新しいアプローチで心筋梗塞リスク引き下げる遺伝子変異突き止める
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ある研究者チームが、血中脂質レベルを健康な状態に下げ、心筋梗塞のリスクを引き下げる働きのある遺伝子変異を発見した。この変異はこれまで機能を知られていなかったもので、この発見を手がかりに高コレステロールその他の脂質疾患の診断治療に役立てられる可能性が考えられている。しかし、この遺伝子の機能よりも驚くのはその発見の過程で、過去に循環器系のリスクに関わる遺伝子の探索が行われた際にはこの遺伝子の存在が歴然としていながらその機能が見過ごされていたことだ。 問題の遺伝子が発見されたDNAの領域は、2008年に同じ研究チームのメンバー数人が研究論文の中で血中脂質レベルを調整する重要な機能の可能性を指摘している。DNAのこの領域にはかなりの数の遺伝子があるが、いずれも血中脂質レベルと関連があるようには見えなかった。まったく未知の脂質関連遺伝子の確認にはさらに6年の歳月と新しいアプローチが必要だった。 University of Michigan (U-M) と Norwegian University of Science and Technologyの研究チームは、2014年3月16日付Nature Geneticsオンライン版に掲載された研究論文で、「まったく新しい方法で、問題の遺伝子を捉えることに成功した」と報告している。研究チームは、Biobankにある何千人ものノルウェー人の遺伝子情報をスキャンし、タンパク質の機能を変える遺伝子の変異に注目した。結局、その大部分はコレステロール・レベルその他の血中脂質レベルを変化させることがすでに知られていた。ただ、TM6SF2と呼ばれる遺伝子だけはそれまでレーダーに捉えられていなかった。ノルウェー人の中でごく少数の人口がこの遺伝子の特定変異型を持っており、多数派の国民に比べて血中脂質レベルがはるかに健康な水準であり、心筋梗塞のリスクも
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