好中球の化学伝達システムのユニークな起源に核由来のエクソソームが関与していることが判明
サイエンス出版部 発行書籍
我々の体内には好中球と呼ばれる細胞の軍隊があり、傷口にいる細菌や気道に侵入するウイルスなど、あらゆる侵入者を排除するために準備万端整えている。好中球は、免疫システムの最初の防御線として、感染症を防ぐために攻撃し、援軍を呼ぶという協調的な働きをしている。ミシガン大学医学部薬理学・細胞発生生物学教室のキャロル・ペアレント博士は、「好中球は体内で最も速い免疫細胞で、1分間に細胞1個分の距離を移動することができる」と説明している。好中球が浸潤部位に迅速に反応するのは、走化性という化学的メッセージシステムによるものだ。ミシガン大学メディカルスクールとミシガン大学ライフサイエンス研究所のペアレント博士とその同僚による新しい研究は、これらの化学物質の正確で驚くべき生成方法について説明している。 その場所に最も近い好中球は、病原体が放出する化学物質を感知し、自らロイコトリエンB4(LTB4)という別の化学物質を放出し、異物や細胞の残骸を食べたり、分解したり、捕捉するためにその場所にさらに好中球を呼び寄せる。 LTB4を作る酵素は、エクソソームと呼ばれる小胞の中に入っており、これが一種の保護膜の役割を果たしていると、ペアレント博士は説明する。好中球が移動するとき、この小胞を分泌して内容物を放出し、化学的勾配を作り出し、さらに多くの免疫細胞を呼び出すリレーを開始するのだ。 2022年6月23日にNature Cell Biologyに掲載されたこの新しい論文は、「セラミドが豊富なマイクロドメインが核膜の出芽を促進し、従来とは異なるエクソソーム形成を実現する(Ceramide-Rich Microdomains Facilitate Nuclear Envelope Budding for Non-Conventional Exosome Formation)」と題されており、好中球からエクソソ
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