【Genetic Engineering & Technology News (GEN)について】 2013年10月16日付 Genetic Engineering & Technology News (GEN) の記事には、液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析法 (LC-MS/MS) の能力と精度は否定できないとあり、「LC-MS/MSは、時間と経費の節約、患者治療の向上を可能にするものであり、臨床検査室にとって、過去何十年という歴史の中でももっとも重要な発展の一つと考えられる」と述べられている。しかし、その記事が書かれた当時、実際に臨床現場で用いられていたLC-MS/MS機器は、わずか約5%程度だった。   GEN の記事には、「LC-MS/MSは、医師にとっても患者にとっても治療の質を向上させる優れた選択肢ではあるが、かなり複雑で高価な機器という問題がある。一般にLC-MS/MS分析には高度に熟練したオペレータを雇うか、検体を高いリファレンス・ラボに送るかしなければならない。このような複雑さやコスト高という問題があって、ほとんどの臨床検査室では依然として免疫学的測定法のような従来の検査法に頼っている」と述べられている。GENはさらに、免疫学的測定法は自動分析機器などで高速大量処理が可能であるが、基礎構造の似た薬剤の代謝産物など関連化合物の交叉反応や干渉による分析精度の低さという問題を抱えている。また、免疫学的測定法製品メーカー側も適切な抗体を開発できるアッセイに限られている。それに比べて、LC-MS/MSは、サンプルの処理に抗体を必要としないことからそのような制約もない。そのような理由から、この検査法の応用範囲は、試験法を検査室が自ら開発したり、メーカーが開発していくことで限りなく広がっていくだろうとしている。

【レファレンス・ラボ利用コストも上昇】 GEN は、一例としてテキサス州のラボがサンプルをLC-MS/MSレファレンス・ラボに送っているが、検査料金の高さが厳しい負担になっていることを挙げている。Texas A&M University System Health Science Center の病理学教授と、関連機関Scott & White Health Care System のLaboratory Information System のMedical Director を兼任するAmin Mohammad, Ph.D. は、「外部のレファレンス・ラボに依頼するテストに年間$500,000を支払っている。しかし、近年になって痛み管理改善やそれと並行してドラッグ乱用の問題が強調されるようになってきたため、この負担が急激に膨れあがっている。当検査室内にLC-MS/MSを備えることができれば、このコストも一気に引き下げられ、サンプルの紛失や取り違えの危険も抑えられる。患者治療の向上も図り、同時に機器購入の投資も1年半で取り戻すことができる」と述べている。   さらに、医療を受ける患者が増え、それにつれて検査の数量も急速に増えているため、サンプルを外部の臨床検査室に送ることが実際的ではなくなってきている。よく知られている例として、世界的なビタミンDテスト市場がある。このテストは2014年には年間33.5%の増加率が見込まれていた。また、痛み管理でオピオイド系の薬剤が多用、あるいは乱用されるようになり、この分野でも臨床検査室が質の良いサービスを提供するよう圧力がかかっている。臨床専門家は、「自動化・統合化の進んだLC-MS/MS機器があれば、一般的な給料で基礎的な検査室技術能力を備えた検査室技術者や研究者が四六時中でもLC-MS/MSによる検査を行うこと

【検査結果の質と対コスト効果がキー・ポイント】 さらにGENは、2台のLC-MS機器を最大限まで使い切っており、3台目購入を考えているRoyal London Hospital のconsultant biochemist、Dr. Sally Bentonの、「私たちにとっては、LC-MS/MSに二つの大きなメリットがある。まず、検査結果の精度。これは免疫学的測定法の弱点であるビタミンDとテストステロンとの場合のように類似した物質によって精度が下がるということがない。また、もう一つのメリットは費用効果の良さで、LC-MS/MSの稼働経費は免疫学的測定法の5分の1程度におさまる。どこでもそうだがイギリスでもコストが大きな要素であり、経費を節約しつつ検査結果を向上させることが至上命令になる」との発言を紹介している。 さらにGENの記事は、「検査結果の精度は、必ずやLC-MS/MSに対する臨床医療側の需要を呼び起こす」と述べている。ドイツのLabor Berlin LaboratoryのToxicology and Laboratory MedicineのDr. Torsten Binscheckは、「免疫学的測定法と質量分析計の測定精度の違いはあまりにも大きい。市場には猛烈な圧力がかかっており、臨床医は精度の優れた結果を求めて私たちのところにやってくる」と述べている。

