マテ茶のゲノム解読で判明:カフェイン進化の謎に迫る

マテ茶のゲノム解読で判明:カフェイン進化の謎に迫る

サイエンス出版部 発行書籍

世界で人気のカフェイン飲料「マテ茶」のゲノム解析で、カフェイン合成の進化に新たな知見 マテ茶(イレックス・パラグアリエンシス:Ilex paraguariensis)は、紅茶やコーヒーと並び、世界で最も人気のあるカフェイン飲料のひとつです。南米では広く消費されており、この驚くべき植物は多様な生理活性化合物を豊富に含んでおり、さまざまな健康効果をもたらすとされています。このたび、国際的な研究者チームがマテ茶のゲノムを解読し、カフェインの生合成に関する新たな知見を得ました。この情報は、特性の異なる新品種の開発に活用できる可能性があります。この研究はブエノスアイレス大学を中心に行われ、欧州分子生物学研究所(EMBL)ハンブルク支部や、アルゼンチン、ブラジル、アメリカ合衆国の複数の研究機関の科学者らも参加しました。成果は2025年1月8日付で『eLife』に掲載され、論文タイトルは「Yerba Mate (Ilex paraguariensis) Genome Provides New Insights Into Convergent Evolution of Caffeine Biosynthesis(マテ茶(Ilex paraguariensis)のゲノムが示すカフェイン生合成の収束進化に関する新たな知見)」です。 マテ茶におけるカフェインの進化 マテ茶の遺伝的特性を明らかにするため、科学者らはゲノム解析を用いました。これにより、植物の生化学的特性や進化の歴史、特にカフェイン生合成の進化に関する驚くべき事実が明らかになりました。 「マテ茶の祖先はおよそ5,000万年前にゲノムを重複させていたことを発見しました」と、今回の論文の筆頭著者であり、EMBLハンブルクのポスドク研究員であるフェデリコ・ヴィニャーレ博士(Federico Vignale PhD)は語ります。

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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