老化の個人差を生む400以上の遺伝子を発見
なぜ加齢に個人差が?老化を加速させる400以上の遺伝子を特定 90代になっても心身ともに健康な人がいる一方で、ずっと若い時期から糖尿病やアルツハイマー病、運動機能の問題に悩まされる人もいます。転倒やインフルエンザといった不調からすぐに回復できる人もいれば、そうでない人もいます。なぜ、このような違いが生まれるのでしょうか?この長年の疑問に光を当てる新しい研究が登場しました。 2025年8月4日、コロラド大学ボルダー校が主導する研究チームが、学術誌「Nature Genetics」に、加速する老化に関連する400以上の遺伝子を特定したと発表しました。この研究は、老化のタイプが一つではないことを示唆しており、将来の老化治療に新たな道を開くかもしれません。 この研究論文のタイトルは「Uncovering the Multivariate Genetic Architecture of Frailty with Genomic Structural Equation Modeling(ゲノム構造方程式モデリングを用いた虚弱性の多変量遺伝的構造の解明)」です。 この論文で、国際的な共同研究チームは、7つの異なるサブタイプにわたって加速する老化に関連する400以上の遺伝子を特定しました。この研究により、認知機能の低下から運動能力の問題、社会的孤立に至るまで、「虚弱性」として知られる老化のタイプごとに、異なる遺伝子群がその背景にあることが明らかになりました。 この発見は、「ジェロサイエンス仮説」として知られる考え方を裏付けるものです。つまり、加齢に伴う複数の慢性疾患を治療するためには、老化そのものを治療する必要があるという考え方です。 論文の筆頭著者であり、コロラド大学行動遺伝学研究所の博士研究員であるイザベル・フット博士(Isabelle Foote, PhD)は、「加
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Edited by Michael D. O'Neill

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