【力を持つ既成の検査法】 普通、病院は既成の検査法を選び、検査室の責任を回避し、メーカーに責任をとらせる傾向がある。加えて、システムそのものと同様に各検査も日常的な臨床での利用には管轄規制当局の認可を必要とする(FDA 510kやCE-IVDマークのように)。現世代のLC-MS/MS機器はそういうのとは異なる。   【自動化システムとFDA認可で機器の採用も迅速化が可能】 GEN の記事の筆者で、Clinical Mass Spec Consultantsを創立したBori Shushan, Ph.D.は、ほとんどどんなタイプの病院検査室にもLC-MS/MS が備えられる日は近いと確信している。また、信頼できるサービスとサポートに加え、FDA認可あるいはCE-IVDマーク表示のメソッド、ソフトウエア、付属品、消耗品なども含んだ完全統合自動化システムが可能なはずだと考えている。GEN の記事で引用されているJohns HopkinsのAssociate Professor of PathologyとDirector of Point-of-Care Testing and TDM/Toxicologyを兼任するWilliam Clarke, Ph.D.は、理想的な自動化LC-MS/MS 機器があればアッセイの急速な普及も考えられるとして、「これが診断製品なら開発期間を考えなければならない。免疫学的測定法製品のほとんどが臨床的なニーズが考えられてから開発が終わるまでに2年から5年はかかる。しかし、質量分析法を基礎としたプラットフォームがあれば、何年もかからず、何か月という単位で開発できる。一旦臨床的なニーズが考えられると、特に小分子を扱う場合には一気に開発を進め、FDA認可申請用の製品を用意し、短期間でFDAの認可を得る可能性もあり、決定的な利点である」と述べている。D

【LC-MSプロテオミクス検査、市販化へ 】 2013年11月1日付のGenome Web に掲載された他の記事では、Integrated Diagnostics, Inc. (Indi) Xpresys Lung検査と呼ばれる、LC-MSプロテミオクス機器を基本とする検査法が発表されたことを報じている。この機器と検査法は、Indiが臨床現場用途に開発したもので、臨床医はサンプルをIndiに送って試験してもらうことができる。この製品は、CTスキャンで発見された肺小結節が良性の可能性大と判断された場合の精密検査目的で開発された。Xpresys は、患者の血液サンプル中の11種類のタンパク質の定量化するために多重反応モニタリング質量分析計を用いている。   IndiのAlbert Luderer CEOによれば、この検査法は患者の肺小結節を非がん性と判定した場合の陰性的中率は84%から98%にもなる。またIndiがCLIAラボで行っている試験は、40歳以上で肺小結節が8mmから30mmの大きさの患者を対象にしている。Genome Webの記事では、Xpresysは肺がんのリスクを持った患者の管理に有用という以外にも、トリプル四重極型質量分析計でMRM-MSを用い市場化された多重化プロテオミクスとしては初めての試験機器としている。この分野の研究者は、この方式がさらに多重化できる可能性があること、低コスト、高精度などの理由で、このプラットフォームが臨床プロテオミクスに適していると主張してきた。しかし、これまで再現性、感度、スループットなどいくつかの技術的問題が立ちふさがっていた。 この何年か、VermillionのOVA1やCrescendo BioscienceのVectra DAなどいくつかのプロテオミクスを基礎とする診断システムが市場化されているが、いずれも質量分析では

