エクソソームを利用した非侵襲的な臓器拒絶検出法の開発

エクソソームを利用した非侵襲的な臓器拒絶検出法の開発

臓器移植を受けた患者が拒絶反応を検出するために侵襲的な生検を繰り返す必要があることをご存知ですか?しかし、血液検査による拒絶反応の検出が可能になるかもしれません。

臓器移植を受けた患者は、急性細胞性拒絶反応(ACR)を検査するために生涯にわたって繰り返し外科的生検を受ける必要があります。しかし、有望なバイオマーカーの発見により、ACRを検出する血液検査の可能性が浮上しています。ACRは、患者の免疫細胞であるT細胞が移植された臓器を攻撃し始めるときに発生します。しかし、血液サンプル中のT細胞を調べても、臓器拒絶中に顕著な変化を特定することはできませんでした。現在、イェール大学を中心とするチームは、ACR中にT細胞から放出されるエクソソームが大きく変化することを発見しました。エクソソームは、細胞間の通信を可能にする細胞外小胞です。この研究結果は、2024年3月号のAmerican Journal of Transplantationに「Circulating T Cell Specific Extracellular Vesicle Profiles in Cardiac Allograft Acute Cellular Rejection(心臓移植における急性細胞性拒絶反応の循環T細胞特異的細胞外小胞プロファイル)」というタイトルで発表されました。


イェール大学医学部の心臓外科准教授であるプラシャンス・ヴァラバジョスユラ博士(Prashanth Vallabhajosyula, MD, MS)は、「血液サンプルを通じて拒絶反応を確実に検出できる新しいバイオマーカープラットフォームを開発しました」と述べています。「臨床設定でさらに研究を進めることで、このバイオマーカープラットフォームが最終的に外科的生検に取って代わることを期待しています。」

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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