悪性黒色腫患者のエクソソームに含まれる癌幹細胞バイオマーカーにより診断の早期化と予後改善の可能性

2021
4月 14
(水)
12:00
先端診断のバイオニュース

悪性黒色腫患者のエクソソームに含まれる癌幹細胞バイオマーカーにより診断の早期化と予後改善の可能性

悪性黒色腫患者の癌幹細胞(cancer stem cells :CSC)から放出されたエクソソームは、分化した悪性黒色腫細胞からのエクソソームとは異なる分子組成を持つことが新しい研究で明らかになった。これらの異なる分子は、血液中のエクソソームでも検出可能であり、悪性黒色腫患者では健常者と比べて違いがあることがわかった。このことから、これらの分子は、悪性黒色腫の診断や予後を判定するためのバイオマーカーとして適していると考えられるという。本研究成果は、Molecular Oncology誌のオンライン版に2020年10月14日に掲載された。このオープンアクセスの論文は「悪性黒色腫患者の癌幹細胞由来のエクソソームのメタボロームプロファイル(Metabolomic Profile of Cancer Stem Cell-Derived Exosomes from Patients with Malignant Melanoma)」と題されている。

悪性黒色腫は、最も悪性度の高い皮膚癌の一つであり、近年、世界中でその罹患率が増加している。悪性黒色腫は、最初の症状が現れるのが遅いこと、効果的な治療法がないこと、転移能力が高いこと、そしてこの癌を発見するのが難しいことなどが、この疾患の生命を脅かす性質と重症度を高める要因となっている。悪性黒色腫の診断には、悪性黒色腫の初期段階を正確に知らせ、発見された患者がどのように進展するかを予測する指標(バイオマーカー)がないため、残念ながら問題が続いている。この種の癌を深刻な病気にしているのは、癌幹細胞(CSC)と呼ばれる、腫瘍内に存在し、幹細胞の典型的な特徴を持つ細胞のサブ集団が一因である可能性がある。このCSCは、腫瘍の発生、維持、進行、転移、再発に関与しており、たとえ腫瘍が消滅した後であっても同様である。

今回、スペインのグラナダ大学(UGR)人体解剖学・発生学部門のフアン・アントニオ・マルシャル・コラレス教授(写真)率いる科学者チームは、グラナダのバイオヘルス研究所(ibs.GRANADA)とMNatサイエンティフィック・ユニット・エクセレンスに属する「Doctores Galera y Requena」癌幹細胞研究講座のディレクターとして、このCSCを研究した。 グラナダのバイオヘルス研究所(ibs.GRANADA)とMNat Scientific Unit of Excellence(Modeling Nature)に所属する「Doctores Galera y Requena」の癌幹細胞研究講座のディレクターである同氏は、CSC、特にこれらの細胞の「メッセンジャー」として機能するマイクロベシクルについて研究している。CSCは、「エクソソーム」と呼ばれるこれらの小胞を産生し、他の細胞や組織に送り込んで、特定の生体分子の伝達を介してコミュニケーションを図り、それによって転移の発生を促進する。

 

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