エクソソーム、ディープ・シーケンシング、バイオマーカーへの応用も
サイエンス出版部 発行書籍
2013年4月17日から20日までボストンで開かれた年次恒例のInternational Society for Extracellular Vesicles (ISEV)において、アムステルダムのVU University Medical Center、Pathology Departmentの免疫学者、Michiel Pegtel, Ph.D.が、「包括的なディープ・シーケンシングで、特定のRNA小片が腫瘍の エクソソーム に組み込まれていることを突き止めた。この発見から、新しくバイオマーカーとして応用することも考えられる」と口頭発表した。エクソソーム (写真) は、細胞より小さな膜結合性の小胞 (直径30nmから150nm) で、様々なタイプの正常細胞からもがん細胞からも放出され、小胞内に膜タンパク質、細胞タンパク質、microRNA (miRNA)、その他、mRNA断片を含む様々なタイプのRNAを含んでおり、その内容はエクソソームを放出した細胞によって異なる。 このエクソソームは細胞間の情報運搬の役目を担っていると考えられている。たとえば、がん細胞から放出されたエクソソームには免疫系を抑制する物質が含まれており、血管新生を刺激し、それによって腫瘍増殖を促すことになる。 Dr. Pegtelは、BioQuickとのインタビューで、博士の研究においてはディープ・シーケンシングが重要な役割を果たしていることを強調し、「マイクロアレイやRT-PCRアレイなどのように閉じられたプロファイル技術とは対照的に、ディープ・シーケンシングは文字通り、人体のトランスクリプトームの複雑さについて我々の目を開かせてくれるものだ。私たちが以前に個別定量RT-PCRを用いて行った研究で、腫瘍ウイルスのエプスタイン・バー・ウイルス (EBV) に感染したヒトB細胞から放出されたエクソソ
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