬の社会的スキルとオキシトシン感受性

スエーデンのLinköping Universityの新しい研究によれば、犬が飼い主との接触を求める傾向は、オキシトシン・ホルモン感受性の遺伝的変異と関連しているとのことである。この研究結果はHormones and Behaviorに掲載され、オオカミからペットとしての犬になるまでの過程に新しい知見を加えている。 この記事は、「Intranasal Oxytocin and a Polymorphism in the Oxytocin Receptor Gene Are Associated with…
3833
9月 27, 2017 バイオクイックニュース日本語版

カロリー制限がエピジェネティックドリフトを遅らせ、寿命を延ばす可能性が示された

1世紀近く前、特定動物でカロリー摂取を抑えると寿命が飛躍的に伸びることが突き止められたが、それ以後、数々の研究の積み重ねにもかかわらず、その原因は詳しく解明されていない。Temple University (LKSOM), Lewis Katz School of Medicineの研究グループが難関を乗り越え、解明に向けて一歩を進めた。 2017年9月14日付Nature…
3500
9月 22, 2017 バイオクイックニュース日本語版

新テクノロジーでカビのゲノムを解析し、新薬候補を判定

カビ類は創薬にとって天然分子の豊かな宝庫ではあるが、様々な困難もあり、製薬会社もこの宝庫に手を付けることをためらってきた。ところが現在、研究者はゲノム解析、データ解析を用いてカビが産生する分子を効率的に選別し、新しい医薬、あるいは新世代のペニシリンをさえ見つける手がかりを見つける技術を開発した。 Northwestern University、University of Wisconsin-Madison、それにバイオテック会社のIntact…
3355
9月 21, 2017 バイオクイックニュース日本語版

脂肪組織が様々な形でがんの進行に影響と結論

ある研究チームが総合的なレビューを行い、身体の脂肪組織が、その脂肪のタイプや体内の位置により、様々な形でがんの進行に影響しているようだと報告している。このレビューはAmerican Association for Cancer Research (AACR) のジャーナル、Cancer Prevention Researchの2017年9月号に掲載されている。この論文は、「Signals from the Adipose Microenvironment and the Obesity-Cancer Link—A…
3020
9月 21, 2017 バイオクイックニュース日本語版

Linus Paulingは今も生きている – ビタミンCが幹細胞機能を調節し、白血病の進行を抑制することが突き止められる

幹細胞代謝についてはよく知られていないが、University of Texas (UT) Southwestern (CRI) のChildren’s Medical Center Research Institute の新しい研究で、幹細胞が異常に高いレベルのビタミンCを吸収し、そのビタミンCが幹細胞の機能を調節し、また、白血病の進行を抑制することが突き止められている。CRIのDirectorを務めるDr. Sean Morrison は、「体のアスコルビン酸塩…
2614
9月 18, 2017 バイオクイックニュース日本語版

2017年Lasker-DeBakey Clinical Medical Research Award は、HPVによって引き起こされる子宮頸がんなど、がん予防のためのHPVワクチンの開発を可能にした技術的革新を果たしたNCIのDouglas R. LowyとJohn T. Schillerに贈られた

2017年Lasker-DeBakey Clinical Medical Research Awardは、子宮頸がんその他のがんを予防するヒト・パピローマウイルス (HPV) ワクチン開発を可能にする技術の進歩に携わった2人の科学者を顕彰した。Dr. Douglas R. LowyとDr. John T. Schiller (いずれもNational Cancer Institute所属) は、大きな公衆衛生問題に取り組み、大胆ながら計算されたアプローチで圧倒的な困難を乗り越えた。…
3017
9月 14, 2017 バイオクイックニュース日本語版

Johns Hopkins病院の研究: 早期膵臓がんの液相生検で、がん固有のDNAとタンパク質マーカーを検出

Johns Hopkins病院の研究チームは、早期膵臓がんのがん固有のDNAとタンパク質バイオマーカーを検出する血液検査法の開発を発表した。複合「液相生検」で、早期膵臓がん患者221人の血液サンプルのバイオマーカーを検出したのである。…
3028
9月 13, 2017 バイオクイックニュース日本語版

唾液タンパク質 (MUC7) の進化史から、現生人類と古代のゴースト人類との同系交配を示唆。MUC7が口腔マイクロバイオーム組成のカギ

唾液の分析から、サブサハラ・アフリカに生活する現生人類の先祖の遺伝物質に今は絶滅した古代の「ゴースト」人類の片鱗を発見。また、その研究から、異なる古代人類の間の性的接触もまれではなかったことを示す証拠がさらに付け加えられた。 これまでの研究で、アジア、ヨーロッパの現生人類の祖先がネアンデルタールやデニソワ人など旧人類と同系交配していたと判断されている。最近の遺伝子解析で古代アフリカ人が他の初期ヒト科人類と交雑していたことを示す証拠が次々と見つかっているが、この新研究もその一つである。University at…
3535
9月 07, 2017 バイオクイックニュース日本語版

短くなったテロメアの修復を促すTERRA RNA

Institute of Molecular Biology (IMB) と Johannes Gutenberg University Mainz (JGU) の研究チームが、染色体の末端を保護しているテロメアの秘密をさらに明らかにした。TERRAと呼ばれる種類のRNA分子が、極端に短くなり、壊れたりしたテロメアを、補修するように機能することを発見したのである。2017年6月29日付Cell誌に掲載された研究論文は、加齢やがんにおける細胞の老化や生存を調整する細胞内のプロセスへの理解をさらに深めている。…
5623
8月 30, 2017 バイオクイックニュース日本語版

瞑想やヨガがストレス遺伝子の発現を変化させるとの新研究論文

瞑想、ヨガ、太極拳など心身介入療法 (MBI) は単に心身をリラックスさせてくれるだけではない。Coventry、Radboud両大学の研究によれば、病気やうつ病を引き起こすDNAの分子反応を逆転させてくれるらしいのである。2017年6月16日付Frontiers in Immunologyオンライン版に掲載されたレビュー論文は、マインドフルネスやヨガなど様々なMBIが遺伝子の挙動に与える影響について過去10年間の研究をレビューしている。 このオープンアクセス・レビュー論文は、「What Is the…
4581
8月 15, 2017 バイオクイックニュース日本語版

ブロッコリ抽出物が2型糖尿病の血糖値コントロールを改善

ある研究チームが、ブロッコリに多く含まれている抗酸化物質が抗糖尿病物質でもあることを突き止めた。糖尿病患者を対象とした研究で、参加者にスルフォラファンを多く含むブロッコリ抽出物を食べさせたところ、血糖値が大幅に低下したということだ。スエーデンのUniversity of Gothenburg, Metabolic Physiology講師を務め、Lund University Diabetes Centreに所属するDr. Anders…
2641
7月 31, 2017 バイオクイックニュース日本語版

出生時のDNAメチル化 (エピジェネティック) 変化が後の素行問題に影響か

King's College LondonとUniversity of Bristolの研究チームの新研究によれば、耽溺的な性格や攻撃的な性格と関わる遺伝子に出産時に起きるエピジェネティックな変化が、児童の素行問題と関わっている可能性が示されている。イギリスでは、児童治療専門家に紹介状が送られるもっとも多い理由は、ケンカ、ウソ、盗みなどの素行問題 (Conduct problems : CP) であり、その損失は莫大である。 10歳未満で素行問題を引き起こす (早発性CPと呼ばれる)…
5623
7月 28, 2017 バイオクイックニュース日本語版

ハンチントン病の致命的タンパク質蓄積を減少させるターゲット候補が明らかに

アルツハイマー、ハンチントン、パーキンソン、この3人の人名は、いずれも脳のニューロンを損壊させ、その部位全体を萎縮させた上に死に至らしめる病気の名前として永久に記憶されることになる。この3つの病気だけでなく、神経変性疾患と呼ばれる病気のほとんどが、有毒タンパク質の蓄積で最終的にニューロンが死滅すると関連して捉えられている。 しかし、Gladstone…
6363
7月 28, 2017 バイオクイックニュース日本語版

日本の研究者、アレルギー喘息とCOPDの炎症に関わるOn/Offスイッチ突き止める

日本の研究チームが、慢性閉塞性肺疾患 (COPD) とアレルギー喘息の激しい炎症を解明し、その治療法を発見する上でさらに一歩を進めたとの研究論文が、「The FASEB Journal」2013年8月号に掲載された。その論文では、「ロイコトリエン B4と呼ばれる炎症制御分子の2種類の受容体が、アレルギー喘息やCOPDの炎症のオン/オフ・スイッチで正反対の機能を果たしている」と述べている。…
7046
7月 28, 2017 バイオクイックニュース日本語版

腸内細菌が人間の摂食行動と食餌選択を支配との研究結果

まるでSF話のようだが、人間の体内にいて数では人体細胞の100倍もの数になる腸内細胞が、人間の食欲などに影響し、腸内細胞自身の食べたい物を人間が欲するように仕向けている上に人間の肥満をもたらしているのではないかという研究結果が出されている。2014年8月7日付BioEssaysオンライン版に掲載された研究論文で、University of California-San Francisco, (UCSF)、Arizona State University、University of New…
10764
7月 28, 2017 バイオクイックニュース日本語版

新生児の無脾症に関連する遺伝子が初めて発見される

ニューヨーク市にある、ワイルコーネル医科大とロックフェラー大学の研究チームが、脾臓を欠いて生まれてくる無脾症に関連する遺伝子を、初めて同定した。無脾症は感染に対する抵抗が極めて弱いため、この疾患を持った子供達は感染症による死の危険に晒されているのだ。遺伝子Nkx2.5は、マウスにおいては、発生初期の段階で脾臓の創生関与している事が実証された。 この研究はDevelopmental…
10047
7月 28, 2017 バイオクイックニュース日本語版

6種のMicroRNAのグループがリンパ腫の引き金に

The Scripps Research Institute (TSRI) の研究者が主導して行った新しい研究によると、免疫を制御している数種の小分子があって、それらが少しでも過剰生産されるとリンパ腫と呼ばれる血液がんの引き金になることが突き止められた。リンパ腫その他の何種類かのがんで6種のmicroRNA分子が過剰生産されることはすでに知られているが、これまでその6種のmicroRNA分子のグループこそがそのタイプのがんで主要原因になることは知られていなかった。…
7569
7月 28, 2017 バイオクイックニュース日本語版

「Urzyme」新発見、生命の起源「RNA世界」説に挑戦

地上に生命体が現れる前には混沌とした液状の分子が漂っていた。これを「原始スープ」という。ある時、ごく少数の特殊な分子が自己複製を始めた。この自己複製が生化学的過程の始まりで遂には最初の生命体が出現することになるという仮説については科学者の支持で一致している。しかし、どのようにして分子の自己複製が始まったのかということは科学界にとって永遠の謎の一つだ。 しかし、2013年9月13日付「Journal of Biological Chemistry」誌に掲載された研究論文で、University of North…
9758
7月 28, 2017 バイオクイックニュース日本語版

日光に当たらないと膵臓がんリスクが上昇?

2015年4月9日付Journal of Steroid Biochemistry and Molecular Biologyオンライン版に掲載された「172か国における曇天下のUV-B照射と膵臓がん」と題された研究論文で、UC San Diego School of Medicineの研究グループが日射量の最も低い国で膵臓がん発症率が最高になっていると報告している。 日射量の低さは雲が厚いことと高緯度が関わっている。 第一著者、UC San Diego Moores Cancer…
11456
7月 10, 2017 バイオクイックニュース日本語版

エクソーム解析で子宮内膜症の異常変異体を判別

Johns Hopkins MedicineとUniversity of British Columbiaの研究者は、遺伝子シーケンシング・ツールを使い、子宮の外で子宮内膜状の組織が増殖し、ひどい痛みを伴う良性子宮内膜症患者24人の組織サンプルから一組の遺伝子変異体を発見した。2017年5月11日付New England Journal of Medicineに掲載されたこの発見により、いつか、侵襲性の強い子宮内膜症と臨床的に緩慢な非侵襲性子宮内膜症とを判別する分子レベルのテストを開発できる可能性がある。…
3293
7月 05, 2017 バイオクイックニュース日本語版

運動不足のマウスのランニング持久力を強化する化合物

ランニングの健康効果については毎週のように新しい話題が現れる。それ自体は素晴らしいことだが、走れない人にとっては何の意味もない。高齢者、肥満者、その他、運動機能に支障のある人にとっては有酸素運動の効果というのは望んでも得られないことだった。Salk Instituteの研究チームは、ランニングによって起動される遺伝子経路を突き止めた過去の研究を基礎にして、化合物によって運動不足のマウスの経路を完全に起動する手段を見つけ、脂肪燃焼効率やスタミナを高めるなど運動の健康効果を再現することができた。…
3906
6月 27, 2017 バイオクイックニュース日本語版

茶樹のゲノム解読完了。お茶の風味とカフェイン生合成の独立進化の解明へ

一般的な茶にも紅茶、緑茶、烏龍茶、白茶、チャイなど様々な種類があるが、いずれもCamellia sinensis、一般的には茶樹と呼ばれる常緑低木の葉を原料としている。茶は文化的にも経済的にも重要でありながら、茶の葉の木についてはあまりよく知られていない。2017年5月1日付Molecular Plant誌オンライン版に掲載された茶樹のゲノム解析初稿を読めば、なぜ茶の葉には抗酸化物質やカフェインが豊富に含まれているのかが想像できるのではないか。 このオープンアクセス論文は、「The Tea Tree Genome…
4046
6月 17, 2017 バイオクイックニュース日本語版

