ガン幹細胞仮説を支持する結腸直腸ガンの新知見

ガン幹細胞仮説を支持する結腸直腸ガンの新知見

サイエンス出版部 発行書籍

ボストン小児病院(Children's Hospital Boston)の研究者は、ABCB5と呼ばれるバイオマーカーが、結腸直腸ガン領域内のごく一部の細胞にタグを付け、さらに、スタンダードな処置に対して細胞内で抵抗性が高まることを発見した。この結果はABCB5発現細胞の排出が、結腸直腸ガン治療の成功のカギとなることを示唆している。その一方で、ガン幹細胞仮説と呼ばれるガン細胞増殖のエビデンスが増えていることをも示唆された。研究は国際的なチームで進められており、リーダー的存在はボストン小児病院移植研究センター(Transplantation Research Center at Children's Hospital Boston)のDr. Brian J. Wilson氏、Dr. Tobias Schatton氏、Dr. Markus Frank氏であり、VAボストンヘルスケアシステム・ブリガム女性病院(VA Boston Healthcare System and Brigham and Women's Hospital)のDr. Natasha Frank氏や、ドイツのユリウス・マクシミリアン大学ヴュルツブルク(University of Wurzburg)のメンバー等が参加している。研究成果は、ジャーナルがん研究(journal Cancer Research)電子版(2011年6月7日付)に発表された。   本年でも推定141,000人のアメリカ人が、結腸直腸ガンの診断をうけるのではないかと予測される。がん検診と選択可能な治療方法の拡大のおかげで結腸直腸ガンの死亡率は過去20年間、低下し続けているが、依然として、アメリカ合衆国のガン関連死亡原因の第二位である。 Frank氏のチームは、黒色腫と肝ガンのガン再発に関与するマーカーとしてのABCB5の役割を認識した

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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