「Urzyme」新発見、生命の起源「RNA世界」説に挑戦
サイエンス出版部 発行書籍
地上に生命体が現れる前には混沌とした液状の分子が漂っていた。これを「原始スープ」という。ある時、ごく少数の特殊な分子が自己複製を始めた。この自己複製が生化学的過程の始まりで遂には最初の生命体が出現することになるという仮説については科学者の支持で一致している。しかし、どのようにして分子の自己複製が始まったのかということは科学界にとって永遠の謎の一つだ。 しかし、2013年9月13日付「Journal of Biological Chemistry」誌に掲載された研究論文で、University of North Carolina (UNC) School of Medicineの生化学者、Charles Carter, Ph.D.と同僚研究者らが、生命体の発生について興味深い仮説を提出している。この論文はJBCの、「今週の論文」の一つに選ばれた。Dr. Carterチームの研究は、地上で生命が発生する上で重要な役割を果たしたのではないかと考えられる原始的なタンパク酵素を再現した実験結果に基づいている。Dr. Carterの発見は、これまで一般的に考えられていたような、「リボ核酸 (RNA) が単純なタンパク質の力を借りずに自己複製し、現在知られているような生命体にまで行き着いた」という説を真っ向から脅かすものだった。1980年代初め、研究チームは、ribozymes、つまりRNA酵素が触媒として作用することを突き止めた。RNAが青写真の役目をすると同時に、その青写真を複製する化学触媒の役割も果たすことができるという証拠だった。この発見が、「RNA世界」仮説に結びついた。この説では、RNAが単独で分子の海から生命が浮かび上がってくる引き金になったとしている。しかし、この仮説が正しいとするためには、古代のRNA触媒が、現在の酵素と同じようにほぼ正確に複数のRNA青写真を複
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