新イメージング法で、がん免疫療法の反応を早期に予測

非侵襲性のPETイメージング法は、免疫細胞ががん細胞を殺すために放出するグランザイムB (写真) というタンパク質を測定する方法で、マウスと人間で、治療の初期に免疫チェックポイント阻害薬に反応するがんと、反応しないがんを判別することができた。その研究結果はCancer Research の2017年5月号に掲載されている。 この論文は、「Granzyme B PET Imaging as a Predictive Biomarker of Immunotherapy Response…
2818
6月 14, 2017 バイオクイックニュース日本語版

抗生物質の効力を高めるメープルシロップ抽出物

抗生物質によって救われる命が日々ある中、その功罪併せ持つ特性こそが欠点となることもある。高用量では感染を引き起こす細菌とともに健康な細胞も破壊し、既知の抗生物質がもはや効果をもたない「スーパーバグ」を創り出すことになるからだ。しかし、抗生物質の効力を劇的に高めるメープルシロップ抽出物が発見されたことにより、抗生物質の使用量を自然に減らすことが可能になるかもしれない。…
3071
6月 06, 2017 バイオクイックニュース日本語版

蜂毒から作る血液脳関門通過薬

血液脳関門(BBB : blood-brain barrier)は循環系と脳脊髄液を隔てる選択的を有する膜で、医薬品のほとんどはこのBBBを通過することが出来ない。しかし、動物の毒液中にある特定のペプチドはBBBを通過して損傷を与えることがある。そこで現在、蜂毒ペプチドであるアパミン(apamin)に基づいた薬剤BBB通過戦略に注目する研究グループがある。 この研究は4月2日に開催された第253回全米科学会(ACS : the American Chemical…
5400
5月 19, 2017 バイオクイックニュース日本語版

テロメアの長さが石灰化大動脈弁疾患のリスクまたは耐性に関与していることが判明

サンフランシスコのグラッドストーン研究所の科学者達は、マウスがヒトの老化疾患を発症するのを防ぐ重要なメカニズムを発見し、ヒトでよく見られる広範囲の疾患の重症度を説明した。どちらの局面も、年齢とともに浸食される染色体末端の保護キャップとしての役割を担うテロメアと関連している。テロメアの侵食と老化の疾患の関連性は長く知られているが、テロメアの長さがヒトの病気にどのように影響を与えるかは謎とされてきた。…
3108
5月 16, 2017 バイオクイックニュース日本語版

100以上の記憶関連遺伝子が同定される

ヒトの記憶に重要な遺伝子が100以上も同定された。しかも、初めて記憶処理中の遺伝子データと脳活動との相関関係が明らかになったのである。これにより、ヒトの記憶というものに新たな可能性が出てきた。…
2514
5月 10, 2017 バイオクイックニュース日本語版

NAD+ "ブースター"が持つ絶大なアンチエイジング効果

オーストラリアのニューサウスウェールズ大学(UNSW)の研究者らは、実際に老化を逆行させ、DNA修復を改善し、NASAの火星任務をも可能にするであろう革新的な薬物を発見した。2017年3月23日のScience誌に発表された論文は「老化中のタンパク質-タンパク質相互作用を調節する保存されたNAD+結合ポケット(“A Conserved NAD+ Binding Pocket That Regulates Protein-Protein Interactions During…
3702
5月 08, 2017 バイオクイックニュース日本語版

タンパク質間相互作用を安定化する天然分子が軸索再生を刺激。脊髄損傷や卒中の標的候補になり得るか?

ある研究者の植物生物学への取り組みによって、天然分子が軸索(ニューロン間で電気信号を運ぶ糸状突起物)の修復を刺激促進することが発見された。脊髄損傷や卒中などの障害症状を引き起こす主な原因はこの軸索損傷である。 マギル大学(カナダ)のモントリオール神経学研究所病院に所属するAndrew Kaplan博士は、Alyson Fournier博士(Neurology and…
2804
4月 25, 2017 バイオクイックニュース日本語版

褐色脂肪組織を活性化する肥満・糖尿病薬に期待が集まる

白色脂肪に比べると、褐色脂肪はかなりの速さで燃焼し、エネルギーに変わるが、これまで人体の褐色脂肪の比率はかなり小さいものと思われていた。ところが、ドイツのTechnical University of Munich (TUM) 研究チームの研究で、人体中の褐色脂肪の量はこれまで考えられていたよりも3倍も多いことが分かった。そのことから、褐色脂肪組織を活性化する新しいタイプの肥満・糖尿病薬がより効果的ではないかと期待されている。 Journal of Nuclear…
2850
4月 19, 2017 バイオクイックニュース日本語版

ssODNライブラリーで血漿エキソソームから乳がんを検出

プレシジョンメディシンの実現に専念する分子科学分野の先進企業、Caris Life Sciences® は、2017年2月21日付けで、同社のADAPT Biotargeting System™ で、血漿中のエキソソームの低侵襲性液相生検で乳がんを検出し、乳がんの有無を判別できることが実証されたと発表した。この研究論文は、「Plasma Exosome Profiling of Cancer Patients by a Next Generation Systems Biology Approach…
2728
4月 11, 2017 バイオクイックニュース日本語版

人の脳で両親の遺伝子の発現に差があることが判明

過去100年以上の間、人体の細胞は、おおむね生涯にわたってほぼ平等に両親の染色体の遺伝子を発現するものと思われていた。しかし、両親の特定遺伝子の活性を測定する検査法を発明した研究グループが、生命体というのはもう少し微妙なものだと研究論文で述べている。同研究グループは、2017年2月23日付Neuron誌に掲載された研究論文で、げっ歯類、サル、ヒトの脳で個別ニューロンまたは特定タイプのニューロンが片方の親の遺伝子を抑制することも珍しくないと報告している。 この論文は、「Diverse Non-genetic,…
3310
3月 22, 2017 バイオクイックニュース日本語版

スクリプス研究所が腸の脂肪を燃やす脳ホルモン (FLP-7) を発見

スクリプス研究所(The Scripps Research Institute) の生物学者グループがお腹の脂肪を燃やす引き金とみられる脳ホルモンを突き止めた。動物モデル研究での発見だが、将来の医薬開発にも役立つ可能性がある。2017年1月27日付Nature Communications誌オンライン版で発表されたこの研究論文の首席筆者を務めたスクリプス研究所の准教授、Supriya Srinivasan, Ph.D.は、「この研究は興味深い謎を解く基礎科学研究だ」と述べている。…
3330
3月 14, 2017 バイオクイックニュース日本語版

幹細胞エキソソームが網膜神経節細胞の生存を高める。緑内障治療にも応用可能か

最近のラットを対象にした研究で、幹細胞から放出される特定の小胞 (Exosome:エキソソーム) が、眼球底部の感光組織、網膜の細胞を保護するらしいことが確かめられた。この研究論文は、2017年1月26日付Stem Cells Translational Medicineに掲載されており、アメリカで最大の失明の原因である緑内障の治療法への応用を示唆している。 この研究は、National Institutes of Health内のNational Eye Institute (NEI)…
5393
3月 01, 2017 バイオクイックニュース日本語版

TGenが膠芽腫の治療に有望な化合物を突き止める

成人の脳腫瘍で最も一般的で致命的なタイプの膠芽腫(グリオブラストーマ)に対する効果的な治療法の開発は遅々として進まないが、アリゾナ州のTranslational Genomics Research Institute (TGen)…
2802
3月 01, 2017 バイオクイックニュース日本語版

細胞コレステロールの役割解明に一歩迫る

長年、科学者はコレステロールについて頭をひねっていた。コレステロールは生体に必須の物質であり、同時にはっきりと有害な物質だが、細胞でコレステロールがもっとも集中している細胞膜でのその働きを誰も知らない。イリノイ州シカゴ市のUniversity of Illinois at Chicago (UIC)…
2633
2月 23, 2017 バイオクイックニュース日本語版

新ツール「オプトドロップレット」で生細胞内のタンパク質凝集と相転移に光を当てる

生細胞の中のタンパク質がどのように液体やゲル状固体と言った異なる状態に組み立てられるかを理解するために、光で物質を操作するツールが用いられ始めた。細胞は驚異的な複雑さで数千もの化学反応を同時にこなしており、いくつかの反応はオルガネラと呼ばれる特殊なコンパートメント内で行われている。 しかし、あるオルガネラは、細胞内に浮遊する物質を取り除く膜を欠いている。…
3425
2月 17, 2017 バイオクイックニュース日本語版

アルツハイマー病を治療できる可能性がある新しい分子の研究

最近、アルツハイマー病を治療する可能性がある新しい分子について、2つの重要な研究成果が発表された。 両研究の主任研究員は、モスクワ物理技術研究所(MIPT:Moscow Institute of Physics and Technology)の医化学生命情報学研究所の所長Yan Ivanenkov博士である。 2つの新しい分子の論文は、Molecular Pharmaceutics and Current Alzheimer Researchに掲載された。 別のMIPT研究者Mark…
2314
2月 17, 2017 バイオクイックニュース日本語版

ハーバード大学の研究チームが多域Brain-on-a-Chipを新開発

ハーバード大学の研究チームは、脳の3つの領域の間の接続性をモデルとする多域brain-on-a-chipを新しく開発した。その過程で、脳の異なる領域のニューロンの違いを詳しく調べ、領域間の接続性を再現する目的でin vitroモデルが用いられた。 このハーバード大学の研究論文は、2016年12月28日付The Journal of Neurophysiology誌オンライン版に掲載され、「Neurons Derived from Different Brain Regions Are Inherently…
2692
2月 03, 2017 バイオクイックニュース日本語版

グリオーマのための新しいバイオマーカーを発見

テキサス大学 南西部医療センターの研究者は、脳腫瘍の一般的なタイプであるグリオーマ(神経膠腫)の新しいバイオマーカーを発見した。このバイオマーカーは、医師がどれほど活動的な癌であるかを決定することや、治療方針を決める上で助けになるという。 Harold C. Simmons Comprehensive Cancer Centerの研究者は、SHOX2と呼ばれる遺伝子の高発現が中等度のグリオーマにおける生存率の低下を予測できることを発見した。…
2235
2月 03, 2017 バイオクイックニュース日本語版

狼瘡進行のバイオマーカーとして尿中の上皮成長因子を研究

慢性的な自己免疫疾患である狼瘡(ループス)は、炎症、痛み、皮膚、関節、および臓器の損傷を介して、冒された人の身体を破壊する可能性がある病気である。 ミシガン大学の研究者らは、腎臓のバイオマーカーが狼瘡の進行と合併症の徴候を示すかどうかを調べた。 「狼瘡患者は、腎臓の関与のリスクが高いため、透析または移植を必要とする末期腎疾患になる可能性があります。」とミシガン大学の環境健康科学と産科医学およびInstitute for Healthcare Policy and…
3290
1月 30, 2017 バイオクイックニュース日本語版

牛の研究から哺乳動物のクローンが失敗し易い理由を解明

スコットランドでクローン羊のドリーが生まれて20年経つが、哺乳動物のクローンをつくることは未だに困難であり、アメリカとフランスの研究チームが行ったクローン成長の遺伝子発現に関する新研究で、なぜクローン胚が失敗しやすいかが示されている。ドリーは、「体細胞核移植」と呼ばれるテクニックを使ってクローン化された。このテクニックは、成体細胞の細胞核を、細胞核を取り除いた未受精卵に移植し、電気ショックを与えて細胞成長を引き起こすというもの。…
6514
1月 26, 2017 バイオクイックニュース日本語版

CRISPR/Cas9に天然オフスイッチ発見。ゲノム編集の制御が可能に。

CRISPR/Cas9ゲノム編集で、生物医学研究の変革が急速に進んでいるが、この新技術はまだ正確さに欠ける。この技術では、誤ってゲノムの変更をやり過ぎたり、望まない変更をしてしまったりして目的外の変異を起こすことがあるため、治療技術として安全性と有効性に欠ける面がある。2016年12月8日付Cell誌オンライン版に掲載された新研究論文によると、University of Massachusetts (UMass) Medical SchoolとUniversity of…
3472
1月 19, 2017 バイオクイックニュース日本語版

Menaタンパク質バイオマーカーで、トリプル・ネガティブ乳がんの治療ガイドラインを支援

MITの研究チームは、特に浸潤性の強い乳がん患者の場合に、もっとも一般的な抗がん剤の一つ、paclitaxel (商品名はTaxol) の治療効果の有無を判定する新しいバイオマーカーを突き止めた。このタイプの乳がんは、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、Her2タンパクという3種のもっとも一般的な乳がんマーカーを欠いているため、「トリプル・ネガティブ」と呼ばれており、医師が乳がんの治療で抗がん剤を選ぶ際にこの研究成果が大いに役立つことになる。…
2820
1月 11, 2017 バイオクイックニュース日本語版

