まず、いくつかの主要用語を定義し、区別しておくことが重要である。まず、「targeted proteomics」と「discovery proteomics」であるが、「discovery proteomics」は、がんその他の疾患と関連している可能性のあるごく少数の「バイオマーカー」を突き止めることを目的として大量の発現タンパク質、それも未知のものも多いタンパク質を解析するためにMS技術を利用する研究者の分野の用語である。
発見したバイオマーカーは、試験によって検証され、理想としては最終的に疾患の診断観察のアッセイとして臨床に採用される。臨床現場で複数のバイオマーカーを解析する場合には、臨床医が、研究者によって疾患の状況の指標として検証済みの特定のバイオマーカーを探し、定量化する作業を行うもので、「targeted proteomics」と呼ばれる。