糖タンパク質3量体構造の解明により、ラッサウイルスの新たなワクチン開発への道が開かれる
サイエンス出版部 発行書籍
西アフリカでは毎年数十万人がラッサウイルスに感染し、その結果、ラッサ熱に罹患し、重篤な合併症や長期的な健康影響、さらには死亡する可能性があります。現時点では、この病気に対する確立された治療法やワクチンは存在しません。しかしながら、カリフォルニア州ラホヤに所在するスクリプス研究所の科学者たちが、重要なタンパク質複合体の構造解析に成功しました。このタンパク質複合体は、ラッサウイルスがヒト細胞に感染する際に重要な役割を果たしています。この研究成果は、2023年5月18日にオンライン版のCell Reportsに掲載されました。さらに、研究者たちは、このタンパク質複合体に結合することでウイルスを中和する新しい抗体も同定しました。これにより、ラッサウイルスに対する効果的なワクチンや治療法の開発への道が開かれることになります。 スクリプス研究所の統合構造・計算生物学の教授であり、この研究の上級著者であるAndrew Ward博士は、「この研究は、ウイルスの脆弱性に関連する新たな抗体の単離能力において重要な進展です。これにより、多くのラッサウイルスの系統から人々を広範に保護するための合理的なワクチン設計の基礎が確立されます」と述べています。 さらに、Ward博士は、「論文に記載されたこれらの新しい薬剤は既に効果的に利用され、刺激的な新たな結果をもたらしています」と付け加えました。この研究成果は、ラッサウイルスに対する防御策の向上に向けた希望をもたらしています。 ラッサウイルスを含む多くのウイルスは、遺伝子の微細な違いにより、様々な系統が存在します。この多様性のため、すべてのラッサウイルスのバリエーションを認識する抗体の特定は困難です。さらに、ラッサウイルスを取り巻くトゲのようなタンパク質に関しても、抗体の標的となるラッサ糖タンパク質の分離に苦労しています。感染性ウイルスでは、こ
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