新生児の無脾症に関連する遺伝子が初めて発見される

2013
6月 19
(水)
16:10
遺伝子研究のライフサイエンスニュース

新生児の無脾症に関連する遺伝子が初めて発見される

ニューヨーク市にある、ワイルコーネル医科大とロックフェラー大学の研究チームが、脾臓を欠いて生まれてくる無脾症に関連する遺伝子を、初めて同定した。無脾症は感染に対する抵抗が極めて弱いため、この疾患を持った子供達は感染症による死の危険に晒されているのだ。遺伝子Nkx2.5は、マウスにおいては、発生初期の段階で脾臓の創生関与している事が実証された。この研究はDevelopmental Cell誌の2012年5月3日号オンライン版に発表されたが、簡単な血液検査でNkx2.5の変異を調べることにより、生まれてくる赤ん坊が無脾症である可能性を予測できるというのだ。確定診断はスキャン画像によって行なわれる。「近年では適切な抗生物質の使用により、無脾症の子供達が死に至る事はありません。この診断は予め不慮の死を防ごうとするものなのです。」と主席研究者であり、ワイルコーネル医科大の細胞・発生生物学准教である、リシア・セレリ博士は語る。感染を防御する機構の一部は脾臓が担っているので、無脾症の子供には一生を通して抗生物質の投与計画を建てねばならない。しかし残念な事に現実にはほとんどの場合、致命的な感染症に罹患して肺炎や髄膜炎を起こし、あっと言う間に亡くなった後の剖検で、この先天性無脾症候群である事が判明するのである。

「そういう訳ですから、この症候群は極めて稀だとは言っていられないのです。それに、感染症で亡くなった子供が全ケース剖検されるわけではありません。」とセレリ博士は話す。先天性無脾症候群の患者は、脾臓を欠損するという一つの異常だけを有するのが普通だが、時には心臓や血管に異常を有する場合もある。そのような症例は散発的に見受けられ、遺伝性ではないと考えられる。この疾病の1形態として孤立性先天性脾欠損症(ICA)が知られており、これは脾臓の欠損以外に発生学的な異常は無いのが特徴である。その原因は遺伝性と考えられてはいるが、候補遺伝子はみつかっていない。この研究プロジェクトは、セレリ博士研究室とセントジャイルス研究所感染症人類遺伝学科の教授でロックフェラー大学のジーン・ローレント・カサノバ博士との、共同研究である。

 

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