エクソソームで教育されたマクロファージは靭帯の損傷を差次的に改善できる
サイエンス出版部 発行書籍
毎年、靭帯の損傷により、何千人ものアスリートや一般市民が厳しい状況に置かれている。 回復には時間がかかり、痛みを伴う。また、瘢痕が形成されたために完全に機能が戻らない場合もある。これは、靭帯の損傷がさらに損傷しやすくする要因だ。Stem Cells(2020年11月3日)で発表されたこの新しい エクソソーム ベースの研究は、将来的には歓迎すべき解決策につながる可能性がある。 このオープンアクセスの論文は「エクソソームで教育されたマクロファージとエクソソームが靭帯の治癒を差別的に改善する(Exosome‐Educated Macrophages and Exosomes Differentially Improve Ligament Healing.)」と題されている。この研究は、特定のエクソソームとエクソソームで教育されたマクロファージが、それぞれ靭帯の治癒を促進し、瘢痕を減らす方法を示している。 エクソソームは、これまでに研究されたすべての細胞によって放出され、タンパク質や遺伝情報を細胞間で往復させることができる小胞だ。 マクロファージは、通常、微生物を殺して死んだ細胞を取り除く白血球の一種だが、他の免疫系細胞の作用を刺激することもできる。「教育されたマクロファージ」(EEMs:Educated macrophages)は、情報伝達エクソソーム(この場合は間葉系間質細胞MSC由来のエクソソーム)との相互作用によって「教育」されたマクロファージを指す。 昨年、今回の研究チームのウィスコンシン大学マディソン校(UW-マディソン)の研究者らは、別の研究を発表している(Stem Cells のオープンアクセス論文として公開済)。この論文では、アキレス腱をEEMsで治療すると、炎症が軽減され、腱の強度が向上することを示している。 EEMsは、CD14 +マクロファージ
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