【臨床利用に向けて進化するプロテオミクス 】 しかし、最近のGenome Webによれば、いくつかのグループが、臨床現場でのMRM-MSタイプのプロテオミクスの普及を妨げてきた問題の解決に向けて大きく前進している。たとえば、2012年11月、SISCAPA Assay Technologies and Agilent の研究チームは、MRM-MSタイプのペプチド定量化をサンプル・サイクル・タイム7秒という速度で処理するワークフローについて論文を発表している (Proteo Monitor中の記事)。 Genome Web では、2013年4月にもThermo Fisher ScientificのBRIMS Centerの研究者の主導するチームが、Clinical Biochemistryで発表した論文について触れている。この論文は、同社の質量分析免疫学的測定法技術を使って開発稼働させたタンパク質定量化アッセイのシリーズについて詳述したものであり、抗体を基礎とするタンパク質濃縮をMRM-MSと関連させている (ProteoMonitor記事参照)。この研究論文発表後、BRIMS CenterのDirector、Dr. Mary Lopez Uponの「質量分析タイプのプロテオミクスはいつでも全面展開可能」との言葉が紹介されている。 Dr. LopezはIndiともXpresys試験とも利害関係がないが、Genome Webに、「Xpresys発表は、質量分析試験が臨床現場に導入されようとしていることは確かだ。これは素晴らしいことだ。医療検査技術の地平線を広げることと思う。これが今後2,3年は続く非常に大きな波の始まりであることは明らかだ」と語っている。 事実、Indiが初めてMRM-MSタイプの臨床プロテオミクス検査法を市場化したが、Sera Prognostics

【メーカー、FDAに登録: 臨床市場に向けた大きな展開 】 2014年6月、Genome Web は、Thermo Fisher Scientific が、同社のカリフォルニア州サン・ホセの施設を医療機器事業所としてU.S. Food and Drug Administration (FDA) に登録したと発表したことを報じている。この登録により、同施設は患者から採取したサンプルのインビトロ診断で分析する機器の製造ができるようになる。サン・ホセ工場は昨年ISO 13485認定を受けており、Thermo Fisher, Chromatography and Mass SpectrometryのPresident、Dan Shineの声明は、「このFDA登録で、臨床医療市場向けにClass I質量分析計を開発するという当社の事業計画が一歩前進する」と述べている。   Genome Web は、Class I医療機器としてFDAに登録されている質量分析計を製造しているメーカーには、Waters、Agilent、DanaherのAB Sciexがあるとしている。2011年、FDAは、メーカーに対して臨床現場での使用を意図している機器の登録を義務づけ始めた。 2014年8月、Genome Web は、シカゴでのAmerican Association for Clinical Chemistry (AACC) 年次総会において、AB SciexとThermo Fisher Scientificが、U.S. FDA登録のClass I機器を発表しており、質量分析計の臨床現場への普及に弾みがついたと報告している。 Thermo Fisherは、同社のPrelude MD HPLC, Endura MDトリプル四重極、ClinQuan MDソフトウエアで構成された臨床LC-MSシステ

【LTDから臨床へ】 LDT段階からFDA認可IVDキットにまで進めるためにはメーカーはその機器の510(k)認可を受けなければならない。AB Sciexのスミスは、「特にLDTを開発する能力を持つ検査室が比較的限られていることを考えれば、510(k)認可を取得することにも関心がある」と語っている。 Genome Webは、「内部で独自のLDTを開発できる検査室の数は限られており、まだその能力を持っていない検査室にこの技術を送り届けるためには、特定機器用の認可済みキットなど完全なソリューションを用意しなければならない。当社はそれをやろうとしている。ただし、それは時間のかかる作業であり、明日すぐに『キット第一弾を発売します』といえるものではないが、顧客のニーズがある限り、そのニーズを満たすことに尽力している」とのスミスの言葉を引用している。 おそらくLDT市場の規模が小さいためか、あるいは医療機関がまだ質量分析一般に対して慎重なためか、AB Sciex's 3200装置の売れ行きは比較的緩慢である。Genome Webによれば、Smithは、「この装置は徐々に普及している」と言っているが、昨年の発売以来、これまでの販売数量が「何ダースか」程度だとも言っている。Thermo FisherのStrategic Director of Life Sciences Mass Spec and Clinical Researchを務める Bradley Hartは、「将来的には当社の質量分析機器にFDAの認定を確保する予定だ」と語っている。Hartは、Genome Webの出版物「ProteoMonitor」に、「これは将来的に規模が大きくなる製品群の第一弾といえる。現在、業界全体が質量分析計を組み込んだ単純単目的化計器に向かっている。なぜならそこに事業機会があるからだ」と語ってい

