新開発「Lab on a Chip」エクソソーム解析でがん早期発見に一大変革も

新開発「Lab on a Chip」エクソソーム解析でがん早期発見に一大変革も

サイエンス出版部 発行書籍

科学者は、「 エクソソーム 」と呼ばれる小胞に含まれる新しいバイオマーカーを使ってがんその他様々な疾患を早期発見する方法を見つけるために骨折ってきた。事実、「Popular Science」誌は、今年 (2014年) に世界を画することになる20の科学的業績の一つとしてエクソソーム・ベースのがん診断を挙げている。エクソソームは、より侵襲性の低いがん早期発見法につながり、がん患者の生存率を一気に引き上げる可能性がある。University of Kansasの化学准教授、Dr. Yong Zengは、「エクソソームは微小な膜に包まれた小胞、嚢で、がん細胞を含むほとんどの種類の細胞から放出される。 1980年代中期に初めて存在を明らかにされたエクソソームは、当初『細胞のごみ』あるいは不要になった細胞物質を含んだごみ袋と考えられていた。しかし、この10年の間に科学者達も、エクソソームが核酸やタンパク質の形で分子メッセージをカプセル化して運搬し、エクソソームを放出した細胞の近辺の細胞にも、あるいは遠く離れた組織の細胞にも影響を与える重要な役割を担っていることに気づいた。言い替えれば、エクソソームは細胞同士がコミュニケートする重要な経路になっているのである」と述べている。平均的な紙の厚みは10万ナノメートル程度だが、エクソソームの大きさはわずか30ナノメートルから150ナノメートル程度である。研究者は、「そのため、エクソソームを分離、試験することは難しく、普通は何段階にもわたる超遠心分離作業が必要であり、ラボでも長時間をかけて根気のいる効率の悪い処理をしなければならない」と述べている。 Dr. Zengは、「エクソソームを効率よく分離し、微妙な分子プロファイリングをするのに適した技術はそんなに多くない。まず、既存のエクソソーム分離プロトコールは時間がかかり、標準化も難しい。

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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