循環腫瘍細胞とエキソソームの両方を捕捉する新チップで液体生検が可能に。

マサチューセッツ州ウスター工科大学(Worcester Polytechnic Institute、WPI)の機械技術者によって開発されたチップは、がん患者から採取された少量の血中の転移性がん細胞を捕捉し同定することができる。この画期的な技術は、多くの既存のデバイスで採用されているマイクロフルイディクスによるアプローチよりもがん細胞の捕捉に効果的な簡便な機械的方法を採用している。 WPIの開発したデバイスは、カーボンナノチューブアレイのウェルの底に抗体を固定している。…
3440
1月 10, 2017 バイオクイックニュース日本語版

ヒトマイクロバイオームのゲノムデータから新しい抗生物質を発見

現在使われている抗生物質のほとんどが細菌の産生する天然物質を基礎としており、現在、細菌が抗生物耐性を獲得する速さを考えると、より新しい抗生物質の開発を進めなければならない。しかし、細菌に新しい抗生物質を産生させるのは少々厄介である。ほとんどの細菌は研究室では培養できない。…
3155
12月 20, 2016 バイオクイックニュース日本語版

マウス脊髄神経細胞の再生を増大する新たなアプローチ

テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンターの研究チームは、成体ほ乳類の脊髄の成熟神経細胞再生の増大に成功した。いつかこの成果を脊髄損傷患者治療の改善に応用できるようになるかも知れない。 この研究論文の首席著者で、テキサス大学サウスウェスタンのAssociate Professor of Molecular Biologyを務めるDr. Chun-Li…
2876
12月 15, 2016 バイオクイックニュース日本語版

単一がん細胞の質量変化でがんの薬剤感受性を迅速に判別。患者個人に最適な薬剤の選択が可能に。

がん患者個人に最適な治療薬の選択は往々にして正確性に欠ける。ある患者に有効な薬剤も他の患者には効かないということもあり、腫瘍初期には有効だった薬剤も後には耐性が生まれることもある。MITとDana-Farber Cancer Instituteの研究チームは、さらに個別化した治療法を編成するため、がんの薬剤感受性の新検査法開発した。…
3374
12月 13, 2016 バイオクイックニュース日本語版

がん治療の流れを変えるか、免疫療法 (ニボルマブ) で再発頭頸部扁平上皮がん生存率を2倍に

再発頭頸部がんは非常に治療が難しいとされるがんだが、免疫療法薬剤で患者の生存率を飛躍的に向上させたことから、がん治療の流れを変える医薬として注目されている。ニボルマブ(Nivolumab、商品名:オプジーボ)は、化学療法に反応しなかった頭頸部がん患者を対象に行った第3相臨床試験で初めて生存率を引き延ばすことができた。しかも、従来の治療法に比べて副作用も少なかった。 2016年10月9日付New England Journal of…
2917
12月 07, 2016 バイオクイックニュース日本語版

ドナー由来セルフリーDNAの測定で臓器移植の結果観察を改善。拒絶反応の早期発見と抗拒絶反応治療の進捗を監視。

実質臓器移植を受けた患者は生涯免疫抑制療法を続けなければならない。薬剤療法が不十分なために移植拒絶反応が起きるリスクは、過剰な免疫抑制が原因で感染やがんを引き起こすリスクとのバランスが問題になる。移植レシピエントの予後、特に能動的傷害や拒絶反応の早期発見を監視する非侵襲性診断ツールには膨大なニーズがあるがまだ十分に満たされていない。 2016年10月7日付The Journal of Molecular Diagnosticsオンライン版に掲載された研究論文は、血漿中のドナー由来セルフリーDNA…
3930
11月 22, 2016 バイオクイックニュース日本語版

癌の予後不良に関連する遺伝的シグネチャーを同定

ケンブリッジ大学(英国)の医療研究評議会(MRC : Medical Research Council)がんユニットの研究者らは、患者予後不良に関連する代謝に関連する遺伝的特徴を同定した。 8161個の組織サンプルを分析した結果、臨床医は将来、患者を治療する最良の方法を決定し、新たな標的治療の開発を支援することができる可能性がある。 がん細胞が増殖し広がるには複雑な代謝変換を受ける。 これにより、がん細胞が増殖するエネルギー需要を満たすことが可能になる。…
2789
11月 21, 2016 バイオクイックニュース日本語版

併用化学療法第3相試験で早期膵がん手術後の5年生存率が上昇

膵がん治療薬の試験としてはかなり大きな規模で行われた第3相試験で、gemcitabineと経口抗がん剤のcapecitabineを併用することで毒性を増すことなく生存率を引き上げることができることが示された。現在、gemcitabineは、膵がん摘出手術後の標準的な補助化学療法として世界的に用いられている。 この研究は、2016年6月3日の記者会見で発表されており、また、2016年6月3日から7日までアメリカ合衆国イリノイ州シカゴ市で開催された2016 American Society of Clinical…
4062
11月 21, 2016 バイオクイックニュース日本語版

二重幹細胞移植でハイリスク神経芽細胞腫の小児患者の治療が向上

従来、ハイリスク神経芽細胞腫小児患者の診断後5年以上の生存率は50%未満である。National Cancer Institute (NCI) の研究資金を受けてChildren’s Oncology Groupsコンソーシアムが実施した第3相試験で、標準的な治療に加え、第二の自己幹細胞移植 (ASCT、患者自身の幹細胞を移植)…
2231
11月 21, 2016 バイオクイックニュース日本語版

双生児の研究で遺伝子が脳の構造発達に及ぼす影響が調査される

65歳以上の健康な双生児を対象に行われた国際的にも重要な研究で、遺伝子が脳の灰白質構造の発達に及ぼす影響を知る重要な手がかりが明らかにされ、人間の脳の遺伝的青写真解明に道を開いた。オーストラリアのUniversity of New South Wales (UNSW) Medicineの研究者を中心とする研究チームは、Older Australian Twins Study (オーストラリアの高齢双生児研究) の対象となった322人のMRIスキャンを分析した。…
2224
11月 21, 2016 バイオクイックニュース日本語版

スクリプス研究所の研究者ら、動物モデルでアルコール依存症の消滅に成功

カリフォルニア州のスクリプス研究所(The Scripps Research Institute)の研究者が中心になって進めた動物モデルでの新しい研究の結果、強迫性飲酒の衝動を止める方法が見つかるかもしれない。この研究を指導したスクリプス研究所のAssistant Professor、Olivier George, Ph.D.は、「神経回路網を標的にする研究でアルコール依存症を完全に消滅させることができた」と述べている。 2016年9月7日付The Journal of…
3128
11月 08, 2016 バイオクイックニュース日本語版

腸に届く善玉細菌の生存率を6倍以上にする技術をMITのチームが開発

人間の消化器官には兆を数える細菌が棲み着いており、その多くが食物の消化を助けると共に有害な細菌と戦う役目を果たしている。最近の研究でそのような消化器官の細菌が糖尿病、心臓病、がんなどの人間の疾患に対して良いようにも悪いようにも影響していることが突き止められている。これらの細菌について解明を進めてきた研究者は、マイクロバイオームと呼ばれるこのような細菌群を利用して人間の健康改善に役立てることができるのではないかと考え始めている。…
3061
11月 08, 2016 バイオクイックニュース日本語版

老化のトランスポゾン原因説を裏付ける新研究

新研究で、老化とトランスポゾンの動きの関係として唱えられている「老化のトランスポゾン原因説」がさらに強く裏付けられた。トランスポゾンは転移因子とも呼ばれ、老化した細胞中で一部の塩基配列がDNAからはぐれたもので、ゲノムの他の部位に自分自身を転写し、組織の遺伝子構成を撹乱し、生物の寿命を縮める可能性もある。…
3470
10月 18, 2016 バイオクイックニュース日本語版

大規模なゲノム解析で液体生検(ctDNA)と腫瘍組織生検の整合性を確認

大規模なゲノム解析で、血液サンプル (液体生検 : liquid biopsy) で検出される遺伝子変化のパターンが、従来の腫瘍組織生検で判定される遺伝子変化のパターンとかなり厳密に一致することが突き止められた。15,000人を超える患者と50種のがん種の血液サンプルを調べたこの研究は、過去有数の規模のがんゲノミクス研究である。 この研究は2016年6月4日の記者会見で発表され、また、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ市で6月3日より7日まで開かれた2016年American Society of Clinical…
2611
10月 18, 2016 バイオクイックニュース日本語版

ホオズキが昆虫から身を守る防御化合物を逆に利用する蛾がいた

植物の中には、生き延びる仕組みとして、草食生物を遠ざける毒性物質や抑制物質をつくって身を守るものも多い。また、昆虫の中には進化の過程で宿主植物の防御化合物に適応し、植物の防御機能をかいくぐることに成功したものもたくさんいる。ところが、植物も負けずにその防御系をさらに適応させ、敵に対する防御機能を強化し、昆虫の適応進化に対抗するようになってきた。生物学者はこれを植物と昆虫の間の「進化の軍備競争」と呼んでいる。…
2629
9月 01, 2016 バイオクイックニュース日本語版

ホルモン療法10年で生活の質を落とさずに乳がん再発率を減少

無作為化第3相臨床試験MA.17Rで、letrozole (商品名Femara) を使ったアロマターゼ阻害薬 (AI) 療法を5年から10年に引き延ばすことで閉経後の早期乳がんに対する治療効果が高まることを突き止めた。以前にtamoxifenを投与されたことがあり、その後5年間のAI療法を受けた乳がん患者は、さらに5年間のletrozole投与を受けることで、プラセボ投与患者に比べて再発率を34%引き下げることができた。 この試験はCanadian Cancer Trials Groupが主導し、Canadian…
3238
8月 17, 2016 バイオクイックニュース日本語版

RNAを標的とする新CRISPRシステム「C2c2」の特徴を解明

ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学が共同で運営する研究施設Broad Institute of MIT and Harvard、マサチューセッツ工科大学、アメリカ国立衛生研究所、ラトガース大学ニューブランズウィック校、そしてロシアのスコルコボ科学工科大学の研究者グループは、DNAの代わりにRNAを標的とする新しいCRISPRシステムの特徴を明らかにした。…
6852
8月 17, 2016 バイオクイックニュース日本語版

HER2陽性乳がん細胞のHER2をシャットオフするアンキリン反復改変タンパク質を開発

毎年、スイスでは5,700人の女性が新しく乳がんと診断され、また1,400人近い女性がこの疾患で亡くなっている。浸潤性がきわめて強い乳がんでは、細胞の表面に受容体HER2が過剰に存在しているタイプが多い。これが細胞の無制限な増殖につながっている。これまで乳がんの治療にはTrastuzumabやpertuzumabなど、HER2受容体を認識する抗体が何年も用いられてきた。 しかし、このような抗体もがん細胞そのものを殺すわけではない。がん細胞は不活性化されるだけであり、いつでも活性を取り戻すことができるのである。…
3374
8月 17, 2016 バイオクイックニュース日本語版

デューク大学で新しいクラスの鎮痛剤候補化合物を発見

デューク大学の研究チームと同僚研究者が、痛みの治療で焦点になっていた2つの標的を同時にブロックする有望な新しいクラスの低分子薬剤を発見した。この概念実証実験は、皮膚の刺激感やかゆみ、頭痛、顎痛、膵臓や結腸を原因とする腹痛などの症状を緩和する新薬の開発に結びつく可能性がある。 2016年6月1日付Scientific Reportsオンライン版に掲載されたオープンアクセスのこの研究論文は、「Small Molecule Dual-Inhibitors of TRPV4 and TRPA1 for…
2520
7月 30, 2016 バイオクイックニュース日本語版

適量の赤ワインが2型糖尿病の健康管理に役立つ可能性

イスラエルのBen-Gurion University of the Negev (BGU) 所属の研究者らが2年をかけて行った無作為化比較試験の結果によれば、2型糖尿病患者が、毎晩グラス1杯の赤ワインを摂取することでコレステロールと心臓の健康管理を増進できる可能性が示され、またワインは赤白とも、個々人のアルコール代謝率を示す遺伝子プロフィール次第で糖コントロールを改善できるかもしれない。 糖尿病患者のアルコールの影響を調べた初めての試みとなるこの長期的な研究の成果は、2015年10月13日付Annals of…
4061
7月 30, 2016 バイオクイックニュース日本語版

ニューロン活動を撮影する超小型頭部埋込蛍光顕微鏡開発にNIHが230万ドルの助成金

UCLAの5人の研究者チームが、研究プロジェクトに対してNIHの助成金を受けた。この研究プロジェクトは、脳の神経回路の情報処理、エンコード、保存、読み出しの仕組みに対する理解を深めることになると考えられる。向こう3か年で230万ドルの資金が与えられるこの研究は、動物生体の神経回路網を傷つけることなく、その活動を記録する手法を開発することを目的としている。 この資金は、2013年にバラク・オバマ大統領が発表した、NIHのBRAIN…
4375
7月 30, 2016 バイオクイックニュース日本語版

世界初、ドロップレット・デジタルPCRシステムで胎児の出生前血液検査

胎児のRh血液型、D抗原 (RHD)、性別、遺伝性障害を判定することのできる簡単で正確で低リスクの血液検査開発研究が2015年11月号Clinical Chemistryに掲載された。この論文は、「Fetal Sex and RHD Genotyping with Digital PCR Demonstrates Greater Sensitivity than Real-time PCR…
5709
7月 30, 2016 バイオクイックニュース日本語版

