ALS治療の突破口?病初期で進行を阻止する新メカニズムを発見

サイエンス出版部 発行書籍
ALSの進行を食い止める可能性:早期診断で新たな治療法を模索 アメリカでは毎年約5,000人が筋萎縮性側索硬化症(ALS、別名ルー・ゲーリッグ病)と診断されています。疾患の進行は速く、診断後の生存期間は平均して2〜5年とされています(CDCデータより)。この神経変性疾患は脳や脊髄のニューロンを死滅させ、筋力低下、呼吸不全、認知症を引き起こします。しかし、ALSの初期段階で運動ニューロンが劣化し始めるメカニズムは依然として不明なままでした。こうした中、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の研究チームがALS初期段階の神経変性を引き起こす主要経路を特定し、発症前に進行を防ぐ新たな治療法開発につながる可能性を示しました。 本研究は2024年10月31日にNeuron誌で発表され、論文タイトルは「Inhibition of RNA Splicing Triggers CHMP7 Nuclear Entry, Impacting TDP-43 Function and Leading to the Onset of ALS Cellular Phenotypes(RNAスプライシングの抑制がCHMP7の核内移行を引き起こし、TDP-43の機能に影響を与えてALS細胞表現型を誘発する)」です。 TDP-43タンパク質とALS発症のカギ 運動ニューロン内の核に存在するTDP-43というタンパク質は、細胞が機能するために必要な遺伝子発現を調節しています。しかし、TDP-43が核の外に出て細胞質に蓄積することがALSの顕著な特徴であると知られています。このタンパク質がどのようにして不適切な位置に移動し、神経変性を引き起こすのかは長年の謎でした。研究チームの代表著者であるユージン・ヨウ博士(Gene Yeo PhD、UCSD医学部教授)は、「ALS患者においてTDP-43が
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