膵臓がんの大規模ゲノム配列解析研究で遺伝子関与が明らかに
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膵臓がんの原因となる複雑な潜在的突然変異の過程を突き止める大規模な研究が、100人を超える膵臓がん患者を対象にして実施され、2012年10月24日付Nature誌に発表された。この研究は、国際がんゲノムコンソーシアム (ICGC) に参加しているオーストラリアの研究者の初論文であり、ICGCは、がんタイプ50種のそれぞれの遺伝的要因を突き止めるために、世界のトップクラスの科学者が協力して研究することを目的としている。膵臓がんは主要がんタイプの中でももっとも死亡率が高く、しかも、過去40年間に生存率がほとんど向上していないがんはこの膵臓がんを含めてごくわずかしかない。 また、がん死の原因としても4番目に多い病気である。 クイーンズランド大学分子生物科学研究所 (IMB) のショーン・グリモンド教授と、ニューサウスウェールズ州シドニーのガーバン医学研究所/セント・ビンセント病院キングホーンがんセンターのアンドリュー・ビアンキン教授が100人を超える研究者の国際チームを率い、100人を超える膵臓腫瘍患者のゲノム配列の解析を行い、それを正常な組織と比較することで、がんを引き起こす遺伝子の変化を突き止める研究を進めてきた。グリモンド教授は、「これまでに2,000を超える遺伝子の突然変異を発見した。KRAS遺伝子では検体の90%にこの遺伝子の変異があったし、腫瘍の1%から2%程度でしか見つからない遺伝子変異は何百種類もあった」と述べている。さらに、「従って、腫瘍はいずれも顕微鏡で見れば同じように見えるが、遺伝子解析すれば、腫瘍も患者の数と同じくらいの違いがあることが明らかになる。つまり、いわゆる『膵臓がん』も単一の病気ではなく、数多くの病気の総称であり、同じがんにかかっているように見える患者もそれぞれ違った治療法が必要なのではないかと考えられる」と述べている。ビアンキン教授は
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