60都市の微生物を調査した結果、それぞれの都市に特徴的な微生物のフィンガープリントがあることが判明

60都市の微生物を調査した結果、それぞれの都市に特徴的な微生物のフィンガープリントがあることが判明

サイエンス出版部 発行書籍

ある国際コンソーシアムによって、複数の都市の大気と表面の両方を対象とした、史上最大規模の都市型マイクロバイオームのメタゲノム研究が発表された。この国際プロジェクトでは、世界60都市の公共交通機関や病院から収集したサンプルの配列を決定し、解析を行った。   このプロジェクトでは、数千種類のウイルスやバクテリア、2種類の古細菌など、リファレンスデータベースでは見つかっていない、同定されたすべての微生物種の包括的な解析とアノテーションが行われている。この研究は、2021年5月26日にCell誌のオンライン版に掲載された。このオープンアクセス論文は、「都市のマイクロバイオームと抗菌剤耐性のグローバルメタゲノムマップ (A Global Metagenomic Map of Urban Microbiomes and Antimicrobial Resistance)」と題されている。ワイルコーネル大学医学部の准教授で、WorldQuant Initiative for Quantitative Predictionのディレクターを務めるChristopher Mason博士は、「どの都市にも、その都市を特徴づける微生物の"分子エコー"がある。もしあなたが靴をくれたら、あなたが世界のどの都市から来たのかを、約90%の精度で伝えることができる。」と述べた。 今回の研究成果は、6大陸の都市で3年間に渡って採取された4,728個のサンプルに基づいており、地域ごとの抗菌剤耐性マーカーを特徴付けるとともに、都市の微生物生態系を世界規模で体系的にまとめた初のカタログとなっている。今回の解析では、各都市で異なる微生物の特徴に加えて、サンプルを採取した都市部の97%のサンプルで検出された31種のコアセットが明らかになった。研究者らは、4,246種の既知の都市微生物を同定したが、その後のサンプリ

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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