あなたの心臓は老けている?MRIでわかる「心臓の真の年齢」、新技術が“ゲームチェンジャー”に

「あなたの心臓年齢は、実年齢より10歳も上です」——もし健康診断でそう告げられたら、どうしますか?SFのような話に聞こえるかもしれませんが、英国の研究者たちが、MRIを使って心臓の「真の年齢」を明らかにする画期的な技術を開発しました。この技術は、自覚症状が出る前に心臓の老化を発見し、心疾患の予防に革命をもたらすかもしれません。英国のイースト・アングリア大学の科学者たちは、MRIを用いて心臓の「真の年齢」を明らかにする、この革新的な新手法を開発しました。

2025年5月2日に発表された研究では、MRIスキャンがいかにして心臓の機能年齢を明らかにし、不健康なライフスタイルがその数値をいかに劇的に加速させるかを示しています。この発見が心疾患の診断方法を変革し、問題が致命的になる前に発見することで何百万人もの命を救う一助となることが期待されています。研究チームは、この最先端技術を「ゲームチェンジャー」と呼んでいます。この新しい研究は、2025年5月2日付の「European Heart Journal Open」誌に掲載されました。このオープンアクセスの論文タイトルは「Cardiac Magnetic Resonance Imaging Markers of Ageing: A Multicentre, Cross-sectional Cohort Study(老化の心臓磁気共鳴画像マーカー:多施設共同横断コホート研究)」です。

研究を主導したUEAノーリッチ・メディカル・スクールのパンカジ・ガーグ博士(Pankaj Garg, PhD)(ノーフォーク・アンド・ノーリッチ大学病院 循環器専門医)は次のように述べています。「あなたの心臓が、あなた自身よりも『年上』だと知ることを想像してみてください。高血圧、糖尿病、肥満といった持病のある人々にとっては、これが現実なのです。私たちの新しいMRIアプローチは、単に誕生日を数えるのではなく、あなたの心臓がどれだけ元気に機能しているかを測定します。」

 UEAが主導し、研究チームは英国、スペイン、シンガポールの病院と協力しました。研究者たちは、健康な191人と、高血圧、糖尿病、肥満などの持病を持つ366人、合計557人のMRIスキャンを調査しました。

高度な画像技術を用いて、心臓の部屋の大きさや強さなどを測定し、それに基づいて心臓の「機能年齢」を算出する計算式を構築。その正確性を確認するために健康な心臓と比較検証しました。 

ガーグ博士は言います。「MRIスキャンが、あなたの実年齢ではなく、心臓が何歳相当の働きをしているかという『機能年齢』を明らかにできることを発見しました。健康な人々では、心臓年齢は実年齢とほぼ同じでした。しかし、糖尿病、高血圧、肥満、心房細動といった持病を持つ患者さんでは、心臓の機能年齢が著しく高かったのです。例えば、高血圧を持つ50歳の人の心臓は、55歳のように機能している可能性があります。」

 「糖尿病や肥満といった健康問題を抱える人々の心臓は、あるべき速さよりも速く老化しており、時には数十年も進んでいることがあります。ですから、この技術は医師が早期に介入し、心疾患の進行を食い止めるのに役立つ可能性があります。」

「これは、心臓をより長く健康に保つためのゲームチェンジャーです。心疾患は世界の主要な死因の一つです。私たちの新しいMRI手法は、医師にこれまでにない形で心臓の内部を覗き込み、症状が現れる前に問題を早期に発見するための強力なツールを提供します。」

「自分の心臓の真の年齢を知ることで、患者さんは老化プロセスを遅らせるためのアドバイスや治療を受け、心臓発作や脳卒中を予防できる可能性があります。」

「また、より健康的な食事、より多くの運動、あるいは医師の助言に従うといった、人々が自分自身の体をより大切にするための警鐘となる可能性もあります。これは、人々に心疾患と闘うチャンスを与えることなのです」と彼は付け加えました。 

筆頭著者であり、UEAノーリッチ・メディカル・スクールの博士課程学生であるホサム・アサディ氏(Hosam Assadi)は、「このMRI技術がどのように人々の人生を変えることができるかを見て、わくわくしています。私たちは老化が早すぎる心臓を見つけ出す方法を発見しました。それは、問題を修正できるほど早期に発見できることを意味するかもしれません。将来、これが心臓の標準的な健康診断になることを願っています」と述べました。

この研究はUEAが主導し、ノーフォーク・アンド・ノーリッチ大学病院NHS財団トラスト、シンガポール国立心臓研究所、シェフィールド大学、サン・フアン・デ・ディオス病院(スペイン)、バーツ・ヘルスNHSトラスト、ライデン大学医療センター(オランダ)、リーズ大学、シンガポール国立大学と共同で実施されました。

この研究はウェルカム財団の助成を受けました。

[News release] [European Heart Journal Open article]

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