涙から分離したエクソソームを解析することで病気の診断ができるようになるかもしれない
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医者に行くと泣きたくなることがあるが、新研究によれば、医者は将来その涙を有効利用できるようになるかもしれない。2022年7月20日にACS Nano誌に掲載された論文で、ハーバード大学と中国の温州医科大学の研究チームは、涙から採取したエクソソームを精製するナノ膜システムを開発し、疾患バイオマーカー探索のための迅速な分析を可能にしたとの報告がなされた。iTEARSと名付けられたこのプラットフォームは、症状のみに頼らず、多くの疾患に対して、より効率的で侵襲性の低い分子診断が可能になると期待される。このオープンアクセス論文は「迅速分離システム: iTEARSによる涙のエクソソーム解析で病気の秘密を発見(Discovering the Secret of Diseases by Incorporated Tear Exosomes Analysis Via Rapid-Isolation System: iTEARS)」と題されている。 病気の診断は、患者の症状の評価に依存することが多いが、初期段階では観察不能であったり、報告の信頼性に欠けることがある。エクソソームと呼ばれる小胞構造から特定のタンパク質や遺伝子など、患者から採取したサンプルから分子的な手がかりを特定できれば、診断の精度を向上させることができる。しかし、これらのサンプルからエクソソームを単離する現在の方法は、長くて複雑な処理工程や大量のサンプルを必要としていた。涙液は、一度に採取できる量はごくわずかだが、非侵襲的に素早く採取できるため、サンプル採取に適している。そこで、ハーバード大学医学部のLuke Lee博士と温州医科大学のFei Liu博士らは、もともと尿や血漿からエクソソームを分離するために開発したナノ膜システムを用いて、涙からこの小胞を迅速に取得し、疾患バイオマーカーを分析できないかと考えた。 研究チームは、
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