幹細胞を用いた「ペトリ皿で疾患を再現する」研究で、主要な精神障害は神経回路形成不備が原因との新たな証拠提出
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長年、研究者は、主要精神障害がニューロン同士をつなぐシナプスの遺伝的な原因による障害ではないかと考えていた。しかし、最近、National Institutes of Health (NIH) などの機関の援助を受けた研究チームが患者の細胞を使った研究を行い、特定遺伝子のごくまれな突然変異によって、シナプス接続に関わるいくつもの遺伝子のオン・オフが混乱させられることを実証した。 NIHのNational Institute of Mental Health (NIMH) から研究資金を受けた、Johns Hopkins University, BaltimoreのHongjun Song, Ph.D.は、「この研究結果は、複雑な精神疾患の患者の脳内で遺伝的なリスク、脳発育異常、シナプス機能障害が脳の神経回路を損なう仕組みを細胞レベルで明らかにした」と述べている。Dr. Songとアメリカ、中国、日本の大学の共同研究者の研究論文が2014年8月17日付Nature誌に掲載されている。NIMHのdirector、Thomas R. Insel, M.D.は、「この研究のアプローチの仕方は、脳発育と遺伝的手がかりを結ぶモデル・ケースになる」と述べている。 統合失調症などほとんどの主要精神障害は、複数の遺伝子と環境的要因の複雑な相互作用によって引き起こされると考えられている。しかし、単一の家族の間で遺伝している単一疾患関連遺伝子のまれな症例を研究することで発見の糸口を早くつかむこともできる。何十年も前、研究チームは、あるスコットランド氏族の間に高率で出現する統合失調症と、しばしば遺伝的に重なり合って現れるその他の精神障害を調べ、それがDISC1 (Disrupted In Schizophrenia-1) と呼ばれる遺伝子の突然変異に由来することを突き止めた。しかし、これ
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