環境に優しいブドウ病害対策—CRISPR/Cas9で灰色かび病耐性を向上

サイエンス出版部 発行書籍
灰色かび病(Gray Mold)として知られる Botrytis cinerea は、世界中のブドウ畑にとって重大な脅威であり、生育期間中および収穫後の品質低下とともに、多大な収穫損失を引き起こします。気候変動によってこの問題がさらに深刻化する中で、病害抵抗性を持つブドウ品種の開発がこれまで以上に求められています。病原体とブドウの遺伝的相互作用を理解することは、このような攻撃に耐えうる作物を育成するために不可欠です。こうした課題を踏まえ、ブドウの免疫機構を強化するための先進的な遺伝的介入を探るさらなる研究が必要とされています。 2024年7月10日に Horticulture Research 誌に発表された新しい研究(DOI: 10.1093/hr/uhae182)において、中国の南京林業大学(Nanjing Forestry University)および西北農林科技大学(Northwest A&F University)の研究者らは、CRISPR/Cas9技術を活用してブドウの Botrytis cinerea に対する抵抗性を強化することに成功しました。この先駆的な研究は、ブドウの免疫応答のメカニズムを詳細に分析し、より抵抗性の高いブドウ品種の育成に貢献する重要な遺伝子を特定しています。正確な遺伝子編集技術を活用することで、研究者らは非遺伝子組換え(Non-GMO)のブドウを生み出し、灰色かび病という世界的なブドウ産業の大きな課題に対処することを目指しています。本研究のオープンアクセス論文のタイトルは「Grapevine Gray Mold Disease: Infection, Defense and Management(ブドウの灰色かび病:感染、防御、管理)」です。 本研究では、Botrytis cinerea がブドウに感染する過程を詳細に解析
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