古代遺跡のリアルタイムPCR解析によって兵士と民間人に見られる感染症の起源を調査
サイエンス出版部 発行書籍
1915年にイギリス海外派遣軍で最初に観測された塹壕熱は、第一次世界大戦中に推定50万人の兵士を病気にした。それ以来、この病気は戦場の代名詞となっている。 しかし今日、国際的な研究チームによる新研究で、この病気に関する証拠が明らかになった。PLOS ONE(2020年11月4日)で公開されたこの研究は、第一次世界大戦より数千年も前の民間人に起きた塹壕熱の、DNAエビデンスの発見について概説している。この研究チームは1世紀から19世紀の間に生きていた合計 145人の骨片と歯を分析した。 それらの約20%には、塹壕熱の原因となる細菌であるBartonella quintana の痕跡が含まれていた。 サウスフロリダ大学(USF)歴史学部の准教授であり、文化と環境の高度な研究のための研究所のメンバーであるDavide Tanasi 博士は、シチリア島のシラキュースにあるローマの墓地からこのプロジェクトの遺骨を発掘した。 USFのデジタル探査研究所の所長でもあるTanasi博士は、3世紀から4世紀にかけて、そこに住むキリスト教徒の人々の食生活と健康をよりよく理解するために、最初この職場で働き始めた。 Tanasi 博士は、フランスの疫学者との共同研究を通じ、リアルタイムPCRを使用して、遺体内の Bartonella quintana DNAを検出した。 「一度発症すると、塹壕熱のように、あなたのDNA内に痕跡を残し、あなたのDNAをさらなる情報と統合することができる病気がある」とTanasi博士は述べた。「これは、人が死んだ後でも、2000年前までさかのぼって感染した細菌の痕跡を見つけることができることを意味する。」 Tanasi博士は、この発見が塹壕熱の複雑な歴史に光を当て、3世紀と4世紀のこの地域のキリスト教徒の生活についての歴史的な疑問に答えるものだと言う。「考古学は過
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