出版物
最新脳科学で探る発達障害 - 発達の謎を解く科学の最前線
発達障害とは何か?その原因は遺伝か環境か?そして、最新の脳科学は私たちの理解をどこまで進めているのか?本書は、神経科学の飛躍的な進展を基に、発達心理学の視点を交えながら、発達障害に関する精神医学の最新知見を深く掘り下げる一冊です。発達のプロセスを形作るシナプスの可塑性や、脳神経科学・神経内科学の分野で明らかになった遺伝子変異と脳機能の関係を探ることで、発達障害の新たな理解へと読者を導きます。
本書では、診断学一般の枠を超えた包括的な視点から、発達障害の診断と支援における技術革新を紹介し、多動性障害(ADHD)や学習障害(LD)に関する最新の治療・介入法に迫ります。さらに、生命科学の進展によって解明されつつある「神経発達の個性」と、その個別最適な支援の可能性についても詳しく解説。こうした研究成果は、教育・医療の現場だけでなく、ストレス・心の病気と向き合う人々や、発達特性を持つ子どもを支える保護者にとっても有益な知見を提供します。
また、本書は難解な専門書ではなく、一般の読者にも分かりやすい構成を採用しています。各章にはインフォグラフィックを豊富に用い、脳の発達プロセスや神経回路の働きを視覚的に理解できる工夫を施しました。こうしたアプローチによって、認識論の観点から「私たちはどのように世界を知覚し、学習するのか?」という根源的な問いにも迫ります。
【目次】
第1章:記憶は脳だけのものじゃない - 体細胞が秘める驚異の知恵
第2章:胎児期の遺伝子治療に新たな光 - 未来を紡ぐ分子の魔法
第3章:脳の発達と変性をつなぐ遺伝の秘密 - ひとつの変異が語る二つの未来
第4章:DNAが折りたたむ心の設計図 - 人間の脳を形作る生命の詩
第5章:脳の守護者MeCP2 - 分子のダンスが織りなす神経の調和
第6章:胎盤と脳の秘密の会話 - 目に見えぬ小胞が奏でる生命のシンフォニー
第7章:ディスレクシアの遺伝地図 - 42のコードが描く読み書きの未来
第8章:脳の秘密便り - エクソソームが開く発達障害治療の新時代
第9章:腸と脳の共鳴 - 自閉症とマイクロバイオームの驚異的関係
第10章:脳の設計図を読む - USP9X遺伝子が解き明かす知性の神秘
※参考文献・追加リソース情報はKindle版のみ掲載