老化の原因「ゾンビ細胞」には種類があった!良い細胞と悪い細胞を見分ける新発見

老化の原因「ゾンビ細胞」には種類があった!良い細胞と悪い細胞を見分ける新発見

お肌の老化やさまざまな病気の原因とされながらも、傷の治りを助けることもある不思議な細胞、「ゾンビ細胞」。この一見矛盾した振る舞いの謎を解く鍵が、最新の研究によって見つかりました。実は「ゾンビ細胞」は一種類ではなく、それぞれ異なる個性を持つサブタイプが存在したのです。もしかしたら、体に良いゾンビ細胞だけを残し、悪さをするものだけを狙い撃ちできる未来が、すぐそこまで来ているのかもしれません。体内で役目を終えても完全には死なずに留まる老化皮膚細胞は、しばしば「ゾンビ細胞」と呼ばれます。これらの細胞は、炎症を引き起こして病気を促進する一方で、免疫系による創傷治癒を助けるという、一見矛盾した存在として知られてきました。 しかし、新しい研究成果がその理由を説明してくれるかもしれません。実は、すべての老化皮膚細胞が同じではなかったのです。ジョンズ・ホプキンス大学の研究者たちは、それぞれ異なる形状、バイオマーカー、機能を持つ3種類の老化皮膚細胞のサブタイプを特定しました。この進歩により、科学者たちは有益な細胞はそのままに、有害なタイプだけを標的にして除去する能力を手にすることができるかもしれません。この研究成果は、2025年4月25日付の科学誌Science Advancesに掲載されました。オープンアクセスの論文タイトルは「Single-Cell Morphology Encodes Functional Subtypes of Senescence in Aging Human Dermal Fibroblasts(単一細胞の形態が老化ヒト皮膚線維芽細胞における機能的サブタイプをコードする)」です。 「私たちは、老化皮膚細胞が老化免疫細胞や老化筋細胞とは異なることを知っていました。しかし、同じ種類の細胞内では、老化細胞はすべて同じものだと考えられがちでした。例えば、皮膚細胞は老

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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