ヒトの皮膚細胞を胚性幹細胞に転換
サイエンス出版部 発行書籍
Oregon Health & Science University (OHSU) と Oregon National Primate Research Center (ONPRC) の研究者グループは、ヒトの皮膚細胞をリプログラムし、胚性幹細胞への転換に成功した。この胚性幹細胞は体内で他の細胞に変化する能力を持っている。幹細胞治療法は、負傷や疾患で破損した細胞を新生した細胞で置き換えることで治療する可能性が期待されており、この治療法に適した疾患や負傷として、パーキンソン病、多発性硬化症、心臓病、脊髄損傷などがある。 2007年にモンキーの皮膚細胞を胚性幹細胞に変換することに成功したのに続き、今回、ONPRCの上席研究員、Shoukhrat Mitalipov, Ph.D. の率いる研究チームが成功した成果は、2013年5月15日付「Cell」オンライン版に掲載されている。今回の研究で、Mitalipov、Paula Amato, M.D. 両博士と、OHSUのDivision of Reproductive Endocrinology and Infertility、Department of Obstetrics & Gynecologyの研究者が採用した手法は、体細胞核移植、あるいはSCNTと呼ばれる一般的な手法を少し変えたもので、ヒト個体のDNAを持った細胞核が遺伝物質を取り除かれた卵細胞に移植され、その後この未受精卵は成長し、最終的に幹細胞を生成する。 Dr. Mitalipovは、「この手法で得られた幹細胞を徹底的に試験したが、正常な胚性幹細胞と同じように、神経細胞、肝細胞、心臓細胞などいくつかの細胞タイプに変わることができた。そればかりでなく、リプログラムした細胞は患者の細胞核の遺伝物質を用いて生成することができるため、移植拒絶反応の
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