造血幹細胞前駆細胞 (HSPCs) のゲノム編集技術がさらに前進

University of Southern CaliforniaとSangamo BioSciencesの研究チームの協同作業のおかげで、造血幹細胞前駆細胞 (HSPCs) のジンク・フィンガー・ヌクレアーゼ・ベースの遺伝子編集技術がさらに前進した。研究論文で、共同第一著者のUSC所属Colin M. Exline, Ph.D.とSangamo BioSciences所属Jianbin Wang, Ph.D.は、造血幹細胞・前駆細胞の遺伝子を効率的に編集する新しい手法を発表している。…
3856
7月 30, 2016 バイオクイックニュース日本語版

DNA折りたたみ構造の速写で自己免疫疾患等に新しい手がかり

イギリスのバブラハム研究所とマンチェスター大学の研究者の共同研究で、ゲノムの物理的接続をマップ化し、ゲノム中の自己免疫疾患に関わる部分の解明が前進。研究チームは、Capture Hi-Cと名付けられた、見かけ上かけ離れた位置の遺伝子の発現を調節するノンコーディング配列を判定する新しいテクニックを用いて、遺伝子配列の変化の生体的影響や疾患リスク増加などの理解に新しい手がかりを与えている。 この新研究は、2015年11月30日付Nature…
5046
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

MRgFUSとナノ粒子抗がん剤でマウスの乳がんを根絶

MRgFUS (MRガイド下集束超音波)による熱アブレーションは、線維腫やがんの非侵襲的治療法である。University of California, Davis (UC-Davis) の新しい研究は、このテクニックをナノ粒子を用いた化学療法と併用することでマウスのがんを根絶できることを示した。MRgFUSは、超音波ビームで組織を熱して破壊する手法を磁気共鳴映像法 (MRI) と組み合わせ、MRIによってビームを誘導し、同時に治療の効果をモニターすることができる。…
2998
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

脳のバイオマーカーで3種の精神病バイオタイプを特定

University of Texas Southwestern Medical Center (UT Southwestern) の研究者を中心とする研究コンソーシアムは、精神病の診断と治療に役立てられる包括的なバイオマーカーの組み合わせを経験的に証明した。従来、精神病診断の基本は臨床観察で、患者を統合失調症、分裂情動、双極性障害などに分類することだった。 しかし、Bipolar-Schizophrenia Network on Intermediate Phenotypes…
3114
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

食事と運動で減量した乳がん生存者ではテロメアの短縮過程に遅延がみられた

健康的な食事と運動が、がんの予防と管理に重要であることはかなり研究され、論文も出ているが、その正確な機序についてはまだ明らかになっていない。しかし、Yale Cancer Centerの研究チームは、テロメア (写真で赤の部分) と呼ばれる染色体の小さな保護端にその謎を解く可能性を突き止めた。 この研究結果は、2015年12月8日から12日まで開かれていた2015 San Antonio Breast Cancer…
2974
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

アフリカ睡眠病の原虫を人体の免疫系が攻撃しやすくする方法を発見

ある種の感染症は免疫系から逃れる機能を持っているため、治療が特に難しい。その一つに、ツェツェバエに媒介される原虫、ブルース・トリパノソーマを病原体とするアフリカ睡眠病があり、治療せずに放置すると死に至る。このトリパノソーマ原虫は、ツェツェバエから哺乳動物に入り込み、やがて脳などの主要器官に侵入、睡眠サイクルを妨げるなどの症状を引き起こす。…
5113
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

生殖医療研究者、体外受精の不成功に関わる遺伝子パターンを突き止める

イギリスのサザンプトンとオランダの生殖医療研究者は、体外受精 (IVF) 治療が成功するかどうかを予想できる子宮内膜の特定遺伝子パターンを突き止めた。この研究の共同筆頭著者で、サウサンプトン大学のChair in Obstetrics and Gynecologyを務めるNick Macklon教授は、なぜ一部の女性がIVFで繰り返し失敗するのかということを不妊治療医が理解する助けになるのではないかと述べている。…
4081
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

危険な状況でバソプレシンがヒトの協力関係を強化することが判明

California Inatitute of Technologyの研究チームは、「アルギニン・バソプレシン」と呼ばれるホルモンは、これまで動物の一夫一妻的生殖行動や同種個体に対する攻撃性などと関係があるとされていたが、ヒトの場合には危険な状況で協力関係を強化する作用があると述べている。2016年2月8日付のPNASオンライン版に掲載されたこの研究成果は、集団が有益な目的に向けて協力するように用いることができる可能性を示している。 この論文は「Vasopressin Increases Human Risky…
3146
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

MRSAの抗生物質感受性をシングルセル解析で迅速に判別

University of California (UC), San Diego (UCSD) の生物学者と生物医学者の研究チームは、細菌が抗生物質に感受性を持つかどうかを2,3時間で判定する新しい検査法を開発した。これは大きな前進というべきで、薬剤耐性化を遅らせ、さらに、医師にとっては、一刻を争う致命的な細菌感染症の細菌に合わせた治療を迅速に判断することができる。…
2322
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

AAAS年次総会で国際的権威3名がT細胞免疫療法の進展を報告

免疫療法をがんや感染症治療のために広く臨床的に用いる試みは近年になって大きく進んでいる。たとえば、T細胞移入療法の臨床試験はかなり有望な成果を挙げている。ワシントンDCで開かれたAmerican Association for the Advancement of Science (AAAS、米国科学振興協会) の2016年年次総会では、Technical University of Munich (TUM) のDirk Busch教授、San Raffaele Scientific…
2358
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

リプログラムしたマウスの胃組織で血糖を調節

糖尿病患者の場合、膵臓でインスリンを産生するβ細胞と呼ばれる細胞が喪失するか、機能不全に陥っている。長年、研究者は、このβ細胞を補充する方法を探し求めてきた。2016年2月18日付Cell Stem Cell誌オンライン版に掲載された研究論文で、ある研究チームが、胃下部の組織がβ細胞としてリプログラムできる可能性がもっとも高いことを突き止めたと報告している。 このオープンアクセス論文は、「Reprogrammed Stomach Tissue As a Renewable Source of Functional…
2928
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

MicroRNA-148aは狼瘡など自己免疫疾患の治療標的として有望

The Scripps Research Institute (TSRI) の研究チームは、B細胞免疫寛容の主要調節因子と見られるmiR-148aというmicroRNAは、活動が高揚すると全身性エリテマトーデス (SLE、狼瘡とも) など自己免疫疾患の原因になる可能性があることを突き止めた。miR-148aという小さなノンコーディング分子の活動高揚で、自己応答型の免疫B細胞が血流中に入り込み、自身の身体の組織を攻撃するようになることを発見したのである。 この研究論文は、2016年2月22日付Nature…
3980
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

IVF受精卵の柔らかさで胚生存率を予測し単一胚移植の成功率を向上

Stanfordのバイオエンジニアと医師の新研究で、受精1時間後という初期段階で卵の硬さを測定するだけで、現行の方法より正確に胚の生存率を予測できることを突き止めた。この手法で、体外受精 ( IVF ) での単一胚移植の成功率を大幅に向上させ、ひいては母子の予後を改善することができる。…
4833
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

選択的にβセクレターゼを阻害するアルツハイマー治療薬候補物質の開発に成功

アルツハイマー患者を治療する薬剤の開発研究は、過去何十年かにわたり、世界中で熱心に行われてきた。診断に関しては大幅な進歩があり、この疾患をますます早く、また正確に見つけることができるようになったが、選ぶ薬剤となるとまだ限られている。…
4088
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

家族性高コレステロール血症の59歳心臓病患者がPCSK9阻害薬で改善

米国のある59歳の心臓病患者は、危険なほどコレステロール値が高く、しかもスタチン系薬剤ではほとんどコレステロール値を下げることができなかったが、UT Southwestern Medical Centerの研究グループの研究作業から生まれた新しい作用機序の薬剤のおかげで今では正常に近いコレステロール値に下がっている。 昨年夏、PCSK9阻害薬と呼ばれるクラスの2種の薬剤が、コレステロール値の極端に高い患者向けの医薬として米食品医薬局 (FDA) の認可を受けた。UT SouthwesternでPreventive…
2458
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

アミリンとレプチンが食物摂取量と体重を調節する機序を新研究が示唆

空腹感と満腹感の分子レベルの機序は代謝障害や肥満の問題を理解する上できわめて重要な手がかりになるが、研究者もまだ十分に解明できていない。しかし、Rockefeller Universityの新研究で、摂食を調節するシステムの重要な部分が明らかにされた。 アミリンと呼ばれるホルモンが脳で食物摂取量を調節する働きの一部を担っていたのである。Rockefeller UniversityのLaboratory of Molecular Geneticsを率い、Marilyn M. Simpson…
2896
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

アルドステロンによる心臓障害メカニズムが発見される

心臓が不調を来すと、身体がその状態を治そうとあらゆる手立てを講ずる。ところが時として、そのような補償メカニズムがむしろ益よりも害をもたらす結果になることがある。副腎ホルモンのアルドステロンでもそういうことが起きる。 アルドステロンが心臓をさらに活発に動かそうと刺激する結果、心筋に与えるダメージがなおさら大きくなってしまうのである。最近、Temple University, Lewis Katz School of Medicine (LKSOM)…
2626
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

新セルソーティング技術で細胞治療が進歩か

UCLAの研究チームは、液状サンプルに浮遊している細胞をその微妙な生化学的違いによって選別整理するセルソーティング方法を新しく開発した。この新しいセルソーティング技術は、現行のセルソーティング技術よりも迅速正確に細胞を選別し、単純かつ迅速な細胞分析自動化を可能にすると同時に、治療に用いる細胞と治療に用いない「汚染」細胞とを簡単に分離できるようにもなる。…
3852
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

細胞レベルのがん治療

がんのもっとも一般的な治療法として放射線療法と化学療法がある。しかし、このどちらも副作用があり、健康な組織まで傷める。そればかりか、がんが体中に広がっている場合にはその効果も限られている。 コペンハーゲン大学のニールス・ボーア研究所の研究グループは、がん細胞をあざむいて細胞毒素を吸収させることによって死滅させ、一方、正常細胞には何の影響も与えない穏やかな治療法の開発を進めている。この研究論文は2016年3月2日付Scientific Reportsに、オープン・アクセス論文として掲載され、「Restricted…
2936
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

BRCA1遺伝子 (アンジェリーナ・ジョリー遺伝子) の機能を深く解明

サン・アントニオのCancer Therapy & Research Center (CTRC) の研究グループは研究論文を発表し、正常な乳房組織におけるBRCA1遺伝子、通称「アンジェリーナジョリー遺伝子」の機能、およびその機能の欠失によって乳がん発症に至る機序をさらに深く解明している。米国国立がん研究所指定の総合がんセンターの一つ、CTRCは、テキサス大学サン・アントニオ校医学部の一部であり、サン・アントニオにおけるテキサス大学健康科学センター、医学部付属臨床診療機関である。…
3234
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

BRCA1遺伝子変異が卵巣卵残存量過少に関連か

2016年4月19日付Human Reproduction誌オンライン版に掲載された研究論文によると、BRCA1遺伝子変異と、卵巣卵残存量を示すホルモン・レベルの低下との関連が突き止められた。同誌は世界をリードする生殖医療学術誌の一つとして知られている。この論文はオープンアクセス論文として掲載されており、「Anti-Mullerian Hormone Serum Concentrations of Women with Germline BRCA1 or BRCA2 Mutations…
2531
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

第5回国際細胞外小胞学会 (ISEV 2016) 年次総会レポート2

ロッテルダムで開かれた2016年 国際細胞外小胞学会 (ISEV) の全体会議では、講演者として予定されていた世界的に著名なウイルス学者のRobert Gallo, MDが、感染症で入院先のアメリカの病院から800人を超える参加者を前にビデオ録画で講演するという一幕があった。 Dr. Galloは、ISEVの第二全体会議「最高峰から学ぶ:ウイルス対EV」において、もう一人の世界的なウイルス学者、Leonid Margolis, PhDとともに演壇に立つ予定だった。同じ全体会議には、University of…
2879
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

第5回国際細胞外小胞学会 (ISEV 2016) 年次総会レポート1

2016年5月4日、国際細胞外小胞学会 (ISEV) は、ロッテルダムにおいて、第5回年次総会 (ISEV 2016) を開き、全体会議ではがん研究分野の権威者2人がプレゼンテーションを行った。 ハンブルク大学 エッペンドルフ メディカル センター, 腫瘍生物学教室の教授であり、Directorを務めるKlaus Pantel, MD, PhDが、「Liquid Biopsy in Cancer (がんの液体生検)」のテーマで語り、また、ニューヨーク市のワイルコーネル大学医学部で教授を務めるDavid Lyden…
5406
7月 29, 2016 バイオクイックニュース日本語版

