「言葉の遺伝子」ついに発見か?ヒト特有のタンパク質がマウスの鳴き声を変えた!

「言葉の遺伝子」ついに発見か?ヒト特有のタンパク質がマウスの鳴き声を変えた!

「言葉」は、私たち人間を特別な存在にしている能力の一つです。遠く離れた水源への道を教えたり、沈みゆく夕日の複雑な色合いを描写したり。では、なぜ私たちホモ・サピエンスだけが、これほど複雑な言語を操れるのでしょうか?その起源は、今なお大きな謎に包まれています。しかし、その謎を解き明かすかもしれない驚くべき遺伝子の手がかりが、この度、米国の研究チームによって発見されました。なんと、ヒトにしかない特殊なタンパク質をマウスに組み込んだところ、マウスたちの鳴き声が変化したというのです。これは、人類の言語進化の秘密に迫る、大きな一歩かもしれません。 人間の言語の起源は、依然として神秘のベールに包まれています。複雑な会話が本当にできるのは、私たちだけなのでしょうか?ネアンデルタール人のような近縁種は、喉や耳に言語を話したり聞いたりすることを可能にする解剖学的特徴を持っていた可能性があり、話す能力に関連する遺伝子の変異も私たちと共有しています。しかし、言語の生成と理解に不可欠な脳領域の拡大が見られるのは、現生人類だけです。そして今、ロックフェラー大学の研究者たちが、話し言葉の出現を形作る上で役立った可能性のある、ヒトにのみ見られるタンパク質バリアントという、興味深い遺伝的証拠を発見しました。 2025年2月18日に『Nature Communications』誌で発表された研究で、ロックフェラー大学の研究者であるロバート・B・ダーネル医学博士・博士(Robert B. Darnell, MD PhD)の研究室チームは、ある発見をしました。神経発達に不可欠な脳内のRNA結合タンパク質として知られるNOVA1の、ヒトにしかないバリアントをマウスに導入したところ、マウスが互いに呼び合う際の鳴き声が変化したのです。このオープンアクセスの論文は、「A Humanized NOVA1 Spli

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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