英トップラグビー選手協力のもと唾液マイクロRNAを用いた非侵襲脳震盪診断法が開発された
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バーミンガム大学が主導する英国トップクラスのラグビー選手に関する研究は、唾液を用いて脳震盪を正確に診断する方法を特定し、スポーツやその他の環境で使用するための脳震盪の最初の非侵襲的臨床検査の道を開くものだ。この研究は、ラグビーフットボールユニオン、プレミアシップラグビー、Marker Diagnostics社と共同で実施された。外傷性脳損傷後に唾液中の特定の分子(マイクロRNA)の濃度が急速に変化することを特定した以前の研究に続き、研究者らはこれらの「バイオマーカー」がスポーツ関連の脳震盪の診断テストとして使用できるかどうかを確認するため精鋭ラグビーチームでの3年間の研究に着手した。バーミンガム大学の研究室でDNAシーケンス技術を使用し、英国ラグビーの上位2リーグであるプレミアシップとチャンピオンシップで競う1,028人のプロの男子ラグビー選手からの唾液サンプルでこれらのバイオマーカーをテストした。
2021年3月にBritish Journal of Sports Medicineにオンラインで公開されたSCRUM(Study of Concussion in Rugby Union through MicroRNAs)の結果は、特定の唾液バイオマーカーを使用して、プレーヤーが脳震盪したかどうかを示すことができることを初めて示した。
さらに、研究によると、これらのバイオマーカーは、外傷の直後から数時間、さらには数日後まで、傷害に対する身体の反応についてさらに洞察を提供することがわかっている。 このオープンアクセス論文は、「男性アスリートの唾液における脳震盪のユニークな診断シグネチャー:マイクロRNAを介したラグビーユニオンにおける脳震盪の研究 (Unique Diagnostic Signatures of Concussion in the Saliva of Male Athletes: The Study of Concussion In Rugby Union Through MicroRNAs (SCRUM))」と題されている。
科学的な進歩は、新しい実験室ベースの非侵襲的な唾液脳震盪テストを提供する。これは、スポーツだけでなく、より広い範囲で脳震盪を見逃すリスクを減らすために広範囲に使用でき、軍事や医療などで利用される可能性がある。
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