
これまで突然変異したタンパク質p53が、さまざまな癌の発症において重要な因子であり、一方でその変異していない形態は、癌から保護することが知られてきた。 これらの対立する特質により、p53タンパク質およびそれをコードする遺伝子は生物学において最も研究されている対象の一つだが、その安定性および機能を支配する分子機構はまだ完全には理解されていない。
ウィスコンシン大学マディソン校(UW-Madison)の癌研究者であるRichard A. Anderson博士とウィスコンシン大学医学部のVincent Cryns医師らの研究チームは、重要なタンパク質の予想外の調節因子の発見を報告し、それを標的とする薬物の開発へ扉を開いた。2019年3月18日にNature Cell Biologyに掲載されたこの論文は、「核ホスホイノシチドキナーゼ複合体がp53を調節する(A Nuclear Phosphoinositide Kinase Complex Regulates p53.)」と題されている。
「ローマ神話の出入り口と扉の守護神ヤヌスの様に、p53には2つの面がある。p53遺伝子は癌において最も頻繁に変異する遺伝子であり、そして変異すると、それはその機能を腫瘍抑制因子から癌遺伝子の大部分を駆動する癌遺伝子に変える。」とAnderson博士は述べた。
Anderson博士によると、通常p53タンパク質は「ゲノムの保護者」として働き、紫外線、化学物質、その他の方法で損傷を受けたDNAの修復を開始し、腫瘍の増殖を防ぐ。 しかし、変異するとタンパク質は悪事を働くようになり、未変異のタンパク質よりも安定して豊富になり、細胞の核に蓄積して癌を引き起こす。
ウィスコンシン大学の研究チームで、Suyong Choi博士とMo Chen博士がこの安定性を推進する新しいメカニズムを発見した。 この原因はPIPK1-αと呼ばれる酵素であり、その脂質メッセンジャーはPIP2として知られており、p53の主な調節因子として振る舞うらしい。
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