2015年2月27日付Genome Web (11) の報道によれば、マサチューセッツ州ピッツフィールド所在のNuclea Biotechnologies社が、2015年後半にMSアッセイ製品を発表し、臨床プロテオミクス市場参入を計画しているとのことである。NucleaのPresident、Patrick Muraca CEOは、Genome Webに対して、同社が、MSによる天然インスリンと医療用類似体の定量化検査製品と2型糖尿病用MS検査製品の臨床有効性検証を進めていると語った。
最近、同社は、Thermo Fisher Scientific's BRIMS Center勤務経験のある6人の研究者を採用したと発表している。このことは、Nuclea社がR&D中心の事業から製品販売への事業へと脱皮を図っていること、また同社が初めてMSを用いた検査製品の発表を計画しており、その足固めに力を入れていることを示している。
Muraca CEOは、Genome Webのインタビューに、「Nuclea社はプロテオミクス分野に眼を向けている。プロテオミクス・アッセイにとって、がん、代謝症候群、循環器系疾患、肝疾患、腎疾患などの分野には『大きな可能性』がある。それだけでなく、その種のアッセイには診断・予後検査の用途や疾患観察、コンパニオン診断などの用途もある」と語っている。
Nuclea社の新COO、Mary Lopez, Ph.D.は、Genome Webの取材に対して、「弊社の検査製品群にMSによる検査法を加えることで、弊社の現行技術がカバーしていない部分を補うアプローチも利用できるようになる。また、これでNuclea社にとっては、プロテオミクス臨床診断製品の分野はかつてなかったほどの広がりができる」と語っている。
Nuclea社の戦略は、ELISAやIHC検査法では十分に絞り込めない疾患徴候を対象とするMSを用いた検査法を開発することであり、Dr. Lopezは、Genome Web.に、「弊社は、開発する検査法についても、製品群全体をどのように扱うかについてもかなり現実的に対処するつもりだ」と語っている。
さらにDr. Lopezは、「質量分析計測器技術も試料調製技術もこの2,3年の間に格段に進歩してきており、多重化能力や臨床診断環境で安定したワークフローが可能になってきたのもごく最近のことだが、タンパク質を主体とするMSアッセイについては、私達は屈曲点にさしかかっていると思うし、今後急激に増加していくと思う」と語っている。
さらに、「現在のところ、タンパク質主体の臨床検査はほとんどがELISAか免疫学的なものだが、代謝症候群、糖尿病、がんなどのように複雑な疾患の多くは、特定タンパク質アイソフォームを高精度に測定し、定量化する能力が重要条件であり、現在、それができるのは質量分析だけだ」と語っている。


