クライオEMで解明!細胞表面へのタンパク質リサイクル機構:SNX17とRetriever複合体の構造基盤

クライオEMで解明!細胞表面へのタンパク質リサイクル機構:SNX17とRetriever複合体の構造基盤

サイエンス出版部 発行書籍

細胞の門番は、どうやって持ち場に戻るのか? 最新技術が解き明かすタンパク質リサイクルの仕組み 私たちの体を作る細胞の中では、日々、生命活動に不可欠な物質のやり取りが絶えず行われています。特に細胞の「門番」とも言える表面のタンパク質は、必要なものを取り込み、情報を伝える重要な役割を担っています。しかし、一度細胞内に取り込まれたタンパク質が、どうやって再び表面に戻ってくるのでしょうか? その巧妙な「リサイクル」の仕組みは、長年、細胞生物学の大きな謎の一つでした。今回、UTサウスウェスタンメディカルセンターの研究チームが、その謎を解き明かす鍵となる発見をしました。彼らは最先端の技術を駆使して、タンパク質が細胞表面へ帰還する重要なメカニズムを分子レベルで明らかにしたのです。この発見は、神経疾患やがんなどの治療法開発にも繋がる可能性を秘めています。 UTサウスウェスタンメディカルセンターの研究者を中心とするチームが、細胞内のエンドソームリサイクリングを担う重要なメカニズムを特定しました。このプロセスは人の健康に不可欠なものです。2024年11月25日にNature Communications誌に掲載されたこの研究成果は、細胞生物学における基本的な問いに答え、神経疾患やがんを含む疾患の治療法につながる可能性があります。このオープンアクセスの論文タイトルは「Structural Basis for Retriever-SNX17 Assembly and Endosomal Sorting(リトリーバー-SNX17複合体の形成とエンドソームソーティングの構造基盤)」です。 「私たちの研究は、タンパク質がエンドソームから細胞膜(形質膜)へとどのようにリサイクルされるかを理解する上で、大きな進歩です」と、UTサウスウェスタンの内科学(Internal Medicine)および免疫

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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