ガレクチン-3として知られているタンパク質によって、心不全のリスクが高い人を識別することが可能であることが、国立衛生研究所に所属する国立心肺血液研究所(NHLBI)の研究で判明した。本研究は、1948年に開始し、心臓病の危険因子についての研究で中心的な役割を担うNHLBIのフラミンガム心臓研究基金のグラントによって実施されたものである。本研究は2012年8月29日付けのJournal of the American College of Cardiology誌にオンライン掲載され、さらに2012年10月2日付けの同誌にも出版される。

 

心不全とは、身体のニーズを満たすために十分な血液で心臓を満たせない、または十分な血液をポンプすることが不可能な状態を言う。最近ではガレクチン-3が心臓線維症(心筋が瘢痕組織に置き換えられてしまう状態)と関連付けられており、心臓線維症は心不全の発症において重要な役割を果たしている。


心不全は死亡または生涯における障害のリスクを伴うが、心不全が起きる前にはいくつかの兆候が見られる。血中のガレクチン-3のレベルを測定することでリスクの高い個人を特定することが可能になり、心不全およびそれに伴う死を防ぐための治療を提供することも出来る。心不全を起こしやすい個人を早期発見し、心不全発症のずっと前に治療を開始可能にすることで、心不全リスクの高い個人でもより長く、よりアクティブな生活を送ることが出来る。

1996年から1998年の間に、ルーチン検査の一環として、フラミンガム心臓研究の子コホート3,353人を対象として、ガレクチン-3レベルが測定された。測定時の参加者の平均年齢は59歳であった。平均11年間のフォローアップの間に、166人の参加者(5.1%)に最初の心不全が起こった。最高ガレクチン-3レベル(15.4―52.1ng/mL)を持つ参加者の25%のうち、心不全の年率は1000人あたり12人であった。それに比べて最低ガレクチン-3レベル(3.9-12ng/mL)を持つ参加者の心不全の年率は1000人あたり3人であった。参加者の53%は女性であった。スピロノラクトンや、心筋線維症に効くと思われる他の薬は心不全患者の状態を改善することが示されている。今後の研究では、これらの薬が高ガレクチン-3レベルをもつ健康な患者にも効くのかどうかを調べる必要がある。

■原著へのリンクは英語版をご覧ください:Protein Linked to Increased Risk of Heart Failure/Death in Older Adults

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