白髪化の遺伝子突き止められる

University College London (UCL) が中心になって行った国際的な研究で白髪化の遺伝子が初めて突き止められ、この現象が単に環境的なものではなく、遺伝的な因子も持っていることが明らかになった。2016年3月付Nature Communicationsに掲載されたこの研究は、ラテン・アメリカ全体にわたって様々な民族の祖先を持つ6,000人強の人口を分析し、髪の色、白髪化、濃さ、直毛や縮毛の形状に関わる新しい遺伝子を探した。 この研究論文は、「A Genome-Wide Association…
3367
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

シャルコー・マリー・ツース胚由来の幹細胞株を用いた研究に脚光

ミシガン大学(U-M)がこの度、連邦政府資金による細胞研究プロジェクトにおいて、細胞作製を司る団体として登録された。これはU-Mが導出した第二世代幹細胞株を対象とする。UM11-1PGDとして知られるこの細胞株は、提供された5日齢のroughly the size of the period at the end of this sentence胚から得た30個の細胞クラスターから導出された。…
3713
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

メクラデバネズミ、発がん物質にも抵抗力

ハダカデバネズミ (Heterocephalus gaber) の長寿とがんに対する抵抗力はよく知られているが、メクラデバネズミ (Spalax属) も、地中の酸素の乏しい環境に棲息しており、長寿でがんに対する抵抗力がある。新しい研究でSpalaxのがん抵抗力が実証され、さらに低酸素環境に適応したことが長寿とがん抵抗力を獲得する上で役立ったのではないかという仮説を立てている。 この研究論文は、2013年8月9日付Biomed Central:…
6709
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

欠損ニューロンの信号が「品質管理」系によって抑制されるメカニズム解明

University of California (UC), San Diegoの生物学者グループが未知の細胞メカニズムを発見した。このメカニズムにより、人間や動物はその発育過程で神経細胞の質を自動的にチェックし、適正に働くよう監視しているという。研究グループは、2013年9月4日付「Neuron」掲載の研究論文で、線虫Caenorhabditis elegansを使った研究により、ニューロンの「品質検査」システムを発見したと報告している。…
3983
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

MITの研究で、海洋微生物生成の細胞外小胞発見

海洋藍藻は微細な海洋植物で、日光と二酸化炭素を使って酸素と有機炭素をつくり出し、生物地球化学的循環と栄養塩循環の原動力になっている。藍藻は、酸素を他の生物に供給するだけでなく、藍藻そのものが他の生物の栄養分になる海洋食物連鎖の底辺を形成している。MITの研究チームは、この微小な細胞群が非常に大きな役割を果たしていることを発見した。…
6614
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

遺伝的変異と結婚満足度の関連性に新研究

幸せな結婚と不幸な結婚を決めるのは何か - University of California (UC) BerkeleyとNorthwestern Universityの研究チームは、DNAに大きな決め手があることを突き止めた。遺伝、感情、結婚満足度の関係を調べたおそらく初めての研究の報告によれば、セロトニン調節にかかわる遺伝子で感情のあり方が人間関係にどれほど影響するかが決まるとしている。研究自体はUC Berkeleyで行われた。…
4277
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

血液検査で乳がん早期発見の可能性

Houston Methodist Research Instituteの研究チームは、初段階の研究で血清バイオマーカー中の乳がん細胞検出に成功し、将来的には血液検査で乳がんの早期発見が可能になるだろうと発表した。同研究チームは血液検査による乳がん早期発見法の開発を行っている。 2013年10月21日付「Clinical Chemistry」オンライン版に掲載された研究論文で、同研究チームはNew York University Cancer…
5030
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

ノーベル受賞者、「MicroRNAやpiRNAは、細胞核中の転写、シナプスの局所的翻訳などの協調的調節に関わっている」と発表、Neuroscience 2013にて

従来の人間や動物の記憶保存の行動学的研究では、記憶保存をその時間的尺度によって明確に異なる2つの段階で分類している。一つはせいぜい分単位の短期的記憶で、一度の経験で生まれる。もう一つは何日も続く長期的記憶で、通常は繰り返し訓練しなければ形成されない。 Columbia University, Kavil Institute for Brain ScienceのDirectorとHoward Hughes Medical…
4767
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

絶滅寸前の川ガメの遺伝子から古代マヤ族との関係が判明

絶滅危惧種である中央アメリカの川ガメ(Dermatemys mawii) の保全に関わるスミソニアン研究所の科学者チームは、この川ガメの遺伝子研究に焦点を当ててきたが、この度、驚くべき結果を得た。メキシコ南部、ベリーズ、グアテマラに至る生息地の15地点・238匹の野生の個体から採取した小組織をサンプルとし、遺伝子構造の「驚くべき欠損」が明らかになり、Conservation Genetics誌オンライン版2011年5月17日付けに発表された。…
4480
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

両生類の致死性の病気が遂に中米の「無病地帯」にまで到達か?

スミソニアンの科学者のグループは両生類に急速に伝染するツボカビ病がパナマのDarien地域近傍まで広がってきた事を確認した。この地域はツボカビ病が発生していない唯一の亜熱帯山岳地域であった。この事は絶滅の危機に瀕する20種類のカエルを救済する目的でパナマとアメリカの9つの機関によって結成されたパナマ両生類救済と保全プロジェクトにとって頭の痛いニュースである。ツボカビ病は世界中で両生類の生息数の急速な減少や絶滅を引き起こしてきた。 ウエスタンパナマのEl…
6126
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

胚性エピゲノムの総合解析

NIHのEpigenome Roadmap Projectに参加していた大規模な研究機関合同研究チームが、2013年5月9日付「Cell」オンライン版で、ヒトの胚の発達初期に遺伝子がオン・オフされる仕組みを発表した。Ludwig Institute for Cancer Research のDr. Bing Ren、The Salk Institute for Biological Studies のDr. Joseph Ecker、Morgridge Institute for ResearchのDr.…
4775
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

損傷、負傷後に自分自身をリワイヤする脳

UCLAとオーストラリアの生命科学者チームは、「脳の主要な学習中枢が損傷を受けると、複雑な新しい神経回路が現れ、損傷で失われた機能を補償する。この新しい代替回路創出に関わる脳の領域を突き止めた。この領域はしばしば損傷領域とはかけ離れた位置に現れる」と発表している。Dr. Michael FanselowとMoriel Zelikowsky氏が、シドニーのGarvan Institute of Medical Researchの神経科学研究プログラム・グループ・リーダーのDr. Bryce…
4400
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

カメのゲノム塩基配列初の解析で長寿や酸素欠乏症治療に手がかり

人間はまだカメから学ぶことがあるかも知れない。また、初めてカメのゲノム塩基配列を解析した科学者達は、カメの長寿の秘密や何か月も呼吸しないで生きられる能力に、人間に応用できる何らかの知識が得られるのではないかと考えている。このゲノム塩基配列解析を担当した研究チームは、「カメが酸素欠乏状態から心臓や脳を守るために持っている自然なメカニズムを解明すれば、将来、人間の心臓マヒや卒中の治療法改善の手がかりになるかも知れない」と述べている。 UCLAの保全生物学者でこの研究論文の筆頭著者、Dr. Brad…
5759
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

赤血球に入って広がる致死性のサケ・ウイルス

最近の研究で、タイセイヨウサケと伝染性サケ貧血 (ISA) ウイルスとの間の相互作用がインフルエンザ様疾病、ISAの発症と伝染につながる仕組みが明らかにされている。この新発見は、2013年4月10日付のプレスリリースで発表されており、インフルエンザ研究一般にも応用できる可能性がある。ISAは1984年にノルウェーで初めて見つかり、今でも養殖水産業にとって深刻な脅威になっているが、養殖タイセイヨウサケの疾病としては、国際獣疫事務局に登録されている唯一の疾病である。…
5188
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

がん転移に関わる細胞外基質タンパクを突き止める

がん死の90%は原発病変から体の他の部分に広がったがんが原因になっている。これを転移と呼んでおり、転移するがん細胞は周辺の細胞から離れ、組織を構成している足場からも離れて単一で移動しなければならない。MITのがん生物学研究チームは、この組織構造の細胞外基質と呼ばれるタンパク質ががん細胞の脱出を助けていることを突き止めた。…
5570
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

細胞運動性司るタンパク質でがん転移阻止の可能性

University of Pennsylvania, Perelman School of Medicineの生理学教授を務めるRoberto Dominguez, Ph.D.は、「細胞の運動性は生命の基本原理であり、細胞はすべて運動能力がある」と述べている。運動性とはあくまでも細胞空間的な尺度であるが、傷の治癒、血液凝固、胎児の成長、神経結合、免疫反応その他様々な機能にとって必要な機能である。…
4683
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

成体幹細胞、ヒトの腸組織から分離

北カロライナ州チャペル・ヒル所在University of North Carolina (UNC) の研究者は、協力機関の科学者チームとの共同研究で初めてヒトの腸組織から成体幹細胞の分離に成功した。成体幹細胞の分離成功により、ヒトの幹細胞生物学上のメカニズムを正しく突き止めようと望んでいる科学者にとって待ち焦がれていた試料が手に入るようになる。そればかりか、炎症性腸疾患治療法や、腸の損傷を引き起こすことの多い化学療法や放射線療法の副作用緩和にも新しい方向からの取り組みが可能になる。…
7031
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

Sloan-Ketteringでのターゲット細胞をベースにした免疫療法で死亡率の高い白血病患者5人が完全に寛解

これまで、急激に進行する血液のがん、B細胞急性リンパ性白血病 (ALL) にかかった成人には限られた治療法しかなかった。当初の化学療法の後で病気がぶり返すか、再発するのが通常だった。しばしばその段階で患者はそれ以上の化学療法を拒むようになるが、幹細胞移植も、通常疾患が緩解した場合にのみ有効であるため、このような患者には効果が期待できない。 しかし、Memorial…
7445
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

まれなmTOR突然変異体を持った膀胱患者が特異な薬物反応示す

ある進行性膀胱がん患者が第I相試験でeverolimusとpazopanibとの抗がん薬の組み合わせに対して14か月にわたり完全な反応を示した。患者の腫瘍ゲノム・プロファイリング結果から2つの変異がこの特異な反応の原因となっていると考えられている。2014年3月13日付American Association for Cancer Research (AACR) 論文誌「Cancer Discovery」オンライン版にこの研究の論文が掲載されている。…
4265
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

腸内細菌が1型糖尿病の自己免疫過程に影響か

典型的糖尿病自己抗体を持つようになる児童の腸内細菌の相互作用は、健康な児童のそれとは異なっている。児童の体内で血中の抗体が検出可能な水準まで発達するずっと前にこのような違いができているという事実は、微生物叢のDNA、いわゆるマイクロバイオームが宿主の自己免疫過程に関わっているのではないかという説を裏付けるものである。Helmholtz Zentrum Munchenの研究チームの論文が、専門家向け論文誌「Diabetes」2014年3月7日付オンライン版に掲載されている。…
7529
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

鳥インフルエンザ新株、哺乳動物、ヒトに適応を確認

中国で少なくとも9人が鳥インフルエンザで死亡しており、その患者から採取したサンプルの遺伝子解析の結果は、ウイルスが進化してヒト細胞に適応するようになったことを示しており、世界的なインフルエンザ大流行が起きる危険性が心配されている。国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターの田代眞人博士、University of Wisconsin-Madisonと東京大学の河岡義裕博士が指揮するグループの共同研究論文が論文雑誌「Eurosurveillance」の2013年4月11日付に掲載された。…
6390
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

MicroRNAが植物生殖細胞のゲノムをトランスポゾンによる損傷から防衛

卵細胞、精細胞などの生殖細胞は結合して幹細胞を形成し、この幹細胞は成長してどのような組織細胞にでもなることができる。ところで、生殖細胞はどのように発生するのだろうか? 人間は自分がつくり出す生殖細胞をすべて備えて生まれてくる。しかし、植物は少し事情が違う。植物は、まず成熟した成体細胞をつくり、その後に一部を卵細胞や精細胞にリプログラムする。…
4768
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

がん細胞はさまよわず転移先に向かって直進

過去のペトリ皿での実験から、がん細胞は三歩と直進できない酔っ払いのように体内をゆっくり、漫然と移動するものと考えられてきた。このパターンは「ランダム・ウォーク (酔歩)」と呼ばれ、2次元的な実験容器の中を移動する細胞には当てはまるかもしれないが、Johns Hopkins Universityの研究チームは、3次元的な体内を移動するがん細胞については「ランダム・ウォーク」モデルがあてはまらないという事実を発見した。 がんは体中に転移し、しばしば厳しい予後になるが、2014年3月4日付PNASのEarly…
7140
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

疾患、がん転移に中心的役割のキナーゼ活性研究に新ツール

University of North Carolina (UNC) School of Medicineの研究チームは、人体の健康の維持や疾患に重要な役割を果たしている特定の細胞レベルの回路について、これまでよりさらに深く探ることのできる生化学的な技術を新しく開発した。この技術は、Klaus Hahn, Ph.D.の研究室で開発され、2014年3月9日付Nature Chemical…
3935
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

新開発血液検査で健康人の3年以内のアルツハイマー発症を予測

健康な人が3年以内に軽度の認知障害またはアルツハイマー病を発症するリスクを90%の精度で予測できる血液検査法をGeorgetown University Medical Centerその他の組織の合同研究グループが発見、その有効性も確認した。2014年3月9日付Nature…
4776
5月 09, 2016 バイオクイックニュース日本語版

