アルツハイマー病の症状が現れる何年も前に "毒性"タンパク質を検出する新しい血液検査法が開発された。
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現在では、アルツハイマー病の診断を受けるのは、物忘れなどの症状が現れてからというのが一般的だ。その時点では、最良の治療法は、症状の進行を遅らせるだけだ。しかし、アルツハイマー病の種は、診断が可能になるような認知機能障害が現れるずっと前に、何年も、あるいは何十年も前に播かれていることが研究で明らかにされている。この種はアミロイドβタンパク質で、これが誤って折り畳まれて塊となり、オリゴマーと呼ばれる小さな凝集体を形成する。このアミロイドβの「毒性」オリゴマーが、現在も解明されていないプロセスを経て、やがてアルツハイマー病に発展すると考えられている。 ワシントン大学の研究者が率いるチームは、血液サンプル中のアミロイドβオリゴマーレベルを測定できるラボ検査を開発した。研究チームが2022年12月5日にPNAS誌で発表した論文では、頭文字をとってSOBAと呼ばれるこの検査は、アルツハイマー病患者の血液からはオリゴマーを検出できたが、血液サンプルを採取した時点で認知障害の兆候のなかった対照群のほとんどのメンバーからは検出できなかったという。 このPNASの論文は「SOBA アミロイド誘発性毒性オリゴマー検出のための可溶性オリゴマー結合アッセイの開発とテスト。(SOBA: Development and Testing of a Soluble Oligomer Binding Assay for Detection of Amyloidogenic Toxic Oligomers.)」と題されている。 SOBAは対照群の11人の血液中でオリゴマーを検出したが、このうち10人は、数年後に軽度認知障害またはアルツハイマー病と思われる脳病理を発症していた。つまり、これらの10人は、症状が現れる前にSOBAによって毒性オリゴマーが検出されていたのである。 「臨床医や研究者が待ち望ん
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