エクソソームを用いた血液検査でパーキンソン病と多系統萎縮症の識別に成功
サイエンス出版部 発行書籍
UCLAヘルスの研究者らは、パーキンソン病と多系統萎縮症(MSA)というよく似た2つの運動障害を見分けることができる血液検査を開発した。この検査法は、脳細胞から送り出されて血液中に混入する「 エクソソーム 」と呼ばれる微小な小胞の内容物を分析することで、パーキンソン病を識別するもので、現在は研究用に限定されている。 今回の研究成果は、2021年5月15日付でActa Neuropathologica誌に掲載された。このオープンアクセス論文は、「パーキンソン病と多系統萎縮症を区別するために、神経細胞およびオリゴデンドログリアマーカーを用いて免疫沈降させた血液中のエクソソーム中のα-シヌクレインについて(α-Synuclein in Blood Exosomes Immunoprecipitated Using Neuronal and Oligodendroglial Markers Distinguishes Parkinson's Disease From Multiple System Atrophy)」と題されている。パーキンソン病は、筋硬直や振戦などの症状が類似しているため、MSAを含む他の神経変性疾患との区別が難しい場合がある。 どちらか一方の疾患と誤って診断された患者は、予期せぬ症状が出たときに不安を感じたり、パーキンソン病の誤診の場合は、予測よりも早く病気が進行してしまったりすることがある。 UCLAのデビッド・ゲフィン医科大学の神経学教授であるGal Bitan博士は、「パーキンソン病であれば、多くの治療法があり、長期間にわたって症状を改善することができる」と語る。「MSAは非常に攻撃的な病気で、急速に症状が悪化するため、愛する人と話し合ったり、財産管理をしたり準備したいと思うだろう」と述べている。 また、不正確な診断は、臨床試験の結果を歪める可
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