風邪ウイルスと喘息ウイルスが組織培養で成育

ウィスコンシン大学-マディソン校の研究者らはこの大学病院ならびにクリニックにおいて手術中に採取した副鼻洞組織を使って、ヒト・ライノウイルス(HRV)の中でも最近になって発見された新種のウイルスの培養育種を実施した。このHRVは、一般的な風邪において最もポピュラーな原因ウイルスであり、子供のHRV感染症全体の約半分に関与している。研究者は、このウイルスは他のHRVファミリーとは異なった生殖特性があることを発見した。…
3319
5月 08, 2016 バイオクイックニュース日本語版

学習や薬物乱用などの経験が脳の行動に遺伝的痕跡 - Neuroscience 2013

2013年11月11日付で発表されたヒトと動物を対象にした研究の新しい報告論文で、経験が遺伝子に影響を与え、その遺伝子が行動や健康状態にも影響することを突き止めている。この研究論文は、Society for Neuroscience2013年次総会でもあり、脳科学と健康に関する世界最大のニュース源でもあるNeuroscience 2013 総会の場での記者会見で発表されたもので、経験が薬物中毒や記憶形成といった脳行動に長期的な変化をもたらす機序に光を当てている。…
3707
5月 08, 2016 バイオクイックニュース日本語版

代謝産物使った診断検査で膵臓がん早期発見の試み

日本で新しく開発された診断検査は、メタボローム解析と呼ばれるテクニックを用いており、安全簡単な検査法で早期発見を可能とするため、膵臓がん患者の予後を大きく改善することになるかもしれない。American Association for Cancer Researchの学術誌「Cancer Epidemiology, Biomarkers &…
7307
5月 08, 2016 バイオクイックニュース日本語版

肺の再生が現実に成るかも知れない

ウェイル・コーネル医科大の研究チームは、肺再生のスイッチングの探究に大きな前進を得たと発表した。これによって何百万人もの呼吸器系疾患患者の治療に道が開けた。2011年10月28日のCell誌に発表された彼らの報告によると、肺の中で酸素交換が行なわれる…
8165
5月 08, 2016 バイオクイックニュース日本語版

アルツハイマー病のタンパク凝集をビタミンCが分解する事が判明

スウェーデンのランド大学とその共同研究施設の研究者達が、アルツハイマー治療におけるビタミンCの新たな効果を発見した。ビタミンCが、アルツハイマーの脳に蓄積される有害なタンパク質の凝集を分解する事が動物実験で分かったと、Journal of Biological…
3800
5月 08, 2016 バイオクイックニュース日本語版

MicroRNAでバレット食道のがん進行を予測可能か

microRNAの発現様式が、バレット食道が食道腺がんに移行する前がん症状の進行を検出する手がかりになるかも知れないという研究報告が、American Association for Cancer Research発行の学術誌「Cancer Prevention Research」の2013年3月号に掲載されている。テキサス州ヒューストンのUniversity of Texas MD Anderson Cancer Center、Division of Cancer Prevention and…
4932
5月 08, 2016 バイオクイックニュース日本語版

タンパク構造の特有の変化が転写プロセスの重要なカギに

生物学のもっとも基礎的なプロセスの一つが「転写」と呼ばれるものだ。この「転写」は、タンパク質合成に必要な数多いプロセスの一つに過ぎないが、このプロセスがなければ生命も存在できない。しかし、転写の仕組みにはまだ未解明の部分が数多く残されている。サンフランシスコのGladstone Institutesの研究チームはこの転写の重要な部分に光を当て始めており、それとともに、細胞が成長発達する上で転写プロセスがどれほど重要か、またこのプロセスが脱線するとどういうことになるかの理解にさらに一歩近づいている。…
5222
5月 08, 2016 バイオクイックニュース日本語版

循環腫瘍細胞検出変更で前立腺がん治療予想を大幅に改善も

新しい研究で、去勢抵抗性前立腺がんの治療結果予想は、循環腫瘍細胞検出法を変更する方が、前立腺特異抗原 (PSA) 量の変化を見るよりも高い確度が得られることを示している。この研究は、2013年10月4日から6日にかけて、チェコ共和国のプラハで開催されたhttp://cem2013.uroweb.org/ EAU 13th Central European Meetingで発表され、賞を受けた。 チェコ共和国プラハにあるGeneral Teaching Hospital Charles University,…
6295
4月 25, 2016 バイオクイックニュース日本語版

ネアンデルタール人の骨から重要な免疫遺伝子発見

ドイツのBonn Universityの研究グループと国際的な共同研究チームが、新しい受容体を発見した。現代人類が持っているこの受容体は危険な侵入物を判定し、免疫反応を発揮するために重要な器官である。この有益な器官の青写真はネアンデルタール人の骨のゲノムからも見つかっており、その起源がうかがわれる。この受容体が初期の人類に風土病に対する免疫を与えた。…
4275
4月 25, 2016 バイオクイックニュース日本語版

インフルエンザA型ウイルスが保護粘液層を突破する機序解明に近づく

University of California, San Diego (UCSD) School of Medicineの研究チームは、インフルエンザA型ウイルスが保護粘液層を突破し、呼吸器上皮細胞に感染、さらに上皮細胞から出て他の細胞に感染していく機序を初めて明らかにした。Department of Cellular and Molecular Medicineの准教授、Pascal Gagneux, Ph.D.が研究チームを率いたこの研究の論文は、Virology…
3777
4月 25, 2016 バイオクイックニュース日本語版

化学療法: 腸内細菌が効果促進の働き

Institut Gustave Roussy、Inserm、Institut Pasteur、INRA (French National Agronomic Research Institute) の研究者が共同で行った研究で、がん化学療法は、腸管微生物とも呼ばれる腸内細菌叢の助けを借りると単独の場合よりも優れた効果を現すという驚くべき結果が出た。実際、化学療法によく用いられている医薬の一つは、その効果が分子レベルで腸内細菌叢の特定の細菌を血流やリンパ節に送り込む能力によっていることが突き止められている。…
5649
4月 25, 2016 バイオクイックニュース日本語版

パニック障害に陥りやすさを招く遺伝子を発見

2013年9月18日付Journal of Neuroscienceに掲載された研究論文は、初めて、遺伝子NTRK3 (neurotrophic tyrosine kinase receptor type 3、trkCとも呼ばれる) をパニック障害傾向の因子と突き止めた。研究チームは、恐怖記憶の形成に関わる機序を明らかにしており、新薬や認知療法の開発に役立つことが考えられる。パニック障害は不安障害の一種に分類されており、推定では、スペイン国民の100人に5人がこの障害に悩んでいる。…
4647
4月 25, 2016 バイオクイックニュース日本語版

ミツバチの性決定遺伝子スイッチの分子進化

ミツバチの性決定の分子スイッチが徐々に環境に適応して進化してきた過程が、200年近く経てようやくアリゾナ州とヨーロッパの研究者によって明らかにされた。性決定の遺伝子的仕組みは1800年代中頃にシレジアの僧侶、Johann Dziersonによって初めて提唱されたが、今回の研究論文の共同著者を務めたArizona State University (ASU) のProvost Robert E. Page Jr.…
5161
4月 24, 2016 バイオクイックニュース日本語版

単一生細胞からmRNAを分離する独自の分子ツール開発

2014年1月12日付Nature Methodsオンライン版に掲載されたUniversity of Pennsylvania (Penn) 学際チームの研究論文は、生細胞のmRNAを生体組織の微小環境で周辺の細胞を損傷せずに分離する、この種のものとしては初めてのテクニックを発表している。このテクニックにより、細胞間の化学的接続が個別細胞機能や全体的なタンパク質生成に与える影響を解析することが可能になる。…
4634
4月 24, 2016 バイオクイックニュース日本語版

土壌細菌が地球温暖化に対応してDNAを変異させる

科学者が気候変動の影響を予測しているが、一つ、その中で見過ごされているのは、地球が温暖化した時、土壌中の炭素がどうなるのか、またこの炭素の動きを決めている土壌中の微生物はどうなるのかという問題である。オクラホマ州の草地の研究をした科学者チームが、土壌のすぐ上の気温が摂氏2度上昇しただけでも地中の微生物の生態系が大幅に変化することを突き止めた。…
4000
4月 24, 2016 バイオクイックニュース日本語版

20種を超える大規模な腫瘍の解析でがん遺伝子カタログ25%増

数多くのがんタイプを横断的に調べた記念碑的な研究で、がん細胞変異の世界はこれまで考えられていた以上に膨大であることが示されている。Broad Instituteが中心になって行ったこの研究では、何千人もの患者の腫瘍のゲノムを解析し、新しいがん遺伝子を数多く発見、既知のがん関係遺伝子のリストが25%も拡大された。そればかりでなく、研究の結果、まだ突き止められていない主要遺伝子が数多くあることも推測されている。…
4208
4月 23, 2016 バイオクイックニュース日本語版

ガン転移に効く植物由来化合物が40個以上も発見される

ワシントン州立大学(WSU)の研究により、40個以上もの植物由来の化合物が、ガンの進行を遅らせる遺伝子を活性化することが可能であることが判明した。ガンの転移こそが致命的であるため、今回の発見はとても励みになる、とWSU薬学部教授および学部長のゲリー・メドウズ博士は語る。さらに、食生活の改善、栄養学的アプローチ、そしてこの植物由来化学物質を合わせて、多くの道を開いているように見えると言う。…
4047
4月 23, 2016 バイオクイックニュース日本語版

マイクロRNAは学習機能を制御する制御因子でありアルツハイマーにも関与しそうだ

タンパク質は、多くの機能を持つ、細胞の分子マシーンのようなものだ。分子材料の運搬、物質の切断やシグナルの伝達など、分子生物学の分野で長年研究対象となっている機能を有している。しかしこの20年新たに別の種類の重要な分子が注目されるようになってきた。それが、マイクロRNAを含む小サイズのRNAであり、現在では、マイクロRNAが細胞機能の制御に重要な役割を演じる事が明らかになっている。…
4057
4月 23, 2016 バイオクイックニュース日本語版

悪性グリオーマの新しい治療法へつながる発見

クリーブランド・クリニックの研究者達は、悪性脳腫瘍である悪性グリオーマの腫瘍成長に癌幹細胞が関与するパスウェイを発見した。7月8日にCell誌に発表された記事によると、現在使用されている治療薬は既にこのパスウェイに作用し腫瘍の成長を遅らせ腫瘍をブロックする効果がある事が動物実験により明らかである。致命的なケースが多い脳腫瘍に対し、新しい治療法の提供が可能となってきた。…
5113
4月 23, 2016 バイオクイックニュース日本語版

多面型内用ナノ抗がん剤に新兵器

各種の攻撃手段を備えてがん細胞に侵入し、がん細胞を内側から粉砕する独特なナノスケール抗がん剤にさらに新しい攻撃手段が加わった。免疫系を刺激し、HER2陽性乳がん細胞を攻撃させるタンパク質がそれである。ロサンジェルスのCedars-Sinai Medical Center, Department of Neurosurgery, Maxine Dunitz Neurosurgical Institute, Nanomedicine Research…
5345
4月 20, 2016 バイオクイックニュース日本語版

脳細胞は危険なタンパク質凝集体をどのように分解するのか?

