テロメラーゼの新たな役割が明らかに。テロメラーゼは正常細胞の細胞死の直前に一過性誘導され、より緩やかな細胞死をもたらす。

2019
10月 1
(火)
11:00
タンパク質/糖鎖研究のカテゴリー

テロメラーゼの新たな役割が明らかに。テロメラーゼは正常細胞の細胞死の直前に一過性誘導され、より緩やかな細胞死をもたらす。

メリーランド大学(UMD)と国立衛生研究所の新しい研究により、酵素テロメラーゼの新しい役割が明らかになった。 これまで正常組織におけるテロメラーゼの唯一の既知の役割は、胚細胞、精子細胞、成体幹細胞、免疫細胞など、定期的に分裂する特定の細胞を保護することとされていた。 科学者は、無制限の細胞分裂を促進する癌性腫瘍を除き、他のすべての細胞ではテロメラーゼがオフになっていると考えていた。
新しい研究では、老化プロセスの重要な時点で、テロメラーゼが正常な成体細胞で再活性化することが分かった。 細胞死の直前、テロメラーゼのバーストは老化ストレスから細胞を緩衝してプロセスを遅くし、癌につながる可能性のあるDNA損傷を減らす。 この研究は、2019年9月2日に全米科学アカデミーの論文集に掲載された。このオープンアクセスの論文は、「テロメラーゼ発現の一時的な誘導が老化を仲介し、初代線維芽細胞の腫瘍形成を減少させる(Transient Induction of Telomerase Expression Mediates Senescence and Reduces Tumorigenesis in Primary Fibroblasts.)」と題されている。

「この研究は、正常細胞におけるテロメラーゼ機能の現在の理解を再構築するものだ。」と、この研究の主著者でありUMDの細胞生物学および分子遺伝学の准教授であるKan Cao博士は述べた。 「我々の研究は、腫瘍形成の促進を超えて成人細胞にテロメラーゼの役割があることを初めて示した。細胞のライフサイクルの重要なポイントでのテロメラーゼの活性化の調節は重要な機能を果たしていると言える。」
テロメラーゼは、染色体を損傷から保護する細胞の染色体の末端にある特殊なDNAタンパク質構造であるテロメア(画像の明るく表示された部分)の短縮を防いでいる。 テロメラーゼは、胚発生および幹細胞分化の際に、細胞が大量に分裂する際に重要な役割を果たす。 正常な成体細胞では、テロメラーゼはオフになり、テロメアは細胞分裂ごとに臨界長に達するまで短くなる。 臨界テロメア長では、細胞は分裂を停止し、死ぬか、悪性腫瘍を引き起こす可能性のあるDNA損傷を起こす。
この新しい研究の前までは、科学者たちは、ほとんどの成体細胞でのテロメラーゼの発現は、癌性腫瘍で見られるような無制限の細胞分裂につながると考えていた。

 

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