【免疫学的測定法の交代は200億ドル市場】 Hartは、「業界の議論や活動は免疫学的測定法を質量分析法に切り替えていくことに集中している。特に免疫学測定法が苦手とするようなサンプル測定の分野で盛んだ。また、市場報告では免疫学的測定市場は約200億ドルと見積もられている」と、ProteoMonitorに語っている。 さらに、「従って、質量分析計が免疫学的測定が苦手な検査の分野だけでも取って代わることができれば大きな事業機会だ」と付け加えている。 ProteoMonitorは、「このような変化はある程度まですでに始まっている。Quest Diagnostics、ARUP、Mayo Medical Laboratoriesなどの企業が甲状腺がんマーカー、Tgの測定で、自己抗体のために一般的な免疫学的測定が無効な場合に質量分析を用いるようになってきている。研究専用機種から臨床市場機種まで Hartは、ProteoMonitorに対して、「ほとんどのClass I質量分析計は基本的に当社の研究専用機種 (RUO) と同等の機能だが、Thermo Fisher製品群は特に臨床市場をターゲットにしている」と語っている。このことは、Prelude HPLCについていえば、メンテナンスを簡略化し、単純化と強靱化を図るシリンジ・ポンプの採用などの特徴を備えているが、質量分析の分野ではEndura MD はRUOバージョンに比べるとその機能は限られている。 Hartは、「ユーザー・インターフェースも機能選択もすべて臨床検査室での定量化作業を念頭に単純化が図られている。RUOバージョンに比べると盛りだくさんの機能やツールは隠されているか、完全に削除されている」と述べている。 「同じように、ClinQuan MD ソフトウエアも臨床定量化作業をできる限り単純化するように設計されている」と述べてい

【Mayo Clinicが臨床検査室でLC-MS/MSを採用 】 ミネソタ州ロチェスター市のMayo Clinic Endocrine LaboratoryのDirector, Singh Ravinder, Ph.D.は、臨床検査室でのLC-MS/MS採用を強く推進してきた人物だ。現在、Mayoの検査室ではオンライン抽出とLC-MS/MS分析法を使って1日に3,500件のビタミンD欠乏症検査を行っている。 Dr. RavinderはLC-MS/MS をコルチゾール、合成コルチコステロイド、メタネフリン、エストラジオール、ビタミンD、尿アルブミンその他の分析に用いる検査法について数多くの記事を書いている。

【その他のLC-MS/MSの有望な臨床的な用途 】 2013年4月13日付のCleveland Clinicの臨床検査技師による記事は、臨床検査室でのLC-MS/MSの様々な利点を強調している。著者らは、過去10年間にLC-MS/MSが急速に普及してきた主要因として、ガスクロマトグラフィ=質量分光分析 (GC-MS) や免疫学的測定法などの検査技術に比べてLC-MS/MS の長所を挙げている。GC-MSと異なり、LC-MS/MSはやっかいなサンプル調製作業を必要としない。このサンプル調製作業はしばしば退屈な誘導体化や時間のかかるクロマトグラフィ処理時間など様々な問題がある。 事実、LC-MS/MS技術の記事を見ると、タンパク質沈殿、固相抽出、液相抽出などに5分以下のクロマトグラフィ処理時間を必要とするだけである。さらに、研究者は、「LC-MS/MSは、GC-MSと違って、標的とするサンプルの分子量や極性の制限を受けないため、MSで測定できるサンプルの種類がはるかに広がる」と述べている。そのため、LC-MS/MSは、内分泌学 (ステロイド)、治療薬物モニタリング (免疫抑制剤)、先天性代謝異常 (有機酸やアシルカルニチン)、臨床および法医学的毒物学 (薬物乱用検査), 栄養評価 (ビタミン) などのように特に難しい検査分野を含めて幅広い用途がある。 研究者チームは、「とは言え、現在臨床検査室で用いられているLC-MS/MS機器の数は他の診断分析装置と比べるとまだまだ少ないが、それにもいくつかの理由がある。まずLC-MS/MSの最大の弱点は装置の複雑さで、診断方法の開発や全面的なバリデーション、機器の保守整備には高度に熟練したラボ担当者を置かなければならない。一部のメーカーはそのために顧客を支援することもしており、カラム、キャリブレータ、コントロールなどのキットを提供してい

