脳卒中後の幹細胞治療:1カ月後でも脳活動を回復する新療法を発見

サイエンス出版部 発行書籍
脳卒中から1カ月後でも効果的:修飾ヒト幹細胞が脳活動を改善する新療法 米国では40秒ごとに1人が脳卒中を発症しています。脳卒中の中で最も一般的な虚血性脳卒中では、完全回復するのはわずか5%で、多くの患者が長期的な麻痺や慢性痛、てんかんなどの後遺症に苦しみます。しかし、グラッドストーン研究所(Gladstone Institutes)と再生医療企業SanBioが開発した幹細胞治療が、脳卒中から1カ月後でも正常な脳活動パターンを回復させる可能性があることが明らかになりました。従来の治療は発症直後に行う必要がありましたが、この細胞療法はラットで1カ月後に投与しても効果を示しました。 画期的な治療の可能性 「脳卒中発症から数週間や数カ月後に投与できる治療法はこれまで存在しませんでした。この成果は非常にエキサイティングです」と語るのは、今回の研究を主導したグラッドストーン研究所のジーン・パズ博士(Jeanne Paz, PhD)。研究結果は2025年1月11日付けの「Molecular Therapy」に発表され、論文タイトルは「Modified Human Mesenchymal Stromal/Stem Cells Restore Cortical Excitability After Focal Ischemic Stroke in Rats(修飾ヒト間葉系幹細胞がラットの局所虚血性脳卒中後の皮質興奮性を回復させる)」です。 虚血性脳卒中と脳過興奮性 虚血性脳卒中は、血栓や血管の狭窄によって脳への血流が遮断され、脳細胞が酸素と栄養不足で損傷する病態です。この過程で一部の脳細胞は死滅し、残存する細胞は異常な過活動(過興奮性)を示します。過興奮性は運動障害やてんかんに関連しており、効果的な治療法はこれまで開発されていませんでした。 幹細胞治療の詳細とその
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