腫瘍細胞の体内浸潤を防ぐフローセンシングプロテイン(TRPM7)を発見
サイエンス出版部 発行書籍
腫瘍細胞が血流に乗って体の他の部分に広がるのを防ぐのに役立つと思われる特殊なタンパク質が発見された。ジョンズ・ホプキンス大学の化学・生体分子工学博士候補で、アルバータ大学およびポンペウ・ファブラ大学(スペイン)の同僚と共同で行った本研究論文の筆頭著者であるKaustav Bera 氏は、「我々は、このTRPM7(transient receptor potential cation channel subfamily M member 7)というタンパク質が、循環系を流れる流体の圧力を感知して、細胞が血管系を通って広がるのを止めることを発見した。」「転移した腫瘍細胞は、このセンサータンパク質のレベルが著しく低下していることがわかった。そのため、流体の流れに背を向けるのではなく、効率的に循環に入り込むことができるのだ」と述べている。 この研究成果は、Science Advances誌2021年7月9日号に掲載され、転移の中でもほとんど理解されていない「体内浸潤」と呼ばれる部分に光を当てている。 体内浸潤とは、原発巣から分離した癌細胞が体内の他の部位に移動してコロニーを作るために循環系に入ることだ。このオープンアクセス論文は、「流体せん断応力センサーTRPM7が腫瘍細胞の侵入を制御する(The Fluid Shear Stress Sensor TRPM7 Regulates Tumor Cell Intravasation)」と題されている。さらに、TRPM7の発現を人為的に増加させることで、腫瘍細胞の浸潤、ひいては転移を未然に防ぐことができる可能性も示されている。 TRPM7は、細胞内のカルシウムを制御していることが古くから知られていたが、今回、細胞の移動におけるTRPM7の役割について新たな知見が得られたことは、研究者らにとって非常に興味深いことだ。「このプロセスは
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