【依然、機器のコストが大きな障害 】 「もう一つの大きな障害は装置を購入する際には巨額の初期投資 ($200,000から$400,000) を必要とすることである。この額は小さい検査室なら購入をためらうレベルである。さらには臨床検査室のニーズをサポートする適切な現場サービスに欠けるということも障害になっている。最後に、LC-MS/MSとLISを接続しようとする努力がほとんどなされていないことが挙げられる。これは特に大量の処理を扱う検査室などではサンプルの取り違えや分析後のコピー・エラーをなくすために重要である。 それはともかくとして、論文は、「LC-MS/MSは様々な障害はあるが、診断検査室にとっては大きなメリットがある。アメリカでは、Clinical and Laboratory Standards Institute (CLSI) が、LC-MS/MS分析法のバリデーションの統一ガイドラインの必要を認め、専門家を集めてガイドラインの編成’にあたらせている。ガイドラインが発表されれば、患者医療で優れた検査法を保証するために大きく前進することになる。今後、現場サービス、購入しやすさ、自動化、LISとの接続などで臨床検査室のニーズが適切に満たされるようにするためにはメーカーとのコミュニケーションが不可欠になる」と述べている。

【2014年、CLSIが臨床化学LC-MS検査法ガイドラインを発表 】 2014年11月、CLSIが、臨床化学LC-MS検査法ガイドラインを発表した。この文書は、臨床検査室でのLC-MSの開発とバリデーションに関するガイドラインを記載している。C62-A Document Development Committee Chairholderを務め、メリーランド州ボルティモア市のJohns Hopkins University of Medicine でAssociate Professor of PathologyとDirector of Clinical Toxicology and Point-of-Care Testingを務めるWilliam Clarke, Ph.D., M.B.A., D.A.B.C.C.は、「この文書は、LC-MS分析法開発のベスト・プラクティス・ガイドラインとして有用であり、LC-MS検査法を導入する前に徹底したバリデーションを行うテンプレートとして用いることができる。このガイドラインの普及実施によって現場で多様なサンプルの臨床LC-MSアッセイの整合化が進むことを希望する」と述べている。   【 Cleveland Clinicの抗てんかん薬用LC-MS/MSアッセイ 】 LC-MS/MSを臨床現場に普及させるその他の最近の動きとして、Cleveland Clinic の病理学者、Dr. Drew PayとDr. Sihe Wangの2人が、同位体標識内部標準を用い、簡単なサンプル調製だけでlacosamide (LCM) とO-desmethyl lacosamide (OCD) の定量化作業に用いる単純高感度迅速LC-MS/MSアッセイの開発とバリデーションに関する報告を発表している。LCMは、FDA認可の抗てんかん薬で、単純部分

【 結び 】 結論として、LC-MS/MS分析技術は、臨床検査室にとって多大なメリットがあると思われるが、まだ装置のコストや操作にかなりの技術的熟練を必要とするなど、いくつかの障害が残っている。それでも、メーカーは、自動化システムやキットなど機器の稼働に必要な器材を開発していくことが予想され、LC-MS/MS分析のメリットがさらに高まり、この技術を臨床検査室でさらに幅広く利用する推進力になっていく。この記事の初めの方で述べたが、免疫学測定法をLC-MS/MS分析に置き換えるだけでも200億ドルの市場の可能性がある。それだけでも進歩の強い動機になるはずだ。  

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Edited by Michael D. O'Neill

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