免疫療法抵抗性腫瘍はリンパ節に移動して免疫細胞活性化を遠隔的に阻害するPD-L1が詰まったエキソソームを輸送することが発見された

2019
5月 23
(木)
19:30
創薬研究のバイオニュース

免疫療法抵抗性腫瘍はリンパ節に移動して免疫細胞活性化を遠隔的に阻害するPD-L1が詰まったエキソソームを輸送することが発見された

チェックポイント阻害剤として知られている免疫療法薬は癌の治療に革命をもたらした。最近まで治療不可能と考えられていた悪性腫瘍を持つ多くの患者が長期寛解を経験している。 しかし、多数の患者がこれらの薬には反応せず、特定の癌で他のものより遥かによく効くことに科学者は混乱してきた。

現在、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究者、およびカリフォルニア大学バークレー校の共同研究者は、なぜ多くの癌がこれらの薬に反応しないのかを説明する驚くべき現象を特定し、病気に対する免疫システムを解き放つ新しい戦略を示唆している。

2019年4月4日にCellのオンラインで発表されたこの論文は、「エキソソームPD-L1の抑制による全身性抗腫瘍免疫と記憶の誘導(Suppression of Exosomal PD-L1 Induces Systemic Anti-Tumor Immunity and Memory.)」と題されている。

「黒色腫のような最善のシナリオでは、免疫チェックポイント阻害剤に反応する患者はわずか20〜30%だが、前立腺癌のように他のケースでは1桁の奏効率しかない。それは患者の大多数が反応していないことを意味する。 その理由を知りたかったのだ。」とRobert Blelloch博士(UCSFの泌尿器科教授および新研究の上級著者)は述べた。

悪性組織では、PD-L1と呼ばれるタンパク質が「見えない外套」として機能する。PD-L1をその表面に提示することによって、癌細胞は免疫系による攻撃から身を守る。 最も成功している免疫療法のいくつかは、PD-L1または免疫細胞上に存在するその受容体、PD-1を妨害することによって作用する。

PD-L1とPD-1との間の相互作用が遮断されると、腫瘍は免疫系から隠れるそれらの能力を失いそして抗癌免疫攻撃に対して脆弱になる。 いくつかの腫瘍がこれらの治療に耐性があるかもしれない1つの理由は、それらが既存のチェックポイント阻害剤が作用する場所がないことを意味するPD-L1を生成しないということだ。科学者らは以前に、PD-L1タンパク質が前立腺癌患者の腫瘍細胞に低レベルで存在する、または完全に存在しないことを示し、潜在的に治療に対する耐性を説明していた。

しかし、新しい論文の中で、Blelloch博士のグループは、このパズルに対する非常に異なる答えを提案している:PD-L1はこれらの腫瘍によって大量生産されている、しかしその表面にタンパク質を提示する代わりに癌細胞はPD-L1を含むエキソソームを放出する。

 

続きを読む
ここから先は会員限定のコンテンツです
  •      


この記事が役に立つたらぜひシェアしてください!
このエントリーをはてなブックマークに追加

閲覧(1212)

バーチャル展示会:おすすめバイオ研究支援ツール



    大容量の抗体精製に使用できる優れた結合能 Ab-Capcher 抗体精製アフィニティ磁気ビーズは、特許の高結合・アルカリ耐性 rProtein A 誘導体を結合したアフィニティ磁気ビーズです。 従来製品の約5倍の結合能とアルカリ洗浄による再使用ができるため、従来のアフィニティ磁気ビーズでは困難だった多量の抗体精製を簡便に行うことができます。 ラット・マウスをはじめ幅広い生物種の抗体精製にご利用いただけます。もっと読む



サイト運営者

バイオアソシエイツ株式会社

バイオアソシエイツ株式会社
東京都千代田区永田町2-11-1 山王パークタワー 3F
BioAssociates.co.jp

What We Do

ライフサイエンス事業向け
マーケティングサービスを提供しています


  • マーケティングリサーチ
  • コンサルティング
  • 外部連携支援
  • 科学顧問
  • マーコム