ミリ波イメージングを活用し、皮膚癌を数秒で発見できる低価格携帯端末を開発
サイエンス出版部 発行書籍
皮膚生検は、医師が検査用に小さな組織の塊を削り取るため、患者には痛みを伴う傷が残り、治るまで何週間も掛かることもあり楽ではない。しかし、癌の早期治療が可能になるなら、その価値は大きい。しかし、近年、積極的な診断の取り組みにより、生検の回数は癌の発見数の約4倍に増加しており、現在では皮膚癌が発見されるたびに約30の良性病変が生検されている。スティーブンス工科大学の研究者らは、現在、不必要な生検の割合を半分に減らし、皮膚科医やその他の現場の医師が実験室レベルの癌診断に簡単にアクセスできるようにする、低価格の携帯型機器を開発している。 「我々は生検をなくそうとしているわけではない。しかし、我々は医師に追加のツールを与え、彼らがより良い判断を下すのに役立ちたいと考えている。この装置は、空港のセキュリティスキャナで使われているのと同じ技術であるミリ波イメージングを使って、患者の皮膚をスキャンする。」と、スティーブンス大学の生体電磁気研究所所長で准教授のネガー・タバソリアン博士は述べている。タバソリアン博士とそのチームは、この装置が癌であるかどうかを検出するために、すでに生検された皮膚で作業する必要があった。 健康な組織と癌組織ではミリ波帯の反射率が異なるため、皮膚から反射されるミリ波帯のコントラストを観察することで癌を発見することが理論的には可能である。研究チームは、このアプローチを臨床応用するために、複数の異なるアンテナから取得した信号を1つの超高帯域幅画像に融合するアルゴリズムを用い、ノイズを低減し、ごく小さなホクロやシミの高解像度画像も迅速に取得することに成功した。アミール・ミルベイク博士(2018年)が率いる研究チームは、この技術の卓上型バージョンを使用して、実際の臨床診察で71人の患者を診察し、その方法がわずか数秒で良性病変と悪性病変を正確に区別できることを発見した。タ
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