血液中の細胞外小胞を音波を利用して分離・選別し、多様な診断や治療に役立てる可能性を発見。
サイエンス出版部 発行書籍
デューク大学のエンジニア達は、音波を利用して血液中に見られる最も小さな粒子を数分で分離・選別する装置を開発した。この技術は「バーチャル・ピラー」と呼ばれる概念に基づいており、科学研究と医療応用の両方に恩恵をもたらす可能性がある。小細胞外小胞(small extracellular vesicles;sEV)と呼ばれる小さな生体ナノ粒子は、体内のあらゆる種類の細胞から放出され、細胞間のコミュニケーションや病気の感染に大きな役割を果たすと考えられている。波柱励起共振による音響ナノスケール分離(Acoustic Nanoscale Separation via Wave-Pillar Excitation Resonance;略称ANSWER)と名付けられたこの新技術は、10分以内に生体流体からこれらのナノ粒子を引き抜くだけでなく、生物学的役割が異なると考えられるサイズカテゴリーに分類することも可能だという。 この成果は、2022年11月23日、Science Advancesのオンライン版に掲載された。オープンアクセス論文は「細胞外ベシクルの生物物理学的分画への解決策。波柱励起共鳴による音響ナノスケール分離 (ANSWER) [A Solution to the Biophysical Fractionation of Extracellular Vesicles: Acoustic Nanoscale Separation via Wave-Pillar Excitation Resonance (ANSWER) ]」と題されている。 デューク大学ウィリアム・ベバン特別教授(機械工学・材料科学)のトニー・ジュン・ホァン博士は、「これらのナノ粒子は医療診断や治療に大きな可能性を秘めているが、現在の分離・選別技術では数時間から数日かかり、一貫性がなく、生産量や純度が低く、
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