エクソソームによる細胞間シグナル伝達の新しい仕組みを解明: 細胞がmicroRNAを選択し他の細胞の代謝を遠隔制御する
サイエンス出版部 発行書籍
ほとんどの身体機能の制御は、細胞同士の対話能力にかかっている。細胞間のコミュニケーションには、神経系とホルモンの分泌という2つのルートがあることは以前から知られていた。エクソソームとは、細胞が分泌したタンパク質やRNA分子を含む小胞のことで、代謝を調節するために他の細胞に取り込まれることができる。現在、多くの研究者が、マイクロRNAを運ぶエクソソームに注目している。マイクロRNAは非常に短いRNAで、細胞のさまざまなタンパク質を作り、細胞の機能を制御する他の長いRNAの能力を制御することができる。 このように、マイクロRNAは健康や病気における細胞のふるまいの多くの側面に影響を与える。ジョスリン糖尿病センターの上級研究員でハーバード大学医学部教授のC. Ronald Kahn医学博士は「このたび、細胞がエクソソーム用のマイクロRNAの集合体を選択する方法を発見した。」「なぜ細胞がある種のマイクロRNAを分泌し、他のマイクロRNAを保持するのかという暗号を解読した。」と述べている。このNature論文は、2021年12月22日にオンライン公開され、「小型細胞外小胞の放出と細胞内保持を制御するMicroRNAの塩基配列(MicroRNA Sequence Codes for Small Extracellular Vesicle Release and Cellular Retention)」と題されている。 Kahn博士と彼の同僚達は、代謝に関わる5種類の細胞(褐色脂肪、白色脂肪、骨格筋、肝臓、血管に並ぶ「内皮」細胞)の組織培養をセットアップして、細胞がどのようにエクソソームに入れるマイクロRNAを決定するか研究を開始した。 その結果、これらの異なる種類の細胞がエクソソーム中に分泌するマイクロRNAの集合体は、まったく異なることが判明した。「いくつかのマイクロRN
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