哺乳類の幹細胞は、植物や昆虫と同じ方法で、RNAウイルスから身を守ることができることを発見
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フランシス・クリック研究所(英国)の研究者らは、これまで哺乳類の進化とともに消滅したと考えられていた、SARS-CoV-2やジカウイルスなどのRNAウイルスから哺乳類の幹細胞を守るための重要なメカニズムを発見した。このメカニズムを利用して、新しい抗ウイルス治療法を開発できる可能性があるという。 ウイルスは、宿主に感染すると、細胞内に侵入して複製を行う。哺乳類のほとんどの細胞では、インターフェロンと呼ばれるタンパク質が第一の防御策となる。しかし、幹細胞には、インターフェロンの反応を引き起こす能力がないため、幹細胞がどのようにして自分自身を守るかについては不明な点があった。サイエンス誌の2021年7月9日号に掲載された今回の研究では、マウスの幹細胞の遺伝物質を分析し、その中に、ウイルスのRNAを切断してRNAウイルスの複製を阻止する抗ウイルスダイサー(antiviral Dicer:aviDicer)と呼ばれるタンパク質を構築するための命令が含まれていることを発見した。このような防御方法はRNA干渉と呼ばれ、植物や無脊椎動物の細胞もこの方法を用いている。 この論文は、「ダイサーのアイソフォームが哺乳類の幹細胞を複数のRNAウイルスから守る(An Isoform of Dicer Protects Mammalian Stem Cells Against Multiple RNA Viruses)」と題されている。 フランシス・クリック研究所の免疫生物学研究室のグループリーダーであるCaetano Reis e Sousa博士は、次のように述べている。「幹細胞がどのようにしてRNAウイルスから身を守っているのかを知ることは、非常に興味深いことだ。この防御方法は、植物や無脊椎動物も使用していることから、哺乳類の歴史をはるかにさかのぼり、進化の木が途切れた頃までさかのぼることがで
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