エピジェネティック治療で損傷後の脊髄再生が改善されることをマウスを用いた研究で発見。遺伝子活性化により軸索伸長、再生シグナル、シナプス可塑性が増加。
![エピジェネティック治療で損傷後の脊髄再生が改善されることをマウスを用いた研究で発見。遺伝子活性化により軸索伸長、再生シグナル、シナプス可塑性が増加。](/images/bioquicknews/221019.jpg)
現在、脊髄損傷には有効な治療法がなく、物理的なリハビリテーションによってある程度の運動能力を取り戻すことができるが、重症の場合、損傷後に脊髄神経細胞が自然に再生されないため、その成果は極めて限られたものとなっている。しかし、英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのシモーネ・ディ・ジョバンニ博士率いる研究チームは、エピジェネティック活性化剤を毎週投与すると、重傷から12週間後のマウスに脊髄の感覚・運動ニューロンの再生を支援できることを示している。
2022年9月20日にオープンアクセス誌PLoS Biologyに掲載されたこの論文は「重度の障害を伴う慢性実験的脊髄損傷において、CBP/p300活性化が軸索成長、萌芽、シナプス可塑性を促進する。(CBP/p300 Activotes Promotes Axon Growth, Sprouting, and Synaptic Plasticity In Chronic Experimental Spinal Cord Injury with Severe Disability)」と題されている。
ヒトiPS細胞由来心筋シートの問題点を克服・CellArray-Heart 35mm ディッシュ
同じカテゴリーの記事
Life Science News from Around the Globe
Edited by Michael D. O'Neill
バイオクイックニュースは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中のバイオニュース(生命科学・医学研究の動向)をタイムリーにお届けします。バイオクイックニュースは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill