土に埋もれても大丈夫!苗の持つ「予備の力」の仕組みを解明

土に埋もれても大丈夫!苗の持つ「予備の力」の仕組みを解明

小さな種から芽生えたばかりの苗は、生き残るために驚くべき戦略を持っています。もし、やっと地上に出た新芽が、風や雨で再び土に埋もれてしまったら…?多くの人は諦めてしまうかもしれませんが、植物はそうではありません。この絶体絶命のピンチを乗り越えるための「隠し持った力」の秘密が、科学の力で解き明かされようとしています。ウィスコンシン大学マディソン校の研究者たちは、植物の茎の内部で重要な光センサー(光受容体)がどこで機能しているかを発見しました。この発見は、ダイズのような作物の生産成功率を向上させるのに役立つ可能性があります。 米国科学財団(NSF)の支援を受けたこの研究は、2024年12月10日に学術誌『Current Biology』に掲載され、苗がどのように周囲の光を検知し、自身の成長戦略を決定するのかについて新たな理解をもたらしました。このオープンアクセスの論文のタイトルは、「Separate Sites of Action for cry1 and phot1 Blue-Light Receptors in the Arabidopsis Hypocotyl(シロイヌナズナ胚軸における青色光受容体cry1とphot1の異なる作用部位)」です。 これまで研究者たちは、光受容体が、苗が十分な日光に達したことを検知し、茎の伸長を止め、エネルギーを生産するための光合成を開始するタイミングを知らせる役割を持つことを知っていました。しかし、これらの光受容体が苗のどこで作用しているのかは不明で、その結果生じる現象を研究するためには植物全体を観察する必要がありました。「私たちは、これらの光受容体の効果が茎全体に及ぶわけではなく、異なる光受容体が茎の異なる領域を制御していることを初めて突き止めました」と、ウィスコンシン大学マディソン校の植物学名誉教授であるエドガー・スポルディング

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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