幹細胞から放出されたエクソソーム中の特定miRNAが卒中からの回復に関与
サイエンス出版部 発行書籍
Henry Ford Hospitalの研究チームは、動物を使った新しい研究で、卒中発作後に幹細胞から放出される エクソソーム と呼ばれる微小な (50nm) 脂質性の細胞内器官に内包されるRNA (リボ核酸) 塩基配列のごく短いmicroRNAのうち、特定のものが神経的な回復に一役買っていることを突き止めた。研究チームのラットを用いた実験では、この特定のmicroRNAが幹細胞からエクソソームを使って脳細胞に送られ、卒中発作後の機能回復を強化していた。 この研究で、幹細胞が負傷した組織の再生に重要な役割を果たしていることが明らかになってきただけでなく、成人に長期的な障害を引き起こす卒中や神経疾患に新しい治療法を開発できる希望も生まれてきた。この研究論文は、2013年4月30日付オンライン版「Stem Cells」に掲載されている。卒中患者のほとんどは、手など一旦はマヒしていた体の各部分を自分の意思で使えるところまで回復するが、約半数の患者は体の片側が自由に動かない状態が続き、一生障害を抱えることになる人も大勢いる。現在のところ、卒中患者の運動機能を改善したり、回復する治療法はなく、その原因として脳や神経が損傷した後に自ら修復する機序が’まだ謎に包まれていることが挙げられる。この研究論文の首席著者、Henry Ford Neuroscience Instituteの科学部長、Department of Neurology at Henry Ford Hospitalのvice chairmanを務めるMichael Chopp, Ph.D.は、「この研究は、脳が、卒中その他の外傷を受けた後、自分自身を治療する能力があり、それに対して特定の幹細胞がそれぞれ異なる度合いで役割を果たしていることを証明し、これまで謎とされてきた問題の一つを解決に導いた可能性がある」と述べて
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