代謝産物使った診断検査で膵臓がん早期発見の試み
サイエンス出版部 発行書籍
日本で新しく開発された診断検査は、メタボローム解析と呼ばれるテクニックを用いており、安全簡単な検査法で早期発見を可能とするため、膵臓がん患者の予後を大きく改善することになるかもしれない。American Association for Cancer Researchの学術誌「Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention」の2013年3月29日付オンライン版に掲載された研究報告によると、日本の研究者チームは、膵臓がん検診方法として、血清のメタボローム解析の有用性を試験した。 研究を指導した神戸大学医学研究科病因病態解析学准教授の吉田優博士は、「膵臓がんには外科的な切除術が治療法としてあるが、膵臓がん患者の80%以上が局所進行型または転移型の腫瘍で、がんが見つかった時にはすでに切除不可能ということが多い。 血液、透視画像、内視鏡を使った通常の検査では、膵臓がん検査や早期発見には不適当で、そのため、膵臓がんに対しては新しい検査法や診断法が喫緊に求められている」と述べている。研究チームは、ガスクロマトグラフィ質量分析計を用い、膵臓がん患者、慢性膵炎患者、健康なボランティアから採取した血液の代謝産物の各濃度を測定した。その際に膵がん患者43人と健康なボランティア42人をランダムに選んでモデル化集合に割り当て、膵臓がん患者42人と健康なボランティア41人を検証集合に割り当てた。また、慢性膵炎患者23人はすべて検証集合に割り当てた。モデル化集合で生成したメタボローム・データを解析した結果、血中の代謝産物18種類の濃度が、膵臓がん患者の場合には健康なボランティアとかなり異なることが示された。研究チームは、さらに研究を進め、4種類の代謝産物の血中濃度を測定するだけで膵臓がんを予測する方法を開発した。モデル化集合での試験でこの予測法
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