呼吸器感染症の迅速診断を可能に:次世代メタゲノム解析の自動化

呼吸器感染症の迅速診断を可能に:次世代メタゲノム解析の自動化

サイエンス出版部 発行書籍

次世代メタゲノムシーケンス(mNGS)による画期的な感染症診断法:UCSFの研究成果 カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)で開発されたゲノム検査が、脳脊髄液(CSF)中のほぼすべての病原体を迅速に検出できることが実証されました。この検査は、髄膜炎や脳炎などの神経感染症の診断を大幅に改善する可能性を秘めており、新たなウイルスパンデミックの脅威を早期に発見する役割も期待されています。検査は、メタゲノム次世代シーケンス(mNGS)と呼ばれる強力なゲノム解析技術を使用します。これは、サンプル中のRNAやDNAを網羅的に解析し、1種類の病原体に絞らずに検出することが可能です。 「この技術は見た目には単純ですが、複数の検査を1つの検査で代替することで、感染症診断の試行錯誤をなくすことができます」と、UCSFの検査医学・感染症学教授であり、今回の研究の責任著者であるチャールズ・チウ博士(Charles Chiu, MD, PhD)は述べています。 神経感染症の診断におけるmNGSの成功 2014年にチウ博士らは、この技術を用いて重篤な症状を示していた少年を診断しました。他の検査では原因が特定できませんでしたが、UCSFの検査により48時間以内にレプトスピラ症が判明。ペニシリンによる治療で完全に回復しました。その後、このmNGS検査はUCSFで標準化され、全米の病院や診療所からCSFサンプルが送られるようになりました。 2024年11月12日付けのNature Medicineに掲載された論文「Seven-Year Performance of a Clinical Metagenomic Next-Generation Sequencing Test for Diagnosis of Central Nervous System Infections」によれば、

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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