迅速に血液サンプルから循環腫瘍細胞(CTC)を分離する音響マイクロ流体プラットフォーム
サイエンス出版部 発行書籍
国際的な研究者チームが音波を用い、血液サンプルから循環腫瘍細胞を臨床使用に迅速かつ効率的に分離する、穏やかで非接触の方法を開発した。循環腫瘍細胞(CTC)は、血流に漏れ出して流れる腫瘍の一部である。腫瘍の種類、身体的特徴、遺伝的変異など、豊富な情報が含まれている。 これらの細胞を血液サンプルから迅速かつ効率的に採取して増殖させることにより、個々のCTCプロファイリングに基づいた治療戦略のための強力な診断、予後および示唆を提供することができる「液体生検」が可能になる。しかし、CTCは非常に希少であり、捕らえるのが難しい。通常、患者の静脈を通っている数十億の血液細胞当たりほんの少数存在するのみである。また、腫瘍細胞を正常な血液細胞から分離するために設計された多くの技術があるが、いずれも完全ではない。それらは、処理中の細胞を損傷または殺してしまう傾向があり、効率が不十分であり、特定のタイプの癌にのみ作用するか、または多くの状況で使用するのに時間が長すぎる。新研究では、1時間以内に7.5mLバイアルの血液からCTCを少なくとも86%の効率で分離することができる音波を利用したプラットフォームを、デューク大学、MIT、および南洋理工大学(シンガポール)の研究者が実証した。 さらに改良された技術により、安価で使い捨てのチップを使い新たにテストすることが期待されている。この結果は、2018年7月3日にオンラインで the journal Smallに掲載された。 この記事は、「ハイスループット音響分離による循環腫瘍細胞の表現型解析(Circulating Tumor Cell Phenotyping via High‐Throughput Acoustic Separation.)」と題されている。 毎年がんで世界中の何百万人もの人々の命が奪われており、研究者たちはがんの診断、予
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