日本の理化学研究所脳科学総合研究センター(理研BSI)の研究チームは、ユビキチン化タンパク質の凝集体を細胞から選択的に分解するメカニズムを発見した。この発見は、同様の凝集体の補足や除去がp62とよばれるタンパク質のリン酸化によって誘起されることを示し、ハンチントン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患の治療に、新たな道を開くことを示唆する。細胞の最も重要な活動の一つは、タンパク質の生産である。…
3452
4月 20, 2016 バイオクイックニュース日本語版

ペプチドに基づく有望な新薬候補

アメリカドクトカゲの唾液が2型糖尿病用の大型新薬のきっかけになるかもしれないと誰が思ったであろうか。さらに、Magician's cone snail(イモガイ科ヤキイモ)、Saw-scaled viper(ノコギリヘビ)、Brazilian lancehead snake(ブラジリアンヒメハブ)、Southeastern pygmy…
5600
4月 20, 2016 バイオクイックニュース日本語版

ルー・ゲーリッグ病と関連する新たな遺伝子変異が発見される

ルー・ゲーリッグ病として知られている致命的な進行性神経疾患、筋萎縮性側索硬化症(ALS)のいくつかのケースが、新たに発見された特定の遺伝子における遺伝子変異と関連している、と研究者達によって発表された。研究チームはこの遺伝子における変異が神経細胞の構造および成長に影響を及ぼすことを発見し、ALSがどのように細胞を壊し、麻痺につながるのかについての考察を得た。研究結果は2012年7月15日付けのNature誌に掲載された。…
4399
4月 20, 2016 バイオクイックニュース日本語版

レスベラトロルの活性に秘められたメカニズムの一端が解明された

赤ワインや植物に含まれる化学成分であるレスベラトロルが有する健康増進に有効であるメカニズムが、米国NIHの研究チームによって明らかにされた。同チームが実証したのは、レスベラトロルが、老化に関与するタンパク質であるサーチュイン1を直接活性化しないものの、ホスホジエステラーゼ類(PDEs)と呼ばれる一連のタンパク質類を阻害するという事だ。PDEsは細胞のエネルギー授受に関与する酵素であるが、本発見によってレスベラトロルの生化学論議に決着がつき、レスベラトロルを利用した医薬品の開発に道が開けたということだ。この化学物質は…
4139
4月 20, 2016 バイオクイックニュース日本語版

タモキシフェン耐性乳がんの新たな治療法

オハイオ大学総合がんセンター・アーサー・G・ジェームスがん病院&リチャード・J・ソロブ研究所(OSUCCC-James)の研究チームが、タモキシフェン耐性乳がん細胞がどのように成長し増殖するのかを突き止めた。更には、タモキシフェン耐性乳がんを標的として治療する新たな治験薬も開発された。最初のドアが閉まってから次のドアが開くように、エストロゲンホルモンが活性化させる経路をタモキシフェンが阻害した後に、ヘッジホグ(Hhg)と呼ばれているシグナル経路が、乳がん細胞の成長を促進するのである。…
4100
4月 20, 2016 バイオクイックニュース日本語版

サルモネラ菌の病原性を調節する鉄分量

サルモネラ菌は胃腸感染症の主要原因のひとつである。サルモネラ菌は、宿主の腸管上皮に存在するフリーの鉄分量に合わせて自らの病原性遺伝子の表現を調整する。バルセロナ自治大学(UAB)の研究者達は、病原体が白苔プロテイン(Fur protein)を介して病原性遺伝子を活性化させることを初めて証明した。この白苔プロテイン周囲の状況に合わせて鉄分量をチェックするセンサーの働きをする。 この研究は「the journal PLoS ONE」(2011年5月6日号)に発表された。タイトルは“Fur activates the…
3516
4月 20, 2016 バイオクイックニュース日本語版

新しいタイプの免疫T細胞を発見

メルボルンのサイエンティスト・チームが、免疫システムのなかに新しいタイプの細胞を発見した。新タイプの細胞(白血球の一種)は、感染症の予防において重要な役割を果たすT細胞ファミリーに属する。このグループの発見は、特定のタイプの感染性生物に対する免疫応答を強めることができた。それは最終的に新しい医薬品になる可能性がありうる。それと同時に、アレルギー、ガン、冠動脈疾患等を含む多くの重篤な疾患にとって重要な役割となる。 研究チームには、メルボルン大学のDr Adam Uldrich氏とDale…
3211
4月 20, 2016 バイオクイックニュース日本語版

単遺伝子変異が成長の停滞と過剰促進の両方に関与

UCLAの遺伝子研究チームが共同研究の成果として、幼児の発達を阻害する稀な疾患であるIMAGe症候群に関与する遺伝子変異を同定した。偶然だろうか?同じ遺伝子に生じる変異によって、ベックウィズ・ウィーデマン症候群が発症する。この疾患は細胞の成長のスピードが速すぎて、子供が大きくなり過ぎるというものなのだ。…
3143
4月 20, 2016 バイオクイックニュース日本語版

帯状疱疹治療に関する新しい展望

帯状疱疹は非常に痛いことで知られているが、ジョージア大学(UGA)とエール大学の研究者達は、帯状疱疹の水疱治療に、従来よりもかなり効力が高い可能性のある物質を発見した。帯状疱疹は、アメリカ国民の最大30%が罹患している疾患であるが、その大部分は高齢者である。しかも特別な治療処置の方法が存在しない。大部分の成人は、子供の頃に水疱瘡に罹った際に熱、痒みを伴う水膨れ、さらに僅かな傷跡などの体験をしているはずである。 この水疱瘡の原因は、varicella-zoster virus…
5191
4月 20, 2016 バイオクイックニュース日本語版

ビタミンCの網膜に対する役割、そして脳に対する新たな機能の発見

眼の神経細胞が正常に機能するにはビタミンCが必要である。2011年6月29日号のJournal of Neuroscience誌に発表されたこの新たな発見は、ビタミンCが他の脳機能にも必要な要素である可能性を示唆している。この発表をしたのはオレゴン医療大学(OHSU)の研究チームと共同研究グループである。「網膜の細胞は、比較的高用量のビタミンCが無ければ正常に機能しないという事が分かったのです。」と、OHSUのボラム研究所の科学者で今回の研究の共同執筆者、ヘンリーク博士は語る。…
4485
4月 19, 2016 バイオクイックニュース日本語版

直腸がんの水先案内人であるジャンクDNAを解析

ダートマウスのガイセル医科大学の研究チームが、直腸がんに関与する遺伝子のオン・オフスイッチを同定した。直腸がんの水先案内人に当たるもので、おそらく新しい治療標的になると考えられる。クオンティタティブ生物医科学研究所長で遺伝子学のThird…
3440
4月 19, 2016 バイオクイックニュース日本語版

ゲノム研究で主要精神障害の遺伝的重なり合い評価

過去最大級のゲノム全体にわたる研究で、5種の主要精神障害がごく一般的な同様の遺伝子的変異にまで遡ることが突き止められた。資金の一部をNational Institutes of Healthが出しているこの研究では、重なり合う部分は統合失調症と双極性障害で最高を示し、双極性障害と抑鬱症、ADHDと抑鬱症で中程度、統合失調症と自閉症では低度という結果が出た。…
6870
4月 19, 2016 バイオクイックニュース日本語版

うつ病治療のための炎症治療

エモリー大学の研究チームがこの度、治療困難なうつ病に効く可能性のある炎症抑制薬を発見した。本研究は2012年9月3日付けのArchives of General Psychiatry誌にオンライン掲載された。「炎症は、感染や創傷に対する身体の自然な反応です。しかし長期に渡る、または過度の炎症は、脳を含む身体のいたる所にダメージを与えてしまうのです。」と、本研究の責任著者であるエモリー大学医学部精神医学・行動科学教授、…
6327
4月 19, 2016 バイオクイックニュース日本語版

ノーベル化学賞はGタンパク共役受容体(GPCRs)に

2012年のノーベル化学賞は、デューク大学医学センターで39年を続け、ハワードヒューズ医学研究所で治験医師を務めるロバート・J・レフコウィッツM.D.と、1980年代に同博士の研究室でポスドクを務めていた、スタンフォード大学医学部のブライアン・K・コビルカM.D.が共同受賞した。ノーベル化学賞の発表は2012年10月10日に行われた。…
4212
4月 19, 2016 バイオクイックニュース日本語版

ハトには人間の顔や感情を認識する能力がある

ハトは人間の顔や特徴や感情表現を、人間と全く同じような方法で認識することを明らかにする研究がアイオワ大学(UI)の2人の研究者によって実施され、米国の眼科領域の専門誌「Journal of Vision」(2011年3月31日号)に発表された。実験では、特徴の異なる人間の顔の写真や、不機嫌な表情や笑顔のような様々な感情を表している写真をハトに見せた。…
10177
4月 19, 2016 バイオクイックニュース日本語版

損傷なしに医薬やバイオセンサーを細胞内部に送り届ける信頼性の高い方法

細胞は、その大切な内容物を保護することにかけては実に優れている。その結果、細胞を壊すことなく、医薬、栄養物、バイオセンサーなどを細胞膜壁を通して内部に届けることはきわめて難しい。その一つが、2008年に発見された効果的な方法で、純金のナノ粒子を特殊なポリマーの薄い層に包むという方法だった。しかし、なぜこの組み合わせがそれほどうまく働くのか、どのようにして細胞膜をくぐり抜けるのかについては誰も確実なことは分かっていなかった。 ところが、MITと、スイスのEcole Polytechnique de…
7683
4月 19, 2016 バイオクイックニュース日本語版

ミラーマイクロRNAが複数の脳機能に関与する

遺伝子は私達一人一人の「個性」の創生を司っている。髪の毛の色から特定の病気に対する脆弱性まで、「個性」には様々な側面があるが、一体遺伝子はその生産物であるタンパクの合成を含め、どのようにコントロールしているのだろうか?この度、記憶を司る基礎的なプロセスに関与する新たな生体分子群が発見され、神経変性疾患の治療に新たな方向が示されたと思われる。 英国のブリストル大学臨床科学部の生物化学科と病理学科と薬理学科に率いられる研究チームが、2012年4月27日のJournal of Biological…
3711
4月 19, 2016 バイオクイックニュース日本語版

無限のクローニング: 日本の研究者、マウスのクローン25世代続ける

兵庫県神戸市の理化学研究所 発生・再生科学総合研究センターの研究チームは、クローン羊のドリーを生み出したのと同じ技術を用い、正常な寿命を持ち、永久的にクローン化できる健康なマウスを生み出す方法を突き止めた。この研究報告は、2013年3月7日付「Cell Stem Cell」の巻頭を飾っている。若山照彦博士の率いるチームが2005年に始めた実験では、体細胞核移植 (SCNT) と呼ばれるテクニックを用い、オリジナルの「ドナー」マウスから25世代のクローニングを繰り返し、合計581匹のマウスを生み出した。…
4660
4月 19, 2016 バイオクイックニュース日本語版

ジョンズ・ホプキンス大学が遺伝子変異解析ソフトを作成

DNAシーケンスによって遺伝子の変異を検知することは、がんの診断や治療法の選択に大変有用である。現行のDNAサンプルのテスト法では、とりわけサンガー法とパイロシーケンス法が使用されるが、時折、配列への読み替えが困難であったり出来なかったりする複雑な配列パターンが見受けられる。ジョンズ・ホプキンス大学医学部の研究グループは、そのような複雑な遺伝子変異配列パターンであっても、より正確に同定できるパイロメーカーというフリーソフトを開発した。…
3834
4月 19, 2016 バイオクイックニュース日本語版

シンクロトロン光線でRNA二重らせん構造解明

1953年にフランシス・クリックとジェームズ・ワトソンがデオキシリボ核酸 (DNA) の二重らせん構造を発見した事が遺伝子工学の革命をもたらし、生命体を構成する単位をマップ化し、研究し、シーケンス化する始まりとなった。DNAは、世代間を継承される遺伝物質をエンコードしている。DNAにエンコードされた情報が、生命に必須のタンパク質や酵素として作り出されるためには、細胞のリボソームの中にある一本鎖遺伝物質のリボ核酸 (RNA)…
4905
4月 19, 2016 バイオクイックニュース日本語版

エボラ・ウイルスが免疫系を阻害する仕組み解明近づく

西アフリカのエボラ出血熱ウイルス蔓延はこれまでで最大の規模になっているが、このウイルスが免疫系をすり抜けるテクニックは巧みである。しかし、セント・ルイスのWashington University School of Medicineその他の研究機関が参加する研究チームは、エボラ出血熱ウイルスが体の抗ウイルス防衛機能をすり抜ける方法を突き止めており、この疾患の治療法を新たに開発する糸口になることが期待されている。…
3993
4月 19, 2016 バイオクイックニュース日本語版

TALE利用のDNA操作技術に大発見

Scripps Research Institute (TSRI) の研究チームは、強力な新開発のDNA操作技術をこれまでよりさらに広い範囲にわたって適用する方法を考え出した。TSRI, Department of Chemistry, Molecular Biology Janet and Keith Kellogg II Chairであり、教授も務めるDr. Carlos F. Barbas…
10039
4月 19, 2016 バイオクイックニュース日本語版

脳卒中リスクを高める遺伝子変異が発見される

一般的な脳卒中のリスクを高める遺伝子変異が、2012年2月5日付けのNature Genetics誌に記載された研究で明らかにされた。これは現在までに発見されている脳卒中関連の数少ない遺伝子変異の一つであり、この発見により新たな治療法の可能性が見えてきた。脳卒中は世界中の死亡原因の第2位(全死亡数の1/10に当たる、年間600万人)にあたり、先進国では慢性的障害の主要原因でもある。…
3140
4月 19, 2016 バイオクイックニュース日本語版

近視遺伝子24種同定される

King's College Londonの研究者グループに率いられた国際的な科学者チームが眼球屈折異常や近視を引き起こす遺伝子を新たに24種類同定した。近視は世界中で失明や視覚障害の大きな原因になっており、現在のところ治療法はない。Nature Genetics誌2013年2月10日付オンライで発表された研究論文は、この形質の遺伝的原因を解明しており、より効果的な近視の治療法や予防法を開発する基礎になる可能性がある。…
5670
4月 18, 2016 バイオクイックニュース日本語版

癌の早期可視化を可能にする造影剤

一連の新しい造影剤により、腫瘍が悪性化する前の初期段階で「見る」ことが可能になるかもしれない。この化合物は酵素シクロオキシゲナーゼ−2(COX-2)のインヒビターに由来し、PETイメージングにも適用できるので、癌の検出、診断、および治療のための広範な用途の可能性を有する。バンダービルト大学の研究者達は、2011年10月号のCancer Prevention…
3442
4月 18, 2016 バイオクイックニュース日本語版

