MRSAの抗生物質感受性をシングルセル解析で迅速に判別
サイエンス出版部 発行書籍
University of California (UC), San Diego (UCSD) の生物学者と生物医学者の研究チームは、細菌が抗生物質に感受性を持つかどうかを2,3時間で判定する新しい検査法を開発した。これは大きな前進というべきで、薬剤耐性化を遅らせ、さらに、医師にとっては、一刻を争う致命的な細菌感染症の細菌に合わせた治療を迅速に判断することができる。 EBioMedicine誌オンライン版に掲載された研究論文で、この研究チームは、黄色ブドウ球菌の迅速な感受性検査法を開発したと報告している。院内感染症のざっと60%がこの細菌によるものであり、また一般社会にも広がっており、健康人にも免疫低下患者にも肺炎や様々な皮膚・組織感染の原因になっている。生物医学研究者は、「現場の医師は、薬剤耐性株 (一般にMRSAと呼ばれるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌) と、薬剤感受性株を急いで判別しなければならず、特に前者は感染の進行が速く、MRSA株が、院内感染型病原体の治療に使われる新しい抗生物質に対しても耐性を獲得している場合にはなおさら一刻を争う事態になるため、この検査法は重要な開発だ」と評価している。 Centers for Disease Control and Preventionによると、抗生物質耐性のために年間200万人が病気にかかり、23,000人が死亡している。また、抗生物質耐性の被害は、アメリカ経済にとっては直接の医療費だけで年間約200億ドルの負担になり、さらに患者の入院日数も総計で年間800万日にのぼる。事実、世界中の生物医学研究者が新薬を商品化するより速く、細菌が抗生物質に対する耐性を獲得するようになっており、どんな治療にも耐性を持つ細菌による感染症例が現れてきている。迅速な抗菌剤感受性テストが可能になれば、薬剤感受性の高い細菌の感染は、ペニシリ
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