糖尿病治療に膵臓細胞リプログラミング

長年、研究者はインシュリン産生膵ベータ細胞を再活性化することで糖尿病を治療する方法を探してきたが、ほとんど成果が得られていない。しかし、類似したアルファ細胞をベータ細胞に「リプログラミング」することで、いつか、2型糖尿病に対して、現在の治療法を補完する方向の新しい治療法が可能になるかも知れない。ヒトとマウスの細胞使って、細胞核内の染色質 (クロマチン) と呼ばれる物質を変化させる化学物質で処理するとアルファ細胞中でベータ細胞遺伝子が発現したという研究論文が、「Journal of Clinical…
4462
4月 18, 2016 バイオクイックニュース日本語版

父親の年齢と共に自閉症リスクを伴う自然突然変異も高まる

自閉症スペクトラム障害(ASD)の原因となりうる環境因子が発見された。父親は母親に比べて4倍、障害を持つ子供に自然突然変異を伝達する可能性が高いのである。また、このような遺伝的変化は父の年齢の増加と共に増えていく。本研究はこれまでに証明されてきた父の年齢と自閉症リスクの関連性を説明するのに役立つであろう。このような遺伝子中のタンパク質コード領域におけるシーケンス変化は、ASDにおいて重要な役割をもつ。…
5811
4月 18, 2016 バイオクイックニュース日本語版

嚢胞性線維症の治療研究に光明-幹細胞を用いたヒト型組織サンプルの自在な作製が可能に

マサチューセッツ総合病院(MGH)のハーバード幹細胞研究所が発見したのは、嚢胞性線維症(CF)を治療する医薬品開発の道が、近い将来開けると思われる方法である。嚢胞性線維症は毎年1000人が発症し、500人の尊い生命を奪う疾患である。患者の皮膚の細胞から起こして、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を初めて作成し、これをヒト疾患特異的な機能性肺外皮へと導出する事に成功したのは、ジャヤライ・ラヤゴパル医師とその研究チームである。…
4621
4月 18, 2016 バイオクイックニュース日本語版

22の自閉症関連遺伝子が新たに発見される

発見困難な染色体異常を検知する新しい方法を用いて、自閉症と関連付けられている33の遺伝子が同定された。内、22は初めて発見されたものである。さらにこれらの遺伝子の内複数は、統合失調症などの精神疾患患者において変化すると見られている。このような疾患の症状は思春期や成人期に出る事が多いのである。本研究は複数の研究チームによって行われ、研究結果は2012年4月19日付けのCell誌にオンライン掲載された。…
3953
4月 18, 2016 バイオクイックニュース日本語版

自然免疫の新たな観点−RIG-1研究から

泥棒が銀行の金庫に進入すると、センサーが作動してアラームが鳴る。細胞は、侵入者のために独自の早期警戒システムを有している。フランス・グルノーブルのヨーロッパ分子生物学研究室(EMBL)の科学者達は、特定のタンパク質がウィルスの侵入を検出した際にアラームを鳴らす方法を発見した。2011年10月14日付のCell誌に掲載された今回の研究は、自然免疫反応についての理解を深めるのに重要な役割を果たし、インフルエンザや狂犬病、肝炎など多様なウィルスに対する細胞の迅速な対応方法の解明に寄与するであろう。…
3125
4月 18, 2016 バイオクイックニュース日本語版

がん“ワクチン”の転移性がん治療と予防に期待

Virginia Commonwealth University (VCU) Massey Cancer Centerの科学者チームによれば、これまでと違った新しいアプローチの免疫療法が臨床前の研究室段階で、転移性がんワクチンのように作用する見通しがつかめた。最近行われたその研究によると、療法は転移性がんの治療に適していると同時に既存のがん治療と並行して用いることができ、新しく転移した腫瘍の進行を防ぎ、特定の免疫系細胞を「訓練」してがんの再発に備えさせることができる。 論文雑誌「Cancer…
6259
4月 18, 2016 バイオクイックニュース日本語版

細胞膜の規則正しい構造形成機序に新たな仮説

細胞膜の規則正しい構造がどのようにできるのかということについて、新しい仮説が注目されている。ドイツ連邦ポツダム市にあるMax Planck Institute of Colloids and…
4374
4月 18, 2016 バイオクイックニュース日本語版

「ジャンピング遺伝子」が加齢関連脳障害の原因か

加齢とともに身体的な影響が顕著になってくる。皮膚にはしわが増え、身体的な力を出すことが難しくなってくる。同時に眼につかない変化も進んでおり、たとえば、脳も加齢するにつれてそれまでとは異なる現象が進行し、それが加齢関連脳障害を引き起こす可能性もある。学術論文誌「Nature Neuroscience」の2013年4月7日付オンライン版に掲載された研究論文で、Cold Spring Harbor Laboratory (CSHL) のJoshua Dubnau…
5977
4月 18, 2016 バイオクイックニュース日本語版

心不全の高リスクと関連するタンパク質が発見される

ガレクチン-3として知られているタンパク質によって、心不全のリスクが高い人を識別することが可能であることが、国立衛生研究所に所属する国立心肺血液研究所(NHLBI)の研究で判明した。本研究は、1948年に開始し、心臓病の危険因子についての研究で中心的な役割を担うNHLBIのフラミンガム心臓研究基金のグラントによって実施されたものである。本研究は2012年8月29日付けのJournal of the American College of…
4650
4月 16, 2016 バイオクイックニュース日本語版

染色体は綯を形成する

遺伝における分子的基盤となる染色体は、1882年にウォルター・フレミング博士に発見されて以来130年、謎に包まれたものである。今回、キュリー研究所のエジス・ハード博士(Ph.D.)およびマサチューセッツ大学医学学校(UMMS)のジョブ・デッカー博士(Ph.D.)率いる研究チームが行った研究は、染色体における新しい層を発見した。本研究は2012年4月11日付けのNature誌に掲載された。…
3025
4月 16, 2016 バイオクイックニュース日本語版

乳がんの診断と治療に大きな進展

英国がん研究所と世界の共同研究機関の発表によれば、がんの遺伝子的特徴を基にして、乳がんの種類を10通りに再分類し、画期的な乳がんの診断と治療につながる可能性が明らかになった。医師が乳がん患者の遺伝子サブタイプに拠って、その余命をより正確に予測し、個々の患者に応じたテーラーメイド治療を行なう事が、出来るようになる日も近い。この研究成果は2012年4月18日付けのネイチャー誌オンライン版に掲載されたが、乳がん研究では世界最大規模の遺伝子研究が成され、何十年にも及ぶ研究が実を結んだものである。…
3485
4月 16, 2016 バイオクイックニュース日本語版

ヒトゲノムを統御するランドマークの新たな理解

ヒトゲノムプロジェクトによって、DNAに含まれる30億対にも上る、ヒトの遺伝子をコードする塩基対のシーケンスがほぼ完了したが、それらがどのように働くのかは未だ謎が多い。ようやく現在、世界32ラボ440人の研究者による弛まぬ努力の結果、より詳しい動力学的な様相が判明してきた事により、ヒトゲノムが実際にどのように働いているのかの全体像が見えてきたのだ。…
4285
4月 15, 2016 バイオクイックニュース日本語版

モデル動物では多発性硬化症の症状を激減させたバイアグラ®

バルセロナ自治大学(UAB; Universitat Autònoma de Barcelona)の研究者が、多発性硬化症のモデル動物ではバイアグラ®で症状が劇的に軽減することを発見した。Acta Neuropathologicaに発表されたこの研究成果には、処置8日後に実験に供したモデル動物の50%でほとんど完全に回復したことを示した。研究者達いわく、本医薬品に対して十分な耐性があり、しかも一部の多発性硬化症患者において性的機能不全症の治療に使用した経験があれば、すぐに患者に臨床試験を行えるであろうと考えている。…
3146
4月 15, 2016 バイオクイックニュース日本語版

膵臓がんの大規模ゲノム配列解析研究で遺伝子関与が明らかに

膵臓がんの原因となる複雑な潜在的突然変異の過程を突き止める大規模な研究が、100人を超える膵臓がん患者を対象にして実施され、2012年10月24日付Nature誌に発表された。この研究は、国際がんゲノムコンソーシアム (ICGC)…
4901
4月 15, 2016 バイオクイックニュース日本語版

一個のmicroRNAが、胚の分節「時計」に

新しい研究で、肺組織の分節化が正しく行われるために1個の小さなRNAが重要な役割を担っていることが突き止められた。この研究はニワトリの胚で行われ、この小さなRNAが、筋肉や脊椎になる組織分節形成のタイミングを決める周期的遺伝子活動を規則正しく調節していると判定された。つまり、この活動に加わっている遺伝子は各組織分節形成の動きに対応する拍動的パターンでオン・オフされていたのだ。…
4371
4月 15, 2016 バイオクイックニュース日本語版

液状グルカゴン製剤によって人工膵臓システムの実現が間近

JDRFからグラントを受けたオレゴン保健科学大学(OHSU)とレガシー・ヘルス(オレゴン州の病院連合)の研究チームが、液状グルカゴン製剤が標準的な糖尿病ポンプで使用できる事を明らかにした。インシュリン治療を受けている1型糖尿病(T1D)患者の低血糖症を予防するために、この製剤はグルカゴンの幅広い利用の道を広げるものだ。…
3712
4月 15, 2016 バイオクイックニュース日本語版

神経コード入りの人工網膜でマウスの視力回復

ニューヨーク・ワイルコーネル医科大学の研究員二人がマウスの網膜の神経コードを解読し、その情報を元に盲目のマウスの視力を回復する新たな人工器具を開発した。研究者達はまた、サルの網膜――ヒトの網膜と基本的に同一である――のコードも解読し事を明らかにし、それにより盲目者用の器具も開発し、テストする予定である。…
3135
4月 15, 2016 バイオクイックニュース日本語版

ニパウィルス感染を防ぐ新たなワクチン

1998年に東南アジアの豚や養豚農家の間で感染し大流行したニパウィルスに対するワクチンが、サルによる前臨床テストまで開発が進んでいる。この開発は、同じワクチンで猫をニパウィルスから、そして馬やフェレットを近種のヘンドラウィルスから守る事が出来る事を発見した研究チームによって進められている。 本研究は2012年8月8日付けのScience Translational…
3520
4月 15, 2016 バイオクイックニュース日本語版

マックスプランク研究所が、古代デニソバ人のゲノムを解明

ドイツ・ライプチヒにあるマックスプランク進化人類学研究所のスヴァンテ・ペーボ博士に率られる研究チームが、デニソバ人のゲノム変異の解析を行い、それが極めて低いことを明らかにした。これは即ち、デニソバ人が今ではアジア全体に広く分布しているにしても、昔はそれほど人口が多くなかった事を示唆している。更には、ゲノムの総目録から明らかなのは、遺伝子の変異は古代の祖先の時代ではなく現代人の世代に見受けられる事である。これらの変異の状況から推察されることは、それが脳機能や神経システムの発達に関係しているのではないかという事である。…
6748
4月 15, 2016 バイオクイックニュース日本語版

結核その他の細菌感染を迅速正確に検出できる携帯装置

Massachusetts General Hospital (MGH) の研究チームががん診断のために開発した手持ちサイズの診断装置が、ヒト型結核菌 (TB) その他の主要感染細菌による感染の即時診断に利用されるようになった。「Nature Communications」と「Nature Nanotechnology」の2誌に掲載された2件の研究論文は、マイクロ流体技術と核磁気共鳴法 (NMR)…
4505
4月 15, 2016 バイオクイックニュース日本語版

長寿で腫瘍耐性を持つハダカデバネズミの遺伝子解析結果が明らかに

アフリカ東部の砂漠地域に生息するハダカデバネズミは興味深い身体的特徴を有しており、それによって厳しい自然環境の中を長年に渡り生き抜いてきた。皮膚に痛覚を持たず新陳代謝率が低い為、酸素供給量が少ない地下で生息する事が出来る。英国ノーウイックのリバプール大学とゲノム解析センター(TGAC) の科学者グループが最初にハダカデバネズミの遺伝子情報を解析し、長寿と老化疾患へ耐性を有する理由を検討した。…
5473
4月 15, 2016 バイオクイックニュース日本語版

ナチュラルキラー細胞が肺がん感受性の多様性のカギとなるようだ

ヘビースモーカーが肺がんに罹らない一方で、何故一度も煙草を吸わない人間が肺がんに罹るのだろうか?これは何十年も研究者たちを悩ませてきた課題だが、この度、セントルイスのワシントン大学医学部の研究で明らかになったのは、肺がんの感受性を決定する重要な免疫細胞があるという事だ。マウス実験により、腫瘍細胞を探し出して駆逐するナチュラルキラー細胞が、遺伝子の多様性を有しており、マウスに肺がんを発生させるか否かのカギとなっている事が実証された。この研究結果はCancer Research誌の2012年9月1日号に掲載された。…
4406
4月 14, 2016 バイオクイックニュース日本語版

Small RNAが植物の遺伝形質の獲得の主要な鍵

ヒトおよび他の哺乳類における胚発生時には、精子と卵子のエピジェネティックマークと呼ばれるDNAの化学修復がきれいに拭き取られる。これらはその後、受精を待つために予備として置いておかれるのだ。このシナリオは顕花植物では全く異なる。胚細胞など胚生期後にしか現れず、数年後になることもある。 現れた後も、エピジェネティックマークの一部しか拭き取られない;一部残ったものは前世代から引き継がれたものであるーどの程度か、ということは今に至るまであまり知られていなかった。…
3877